GOD EATER 2 RB 〜荒ぶる神と人の意志〜   作:霧斗雨

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第29話です。
ロミオエピ一応の終了。


第29話 理解者

ロミオが飛び出して、既に結構な時間が経過していた。

あの後すぐにジュリウスに報告し、指示を求めた結果、今は待機していろということだった。

どうも、赤乱雲が近付いているようである。

ブラッドは皆でラウンジのモニターの前の席に座って沈んでいた。

 

「ロミオは……ずっと一人で悩んでいたんですね。それを隠して……明るく振舞って……居場所の確認を急ぎましょう。おそらく、そんな遠くまでは行ってないでしょうから」

 

「うん……ロミオ先輩と……もっと、ちゃんと話しておけば良かったな……」

 

「ロミオの偏食因子の投与リミットも心配です。このまま戻れない場合、時間切れでアラガミ化ということも……」

 

「そんなぁ……」

 

シエルの言葉に、ナナがさらに沈む。

その横で、レイは黙って座っていた。

ロミオに言われた言葉は、以前自分が義兄に言ったものにそっくりだった。

何でも自分でやってしまう義兄に、レイはたまらなくなって怒鳴り散らしたのだ。

あの後、酷く後悔して2度とこんなことになるまいと誓ったのに、言わせてしまった。

あの時の義兄の顔は忘れられないが、自分もさっき同じ顔をしていたのだろうか。

さっきのロミオの辛そうな顔が目に焼きついて離れない。

早く気がついてやればよかった。

迷ってないで言ってやればよかった。

どうしたらいいか、一緒に考えてやればよかった。

そんな思いだけが、胸の中に渦巻いている。

レイは、ギリ、と歯を食いしばった。

そして、クルリと後ろを向く。

そこには、レイの肩を叩こうとしたギルの手があった。

声をかける前に振り向かれたことに、ギルは少し驚いたが、何時もの事だと思い直してレイに言った。

 

「おい、ちょっと付き合え」

 

「……」

 

無言でレイは立ち上がった。

それを見て、何を思ったのか慌ててナナがギルに言う。

 

「八つ当たりはよくないよ、ギル!」

 

「しねぇよ……」

 

うう、と口を紡ぐナナを放置し、2人は黙ってラウンジを出た。

 

ーーーー

 

極東支部の外に勢いで飛び出してしまったロミオは、宛もなくただトボトボと歩いていた。

もう、ここがどこなのかもよくわからない。

 

「腹減ったな……」

 

ぐう、となった腹を抑え、ロミオはため息をついた。

ふと、視界に赤いものが目に入ったような気がして、ロミオは顔を上げてぎょっとした。

 

「「赤乱雲」……」

 

「おう……また赤いのが降るか……」

 

不意に、背後の家屋から老人が出てきて、赤い雲を見て言った。

これにロミオは再度ぎょっとして老人を見る。

老人は赤い雲から視線を外し、ロミオを見た。

 

「あ、ども……」

 

「どうした、若いのがこんなところで。近くにできたサテライト拠点から来たのか……ああ、あんた神機使いか……」

 

老人にそう言われ、ロミオは右手を背中に隠す。

サテライトの一件やコウタたちから、一部からは神機使いはよく思われていない事があると聞いているからだ。

 

「隠す必要はなかろう。立派な仕事だ」

 

そう言って、老人は微笑んだ。

ロミオは、背中に隠した右手を出す。

その瞬間、けたたましいサイレンが鳴り響いた。

 

「このサイレン、何……?」

 

「赤い雨がこっちに来るようだな……中、入れ」

 

サイレンは、赤い雨が降ることを知らせるための合図だったようだ。

老人はロミオにそう教えた後家に招き入れようと誘ったが、ロミオは慌てて老人の誘いを断った。

 

「え、いや、俺大丈夫だよ」

 

「いいから、とっとと入れ。遠慮すんな」

 

結局、誘いを断りきれずにロミオは老人の家に足を踏み入れた。

中では一人の老女が椅子に腰をかけていたが、ロミオが入ってきたのに気がつくと、少し嬉しそうに腰を上げた。

 

