GOD EATER 2 RB 〜荒ぶる神と人の意志〜   作:霧斗雨

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第26話です。
ナナちゃん頑張る!


第26話 幸せの味

アラガミの群れから逃げるようにアナグラに戻ってくると、ナナはすぐさま何処かに連れていかれた。

どこに連れていかれたかは誰もわからず、ブラッドの面々はただ、ナナの心配をしながら情報が来るのを待った。

しばらくし、ブラッド隊はサカキの研究室に集合した。

 

「ナナ君なら、この奥の集中観察室に匿わせてもらったよ。あそこなら血の力の影響が、外部に漏れる心配もないはずだからね」

 

そうサカキに言われ、レイは奥に見える赤い扉に一瞬だけ目をやり、サカキをにらむ。

 

「……ナナは大丈夫なのか?」

 

「それを説明するために、こうやって集まってもらったというわけさ。そう睨まないでくれたまえ。君たちが血の力を発現するとき、その周囲に強力な偏食場パルスを発生させるんだけど……前回の任務遂行時に、アラガミの異常行動の引き金となった強力な偏食場パルス……これはナナ君から発せられた、推測している」

 

「つまり、ナナさんが血の力に覚醒した、と?」

 

「で、その力がアラガミを呼び寄せた……ってことか」

 

レイの横で、ロミオがギリッと歯を食いしばったのが見える。

というより、ブラッド隊全員が悔しそうな表情をしているのである。

サカキは困ったような笑みを浮かべた。

 

「うん、おそらくはね……。いや……正確には、コントロールする術を知らないまま血の力に目覚めてしまった、と捉えるべきなのかもしれないね。何はともあれ……彼女の精神状態が安定するまでは面会も遠慮してもらった方が、いいだろうね」

 

サカキは、なるべく優しく語りかける。

少し前の第一部隊とブラッドを重ね合わせながら。

 

「なぁに、心配しなくても大丈夫。仲間は信じて待つものさ……そうだろ?」

 

ーーーー

 

ブラッド隊はサカキの研究室からでて、ラウンジのカウンターに並んで座った。

 

「……ナナがいないと、なんか調子狂うんだよなぁ」

 

「ナナさんは小さい頃からずっと……きっと悩んでいたんですよね……」

 

全員が沈黙し、重い空気が漂う中、不意に何かを煮込むぐつぐつという音が聞こえた。

そして、最近おなじみになった香りがする。

 

「……ごめんちょっと突っ込ませて。ムツミちゃんまさかその鍋アレ!?」

 

「うん、ナナさんの元気がでるようにおでんパン作ってるところなんだ」

 

「やっぱり……!」

 

沈黙を破ったのはロミオだった。

ムツミは笑顔でナナのためにおでんパンを作っている。

鍋の中のおでんはとても美味しそうだ。

 

「なん個作ろうか迷ってるんだけど……とりあえず5個もあれば足りる……よね?」

 

この質問に、ブラッド全員が一瞬沈黙した。

そして、すぐさま軽い議論が始まる。

 

「……いやあと2個追加?」

 

「3個だろ」

 

「待ってください。普段のナナさんの摂取量から逆算します」

 

「おーいシエル、ストップストップ、そこまでしなくていい。とりあえず10個くらい作っとけば?余ったらブラッドが何とかするさ」

 

「ふふ、わかった」

 

言い合うブラッドを見て、ムツミはクスリと笑い、おでんパンの作成を再開した。

一度始まった議論はなかなか終息せず、ぎゃいぎゃいと続いていたが、ラウンジに入ってきたジュリウスの手によって収められた。

 

「おまえたち、ナナが心配なのはわかるが、ゴッドイーターとして果たさねばならない務めがあるだろう……早く片づけてナナを安心させてやろう」

 

「……だな!」

 

ジュリウスが優しく微笑みながら依頼書をヒラヒラと振る。

レイとロミオは顔を見合わせ、軽く吹き出してから立ち上がった。

 

ーーーー

 

集中観察室に匿われたナナは、することがないのでベッドに寝転びながら部屋の中を観察する。

真っ白い壁に、幼い子どもが書いたような絵がたくさん描いてあった。

 

