影が薄くてもダンジョンを攻略する。のは間違っているだろうか? 作:ガイドライン
どうも!!!
最近ONE PIECEばっかりでご無沙汰です。
こちらは今年最後になりました。
一番書きたいことを書いたのできっと面白いかと。
それではよいお年を。
「こ、これが新しい僕達のホーム……」
ベル達の前にそびえ立つのは旧アポロン・ファミリアの館を改装した拠点「竈火(かまど)の館」
さらに、エンブレムも作成し、描かれていたのは「重なり合った炎と鐘」であり、炎がヘスティアで鐘がベルという意味が込められている。
実際はハジメを印象づける影も刻もうとしたのだが、それでは「影」の意味をなさないとエンブレムから外された。実際はもうハジメの事を知らないものがいないので「影」というイメージもないためこちらでいいかも知れないが
「うーん、やっぱりエンブレムに「影」いれても良かったんじゃないかな。ほらそしたら立体的でカッコよくなるし、なによりここまでファミリアが成長したのはハジメ君の功績が大きいだから」
「いやです。なんでそんな見せ物にならないといけないんですか?僕は静かに過ごしたいので却下です」
(((なら、あんな目立つ行動しなければいいのに…)))
心で思っても絶対に言葉には出さない。
そんなことを言ったら絶対に面倒くさいことになる。うん間違いなくなる。
「そうかい。でもその分内装は期待してくれよ!!」
「そうですね。ゴブニュ・ファミリアは間違いないですし」
鍛治と建築を司る主神ゴブニュ率いるこの派閥は依頼があれば建設作業も受け持つ都市でも珍しいファミリアでる。
そんなファミリアに改装の依頼をして約一週間。
外装も素晴らしく一流の腕だというのが分かる。
「さてさて、どうなってるんでしょうかね」
…………………………
「おおっーー!!」
そこには大きな十人は軽く入れそうな大浴場、極東式の檜風呂があった。
新品の木材の香りが帆のかに漂ってくる中、じゃ~、という音をたてて湯口から温かなお湯が流れ込んでくる。
このお風呂は何でか懐かしさを感じる。
遠い昔、家族で過ごしていたとき一人用の木材で作った五ェ門風呂と呼ばれるのには入っていた。それを連想されるお風呂だけど明らかにこの檜風呂は凄い。
どういうわけか無性に入りたくなるのを我慢していると扉がガラッと勢いよく開き物凄い勢いで檜風呂に近づいてきたのは、この檜風呂の発祥である極東出身の命だった。
「こ、これはッ!!?」
「懐かしいですよね。昔僕の家では五ェ門風呂?というのがあったのでそれに近くて大きいお風呂をって言ったらこんな風になりまして」
「檜風呂ッ!!!まさかこんなところでこれが拝めるなんて………」
感動しているようでハジメの言葉は耳に入っていないようだ。四つん這いになり水面を眺めている命にこれ以上何を言っても無駄だろうなーと思いこの場から去ろうと歩きだした。
なんとなくこのままいると男してはラッキー、しかしハジメとしては死亡フラグが起きそうだと何となく直感が働いた。
そのあと再びお風呂の近くを通った時「はああぁ~」と気持ち良さそうな命の声が聞こえてきて、本当にあの場から去って良かったと思った。
…………………………
「どうですかヴェルフォード??」
「……なぁ、名前負けしてしまうあだ名やめてくれねぇか?」
「イヤです」
「清々しいほどハッキリだなクソッ!!!!」
新しく出来た自分の工房で感動していたヴェルフだったが、そこに現れたハジメによって感動は消え去った。
というか、間違いなく面倒事を持ってきたと分かっていたのでテンションが下がったのだ。
いや、だってハジメの手には物騒なものがあるから。
「で、なんだそれは?」
「これはリヴェ姉の魔法を止めた物です」
「………そっちは?」
「これはゴライアスの衝撃波を詰めた物です」
「…………………で、何のようだ?」
「これで武器を作ってください。希望的には遠隔操作ができ」
「るわけあるかああああぁぁぁ!!!!」
思わず鎚を投げつけてしまいそうになったヴェルフ。
そんなところを見てもあっけらかんにしているハジメ。というかどうしたの?とよく理解できていない…
「いや、実際僕は簡易的ですが作れましたよ」
「それは自分の能力だからだろうが!!!