「おや、まあ……お客さんなんて何年ぶり?」

 

「さっき、腹減ったとか言っとったから、なにか食わしてやってくれ」

 

その言葉に驚いたロミオが、作業を始めた老女を慌てて止める。

 

「いやいや、爺ちゃん!婆ちゃんも!だから大丈夫だって……ゴッドイーターだから戻れば飯食えるし……」

 

しかし、老女はニッコリと笑うと熱々のお茶の入った湯のみを机に置いた。

 

「お腹すいてる子に、神機使いも何も関係ないでしょ。はい、とりあえず、お茶飲んで待っててね……」

 

そう言うと、老女は食事を作り始めた。

仕方なく、ロミオは席についてお茶を啜った。

暫くして、数品の料理が運ばれてきた。

その匂いにつられたのか、ロミオの腹がぐう、と音を立てて老夫婦の笑いを誘った。

ロミオは少し恥ずかしくなり、出されたものに手を付けた。

どれも美味しく、食べ始めたら止まらずに最後まで食べきってしまった。

食べ終わってホッと一息つくと、ロミオはブラッドについて話を始めた。

ロミオの話を、老夫婦は笑顔で相槌を打ちながら聞き入る。

 

「へー、ブラッドってすごい人たちなんだねえ」

 

「そうなんだよ!神機使いのリーダーみたいな存在なんだよ」

 

最初に思い浮かんだのは、隊長のジュリウスだった。

真面目で、ノリがなかなか合わない不器用だが、頼れる隊長。

 

「俺、ジュリウスの次にブラッドに入って……あ、ジュリウスっていうのが隊長なんだけどね、スゴいやつでさ」

 

次に浮かんだのは、副隊長であるレイ。

何事にも適当な感じで、人を挑発するような物言いをして、何考えてるのかよくわからないのに、なんだかんだで助けに入ってきてその場を収めてしまう。

相談もいくらか真面目に聞いてくれる奴だった。

 

「後から来たヤツ……今はそいつ副隊長やってるんだけど、結構そいつもスゴいやつでさ。正直、副隊長になれなかったのは悔しかったけど……そいつ、いいヤツだから、ちゃんと支えようと思ってさ」

 

次に浮かぶのはナナ、ギル、シエルの3人。

人懐っこく、いつも一緒に絡んでいるナナ。

いつも任務に行くと、動きがどうたらこうたらと注意してくるギル。

最初の頃はとっつきにくかったのに、今では一緒に任務に行く様になったシエル。

思い浮かぶ皆の顔は、笑顔だった。

 

「で、それからも色んなメンバーが入ってくるからさ。皆、少しでも早く溶け込めるように、って色々頑張ったんだよね」

 

「そうかい、そうかい、ロミオちゃんは偉いねえ」

 

老女がニコニコと笑いながら言った。

ロミオもそれに答えるように笑い返してやる。

 

「いや、さー、ジュリウスなんか特に、結構、無愛想というか、あんまり、そういうとこ気が回らないからさ。だったら、自分がそういうとこ担うべきだなーと思ってさ。いや、まあ……元から、人と仲良くするのは好きなんだけどさ……」

 

だんだんとロミオの顔が険しくなる。

思い出されるギルとの言い争い。

いつもいつも、任務の度に言い合っていた。

それでも、今回ほど酷いことは無かった。

 

「でも……後から来たギルってヤツとうまくいかなくて……俺は、俺なりに頑張ってるのに……無神経っていうか……まあ、任務中にぼんやりしてたのは俺が悪かったかもなんだけど……」

 

「ロミオ、お前さんはもう少し、胸を張った方がいいなあ」

 

老人が、ロミオに言った。

ロミオは、ゆっくりと一つ頷いた。

 

「……うん、わかってるんだ俺……自分に自信が無いってこと。でもさ、どうしようもなくて……皆、ずっと俺より凄くって……俺に出来ることなんてほとんど無くて……経験もないし、知識もない……意志も弱いし、人の顔をうかがってばかりで……それが嫌で……皆から逃げてきたんだ……」

 