「……花、お魚、お肉、メガネ?……女の子?」

 

この壁一面に描かれた絵は一体何なのかを頭をひねりながら考えていると、ズズンッ、と何かが壊れるような音と共に建物が一瞬揺れた。

 

「……えっ!?」

 

思わぬ揺れにナナは立ち上がる。

けたたましいサイレンと共に、放送が鳴り響く。

 

『外部居住区にアラガミが侵入!討伐班およびブラッド隊が戻るまで防衛班は第3防衛ラインまで後退してください。繰り返します……』

 

『聞こえるか、ナナ君!無事かい?』

 

館内放送を遮り、サカキの慌てた声がスピーカーから聞こえた。

ナナは顔を青ざめさせながらサカキに問う。

 

「サカキ博士!これって、もしかして……私のせいじゃないんですか?」

 

『いや、それは明確に否定しておこう。老朽化していた第6外壁からの侵入だよ』

 

即座に否定されたことで、ナナは少しだけ胸をなでおろした。

 

『でも、ナナ君、君はそこで待機しておいてほしい。危険なので、くれぐれも戦場に出ないように』

 

「はい、わかりました……」

 

『それじゃあ、また後で、そっちに行くよ』

 

プツ、とスピーカーの音声が切れ、ナナはうつむきながらベッドに腰掛けた。

放り出していた通信機には、ロミオを筆頭にメールが届いていた。

普段、メールをしてこないレイからも届いている。

それを映し出す画面に、ぽたりと涙が落ちる。

ナナはそれをぐしぐし拭うと、決意を胸に顔を上げた。

 

ーーーー

 

アナグラから一台のトレーラーが飛び出し、外部居住区を走り抜ける。

その運転席には、ナナが座っている。

半ば脱走のように集中観察室から飛び出し、強引に神機を持ち出し、この止めてあったトレーラーに飛び乗ってエンジンを入れ、わざとアラガミの目に付くように運転をした。

血の力が暴走していることもあり、大量のアラガミがトレーラーを追いかけてくる。

運転をしながら、ナナは母を思い出していた。

いつも笑顔で、優しく抱きしめていてくれた母だったのに、なぜ今まで忘れてしまっていたのか。

 

(お母さん、私を守ってくれてありがとう。忘れててごめんね)

 

次に浮かんできたのは極東支部の面々の顔。

みんな優しくて、楽しくて、大好きだ。

そして、ブラッドの面々。

隊長のジュリウス、先輩のロミオ、あとから来たギルとシエル、そして、同期のレイ。

みんなと一緒に入れて嬉しかったし、楽しかった。

 

(私ね、ブラッドも極東のみんなも大好きだから、本当はお別れなんてしたくないよ)

 

トレーラーに突っ込んできたヴァジュラをギリギリで回避し、全速で走り抜ける。

 

(だけど、大事な人が私のせいで死んじゃうのはもうイヤなんだ)

 

決意を胸に、ナナは宛のないまま極東から遠ざかっていった。

 

ーーーー

 

ブラッドがヤクシャの討伐から帰ってくるなり、出迎えたのは3人の釈明という名の弁明だった。

 

「本当にすまない……ナナ君が急に腹痛を訴えたものだから慌てて鍵を開けたら……途端に飛び出していってしまってね……」

 

「神機保管庫にナナちゃんが、突然やってきて今すぐ神機を渡して!って頼まれちゃってさ……彼女、無理やりにでも持っていきそうだったから仕方なく、渡すことにしたんだけど……」

 

「ナナさんが、私のトレーラーに乗ってどこかに飛び出して行っちゃったんですよ!」

 

上からサカキ、リッカ、サツキである。

それを聞いたブラッド隊は、皆が言葉を失って固まった。

 

「ナナ君の血の力は未だ、暴走している。おそらく、それを利用して囮になったんだろう……」

 

サカキが渋面で言った。

レイの後ろでロミオが怒ったような声で呟いた。

 

「あのバカ……ッ!」

 

「廃寺付近でナナさんの反応を確認!」

 

