悟飯in川神学園   作:史上最弱の弟子

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悟飯の将来は学者ですが、何学者だと思います。
個人的には物理学者(ノーベル賞を取った日本人が二人が努力型天才と言う感じだったのでその辺が悟飯のイメージにあうかなと)医学者(アニメ・原作、どっちでもまずなさそうだけど、人を救う研究なので悟飯の性格にはあうかなと)生物学者(悟飯は動物好きぽいので)あたりが似合うかなとおもってるのですが。


大会予選編
転校生


 Dr.ウィローとの戦いから1ヶ月が過ぎ、川神学園では一つの大きなイベントが行われていた。東西交流戦、西の名門である天神館と武を持って競い合う団体での試合である。学年毎に組み分けされており、百代を要する3年チームは圧勝、1年チームは大将である武蔵小杉が単独先行し、自滅に近い敗北を決していた。

 こうして最終的な勝敗は2年同士の戦いに委ねられたのである。

 

「やああああ!!!」

 

 2年同士の試合で最も活躍し、快進撃を見せていたのは悟飯との修行によって力を伸ばした一子であった。切り込み隊長として次々と敵を打ち倒しながら本陣目掛けて突き進む。ちなみに悟飯は目立ち過ぎたくないのと、張り切っている他の生徒達の出番を奪わないために、一子の後ろをついて行く形で移動し、自分に向かってくる相手だけを討ち取ることで自身の活躍を最低限に抑えるようにしていた。

 そして一子が相手の大将の下に辿りつく。

 

「大将の首はとらせんぞ!!」

 

 そこで天神館の大将である石田三郎を庇い、その側近的存在の島右近が一子の前に立ちふさがった。彼は敵の主力、西方十勇士の一人であり、学生レベルとしてはかなりの実力者である。

 

「川神流、蠍撃ち!」

 

「なっ!!?」

 

 しかし今の一子にとっては敵ではなかった。目にも留まらぬ速さで接近した彼女の正拳を撃ち込まれ島は一撃で昏倒する。それを見て感嘆の声を上げる石田。

 

「ほう。まさか東の中に島を一瞬で倒すような奴が川神百代以外に居るとは思わなかった。名を聞いて置こう」

 

「川神一子よ!!」

 

「川神? もしや川神百代の妹か。姉と違い妹はさしたる事は無いと聞いていたが、噂と言うのは当てにならないようだな。これだけの実力があるとなるとこの俺の出世街道の障害となるかもしれん。今の内に叩かせてもらおう」

 

 一子に対し敵意を向けると共に石田の髪の色が金色に変わり、金色のオーラが吹き出す。それを少し離れた所から見ていた悟飯は思わず声を上げた。

 

「あれは!? まるでスーパーサイヤ人みたいだ!!」

 

 見た目スーパーサイヤ人とそっくりな変身に驚きの声をあげる。まあ、スーパーサイヤ人のように戦闘力が50倍などと言う規格外なパワーアップをした訳では無いがそれでも2倍位に上がっており、ナッパやべジータと戦った頃の悟空でも無理なく使える界王拳は2倍までであったことを考えれば十分凄いことであった。

 

「これぞ光龍覚醒。寿命を縮める代わりに圧倒的に力を増す荒業よ。このような斬新な技、見たことがあるまい!!」

 

「確かに凄い気だけど。それならこっちだって!!」

 

 変身した石田に対抗し、一子も気を全開にする。その結果、両者のパワーはほぼ同等に並ぶ。

 

「行くわよ!!」

 

 そしてぶつかり合う両者。一子の成長を見守ろうと悟飯はそのまま静観の姿勢を取ろうとする。しかしそこで彼は2人とは別の人物より発せられる強い気を感じ取った。

 

「この気は、あの娘からか」

 

 その気を感じた先を見るとそこには黒髪でポニーテールのような髪型をし、刀を持った少女の姿があった。

 

「気の強さは黛さんと同じ位か」

 

 風間ファミリーの新メンバーであり、剣聖の娘である黛由紀江は既に父をも上回る程の強さを持ち、常識の壁を越えたレベルに到達している。その彼女に匹敵する実力者が川神学園の生徒の中に居ればとっくの昔に把握している筈だ。それ故に悟飯は彼女が敵側、天神館の生徒だと判断する。

