2人の教官と最弱の小隊 growth record 作:トランサミン>ω</
遅くなって申し訳ありません。
目指してるものがあるのでそちらを少し優先してしまいました。
少しずつではありますが投稿しますのでよろしくお願いします!
《ミストガン》上空高度4000第三訓練空域。
あろうことか今日の訓練はリコとミソラが前衛という最悪の組み合わせだった。
『う、うそっ!あたしの攻撃が全然当たんない…』
『…少しは引き付けて狙え。だから君は自宅を砲撃するんだ』
『あのぅ、お2人とも!け、喧嘩はしないでくださいっ!』
『なによっ!あんただって慣れない前衛で戸惑ってるんでしょ!』
『既に5体撃墜したがなにか質問はあるか?』
『あ、あのぅお2人とも聞いてますかっ!?喧嘩はよくないですっ!』
後衛から見る前衛2人の姿はあまりに心許ない。
経験豊富なレクティの目にはなおさらそう映る。
前衛の役割は斬り込み隊長だ。
それなのにミソラときたら手当り次第に砲撃するだけでダミーバードに命中していない。
リコは最小限の動きしかせず要所要所で攻撃している。
2人の動きを見てレクティの眉が力のない、しょんぼり八の字になる。
「ん?レクティどうかしたか?」
その様子をカナタは見逃さず声をかけた。
「そ、そのぅ…前衛っていうのは敵の数をがっつり削る斬り役なんです。でもお2人の動きはすこしちがくて…」
「ふーん、そう感じたのか」
「あのぅ、カナタさん」
「なんだよ?」
「後衛さんって…心細いんですね」
「まーな。後衛ってのは最後の砦みてーなポジションだから前衛と中衛が信用できねーと心細く感じちまうんだ」
レクティはぞっとした。
リコさんはいつもこんなにプレッシャーと闘っていたのかと。
「このままでいいのか?」
ハッとしたレクティがカナタへ申し訳なさそうに言う。
「き、休憩いれてくださいっ!」
休憩中訓練グラウンドの森の中。
「あ、あのっ!ミソラさんっ!」
「な、なにっ!?」
急に話しかけられたミソラが肩をビクリと動かして振り向く。
「ミソラさんって、凄いですよね。あんな激しい飛行を続けながら砲撃するなんてわたしにはできませんからっ!」
「そ、そうなのかな…?」
「はいっ!飛行技術は1級品ですし、魔力量も込みで尊敬してますっ!」
口下手なレクティがいうとかなりの威力がある言葉である。
レクティはその後ミソラへ前衛の動きをレクチャーし今度はリコのもとへと向かった。
「リ、リコさんっ!」
「どうしたんだレクティ?」
「後衛さんって、凄く難しいんですねっ!」
「ふっ、よくわかったな。さすがレクティだ。ミソラも気付けばいいが、アホだからな」
「次は大丈夫ですよっ!」
レクティはにぱにぱと嬉しそうにそう告げた。
それからの訓練は不思議とうまく事が運んだ。
3人の連携も取れておりダミーもしっかりと殲滅できている。
「へー、レクティもこの特訓の意味がわかった見てーだな」
「は、はいっ!」
「合格だ、カズキんとこ行ってこいよ。まだ教室にいるはずだぜ」
「あうぅ…い、いってきますっ!」
模擬戦まであと2日、ミソラは果たして合格出来るのだろうか…
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