影が薄くてもダンジョンを攻略する。のは間違っているだろうか?   作:ガイドライン

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どうも。こちらではお久しぶりです。
フッと浮かんできた内容があったので思いきって書きました。
出来るだけ早めに更新頑張りますので応援よろしくお願いします。
それでは、どうぞ。





影が薄いって、こういう時に実力を発揮します。

「ベルベル達が帰っていない?」

「何してるのか…ちょっと心配でね……」

 

夜になり夕御飯の時間も過ぎたのにも関わらずにベルが帰ってきていないと神様から噺を聞いたハジメ。

 

今日はダンジョンに行くとは聞いていないし、買い物などの話も聞いていない。だからこそ心配だという神様に対して

 

(ということは、まだ()()()()帰ってきてないと……)

 

何してるんだと思い頭を抱えたくなる。

確かにベルベルがあの場所に行けば()()()()()()()()()とは期待したが、神様を心配させてまでことではない。

 

だといって『いまベルベルは◯◯◯に行ってます』と言えば驚くを通り越して気絶、もしくは大暴走してその場所にいく。

 

どのみち嫌な予感しかしないためそれは伏せることにして

 

「じゃ、探してきましょう。僕はこういうの得意ですから」

「ゴメンよハジメ君。ベル君をよろしく頼むよ」

 

自分で探したほうがマシである。

しかしそうなると、キチンと話を通さないといけない人がいる。

 

…………………………

 

「ということなのですが、着いてきてくれませんか?」

「事情は分かりましたが……正直首を縦に振りたくないものですね……」

 

仕事の休憩を狙ってリューに◯◯◯……面倒臭さい、歓楽街にベルベルが行っていると思うので連れ帰ようと思いますので着いてきてください。と説明をしたところ。

 

「でも、リューは僕にその場所には行ってほしくないんですね。

それでも僕は帰りの遅いベルベル達を迎えに行かないといけない。

なら、心配してくれるリューが僕と一緒になら。と思ったのですけど」

 

「頭では理解出来ているのですが……すみません。わがままをいって……」

 

「???

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「なっッッ!!!??//////」

 

一気に耳の先まで真っ赤にするリュー。

あれ?なんでそこで顔が赤くなるのだろうか……??

 

「アハハ…容赦ないわね………」

「シル姉。僕悪いことしましたか?」

 

「天然なところが悪かしら?」

「天然と言われても普通なんですがね」

 

何処から聞いていたか知らないが苦笑いしながら話しかけてきたシル姉にリューの様子がおかしいと聞いてみたのだが…結局答えは分からなかった。

 

「そんな風にメロメロにさせてるんだし今日ぐらいは一人で言っても大丈夫よ」

 

「えっ。しかしですね…」

 

有無を言わせる前にシル姉がリューの方を指差すと

 

「……そ、それは…そういう……か、かんけい…には……なりましたけ…ど……もう少し……いや、……いやでは…ないん……ですけど……その……//////」

 

うつむいたままボソボソと何かを言っている。

そして表情は満更でもないような、幸せそうな……

それを見たハジメも「あぁ~」と納得して

 

「では行ってきますね」

「はい。いってらっしゃい」

 

未だにトリップしているリューの手を取って変わりに手を振ってくれた。可愛いリューの姿をまた一つ見つけた日となった。

 

…………………………

 

「さて、どこにいったのやら……」

 

歓楽街に入ったのはいいが一つの大きなファミリアが取り締まっている場所。なので無駄に広く、そして多くの建物とお店が顕在している。

 

ここからたった一人。ベルベルを見つけるとなると…と考えていたがすぐにそれは消された。

 

「まぁ、ベルベルですから()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

と、完全に自分のことは棚にあげていうハジメ。

しかしその予感は的中することになるのだった。

 

「………って!!!……まえろッ!!!」

「おっ。さっそく騒がしくなってきましたね」

 

こんな予感は当たってほしくないが、ここにはそれをツッコミを入れる要員がいないために、ただ更なるトラブルメイカーを引き寄せる形となった。

 

余談だが、前回の戦争遊戯においてハジメに劣らずベルも多くの人に知れ渡ったのだ。つまりそんなベルを狙う娼婦()は多くいるもので

 

「いやああああああぁぁぁぁッッ!!!!!」

「逃げるんじゃないよリトル・ルーキーッ!!!!!」

 