 

「今の一子さんじゃ、あの娘に勝つのはちょっと難しいかな」

 

 一子も強くなったとは言え、未だ壁を越えたレベルには到達していない。少なくとも彼女一人で石田と少女の2人を同時に相手にすることは絶対に不可能だと判断した悟飯は彼女を守るため、足止めをすることを決意する。

 

「源義……」

 

「待った!! 一子さんの邪魔はさせない。僕が相手だ!!」

 

 名乗りを上げながら石田と一子の戦いに飛び込もうとした謎の少女の前に悟飯が立ちふさがる。目の間に突如人が現れたことに困惑しながらも、自分の行動を妨害しようとした悟飯を敵と判断した彼女は刀を向ける先を移し臨戦体勢を取った。

 

「油断ならない相手と見た。けれど義経は英雄の名に賭けて負けはしない!!」

 

 悟飯の実力を警戒しながらも、臆することなく交戦の意思を見せる少女。一方、悟飯は彼女をどうあしらうか考えていた。

 

(あまり力を見せすぎるのは不味いから互角位の印象に抑えたいところだけど、どうやって戦おう。相手は武器も持ってるし。……そうだ、トランクスさんと初めて会った時の!!)

 

 実力はできる限り隠したいが、あまりに油断しすぎて百代との戦いの時の二の舞になるのも不味い。そう考えた悟飯は彼女の持っている刀を見ていい戦い方を思いつく。

 

「むっ」

 

 少女を前にして指を一本突き立てる悟飯。戦いの構えには見えず一見すればまるで相手を舐めているように見える姿。しかしある程度の実力者であるならば気づける。その突き立てた人差し指に気を集中し、鋼よりも強固にしていることを。

 

「行く!!」

 

 少女が飛び込み刀を振りおろす。それに対し悟飯は気を集中したその指で刃を受け止めてみせた。

 

「くっ」

 

 攻撃を受け止められた少女は一端刃をひくと、今度は一撃の威力を落とし連続して刀を振るう。次々と迫り来る攻撃。しかし悟飯は腕を動かし、その全てを弾き返す。この戦い方は昔、悟空がトランクスと戦った時にした戦法であり、刀を持った相手にする対処方法としてその戦い方を真似たのである。

 相手の攻撃を全て防ぎながら反撃の余裕は無い振りをすることで端から見れば互角、あるいは悟飯が少し押されているように見える戦いを演じ、そのまま数分間戦いを引き伸ばした。

 

「川神流、大車輪!!」

 

「ぐわあああ!!」

 

 そしてそうこうしている間に狙い通りに一子と石田の戦い決着がつく。一子が奥義を炸裂させ、石田を打ち倒したのだった。それを確認した悟飯はこれ以上戦う理由は無いと停戦を持ちかけることにした。

 

「ここまでだ。君達の大将は敗れた。これで勝負は僕達、川神学園の勝ちだよ」

 

「えっ?」

 

 ところが、少女は悟飯の言葉に呆気に取られた表情を浮かべる。

 そして悟飯にとって驚くべきことを口にする。

 

「待ってくれ。あなたは川神学園の生徒なのか。だとしたら義経は味方なんだが」

 

「えっ? ちょっと待って。君は川神学園の生徒ってこと。学校で見たことが無いんだけれど」

 

「ああ、義経はまだ学園には通っていないからな。来週から通うことになる」

 

(それって良いんだろうか?)

 

 まだ正式に転校して来ていない生徒が参加するのはルールとして認められるのかと疑問に思いながら学園長の性格ならOKを出しそうだなと考えその疑問は口に出さないことにした。

 

「えと、誤解だったみたいですね。すいません」

 

「いや、義経の方こそ誤解していたようだ。すまなかった」

 

 お互い敵と勘違いしていたことを謝りあい和解する二人。そして和解したことで少女は悟飯に対し親しげな態度になって話を続けた。

 

「それにしても君は凄いな。英雄である義経と互角に戦えるなんて」

 

「英雄?」

 