皆、それぞれの出来ることを精一杯やっていた。

それなのに、自分には何も出来ない。

そう思うと、胸のあたりがキリキリと痛んだ。

今にも涙がこぼれ落ちそうな、そんな顔になってしまったロミオに、老人は優しく語りかける。

 

「お前さんは……人や友達が大好きなんだな。それは、本当に胸を張っていいことなんだ。人は群れてないと生きていけない、弱い生き物だ。だから、人の顔色をうかがって当たり前なんだ」

 

「でも、俺……!逃げ出して……」

 

「休むのと、逃げるのは違うでしょ」

 

そっと、老女がロミオの手を握った。

 

「ロミオちゃんが戦ってくれているおかげで、戦えない人が、助けてもらってるんだよ」

 

ロミオがゆっくりと顔を上げ、老女を見た。

 

「少しぐらい、ここで休んだっていいでしょ。何なら、ウチの子になる?」

 

とうとう堪えきれなくなり、ロミオは声を殺しながら泣いた。

そんなロミオを、老夫婦は優しく見守っていた。

 

ーーーー

 

「失礼しました」

 

用が済み、ギルとレイは支部長室から出て、無言で歩く。

その無音を破ったのはレイだった。

 

「最近な……ロミオ、血の力に目覚める方法をサカキ博士に相談したり、リッカに神機の強化を頼んでたんだ」

 

「……」

 

静かにレイは言った。

ギルはそれを黙って聞く。

 

「俺、ちょくちょくロミオと話したり、ミッションに行ったりしてたのにな……。何にも気が付かなかった……。ははっ、全くもって情ねぇや……」

 

「……」

 

レイは自嘲気味に笑った。

レイの後ろを歩くギルには、レイの顔は見えないが、どんな顔をしているのか大体の察しはついた。

不意に、レイが廊下の窓から外を見た。

つられて、ギルも外を見る。

赤い雨は、止んでいた。

 

「お、雨止んだな。……迎えに行こうぜ、あいつをさ」

 

ーーーー

 

あれから暫くロミオは泣いていたが、ロミオが落ち着くまで老夫婦は何も言わずに見守っていた。

落ち着いてから暫く話をして、ロミオは戻るということで家屋から出た。

老夫婦も、ロミオを見送るために家屋から出る。

 

「ありがとう……俺、戻らなきゃ……」

 

「ああ……戻るといい。お前さんの居場所に、な」

 

「また、遊びにおいで」

 

「そうだなぁ。神機使いが家にいると、安心だからなあ」

 

ははは、と老人は笑った。

ロミオは少しだけ迷うと、考えていたことを老夫婦に伝えた。

 

「あのさ、サテライト拠点か……極東支部にでもさ……爺ちゃん達、引っ越さない?」

 

その言葉に驚いたのか、老夫婦は驚いて顔を見合わせた。

 

「本部に直接申請すれば、何とか通ると思うんだ。俺、親戚も両親も、もういないし……だから……」

 

しかし、老夫婦はゆっくりと首を振った。

 

「わしらがここに居るのはな、その席を若い者に譲りたいからだ」

 

「ありがとう……でもね、それはロミオちゃんの未来のお嫁さんのために、取っておきなさいね」

 

そう言われ、ロミオは少ししょんぼりとしながら俯いた。

その瞬間、ものすごい揺れがロミオたちを襲った。

あまりの揺れに老女は倒れそうになるが、それを老人が慌てて支える。

揺れが収まると同時に、狼のような遠吠えが聞こえた。

 

「これは……アラガミ……」

 

ロミオは通信機を取り出すと、極東支部につなぐ。

そして、老夫婦に指示を出した。

 

「爺ちゃんと婆ちゃんはサテライト拠点に避難して!」

 

「ロミオちゃんは!?」

 

老女の心配を少し嬉しく思うと、ロミオはニコリと笑って老女に言った。

 

「言ったろ?ブラッドはスゴいんだ。俺たちが絶対守るからさ!」

 

ーーーー

 

支部に指示されたポイントで待っていると、ギルとナナ、そしてレイが駆けつけてきた。

レイは持っていたアタッシュケースをロミオに突き出す。

 

