2人の教官と最弱の小隊 growth record 作:トランサミン>ω</
最近は暗殺教室の方ばかり書いていてこちらが疎かになっていました。
申し訳ないです(〃・д・) -д-))ペコリン
いよいよ作者が大好きなレクティの話ですね。
序章に過ぎませんが、これの次の話は完全オリジナルとなりますので我慢したくださいね。
何故アイゼナッハ流魔双剣術を使わなかったっ!!あの時そなたが躊躇わず使用していれば、アリアはあんな目に遭わずにすんだ筈だっ!!
この言葉がレクティの心に深く突き刺さる。
彼女が《ミストガン》にやって来た理由は自分を変えるためであった。
《ミストガン》の闘技場、ソーサラーフィールド内で4人の少女がツーマンセルに分かれて戦っているのを空色の髪をした青年、カズキ・アルカラスと黒髪の青年カナタ・エイジが見ていた。
「ユーリはやっぱりミソラたちとはレベルが段違いだな」
カズキが今見ているのはユーリとレクティが対峙している場面だ。
「なかなかやりますね」
ユーリは特務小隊である自分とほぼ互角に渡り合うレクティに賞賛の言葉をかける。
「え、えーっと…そ、そのぅ…」
「次は魔槍戦技を使わせてもらいます。全力でこないと厳しいですよ?」
「お、お願いしますっ!」
レクティがペコリとお辞儀をするとユーリが突撃態勢を取り、穂先の延長線上にレクティの姿を捉える。
『リコさん、タイミングに合わせて援護をお願いします』
ユーリはリコに援護を要請するが
『断る』
あっさりと断られてしまう。
『何故ですか…?』
『疲れるからに決まっているだろう』
その言葉にユーリはため息をついた後、援護してもらうのを諦め単独で突っ込むことに決めた。
魔槍戦技ー裂翔槍(エアレイドスピア)
魔槍に刻み込まれたルーン文字が蒼穹の輝きを発し、同時に穂先が渦巻く疾風を宿した。
レクティも迎撃するために魔双剣のルーン文字を黄金色に輝かせるが、その光は一瞬で消え失せた。
レクティは魔双剣をX字に構えるが、防ぎきれない。
裂翔槍がレクティを直撃し彼女の華奢な身体が吹き飛ばされる。
「大丈夫ですか!?レクティさん!!」
ユーリは気絶して急降下していくレクティを追いかけていく。
そんな様子を見てカナタとカズキは妙だと感じた。
2人は知っている、レクティがどんな訓練にも一生懸命で手を抜くような正確でないことを。
そして2人はある結論を出した。
「なぁカナタ」
「なんだ?」
「レクティはさ…」
「ああ、俺も思ったよ」
「「あの時の俺(お前)と同じだ」」
実技訓練終了後のEー601小隊室。
カナタが教え子たちに今後の予定を説明している。
「つーことで、明後日からの交流学校については俺がすべて予定を組むから明日はそのために時間を費やす。つまり明日は休みな」
《ミストガン》などの空戦魔導士養成機関では定期的に交流学校があるためカナタは教え子たちが知っているていで話していたが、途中でしまったというような顔になった。
「あたしは去年の今頃丁度解散してた…」
「ふむ、私は孤高の存在であったぞ」
「あのぅ…恥ずかしくて誘われても逃げてました…」
案の定彼女たちは交流学校学校についてよく分かっていないようだ。
「まぁ大丈夫だ!俺がワクワクする経験させてやるよ」
その言葉にミソラの顔が険しくなる。
不審に思ったカナタはミソラの顔を除きこみ
「お前ほんとにミソラか?いつもなら食いついてくると思ったんだが」
「その、あんた…ううん」
「??」
ミソラはゴニョゴニョと口ごもった後
「エ、エイジ教官の行動に意図があることくらい…もう気づいてるわよ」
次の瞬間、カナタの表情が凍った。
小隊室の、後方ではカズキが腹を抱えて笑っている。
その大きい琥珀色の瞳からは笑いすぎて涙が零れていた。
「そ、その呼び方はやめろよ」
ミソラとしては思うことがあってのことなのだろうがカナタにやんわりと断られてしまった。
「で、でも…」
「なら渾名でも考えてくれ、じゃあ今日はここまで。カズキはちょっと来てくれ」
そう言ってカナタはカズキを連れて小隊室から出ていった。
取り残された少女たちの元へ
「これは何なんですか!!カナタ先輩!!カズキ先輩!!」
怒りの表情をしたユーリがやって来たのはその数分後であった。
「話ってなんだ?」
「ああ、レクティの事だ」
「だろうと思った、レクティのことは俺に任せてくれないか?あの時カナタが救い出してくれたように、俺がレクティを自由にして見せるよ」
「じゃあ頼む、俺はリコとユーリの仲を何とかする」
今後の教育について話した後、2人は分かれた。
カズキは寮へと帰る道のりで
「強すぎる力故の恐怖…か」
懐かしそうに過去のことを思い出していた。
次回はカズキの過去、カナタとの出会いを書こうと思います。
感想待っております。