 これまでの会話から義経と言うのが少女の名であることは理解した。つまり少女は自分のことを英雄であると言っていると言うことになる。有名人なのだろうか考える悟飯。

 

「ああ、義経は源義経のクローンなんだ」

 

 その疑問に対し答えを述べる義経。しかし、その答えは悟飯には理解できなかった。

 

「えと、源義経って誰?」

 

「えっ!? 知らないのか!?」

 

 知らないと言うことに驚く義経。日本人ならほとんどの人が知る歴史上の偉人なのだからその驚きは当然の物と言ってもいい。しかし生憎と悟飯は日本人でなく、社会科の選択科目も地理であるため、日本史に関しては源義経どころか織田信長も知らない位に無知なのであった。

 

「この国では有名な人なのかな? 僕はマヤリト大陸から来てテレビとかもあまりみないから知らないんだけど」

 

「そ、そうかそれじゃあ仕方ないな」

 

 悟飯の説明を聞いて納得する義経。そして源義経がどういう人物であるのかの説明が彼女の口から伝えられる。

 

「へえ、そうなんだ。凄い人なんだね」

 

「ああ、彼のクローンであることは義経の誇りだ」

 

 実際にはしたことを考えれば源義経よりも悟飯の方が遥かに凄いことをしているのだが、本心から感心してみせる悟飯と誇らしげに語る義経。二人の気は割りと合いこのまま会話を楽しみたいところだが、試合が終了した以上閉会の挨拶等が待っていると悟飯は別れを告げる。

 

「ごめん、もう少し話したいところだけど、そろそろ皆の所に戻らないと。それじゃあ義経さん、また学校で」

 

「ああ、よろしく頼む!! そうだ義経に君の名前を教えてくれないか」

 

「あっ、ごめん。言ってなかったね。僕は悟飯、孫悟飯だよ」

 

 名を告げると一子と合流し、急いで戻る悟飯。

 そしてそれから数日が過ぎ、義経と彼女と同じく偉人のクローンとして産まれた存在、九鬼財閥が進めた『武士道プラン』によって産まれた生徒達が転校してくるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんにちは、一応弁慶らしいです。よろしく」

 

「結婚してくれー!!」

 

 全校生徒の前で紹介される武士道プランの生徒達。その一人である弁慶の自己紹介に対し、その美人ぷりに叫ぶ岳人達。義経に会ってから日本の歴史について少し勉強し、元の義経や弁慶は男であることを知って何で皆、女性化してるんだろうと疑問に思う悟飯。

 そして義経、弁慶に続き3人目が挨拶をする。

 

「葉桜清楚です。実は私は、他の3人と違いまして、誰のクローンだか自分自身ですら教えてもらってないんです。私は本を読むのが趣味なんです。だから清少納言あたりだったら嬉しいなと思います」

 

(清少納言か。確かにイメージはあってる気がするけど)

 

「なあ悟飯。彼女のことじっと見てるけどもしかして好みなのか?(悟飯の奴、普段女にはあまり興味を示さないからな。知っておけば何かに役に立つ情報かもしれない)」

 

 気になることがあり、思わず清楚のことを注視してしまった悟飯に対し、大和が問いかけてくる。

 

「いやそういう訳じゃないんだけど。その誰のクローンなのかちょっと気になって」

 

 言葉を濁して答える悟飯。その理由は彼自身、感じたものを上手く説明できないからだった。清楚に強い潜在パワーがあるように感じられるのだがその感覚がどうもはっきりしないのだ。自分よりも強い相手の場合、潜在パワーを読みきれない場合もあるがそれとも違い、隠している力があるような無いような不思議な感覚を覚えていた。

 

「武士道プランによる転校生は後1名男子がおるんじゃが、何故かこの場に来ておらん。そこで、他の転校生2名を先に紹介するぞ。

 

 その場にさらに現れた2名、二人とも違う意味で凄く目立つ存在だった。その存在感と浮きっぷりはある意味、武士道プランによる生徒達を上回っている。

 何故なら一人は飛び級した10代前半にしか見えない少女。しかも学園内でも濃い生徒の代表である九鬼財閥御曹司、九鬼英雄の妹であり、同じ位の濃さを持った少女である。彼女の名前は九鬼紋白。

