影が薄くてもダンジョンを攻略する。のは間違っているだろうか? 作:ガイドライン
影の薄い、きっとそれが一番怖い気がする……
都市はざわめいていた。
「……一ヶ月?」「本当かよ……」
冒険者達は、ギルド本部巨大掲示板に張り出された、とある
「あの野郎共ッ………!!」
「ちょっとベート、早く見せてよー!?」
とある第一級冒険者は、仲間の催促の横で、ある記事が書かれた情報紙を握り潰す。
「ひひひっ、
そして神々は、とある冒険者の公式
━━━━ベル・クラネル、Lv.3到達。
そして、トキサキ・
…………………………
「…………はぁ~」
「ため息はやめたほうがいいですよ、幸せ逃げますから」
「誰のせいだ、誰の!!」
「あまりからかうのはやめなさい。自分の神様なのですよ……」
またはぁ~とため息を着きながら街中を歩く神ヘスティアとハジメとリュー。
あの一件からヘスティア・ファミリアの面々はフードの者を警戒するために必ず二人で行動することになった。
ヘスティアとハジメとリュー、ベルとリリ、ヴェルフと命がペアになっている。
命はヘスティア・ファミリアではないが公に晒されたことにより狙われる可能性があるということで安全が確保されるまでヘスティア・ファミリアで過ごすことになった。
リューに関しては変装しており身元はバレていない。
ただ何かあったときのためのストッパー。そうハジメの暴走を止めるために共に行動している。
「神様ですけどキチンと言わないといけませんよね」
「だとしてももう少し言い方があるはずです」
「……確かに。ありがとうございますリュー」
「そ、そんなお礼を言われるほどは……」
「??どうして顔が赤くなって…」
「ち、近づかないでください!!大丈夫ですので!!」
「神ヘスティア様、リューの体調が悪いようなのですがどのようにしたらいいのでしょうか?」
「ちょっ!!ちょっと少し離れてくださ……」
「なんで君らのデートに付き合わないといけないんだよおおおおぉぉ!!!!」
そう、これはデート。
リューは絶対に「ただの買い物です!!」と言い張るがこれはデート。
そんな中でヘスティアも一緒って……これは拷問に近いものがある。
…………………………
「それでハジメ様とリュー様の「デート」にヘスティア様が同行していると……
私としてはザマァーですが、どんな仕打ちを…いや、この場合は天然で仕出かしたんですよね………」
「アハハ……」
ベルとリリは黄昏の館へ向かっていた。
あの一件からロキ・ファミリアとヘファイストス・ファミリアの二大勢力であのフードの者を捜索・警戒をしている。
今日は現状報告を聞くために向かっているのだがリリの足取りは重い。
「どうして私達が出向かないといけないんですか?
明らかにこうして出歩くほうが危険なのに…」
「まぁまぁ、つい最近まで外出禁止だったんだからちょっとでも出歩いたほうが体にはいいよ」
「……確かに未だにダンジョンの許可も下りませんから…少しは体を動かしたほうがいいかもしれませんが……」
「あっ、どうせならリリも一緒に訓練つけ」
「お・こ・と・わ・り・し・ま・す!!!!!」
あんな一級冒険者との訓練なんてしたらリリの体が動かなくなってしまうだろう。
そんな大きな声に気づいたのか離れた所からこちらに向かってくる二人組。誰が見ても明らかに合わない二人ヴェルフと命だ。
「なに大きい声を出してるんだリリ助??」
「なにかあったのですか?」
「お二人でしたか。いまベル様から
「「結構です。」」
「……強くなれるんですけどね……」
その言葉に
レベルアップもあり一段と訓練に付いてこれるようになったかもしれないが、それでもまだ一級冒険者には追い付かない。なのに、その姿勢は、吸収力は一級冒険者も迫る勢い。
そんな地獄の訓練に巻き込まれたら……ダンジョンで死ぬより先に死ぬ。
「それでまた沢山買い物されたんですね」
「おぉ、世話になってるからな。
ツマミぐらいはと思ったんだが」
「どうせなら晩御飯をと思いまして。
ヴェルフ殿が私の国の料理を食べたいと言ってましたので」
「あっ、それリリも気になります」
「だろ!!