ずっとナナの動向を追っていたのだろう。

ナナの反応を確認したヒバリが叫んだ。

 

「ブラッド隊ただちに現場へ向かう!」

 

ジュリウスの後に三人が続く。

しかし、レイだけは1人反対方向にかけ、ラウンジに飛び込み、ムツミに声をかけた。

 

「ムツミ、ちょっといいか?」

 

ーーーー

 

ムツミから目当てのものを受け取ったレイがヘリに飛び込むと同時に鎮魂の廃寺に向けてヘリが動き始めた。

シン、と重苦しい雰囲気の中、一番に口を開いたのは意外にもジュリウスだった。

 

「……ナナはマグノリア=コンパスでは隔離されていたらしい」

 

「えっ」

 

この言葉に、その場にいた全員が驚いた。

そんな事実は初耳である。

ふと、レイは実地訓練でナナが言っていたことを思い出した。

 

『私さ、ラケル先生の養護施設で育ったから外に出るのって本当に久しぶりなんだよね』

 

「……あれはそういうことだったのか」

 

あの時はさほど気にいていなかったのだが、そういう事だったとは。

 

「私も……マグノリア=コンパスではひとりで訓練を受けていました。ですが、こうしてブラットに配属され今はとても楽しいんです。もしかしたらナナさんもきっと……」

 

シエルが少しだけ微笑みながら言った。

 

「なあ、ナナを連れ戻したらさ、せめて俺達は、あんまり怒らないでやろうぜ。皆が好きだから、足でまといになりたくないからそうしたくなる気持ちも……分かるからさ」

 

「……そうだな。気持ちはわかんねぇでもねぇしな」

 

ロミオの発言に、レイが同意する。

その気持ちは、レイにも経験があったから。

 

「ナナの血の力……アラガミが寄ってくる、って能力なんだろ?」

 

ギルがチラッとレイを見て言った。

レイはギルが何を言いたいのかを察してニヤリと笑ってみせる。

 

「そうらしいぜ。いやぁ、索敵の手間が省ける良い能力だよなぁ」

 

ククッ、という含み笑いとともに皮肉めいた口調で言ってみせた。

それにつられて、ギルも軽く吹き出した。

 

「……困った家出娘を、連れ戻すぞ。いいな?」

 

「了解!」

 

ーーーー

 

トレーラーから降り、ナナは次々に襲い来るアラガミを片っ端からブーストハンマーで倒していた。

しかし、さっきから息も絶え絶え、たっているのもやっとの状態まで追い込まれていた。

数が多いのである。

叩いても殴り飛ばしても数が一向に減らない。

 

「ここから……どうしよう……一体ずつでも……」

 

なんとかヴァジュラを倒し、向かってくるオウガテイルに目を移す。

既に、一体のオウガテイルは眼前にまで迫ってきていた。

 

「お母さん、私……みんなを守りたいんだ。だから……力を貸してね……」

 

微笑みながらナナは言った。

飛びかかってきたオウガテイルをたたき落とすためにブーストハンマーを構える。

だが、そのオウガテイルを落としたのは、ナナのブーストハンマーではなく、誰かの放ったバレットだった。

 

「ああ、力を貸そう」

 

今この場で聞こえるはずのない声が聞こえ、ナナは驚いてそちらに目をやった。

ジュリウスとレイ、ロミオの3人がその場に立っていた。

 

「みんな……!?なんできたの!?私のそばにきちゃダメだって!!」

 

ナナは焦りながら叫んだ。

これでは、飛び出してきた意味が無いではないか。

ジュリウスはナナに駆け寄ると、微笑みながら言った。

 

「偉いぞ、ナナ。よくアナグラを守ってくれた」

 

ナナはグッとこみ上げてきた感情を押さえつける。

そんなこと言われるようなことはしていない。

耳につけた無線機に、シエルとギルの声が響いた。

 

『でも、ナナさん。単独行動は……良くないですよ?』

 

『こちらブラッドβ、こっちはなんとかなりそうだ!』

 

ブラッド全員が、この場にやって来ている。

飛び出した自分のために。

 

「みんな……」

 

「いってぇぇっ!」

 