 そしてもう一人はその執事であり、還暦は余裕で迎えている金髪の老執事、嘗て鉄心と世界最強を争った武術家、ヒューム・ヘルシングであった。

 

「そんなふけた学生はいない!」

 

 思わず突っ込む百代。流石の悟飯もこれには同意だった。定時生のように年齢にばらつきのあるのが当たり前の学校ならばともかく、そうでない場所でヒュームが他の学生に混じって授業を受ける姿は違和感しかないだろう。

 

「ヒュームは特別枠。紋ちゃんの護衛じゃ」

 

 そのおかしな事態について鉄心が理由を説明する。それを聞いて生徒の大半が一応の理解するが、納得はしていないようだった。特にクラスメートになる1-Sの生徒にとってはその傾向が強い。自分の両親どころか祖父母位の年齢の相手がクラスメートになってもどう接していいのかと考えれば戸惑うのは仕方の無いことである。

 

「今の爺さんがヒューム・ヘルシングとは。九鬼家従者部隊の零番。だが想像しているよりは強くは……いや、気を抑えているのか?」

 

 そのヒュームを見て思ったよりも威圧感が無いと感じる百代だったが、悟飯との修行の成果か、その潜在能力を僅かに感じ取る。

 

「ほう。その位はわかるか」

 

「っつ……何時の間に後ろに!?」

 

 そして次の瞬間、百代の表情が変わる。つい先程まで校庭の壇上に居た筈のヒュームが一瞬にして彼女の後ろに回りこんでいたのだ。

 

「筋肉もしっかりと鍛えてあるようだ。どうやら思ったよりもましな赤子になったようだな」

 

 そして彼にとっては賞賛の部類に入る言葉を送る。

 一方、そのやりとりを身ながら悟飯はより正確にヒュームの力を感じ取っていた。

 

(百代さんも感じたようにあの人は力を抑えている。でも、どういうことだろう。あの人の強さ、初めて会った頃のべジータさん以上かもしれない)

 

 同じ地球人であるクリリンやヤムチャに比べれば劣るとは言え、マヤリト大陸の外であった実力者と比較して、ヒュームから感じる潜在パワーが余りに強すぎることに悟飯は困惑していた。

 

(鉄心さんは嘗て世界最強と呼ばれ、百代さんは武神と呼ばれている。その二人と比べて如何してこんなに差が。何か特別な修行でもしたんだろうか?)

 

 考え事をする悟飯。しかしそこで彼は考え事を中断し、振り返った。そこにあったのはヒュームの姿だった。

 

「ほう、反応したか」

 

「えと、まぐれですよ。その、あなたが百代さんの背後に接近するのを見てましたし」

 

 百代ですら反応できなかったものを反応できたとするのを不味いと思い、誤魔化そうとする悟飯。

 

「ふん、そう言うことにしておいてやろう。だが、一つだけ言わせてもらおう。それ程の才腐らせるなよ」

 

 その悟飯の言い訳から何かを察したのか話をあわせてくれるヒューム。最後の言葉は悟飯だけに聞こえるように言う。その言葉は少々彼にとって痛いものがあった。考え事をしていたとは言え、ヒュームの動きに対し、実は反応が遅れていたのである。スペックの差から対応が間に合い、その気になれば簡単に返り討ちにできただろう。しかしもしヒュームの実力が悟飯と同じであり、彼にその意思があったのなら、確実に奇襲を受けていただろう。

 

(力が弱くても長く戦ってきた人はやっぱり侮れないな)

 

 フリーザの尾を切断したクリリンやセルを足止めした天津飯のように熟練の戦士は実力以上の成果を発揮することもある。悟飯は改めて自分の未熟な部分を実感するのだった。




戦闘力公開第2弾。真剣恋キャラ高すぎと思う方が居るかもしれませんが、百代≒サイヤ人辺のクリリンという公式設定に沿うと最低この位の戦闘力でないと辻褄が取れないので。
後、ヒュームの強さに関してはちゃんとした理由付けがあります。

悟飯:計測不能
百代:3600
一子:110
揚羽:700
ルー(訂正):525
釈迦堂:425
黛:420
ヒューム:19000(原作10倍位)

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