俺じゃ勝手が違うんだよ!!ってか殺す気かぁ!!!」
「いや、一時停止してますから破裂的なことはありませんよ」
「んなもんテメェだけが言ったも信用出来るかッ!!!」
頑なに拒むヴェルフにハジメはハァーとため息をついて。
「使えませんね」
「おい。喧嘩売ってるなら買うぞ。勝てなくてもな買うときには買うんだぜ!!」
「じゃ、軽くて簡単に攻撃が出来そうな物を。
もちろん一時停止を使って出来るような物で」
「……勝手に話を変えやがって……
で、一時停止を使った武器だぁ??そうか椿の武器はいま預けていたな」
それについては考え始めたヴェルフ。
突拍子もないことだがそういう道なるものに対して好奇心が溢れてくるようだ。
「確かに面白そうだが…これ鍛冶師としてこれは武器とはかけ離れている気がするんだが……」
「人が使って相手を倒すもの。武器ですよね」
「間違ってないが……はぁ、考えさせてくれ」
頭を抱えているが少し楽しそうな顔をするヴェルフ。
変わった武器、普通なら断る事ができるがヴェルフ自身が見たあの光景に心が動かされたのだ。武器とは剣や籠手などだけではないと。
…………………………
「大体部屋が多すぎです…これでは掃除にどれだけ時間がかかるか……」
リリは館の状況を確認していた。で、アポロンファミリアが使っていたこともあり部屋数は多くいまの団員だけでは余るのが現状のようだ。
しかしその部屋も何もしなければ埃がたまる。
そんなのはリリとしては嫌なのでどうにかしたいが部屋を省いたとしても館としてでも広いので掃除だけでどれだけ時間がかかるのか……と悩んでいた。
「掃除をしてくれる人を雇いましょうか…ですがそれではお金がかかりますし……」
神ヘスティアから話を聞いたところ昔は本当に貧乏で、ハジメが入ってから少しずつではあるが楽は出来たという。それでもこの館を維持出来るほどの財力があるかといえばそれは今後の働き次第。
「しばらくは自分たちでやってから、見通しがついてからでしょうか……」
このファミリアには金勘定出来る人間がいない。
なら自分がやるしかないと思っていたが、予定していたよりも大変そうだと自覚した。
そんな事を考えながらまた一つ部屋を見て、次の部屋へと事務作業的に見て回っていると。
「ここは思っていたよりも散らかってますね。まずはここを片付けますか」
その部屋には無駄だと思われる大量の紙とよく分からない物、酷くいえばゴミがありこれは徹底してやらないといけないなーと思い扉を閉めて次の部屋と移動。
「…………うん?」
いや、なにかおかしい。
そう直感したリリは再びさきほどの部屋の扉を開いた。
そこにはさっきみた紙があったが、よく見るとそれはこの前見た気がする。
「……は、は、ハジメ様ああああああああぁぁぁぁぁ!!!!!!」
怒鳴った。それはもう館全体に響くほどに。
すると一分も経たずにリリの元へ来たハジメは何でしょうかと何もわからない表情で
「どうしましたかリーリ?」
「……何ですかこれは?」
「武器です」
「これはゴミって言うんですよッ!!!!
ってか、こんなに入らないでしょうがッ!!!!!!!」
そう紙一枚がいくら安いとしても、床から天井まで重なったものが複数もありそれが部屋の半分も占めていたらそういいたくなるだろう。
「いや、この武器は消費するのでストックを」
「この前は5~6枚を破って使ってましたよね」
「ダンジョンでは大型やモンスターの大量発生に役にたちます」
「その前にこんなもの使わなくても対処できますよね」
「……マンネリ化は良くないと思います」
「ただ使いたいだけですよねッ!!!!」
珍しくハジメが論破された。
そうハジメとしては一時停止した衝撃を放つというのに飽きた。だからこうしてバリエーションを増やそうと思ったようだ。
「あのですね、やりたいからだといって限度というのがあるんです!!一体これにどれだけお金を使ったんですか!!!!」
「使ってませんよ。
これ神ロキがいつも間違ったと捨てようとした紙ですから」
「……あっ、本当ですね。ここもここも間違ってる」
「よく間違えてリヴェ姉に怒られていましたね。
もちろん他の団員の物もありまして、これをただ廃棄するのも勿体なかったので貰いました」
リサイクル精神。そうだと分かると強くは言えない。
そう紙以外のゴミもハジメから見たら武器になる。
そんなことを言われたら強く言えない。ぐぐぅと押し殺すように喉から出ようとした言葉をやめた。
「………ではしばらくはこの紙を使ってください」
「はい。ダンジョンにロキファミリアの汚点を振り撒く。了解です」
「言い方ッ!!!ってそんなこと分かっているなら最初から貰ってくるなッ!!!」
「リーリにこれを言わせたい為に貰ったきたので。
ちゃんと処分しますよ。」
「もうッ!!!!貴方はもうッ!!!!!!」
ちなみに一時停止で囲んだ空気の檻の中にゴミを入れてリヴェリアの炎魔法をぶちこんで廃棄したそうだ。
………一体魔法をどんなものだと思っているか………