「ロミオ、これ」

 

「ん。神機持ってきてくれて……助けに来てくれて……ありがとう」

 

「説教は後にする。まずは仕事だ……」

 

「ギルが一番そわそわしてたくせにー。ロミオ先輩、私はチキン5ピースで許してあげるから!」

 

「じゃ、俺には後でジュース奢れ」

 

「お前ら……」

 

何のことは無い、いつもの会話。

ロミオの反応にレイはククッ、と意地悪く笑った。

あれほど心配させたのだ、これくらいでは割に合わないが、そこは勘弁してやることにした。

 

「俺、後でちゃんと謝るから……皆、力貸してくれ!爺ちゃん……じゃなくて非戦闘員はサテライト拠点に避難してもらった!アラガミが近づけないようにここで倒すよ!」

 

「了解!」

 

「了解だ」

 

「りょうかーい」

 

レイのいつもの気の抜けたような、適当な返事を皮切りに、4人はアラガミに飛びかかった。

相手はガルム、前足のガントレットが特徴的な狼のようなアラガミだ。

それでも。

ロミオは、チラリと隣を走るレイ、ギル、ナナに目をやる。

こいつらがいるなら怖くない。

4人は、いつもの通りガルムに正面から突っ込んでいった。

 

ーーーー

 

ガルムをこてんぱんに倒した後、ロミオは皆の前で俯いていた。

 

「皆……俺……」

 

ごめん、そう言い出す前に、ロミオの頭をコツン、と誰かが小突いた。

 

「お前の休暇届けは勝手に出しといた。これは貸しだ……もう二度とするなよ」

 

顔を上げると、そこにはギルがいた。

それだけいうと、ギルはさっさと歩いていってしまう。

その時、ギルが左手を上げ、ヒラヒラと振りながら言った。

 

「今日は、いい動きだった。この調子で頼む」

 

「……っ!」

 

「へへー、ギル、ずっとロミオ先輩のこと気にしてたんだよ。言い過ぎた、って」

 

クスクス、とナナが笑った。

ロミオは歩いていくギルの背中を見る。

あいつが、気にしてくれていたなんて。

グッと感情がこみ上げてきたが、それを我慢し、ロミオはナナを見た。

いつもの、明るい笑顔だ。

 

「さ、帰ろ!ロミオ先輩がいないと、皆無口だから、やりづらくてー」

 

ロミオは、視線をレイに移す。

普段よりも優しい笑みで、レイは一度だけ頷いた。

 

「そうだなー!よっし、元気よく帰ろう!」

 

グッ、と片手を上げ、ロミオは笑顔を見せた。

暫く歩くと、ナナがロミオの顔をのぞき込むようにして言う。

 

「あ、そうだ!帰ったら例の約束、よろしくねー!」

 

「例の約束?なんだっけ?」

 

「えー!約束したじゃん!チキン8ピースだよー!」

 

「こっそり増やすなよ!5ピースだったろ!」

 

「やっぱり、覚えてたんじゃーん!」

 

ここで、レイがブハッと吹き出した。

声を殺しながらだが、プルプルと肩が震えている。

前を歩いていたギルが足を止めて、振り返った。

 

「おい、早くしろ。とっとと帰るぞ」

 

「はーい」

 

ナナが手を挙げてギルに返事をする。

そして、ピッ、と指を立てて一つの提案をした。

 

「まあ、間を取って7ピースってのはどうかな」

 

「ナナだけに?」

 

「先輩……それはちょっと……」

 

思わぬ返しに、ナナとロミオの間に微妙な空気が流れる。

その時、ロミオの頭をレイが小突いた。

 

「早々に調子のんな」

 

「ごめん……」

 

ーーーー

 

アナグラに戻ってきたロミオは、レイに自販機の前で待っていてくれと言い、すぐにナナにチキン7ピースを奢り、レイの元へやってきた。

いつもと同じジュースを購入し、二人並んでベンチに腰掛け、栓を開けて一口飲む。

そして、ロミオが切り出した。

 

