2人の教官と最弱の小隊 growth record 作:トランサミン>ω</
「あー、嫌なとこだった」
「ほんとにね。ユーリ大丈夫?」
「あ、はい…大丈夫です…」
カズキたち特務小隊はガーディアンリーダーに連れられて研究所まで来ていたが、そこで行われていた実験があまりに酷いもので心が病んでいた。
「それにしてもあのレアルってやつの言葉が気になったな」
「カズキ?」
「いやさ?研究所出る時にユーリが自分より強い人にしか興味がないとかなんとか」
「あー、『月刊・ガーディアン』の話だね。あれはまぁカナタのことだから」
「だと思った」
「クロエ先輩にカズキ先輩も、何言ってるんですか!」
「わたしはホントのこと言っただけだよ?」
「ユーリはカナタのことになるとすぐ顔に出るからなー」
「なっ…」
「そういえばカナタとユーリがあったのって新入生歓迎会のランクフリーマッチの時なんだよね?」
「ああ、カナタがユーリをナンパしてたんだよ」
「あら、カナタも隅におけないね」
「あのっ!2人ともっ!」
そう、カナタとユーリの出会いは劇的なものだった。
新入生歓迎会のランクフリーマッチ。
既に他の小隊からスカウトを受けていたユーリは暇つぶし程度に見ていたのだった。
しかしユーリの目に映ったのはどんな逆境でも諦めないカナタの姿。
敵の攻撃を耐えて耐えてずっと反撃の好機を伺っている。
そしてカナタが反撃に出る。
背後からの攻撃をまるで後ろに目がついているかのように受け止め、当時はまだ未完成だったものの閃光剣で敵の武器をはじき飛ばし気絶させる。
勢いがついた敵の武器がユーリの元へ飛んでくると。
「させるかよっ!」
カナタが急降下して助けてくれた。
「あぶねーあぶねー。大丈夫だったか?」
いかにもボロボロでかっこいい姿ではないが、カナタのギラギラとした瞳にユーリは心を奪われた。
その後カナタたちの小隊が勝利しカナタがユーリの元へ再び降りてきた。
「怪我はしてないよな?」
「先程は、どうもありがとうございましたっ!」
「そんなに畏まるなって。もともとは俺がわりーんだしな」
「どうお礼をしたらいいか…」
「かたっ苦しい礼儀とかはなしだ。俺らはこれからも同じガーディアンだろ?」
その時カナタの仲間らしき人物が声をかけてきた。
「おーいカナタ、ナンパか?次の試合の準備があるんだから早く戻れよー?クロエ怖いんだから」
「げっ、クロエはそういうの厳しいからな。わりーわりーすぐ戻る。そんじゃ新入生、おさらばだ」
「で、でもお礼をしないと私の気がおさまりませんっ!」
「律儀なやつだなー、お前は。よしだったら俺らと同じ空に来いよ!俺たちの背中を任せられるやつ、誰かを守るために戦うやつは大歓迎だぜ」
その後ユーリはもともとのオファーを断ってカナタたちの小隊にはいった。