2人の教官と最弱の小隊 growth record 作:トランサミン>ω</
ほんとうにありがとうございますっ!
活動報告にて突破記念の概要を作ろうと思いますのでよろしかったら見てくださいね!
これからもどうぞよろしくお願いいたします!
会場内を滑るように駆け巡り、ユーリを加えたミソラたち4人がレアルの周りを円を描くように激しく飛び交う。
「地上じゃ勝てないと思って空に逃げたのか。あの裏切りものとエースくん無しで勝てるとでも思ってるのかい?」
負傷したカナタとカズキを手玉にとるのは容易い。
だがそれでは面白みがないとレアルは空中への誘いへ乗った。
レアルは飛び上がると、先ほどと同じようにレクティへとカマイタチを放つ。
『レクティ狙われてるわよっ!』
ミソラが砲撃でカマイタチを相殺する。
その結果今度はミソラへとカマイタチが放たれる。
『ミソラ、そのままそいつの注意を引いておけ。少なくともあと4発分はな』
リコからの鋭い指示にミソラは速度を上げ躱し続けるが、模擬戦の疲れからか速度がいまいち上がらない。
『リコ、アシスト頼めるっ!?』
『ふっ、仕方ないな。そのまま飛び続けることだ』
何処からともなく魔力射撃。
ミソラへと迫っていたカマイタチは相殺される。
ユーリは思う、何故ここまでやれるチカラがあってFランク小隊と蔑まれているのかと。
そこにカナタとカズキという教官の功績があることをユーリはまだ知らない。
目敏いリコは隙を突いてレアルにも狙撃をしていた。
『ふむ、硬いな』
リコの射撃をもろともしない甲皮はダイヤモンドかと思わせる程の強度を誇っていた。
『リコさんっ!今度は私が仕掛けますっ!』
レアルの六時の方向から忍び寄っていたレクティが容赦なく袈裟斬り。
だが、ぱりんっ、という音と共に彼女の愛剣であるアマノハバキリの1本が根元から折れてしまった。
『くっ…!』
レクティはすかさず後退、ミソラたちと合流し更に高度を上げていく。
「ふふっ、ユーリ。早く君と一緒になりたいよォ」
欲望に塗れたレアルはミソラ立ちを追いかけていく。
その姿を確認したミソラたちは
『あいつが付いてきたわね…』
『ああ、フェーズ2へ移行だ』
『了解ですっ!』
ミソラたちは作戦通りに身を寄せ合う。
最後の攻撃を仕掛けるとでもいうのだろうか。
「あれ?ユーリはどこだい?教えてくれないと殺しちゃうよ?」
レアルはユーリを失ったらしく、ミソラたちへと問いかけてくる。
じわりじわりと接近してきたレアルが魔剣を前に突き出した次の瞬間。
『『『…いまですっ!!!』』』
ミソラたちは散開、その背後から人影-ユーリの姿が露わになる。
「…やっぱり槍の方がしっくりきますね」
トライデントに酷似した形状の槍、〈全てを貫くもの(トリシューラ)〉を携え突撃体制をとる。
「覚悟してくださいっ!」
そして、砲弾の如く弾け飛び、襲い掛かった。
「ああ、ユーリ。やっと僕の愛を受け入れてくれるんだね!」
レアルは突撃してくるユーリを興奮しながら魔剣で迎撃しようとする。
そこへ向かって1発の砲弾の如く加速するユーリ。
重力加速度と位置エネルギーを味方につけている。
魔双剣を叩き折る程の強度を持つ胸部の甲皮を〈トリシューラ〉が正確に突刺す。
勢いに負けて地上へと押し戻されるレアルだが、勝利を確信していた。
なにせこの体を貫き通せるものなど存在しない、仮に叩きつけられてもその直後ユーリは自分の腕の中。
そう思った時だった。
「ば、馬鹿なッ!なぜ僕の甲皮がたかが槍なんかに…っ!」
レアルの甲皮が削られ始めた。
右肩に突き刺さった魔槍がギィィィィィンという音を立て振動していた。
それも超高速で。
「たかが槍…?ご存知ないなら教えて差し上げます。この魔槍の名は〈全てを貫くもの〉。魔力振動機構を搭載した、アンチキメラの特装魔槍です。貫けないものはありませんっ!」
物体を切断するのではなく、分子レベルで切削する魔槍。
レアルの右肩を貫いたユーリはそこから急制動。
くるくると円を描くように回転しながら、地面に着地した。
レアルは右肩に風穴をあけられつつも、2本足でたっている。
致命傷には至らなかったようだが、止めどなく溢れる緑色の液体を見るにかなり効いているようだ。
「だけど、また再生すれば…」
「いいえ、あなたの負けですよ」
そう吐き捨てたユーリは縦横無尽に駆け回りレアルを斬り砕く。
カナタに魔槍士としての才能を見出され、ひたすら磨き続けたその技術は電光石火の如く振舞われる戦技である。
だから我々は彼女のことをこう呼んだ。
〈空穿の閃跡(ブリューナク)〉と
「これで終わりです」
剥き出しとなった黒い細胞の塊に、ユーリは正確に槍撃を浴びせる。
「う、うそだっ!こ、こんなことあるわけないっ!」
-本能的恐怖。
どうにか起き上がったレアルはあたりを見渡す。
「あなたの考えは読めています。だからこそ、止めておいた方がいい。それをやったら、わたしはほんとうにあなたを赦せなくなる」
その言葉は届かなかったのだろう。
レアルは外壁に背中を預けているカナタとカズキを見つけると、脚の靭帯を強化して跳躍。
無防備な2人に攻撃をしようとした時。
「…矮小な存在の考えることはほんとうに下衆ですね」
真後ろから侮蔑の声。
「警告した筈です。あなたの考えは読めています。だからこそ、止めておいた方がいい、と。…跪きなさいっ!」
いつの間にか背後に移動していたユーリがレアルに足払いをかけ、喉元へ〈トリシューラ〉を突きつける。
「馬鹿なッ。こいつらを仕留めれば僕が負けることなんて…」
「へっ、わりーな。お前はとっくに俺の術中に嵌ってたんだよ」
「それってつまりは最初からお前の負けってことだな」
カナタとカズキは不敵に笑う。
そんな姿を見たユーリは
「お2人の優れたところは、鍛え抜かれた身体技能だけではありません。この人たちは最後まで足掻き続けることを怠らない、どんな状況でも仲間を見捨てない。絶対に屈服したりはしないからこそ強いんです!」
今度こそレアルは本当に項垂れた。
活動報告に質問募集をしたいと思います!
作者への質問でも作中のキャラクターたちへの質問でもなんでも構いませんのでよろしくお願いします!
今回も読んでいただいてありがとうございましたっ!
これからもよろしくお願いします!
感想まってます!