「俺のせいで……いっぱい迷惑かけちまって、悪かった。迎えに来てくれたときさ……本当に嬉しかったよ」

 

「いや、俺も……あんなに悩んでたのに気がついてやれなくて、悪かったな」

 

「なんでお前が謝るんだよー。ほんと、ごめんな」

 

ははは、とロミオは笑った。

その顔を見て、レイは苦笑を浮かべる。

 

「はは……もう、大丈夫なのか?」

 

「今度こそ、本当に大丈夫!焦るのはもうやめたんだ。俺ができること、やるべきこと……まだいっぱいあるもんな!」

 

二カッ、とロミオが笑顔を見せた。

これなら、もう大丈夫だろう。

 

「そっか。ま、今までサボった分……誰かさんには、しっかり働いてもらわないとなー」

 

「なんだよ、嫌味かよー。でも、なあ、このあと良かったら、訓練に付き合ってくれよ」

 

「いいぜ。だが覚悟しろよ。俺がやってるやつは大概だぞ」

 

「……やっぱ、明日からにしない?」

 

ロミオが少し青い顔をしながら言った。

 

「んな訳ないだろ?頑張れよー、慣れない間は辛いぞ」

 

ケケケ、とレイは笑った。

飲み干した缶をゴミ箱に放り込むと、青い顔をしたまま固まるロミオの首裏をガッと掴み、ズルズルと引きずりながらエレベーターに向かった。

 

「行く、行くから引きずらないで!てかさ、レイ、そんな服ばっかなの?」

 

「ん?いやぁ、めんどくてさ、ゴッドイーターになる迄のを着てんだよね。ま、こんなんばっかなのは認めるし、大概ボロいのも事実だな、こりゃ」

 

自身を引きずるレイの手を振り払って、ロミオは自分の足で立ち上がる。

そして、レイの着ている服を指差した。

あちらこちらがほつれて、ちょこちょこ穴が空いている。

結構破れた部分もあり、そろそろ捨て時と言ってもいいだろう。

ロミオに言われて、レイは苦笑いを浮かべた。

確かに、自分が気にしなくても、これでは格好が良くないだろう。

 

「お前なぁ……よし、俺が見繕ってやるよ!」

 

「え?」

 

レイは驚いてロミオの方を見た。

 

「ロミオが?」

 

「ああ!大丈夫だって、レイの着なさそうな奴は選んだりしねぇよ!」

 

ビッ、と親指を立てて、ロミオが笑顔でレイを見つめ返す。

任せろ、と全身で言い表しているような気がした。

そんなに自信満々に言われてもちょっと困るが、レイは再び自身の服に目を落とす。

これをもっとボロくなるまで着続けるよりははいいだろうし、やってくれるというのならやってもらった方が楽でいいかもしれない。

 

「んー……じゃ、頼むわ」

 

「よっしゃ、任せろ!んじゃ早速見てくるわ!」

 

「ちょっと待てや」

 

自室に戻ろうと歩き出したロミオの肩を、レイは思い切りつかんで引き戻した。

 

「当初の目的が変わってんじゃねえよ。ほら、訓練終わってからでもそれは出来んだろ、行くぞ」

 

「えー!」

 

「文句言うな」

 

ガー、と目の前のエレベーターが開く。

レイは割と強引にロミオと乗り込むと、訓練場のあるフロアのボタンを押した。

 

「あ、そうだ、レイ、なんか要望ある?」

 

「なにが?」

 

「服だよ、服!なんかねぇの?」

 

「んー」

 

レイは少しだけ考えると、言った。

 

「黒ければ、何でも」

 

「お前な……分かった、了解」

 

少し呆れたように、ロミオが言うと、ククク、とレイが笑った。




もう書くの辛いよぉってなってきました。
ロミオエピの一応の終了です。
一応というのは、あれですよ、死亡エピもロミオエピだから。
ホントあの部分難しいんだよなぁ。
まあ、なんとかなるだろう!
頑張ります!
えと、新しいことをしようと思っていますが、詳しくは活動報告をご覧下さい。
感想、お待ちしています。

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