2人の教官と最弱の小隊 growth record   作:トランサミン>ω</

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昨日マラソン大会がありまして本当に嫌でしたよw
つくづく体の衰えを感じますねぇ…
日曜日は受験だし頑張らねば٩( 'ω' )و


敗軍の将?

ミソラたちに周囲を固めさせる中、ユーリは鋼糸入りの拘束テープでレアルを素早く縛り上げる。

そんな様子を見てカナタは言った。

「こいつは俺の大事な教え子だから、お前の好きにさせるわけにはいかねーんだよ」

拘束を終えたユーリがカナタへと問いかける。

その表情は不安に包まれている。

「カナタ先輩、あのチカラは…?」

だがカナタは飄々として、他人事のように答えた。

「さーな。朝起きたら身についてたんだろきっと」

カナタの傷は既に塞がっていた。

陣地の及ばぬチカラが影響しているのは言うまでもない。

「カナタが病気療養中になってるのはあれのせいだよね」

そこにカズキも合流してきた。

「カズキ先輩もですよ!なんなんですかあれは!」

「あれ?なんか最近もう1人の自分みたいなのがいるんだよなー」

「お2人とも…ふざけているんですか?」

「「そんなとねーよ」」

そんな話をしていると

「何が起こったの!説明してちょうだい!」

レイブンネストを率いてガーディアンリーダーであるフロンが現れた。

「「げっ」」

カナタとカズキは顔を見合わせたあと

「あー、ぎっくり腰見てーだ。これは今すぐ休まねーと慢性化しちまうわ。てなわけで俺は帰るわ」

「ガーディアンリーダーに問い詰められるとメンドクサイから俺も逃げるわ。じゃあな」

カナタとカズキはそう言って会場をあとにしていく。

ミソラたちもそれに続いて出ていった。

「ふふっ、やっぱり2人とも変わってないね」

「えっ?クロエ先輩!?」

ユーリの近くには、いつの間にかクロエがいた。

ニコニコと天使のような笑みを浮かべながら話し続ける。

「カナタが裏切った理由をわたしも良くはしらないの。でもいつもああやってひとりで頑張って、それで勝ち誇ることなく帰っていくんだ。カズキもカナタがいなくなった後に自分を責めてばっかでさ?それを糧にどんどん強くなってくのにそれでも自分のことを評価してもらったりはしないの。ほんとなに考えてるのかわかんないよねー」

確かにその通りだとユーリはおもう。

「カナタ先輩!カズキ先輩!」

ユーリが何かを告げようと大きな声を出す。

「今は無理でもいつか……いつかお2人のチカラになってみせますっ!お2人に宿った異質なチカラもなんとかしますからっ!」

2人は後ろには振り向かない。

成長した教え子の姿に笑顔を零してしまいそうだからだ。

2人はこの言葉に答えるように後ろ手を上げて見せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

謎の連続襲撃事件はユーリの手によって解決したと公表された。

カナタとカズキが闘ったとも噂されたが、2人は公表を望まなかった。

それぞれが宿した異質なチカラを隠すためだ。

ユーリという英雄が《ミストガン》に生まれたのと同じ頃…

「今日はお前たちに新入隊員を紹介するぜ。敗軍の将であるユーリ・フロストル新入隊員です」

「誰が敗軍の将ですかっ!」

バタンと大きな音をたててカナタに喰ってかかるユーリ。

「でも負けたじゃんか。間違ってはないだろ?」

「…………」

ユーリは無言で怒りを顕にしている。

そんなふたりの様子を小隊室の後方で見ていたカズキは笑いをこらえるのに必死だ。

「それじゃあ敗軍の将さん。自己紹介たのむわ」

「……新入隊員のユーリ・フロストルです。特務との掛け持ちになりますが、先輩方のご指導を受けることになりました。、これでいいですかっ?(ピキっ)」

「「「(うわーユーリさんホントに怒ってる)よ、よろしくお願いしますっ!」」」

「んじゃ今日はカズキからもあるみたいだぜ?」

「俺からはこれだ」

そう言ってカズキはケーキの箱を取り出した。

「ミソラから選んでいいよ。お前にはご褒美やれてなかったしな」

「えっ、いいの!?」

その後でリコとレクティも選びたいときった表情で見ている。

それを見たカズキは

「余り物には福があるかもしれないぜ?」

それだけ口にした。

入っているケーキは6つ。

色鮮やかなフルーツケーキと、素材の風味溢れるマロンケーキ。

大人の味のビターチョコレートケーキに同じく大人の味であるガトーショコラ。

そして瑞々しいメロンケーキと地味なシュークリーム。

「うーん、どれにしようかな…?」

どれがいいかと悩んだミソラはフルーツケーキに決めて手を伸ばしたのだが、横からすらっとした美しい色白の腕が伸びてきて獲物を奪われた。

「ちょ、ちょっとリコっ!それはあたしのよ!」

「わたしはラズベリーが好みなんだ。君はシュークリームを食べるといい」

「あ、ちょ、ちょっと!」

「ふっ、まずまずの出来だな」

そんな淡白な感想とは裏腹に、リコは至福の表情で食べる。

「あのぅ…ミ、ミソラさん。わ、わたし…マロンが大好きなんです。い、いいですかっ?」

チワワのように瞳をうるませてレクティが見つめてくる。

順数無垢な少女を傷つけるようなことをミソラができるはずもない。

「い、いいわよっ?」

「あ、ありがとうございますっ!」

にぱにぱと笑顔を零しながらレクティはマロンケーキを口にする。

「あま〜いですっ!カズキさんっ!ありがとうございますっ!」

「ミソラ…成長したんだな」

カズキはケーキを譲ったミソラの姿を見て教え子の成長を喜ぶ。

「じゃあ次は俺の番か」

カナタはチョコレートケーキに手を伸ばし、口へ運んだ。

「カズキのセンスもなかなかいいじゃねーか」

「さんきゅーな。んじゃミソラはどれがいいんだ?」

ここでミソラは考えた。

ケーキを買ってきてくれたカズキと、今や《ミストガン》の英雄とまで呼ばれるユーリのどちらかにシュークリームを食べさせて良いのかと。

「じゃあ…あたしはシュークリームにする」

ミソラは一言つぶやいてシュークリームに手を伸ばす。

「ユーリは?」

「わたしはメロンケーキを」

ユーリはメロンケーキを口にして笑顔を見せる。

「じゃあ俺はガトーショコラだな。やっぱりあの店のはうまいな。ミソラはどうだ?」

「っ!?なにこれ!ただのシュークリームなのに凄く美味しいっ!」

「それはレクティたちといった屋台のやつなんだけどな?数量限定の絶品なんだよ。特別に貰ったやつだ。俺も昔カナタにご褒美でもらってな」

「そんなこともあったな」

カズキもカナタは懐かしそうな表情を見せる。

「それじゃあ俺らから最後に一言」

カナタとカズキは本当に嬉しそうに、そして自信たっぷりとミソラたちに告げる。

「「お前ら本当によく頑張ったじゃんか。初勝利、よくやったな!」」




あまりの質問のこなさに企画倒れ間違いなしの質問返答企画。
リア友からの質問とかも入れてしまいそうな勢い…
感想と質問まってますね!
感想欄に質問したくださっても結構ですので。
よろしくお願い致します

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