悟飯in川神学園   作:史上最弱の弟子

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出るかは分かりませんがこの世界の亀仙人は復活のF仕様でかなり強くなっています。


悟飯、体力測定をする

「マヤリト大陸から引っ越して来ました孫悟飯です。よろしくお願いします」

 

「あー、皆、仲良くしろよー」

 

 転校初日、クラスメート達の前で自己紹介をする悟飯。編入生という立場に当然彼にはクラスメートからの注目が集まった。

 

「へえ、ちょっと童顔だけど割りといけてるじゃない」

 

「アタシ的にはちょっとワイルド差が足りねー感じ。顔に傷とかあって2、3年食わせたらいい感じかもー」

 

 男としての彼を評価する者。

 

「マヤリト大陸か。くぅー、俺も行ってみてえええ!!」

 

「あそこは今、世界中から注目されている。けどまだまだ閉鎖的で接触を持つのは難しい。コネを作っておいて損はないかもしれないな」

 

 未知の世界からやってきたという点に注目する者。

 

「よろしくね。あっ、これお近づきのお菓子。評判の店のだよ」

 

「私はこのクラスで一番お姉さんですから困ったことがあったら言ってくださいね」

 

「悟飯君、よろしくね!!」

 

 好意的に受け入れてくれる者。

 

「ちっ、男かよ」

 

「転校生とかどうでもいい」

 

「大和好き、結婚して!!」

 

 興味を持たない者。

 反応は様々であったが、まあ概ね良好に受け入れられるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「行き成りでスマナイね」

 

「あ、いえ……」

 

 クラスメート達との顔合わせは上手くいったものの、その直後、悟飯は途方に暮れていた。何故ならば転校早々の最初の授業が『体力測定』だったからである。

 

(どうしよー)

 

 如何に悟飯でもここでやりすぎては不味いと言う事はわかる。しかし具体的にどの位が普通でどの位がやりすぎなのかがわからないのだ。

 

「転校生かあいつ勉強は凄いらしいけど運動はどの位なんだろうな?」

 

「着替えの時、ちょっと見たけどあいつ意外と筋肉あったぜ。まっ、俺様程じゃないがな」

 

「悟飯君、頑張ってー!!」

 

 しかも転校生と言うこともあって、思いっきり注目を集めてしまっていた。一時、自分の手足を止め、彼の動向を注視している。

 

「他の生徒は前回の授業で半分終えてイル。悪いケド、君には1日で一気に終えてもらうヨ。さあ、まずハ立ち幅跳びダ。あの白イ踏み切りデ手を振ッテ思いっきり飛ぶンダ!!」

 

 教師であるルーにやり方を指示される。最早覚悟を決めるしかなかった。

 

(よし、ここは軽くいくんだ。かるーく、かるーく)

 

 そして悟飯は思いっきり力を抜いて軽く飛んだ。そう、軽く20メートル程。ちなみにこの競技の高校生の平均記録は2.3メートル位で世界記録が3.73メートルである。

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

 悟飯が跳ぶ所を見ていた生徒達の歓声や冷やかしの声が止み、数秒の沈黙が落ちる。そしてその沈黙は驚きの声によって決壊した。

 

「えーーーーー!!!?」

 

「ちょっと、なんか滅茶苦茶とんだぞー!?」

 

「ええい、マヤリト大陸の転校生は化け物か!」

 

(や、やばい、今のでもやりすぎちゃったかな!?)

 

 その驚きように悟飯は自分の失態を悟り、次の種目では何としても誤魔化さなくてはならないと考える。

 

「つ、次ハ50m走ダヨ」

 

「わ、わかりました!!」

 

 スタート位置につき、そして発射の合図のピストルと共に走り出す。今度こそゆっくりと。しかし、それは上手くやったとは言えなかった。

 

「こら、悟飯君、真面目に走るんダヨ!!」

 

 何故ならばゆっくりと走ろうとする余り、誰がどう見ても手を抜いているのが丸分かりな位遅かったからだ。

 

「は、はい」

 

 ルーの叱責を受け慌てて加速する悟飯。そしてゴール。タイムは7秒ジャスト。ちなみに叱責を受けた時点の位置はスタート地点から約20メートルで、経過時間は5秒であった。

 

「こ、この次ノハンドボール投げからハ他のクラスメートに合流シテもらうヨ」

 

「はい!!」

 

(これなら大丈夫だ。他のみんなを見てそれに合わせれば目立たずにすむ!!)

 

 元気よく返事をし、内心でいい作戦を思いついたとガッツポーズをする。

 作戦を実行するため他の生徒を注視する。彼の前に投げるのは三人。一人目は27メートル、二人目は19メートルの飛距離を出す。

 そして三人目は男子の中では学園一のパワーを誇る生徒、島津岳人であった。

 

「よお、転校生、随分目立ってるじゃねえか。だがな、俺様パワーだけは負けねえぜ。みやがれ!! とおりゃあああああああああ!!」

 

 全力の投球。記録は何と60メートル。高校平均の2倍以上の飛距離であった。その記録に歓声が沸く。

 

「はあはあ、どうだ!!」

 

「えと、凄いと思います!!」

 

(今の岳人君の飛距離を参考に投げよう。その少し手前を狙って!!)

 

 自信満々に誇る岳人に賞賛の言葉を返すと投球位置へと移動する。そして黒い球を手に持って狙いを定めた。

 

「てえりゃあああああ!!!!」

 

 気合の掛け声と共に投げる。球はほぼ狙い通りの位置に落下、距離が計測される。

 

「50メートル!!」

 

(よし、上手くいった!!)

 

 成功を確信する悟飯。しかし、そこで何やら球の落ちた場所に人が集まり始め、それと同時にざわめきが広がる。

 

「おい、これって」

 

「ああ……鉄球だな」

 

 何と、何かの間違いか誰かの悪戯かハンドボールの籠の中に砲丸投用の鉄球が混じっており、悟飯はそれを気づかずに投げてしまったのだった。砲丸投げの日本記録は18.78メートル、世界記録は23.12メートル。50メートルと言うのは言うまでもなく規格外の記録であった。

 その後、握力測定では力加減が外から見ただけでは分からず計測器を握りつぶしてしまい、反復横とびでは他のクラスメートにペースは合わせたものの、動きが鋭すぎて残像拳状態となり3人に分裂。柔軟系はさして問題なかったし、最終種目は無難な結果に抑えたものの一般人を装うには最早完全に手遅れで、数日後には学園中に彼の規格外さが広まってしまうのだった。




短いですが、今回はここで切ります。
次回は初バトル。でもまだ百代とは戦いません。

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