ツイテル話   作:笹鉄砲

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第十四話

 

 ザブザの分身を真っ二つにした俺は一先ず彼から貰った変な名前の剣を巻物に収納した。おそらくどこかで売れば高値で売れるはずだ。なんせ恰好は変でも上忍の武器だからな。

 

 俺が走ってみんなの所に戻るとカカシ先生が水の牢から脱出しており手の甲で手裏剣のごついやつを受け止めていた。

 

 すごく痛そうだ。

 

「ナルト、作戦見事だったぞ。成長したなお前ら」

 

 戦闘が始まってすぐに捉えられたやつが言うセリフじゃないだろそれ。 

 

 まあ何があったかは知らんがとにかくカカシ先生がいるならもう大丈夫だろ。なんかナルトが解説しているが敵の前でそんな自慢げに話してる時間はないだろ。速くこっちにきなさい。

 

「はっ、カッとなって水牢の術を解いちまうとはな」

  

「違うな解いたんじゃなく解かされたんだろ?言っておくが俺に二度同じ術は通用しないぞ」

 

 カカシ先生、普通は一度でも術を食らったら次はありませんよ。それに変態もカッとなって術を解くってそれでも忍者か?

 

「みんな無事だったか」

 

「あっ、ウツロ無事だったのね!!」

 

「なんとか、敵の術の範囲内から出たのか結構弱くなってたからあっさり倒せたよ」

 

「よかった」

 

「そういえば敵から奪ったあの剣はどうしたんだ?」

  

「あれはそこらへんに捨てた。あんな重いもの持ち歩けないからな。とにかく今は油断するなよ。あの変態が次になにするか分からんからな」

 

「うん」

 

 嘘は言ってないから大丈夫です。あの剣もいつかは捨てるつもりだし。

 

 前を見るとカカシ先生とザブザが同時に飛び印を結び始めた。あの印は扉間が俺によく使ってくるウォータードラゴンだ。扉間のが特別製なのかいくら逃げても追いかけてくる粘着質な術だ。

 

 カカシ先生とザブザの術がぶつかり合う。周りに水が飛び散ったせいでせっかくの服がびしょぬれだ。迷惑な術ばかり使いやがってよこの世界の忍者は。

 

 しかし印を結ぶスピードが俺と同じくらいだと思うんだけどもしかして俺は上忍レベルなのか?

 

 そんな風に考えているとカカシ先生とザブザがクナイで鍔迫り合いをしていた。そして後ろの木の上からまた気配がする。

 

 また誰か来たよ。気づいてるけど知らないふりをしておこう。自分から面倒事に巻き込まれるのはもういやだ。

 

 鍔迫り合いから二人は全く同じ動きをして例のポーズで止まった。忍者の中では流行っているのかなあのポーズ?かっこいいポーズみたいな感じか。

 

 そして同じ動きからカカシ先生が先に術を発動させた。良く見るとナルトが術に巻き込まれている。俺の仲間に手は出させないと言ったのは自分が手を出すからかカカシ先生。

 

 ザブザがカカシ先生の術により木に叩きつけられる。そしてカカシ先生が止めを刺そうとしたところで横からさっき後ろにいた奴が何かを投げつけてそれがザブザの首に当たった。

 

 カカシ先生が死んだのを確認する。どうやらあいつは追い忍のようだ。お前がちゃんとやらないから俺は変態と鬼ごっこする羽目になったんだぞ。

 

「この世界にはお前よりも年下で俺より強いガキもいる」

 

 今からまた戦闘は面倒くさいから口には出さないがよく考えろカカシ先生。あのガキは凄く怪しいぞ。千本を使ったり死体をそのまま持ち帰えろうとしたりと変な点がいっぱいあるぞ。

 

「聞きたいのですが、彼が持っていた首切り包丁を知りませんか?」

 

「それなら」

 

「それなら俺が捨てときましたよ。この林のどこかにあると思いますので持っていってもいいですよ」

 

「……そうですか、ありがとうございます」

 

 あかん、なんか声のトーンが下がった。凄く怒ってらっしゃる。俺は彼?に対しては何もしてないはずなのに。あれかこの人はあの剣が欲しかったのか?

 

 そして追い忍はザブザを連れてどこかに行った。それに納得できないナルトが怒っているがカカシ先生に窘められている。

 

「さあー元気よく行くぞ!!」

 

 そう言って歩き出したカカシ先生が急に倒れた。

 

 

 

 

 


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