「天井のシミを数えてる間に終わらせてやるよッ!!!」

「とびきりに気持ちよくなる特典付きだよッ!!!!」

 

「いりませんんんんんんんんんんッッ!!!!!」

 

絶叫しながら屋根から屋根に逃げている兎を一匹見つけた。

その後ろを複数の獣達、もとい娼婦が追いかけていた。

それを見たハジメは

 

「頑張れです」

 

無視をすることにした。

ここで助けに入るとベルベルを追いかける娼婦に自分も巻き込まれる。それはリューに対して絶対にあってはならないこと。

ベルベルには悪いが……と思い、ベルが通ってきただろう方向へ歩いてみるとそこにはここに一瞬に来ていたヴェルフとリリ。そして命達が走って逃げていた。

 

「ハ、ハジメ様ッ!!!」

「何やってるんだこんなところでッ!!!!!」

 

「こっちの台詞なんですけどね。

いつまで経っても帰ってこないから神様が心配してましたよ」

 

「わ、わりぃ……でもよベルがッ!!!」

 

「大丈夫です。そちらは僕に任せて帰ってください」

 

「しかしですね……」

 

「こんな大人数が移動するなら目立ちます。

さらに僕は隠れられますからね。問題ありません」

 

「えっ?でもそれなら……」

 

と、千草が余計なことを言おうとしたのでニコッと笑って制止させた。ヒィッ!!と声を出して言うのを止めた千草に命が心配しそうに声をかけるが何も言わなかったので許してあげましょうと満足そうな表情したハジメに

 

「ヴェルフ様…これ、絶対になにかやからしますよ……」

「だな。でも止める方法、あるか?」

 

「ありませんね……」ということで諦めたヴェルフ達はハジメの言うとおりにこの場から逃げ出すことにした。

そして残されたハジメは未だに声が上がっている方向へ振り向き

 

「さて、ベルなら何処かに身を潜めようとするとして……」

 

ベルがどんな動きをするか頭に過らせながらこの街の影に消えたハジメだった。

 

…………………………

 

パリンッ

 

高い、高い塔の一室。

その広い一室の中でグラスが割れた。

 

謝ってグラスを落としたのでない。

ある出来事に我慢できずに八つ当たりのように壁にその手に持っていたグラスを叩きつけたのだ。

 

グラスに入っていたワインは壁に添って床へ向かって伝って落ちていく。それはまるで血のように……

 

グラスの割れた音に気づいた一人の冒険者は主の元へ馳せ参じ

 

「どうかなさいましたかフレイヤ様」

「この前の戦争遊戯で、牽制したつもりだったのだけど…」

 

フレイヤの側に常にいるオッタルでさえも萎縮してしまいそうになるほどいま神・フレイヤはキレていた。

 

フレイヤが見ていたのは水晶。

そこに映るのは遠くにいる者の行動を見るため。

そしてその目的である二人。ベル・クラネルとハジメ・トキサキ。

 

すぐにオッタルは分かった。

その二人のどちらかが、もしくはどっちもが、奪われそうになっている。もしくは奪おうとしていると。

 

「すぐにというのならばいつでも」

 

だからオッタルはいまフレイヤが一番望むことをいった。

それはフレイヤ様が気になる二人を奪おうとする者を……

 

「いえ。それはいいわ」

 

するとまさかの答えにオッタルは一瞬驚いた。

何もかも手にしようとする神。そして奪われそうになるなら全力をもってそれを阻止しようとする。

 

なのにも関わらずに、その命令を出さない。

しかしすぐに何か考えがあるのだろうと頭を切り替えたオッタルは

 

「では、如何様にしますか?」

「そうね。ロキといつでも話せるようにしたおいて。もちろんヘスティアもよ」

 

「かしこまりました」

 

何を考えているのか分からない。

しかし神様のためにとオッタルはすぐに行動するために部屋から出ていった。

 

そしてまた一人になったフレイヤは

 

()()()()()()()()()()()()

なら、()()()()()()()であるあの二人に恩を売ってもお釣りがくるわ」

 

ふふふ。と笑うフレイヤはこの状況を利用しようと考えたのだ。

すぐにでも手にしたい気持ちを抑えてまで、この先のことを見据えて。







はい。久しぶり書いて久しぶりにフレイヤです。
きっとハジメが関わるならこんな感じかなーと思い付きましたので。

さて、次回はどうなるのか。僕にもまだ分かりません(笑)



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