確かハジメも命と同じ出身なんだよな。二人なら大人数の料理作れるだろうと思ってよ」
「しかしハジメ様って料理作れるんですか?」
………………………………
「はい、これが肉じゃがになります」
「う、うめぇええええぇぇぇぇぇぇ!!!」
「なんだよ、この優しくて、それでいてしっかりした味はあああ!!!」
「ホクホクしてて、それでいてメチャクチャ酒に合う!!!」
「おかわりや!!どんどん料理と酒を持ってこい!!!!!」
もう大盛り上がりだった。
それはそうだろう。リューではないにしろあの豊穣の女主人で働いているのだ。そしてその主人であるミア母さんに認められるほど毎日の賄いを作っていた腕前。
そしてそんな中、面白くないと拗ねているのがヘスティアである。
「ったく、ヴェルフ君は余計なことをしてくれたよ……」
「す、すまねぇ……」
「そういえばちょっとだけヘスティア・ファミリアで食事をいただきましたけど、てっきりヘスティア様が作っているものかと……」
「ぼ、僕だって本気を出せばこれぐらいッ!!
…でも、この味をあのロキには知られたくなかったんだよッ!!!!!」
「本気で悔しがってるんですね……」
もうやけ酒になっているけどそれでもちゃんとハジメの料理を食べている。
ちなみにメインがハジメ、サポートで命とリューが。
えっ、なんでリューがいるのか?
今日の
「なんやヘスティア。こんな上手い飯毎日食ってたんか!!」
「そうだね……君がハジメ君に目をつけなければ僕は毎日楽しく美味しい料理を食べていたんだ!!!」
「なんや、まるでウチが邪魔みたいな言い方やな?」
「まるで、じゃないよ。事実だよ」
「「…………………」」
「「やるんかい!!あぁ!!!??」」
また始まった下らない喧嘩。もうそれは名物となりそれを肴に酒を飲んでいる。
流石のリヴェリアも呆れてもう楽しんだもの勝ちと一緒に酒を飲んでいる。これを止めるのはもうあの男で十分だからだ。
「はいはい、喧嘩は駄目ですよ」
「そこを退けやハジメ!!!」
「ハジメ君退くんだ!!!」
酒を飲んでいるからもうこの絡みがウザい。
これを毎回毎回リヴェリアが相手していたのだがもう大丈夫!!なぜなら
「いい加減にしないと『加工』しますよ」
「「す、すみませんでしたああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!!!!」」
速攻土下座をするヘスティアとロキ。
それを見ていた冒険者達は「いいぞハジメ~!!」と盛り上がっているが
「これ以上五月蝿いと『加工』しますよ」
「「「す、すみませんでしたああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!!!!」」」
と、もう脅迫並みに効果がある。
そうハジメはレベルアップにより発展アビリティが発現した。出てきたのは『拒否』『削除』『加工』
もちろん『削除』はもってのほか。『拒否』も響きが怖い。なので前回と同じように一番安全そうな『加工』にしたのだが………これが一番怖かったのだ。
その内容はのちほど。
とにかく恐ろしいというのは分かってもらえたと思う。
「……なんか見慣れた光景になりましたね……」
「だな」
「これ、慣れていいんでしょうか?」
「確実にハジメの影響を受けてますね」
「……リューさんが、一番かと……」
「なにか言いましたかクラネルさん?」
「い、いえ!!何もありません!!!」
有無を言わせない。これは似た者カップルなのかな?
「また変なことをいったんですかベルベル??」
「少くてもハジメよりはマトモだよ」
「最近言葉にトゲがつくようになりましたね」
「それはハジメのお陰だよね、っとうに!!」
「さて明日はいよいよお屋敷の完成ですか」
「その話を無視して進めるの止めてくれない!!?」
「??あれ、もう根を上げたんですか?」
「……もう、敗けだから…やめて……」
「ハジメ。ハジメの相手は私がしますからもうやめてあげてください」
「そうですか。ならやめてあげましょう」
「……ありがとう、ございます………」
この場においての勝者はこのカップルです。