オウガテイルの攻撃によって、ナナの足元にロミオが転がってきた。

 

「ロミオ先輩!大丈夫?」

 

「大丈夫、大丈夫!どんだけ敵が来たってさ、ブラッドなら余裕だよ!」

 

ヘヘッ、とロミオは笑う。

そして、ナナに優しい笑顔を向けた。

 

「だから、ナナは……泣きたいときに、思いっきり泣けばいいよ」

 

「……」

 

「よっしゃ!もいっちょ行ってくる!」

 

ヴェリアミーチを振りかぶり、ロミオはオウガテイルに向けて走り出す。

それを見送るナナの肩に、誰かがそっと触れた。

見ると、そこにはレイが立っていた。

 

「レイ……」

 

普段とは違う穏やかな顔で、レイは1度だけ頷くと、ジュリウス達に合流すべくアラガミの群れの中に飛び込んでいった。

ナナは一人、こみ上げそうになる涙をこらえ、コラップサーを強く握りしめる。

 

「ありが……とう……戦うよ……みんなと一緒に……」

 

その瞳に再び強い決意を宿し、ナナは地面を蹴った。

 

ーーーー

 

新たに乱入してきたヴァジュラを倒してなんとかエリア内のアラガミをすべて駆逐し終わり、ブラッドはナナの周りに集まっていた。

 

「みんな……ありがとう……でもさ……ほら……私、また……こんな風に迷惑かけるかもしれないから……」

 

うつむきながらぼそぼそと言うナナに、ロミオが少し怒ったような口調で怒鳴った。

 

「ばっか!そんなこと気にしないで、泣きたいときには思いっきり泣いたらいいんだよ!」

 

「帰りましょう、ナナさん」

 

シエルがナナのそばに寄って、優しく言った。

ナナの体が小刻みに震える。

涙が零れそうになるが必死にこらえる。

そのせいで自然に神機を握る手にも力が入った。

 

「でも、でも……!」

 

「ほら」

 

涙で潤んだ目の前に、見慣れた物が差し出された。

アルミに包まれたそれは、大好きな母との思い出の詰まったおでんパンだった。

 

「あー、悪ぃ、ちょっと崩れてるな。腹減ってるかと思ってムツミにもらってきたんだが……」

 

拙ったなぁ、とレイが苦笑した。

そんなレイと、母が重なる。

 

「ナナがね、これ食べて、幸せって言ってくれると……お母さんも幸せなの」

 

そう言って母は笑っていた。

その顔と今のレイの顔は同じだ。

 

「帰るぞ、ナナ」

 

差し出されたおでんパンをそっと受け取り、ゆっくりと口に運ぶ。

馴染み深いそれは場所が場所なだけに冷たい。

 

「えへへ……冷めちゃってるよ……」

 

ほろり、と涙が落ちた。

もう、堪える事はできなかった。

 

「でも、おいしい……すごく……おいしいよ……ありがとう……」

 

ポロポロ涙をこぼしながら、ナナはブラッドの面々に笑顔を見せる。

そんなナナを、皆が微笑みながら見守っていた。

 

ーーーー

 

鎮魂の廃寺から帰投したブラッド隊は、怪我まみれですぐさまラボラトリに連れていかれ手当を受けた。

その後、ラウンジに集合し、ナナの復活を祝うささやかな会が執り行われた。

そこにはサカキ、救援に駆けつけてくれた第一部隊を招き、ちょっとした打ち上げのようになっていた。

 

「んー、おいしー♬」

 

ナナは用意されたおでんパンを両手に持ち、口いっぱいに頬張る。

誰が見てもとても幸せそうな顔だ。

 

「ナーナ!おでんパンばっか食ってないで俺のパスタも食ってみろって!うまいから!」

 

「無理強いすんなロミオ。好きに食わせてやれよ」

 

カウンター奥、普段ならムツミが立っているその場所には、ロミオ、ギル、レイの3人が立っており、料理を作っている。

ムツミは、他のメンバーと一緒にカウンターに座って料理を食べていた。

 

「ギルさんおでんパン2個追加だよー」

 

「まだ食うのかよ……」

 

「ギル、おでんできあがってるから串に刺して挟めー」

 

皿に盛り付けられたおでんパンがみるみる内に無くなり、ムツミから追加の注文が入ると同時にレイはおでんを煮ていた鍋の蓋を開け、ギルと場所を交代し、別の調理に取り掛かる。

 

「朗報だよ、ナナ君を集中観察室に匿う必要はもう無くなった。安定しているし暴走する心配はもう無いんじゃないかな」

 

「そうですか……」

 

ジュリウスの隣に座ったサカキが笑顔で言った。

それを聞いたジュリウスはホッとした表情を見せる。

 

「へへ……私の血の力は「誘引」っていう……私にアラガミを引きつける能力だったんだって。でももう制御できるから大丈夫だよ!」

 

「そう、この血の力は単に彼女を囮にしてしまう可能性があることも忘れないでくれよ?」

 

「もちろんです」

 

血の力「誘引」。

今回の騒動の原因となった力だが、コントロールできるようになったとあればかなり使える力である。

リスクもあるがリターンもある力だ。

 

「ま、ナナんとこ行く前に俺らでちょちょーいと片しちゃうしね」

 

「その前におまえの被弾率をどうにかして欲しいもんだな」

 

「んだと!」

 

「おいコラこんな狭いとこで喧嘩すんな。ギルも一々言ってやんなよな」

 

ロミオの軽口にギルが厳しく突っ込む。

そして、ロミオとギルが言い合いになって、レイが呆れながら止める。

そんな何時ものやりとりに、ナナはアハハ、と笑った。

 

「任せてくださいロミオ。訓練のプログラムなら私が作ります」

 

「え、あ、うんっ」

 

思わぬところでシエルが真面目に会話に混ざり、ロミオが少し戸惑った。

これもいつものことだ。

おかしくて、笑えて、楽しい、いつもの感じ。

 

「というわけでー、こらからはガンガン戦って返しちゃうよ!期待しててー!」

 

バッと右手を上げ、ガッツポーズをとった。

その顔は、今までにない笑顔だった。

レイはそんなナナを見て微笑みながらナナの前におでんパンの乗った皿を置き、そのほかの面々の前にはパスタの乗った皿を置いた。

 

「ホイ、次上がり、残すなよ」

 

「君は料理もできるんですね」

 

「ま、ね。なんでも自分でやってきたから、その産物だな」

 

別の食材を切りながら、レイは答える。

切り終えると火にかけたままの鍋をチェックし、その隣で切った食材を炒め、ソースを炒めながら作る。

レイが1度に3つほどの作業をこなしているのを見て、ナナとシエルは何故か目をキラキラと輝かしている。

 

「へー、レイは器用だねぇ」

 

「やりゃあ誰でも出来るさ、余程の不器用じゃねぇ限りはな。やりたいならやってみな」

 

この言葉に、コウタが苦笑いを浮かべた。

 

「コウタどうした?」

 

「いや、うん……はは、ははははは……」

 

「?」

 

何のことやらわからないが、もしかしたらかなりの不器用がいるのかもしれない。

まあ、そんな不器用でもレシピに忠実で余計なアレンジなどをしなければ、余程のことがない限り食べられないものはできない、とレイは勝手に思っている。

新作とかでない限りは、だが。

 

「あ、隊長おでんパン食べてない!」

 

ふと、ナナがジュリウスの方を見て言った。

そして、目の前のおでんパンをジュリウスに笑顔で差し出した。

 

「はい!このおっきいのあげる!おいしいよ!」

 

ジュリウスはフッ、と笑い、ナナからおでんパンを受け取った。

 

「ああ。ありがとう、ナナ」




ナナエピおわったああっ!な26話でした。
こういうノベライズは自分の主観が交じるから難しいと私は思うのですが、うまくやってらっしゃる方はどうしてるのでしょうね?
是非とも聞きたい。
さてさて、レイ君が料理しました。
これからもやるでしょう、きっと。
次回は、ナナキャラエピを消費しつつ、ロミオエピに入っていきます。
ああ、近付いてくるあのシーン……。
感想、お待ちしています。

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