影が薄くてもダンジョンを攻略する。のは間違っているだろうか?   作:ガイドライン

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皆さまのお陰でまた日間ランキングに入れました!
やはり戦争遊戯編は面白い話ですよね~
さてさて、余談ですがKinKi Kids新曲出します。

小説関係ないだろう!!と思いでしょうが僕にとってはテンションが上がり更新速度も上がる出来事です。

まぁ、本当に読者に関係ない話でしたね(笑)
それではどうぞ!!




影が薄いからこそ暗躍出来るのです。

「な、何の音だぁぁ!!」

 

「ッ!!?」

 

 

 

慌てているソーマ・ファミリアのザニスと、アポロン・ファミリアのリーダーであるヒュアキントスは先ほどの騒音と揺れに驚いていた。

 

すると慌てた様子で部屋に入ってきたのはソーマ・ファミリアの眷族の一人だった。

 

 

 

「ほ、報告しますッ!!!!

巨大な氷の塊が城壁と城の一部を()()()()()()()!!!!」

 

「なっ!!!??

何を言っているのだッ!!!!」

 

「…………………」

 

 

 

 

同様しているザニスに比べてヒュアキントスは冷静に状況を確認するために小窓から外を確かめる。

するとそこには報告通りに巨大な氷の塊が、この戦場の1/5を押し潰しているのが見えた。

 

 

 

 

「一体どんな手を使ったか知らないが、()()であんなことができるとはな……」

 

 

 

 

冷静に分析して可能性を考えた。

魔法ではルール違反となる。

なら魔剣によって作られたと考えるべきだろう。

 

もしくは()()()()()()()()()()()と考えたがそんな事はありないとすぐに切り捨てた。

 

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

 

「……すげぇな……

聞いていたけどよ、こうして目の前でやられると驚くしかねぇな」

 

「同感です。

あの人の異常差は知っていたつもりでしたが…改める必要がありますね」

 

「これから同じファミリアなんだから、これくらいは慣れないと持たないと思うよ……」

 

 

 

 

ヘスティア・ファミリアの3人は冷静に分析をしていた。

もちろんテーマはハジメについてだ。

この奇襲作戦はハジメから聞いていたがまさかここまでとは思わずに驚いている。

 

それでも少し離れたところで固まっている命を見ればまだマシなほうである。

 

そしてもっとも冷静に対応しているのが

 

 

 

「それではクロッゾさん、魔剣の方を」

 

「あ、あぁ……」

 

「貴女は驚かないんですね…」

 

「ハジメはやると言ったことはやる人です」

 

「確かに……」

 

「なら私は信じるだけだ。

そして作戦通りに進めなければいけません」

 

 

 

そういって魔剣を手にしたリューは城へ向かって歩きだした。

その背中を見つめるベルは「スゴいな…」と呟いてしまうほどリューのハジメに対する想いの強さに驚いていた。

 

 

いつもいるベルとはまた別のものなんだろうと感じていると、リューが魔剣を構えて、そして振り下ろした。

 

魔剣から放たれた業火は巨大な氷を砕き、砕かれた氷は城全体へと砲撃のように吹き飛ばされた。

氷の散弾は城内まで届き次々に冒険者を倒していく。

 

 

 

「よ、容赦ないですね……」

 

「だな……」

 

 

 

戦力がある程度減るまではリューとハジメ以外は待機することになっていたが、これでは減るどころか終わるのではないかと考え始めた。

 

しかしそこは上手くはいかない。

相手も対抗するためにアポロン・ソーマの冒険者が魔法を一斉に詠唱し初めてた。

そしてタイミングをずらしての複数による連続魔法はベル達の方へと放たれた。

 

 

しかしそれらの魔法はリューが振るう魔剣により次々と相殺される。

いや相殺どころか影響は敵陣地に及んでおり、少しずつ押され始めている。

 

規模では魔法の方が大きいというのに押されているのは、止まることをしらない魔剣からの猛激である。

 

 

 

「一体いくつ魔剣を持ってるのだ!!?」

 

「い、いいえ!!

相手は魔剣を……たった一振しか使っていません!!!」

 

「ふ、ふざけるなッ!!!!

魔剣は数回使えば崩れ消えるものなんだぞ!!!」

 

 

 

一向に止まない魔剣の追撃についに逃げ出した冒険者達。

リューの手はそれを止めることなく、直撃はせずとも外観を破壊することにより隠れる場所を無くして追い詰めていく。

 

それでもその仲間の魔法の中から襲撃を成功させ辛うじてリューに届いた攻撃は、フードに僅かに切口をあたえて一瞬あらわになる木の葉のように尖った長い耳が、同胞である冒険者に目にうつりそして激怒した。

 

 

 

「き、貴様ぁ!!?

同胞(エルフ)でありながらよりによってあの忌々しき魔剣を手にするなど、恥を知れッ!!!!」

 

 

 

怒りに身を任せて振り下ろされる短剣を簡単に交わしたリューは、短剣を弾き落としたのち

 

 

 

「生憎、一族の怨襲(おんしゅう)より私には大切なものがある」

 

 

 

間近で魔剣を振り下ろして冒険者を吹き飛ばした。

直撃ではなく、地面に向けて放ったことにより五体満足ではあるが戦闘不能となった。

 

 

 

「……大切な人のためなら、その恥、受け入れましょう」

 

 

 

誰にも届かない小さな声。

それでもその決意を持ってリューはさらに進撃していく。

 

 

 

…………………………

 

 

 

「反則…ですよね……」

 

「俺が作ってなんだが……同意するぜ……」

 

「僕達、出番ありますかね……」

 

「どうなんでしょうか……」

 

 

 

未だに待機している四人。

いま、たった二人で城を攻めておよそ1/3の戦力を削ったと思われる。

 

 

 

「しかし本当に崩れないのですね」

 

「あぁ。

ハジメからアイデアをもらったときは「何いってやがる」

と思ったが……アイツのお陰で踏ん切りがついた。

まだ、一人では作れねぇが……いつか()()()()()()を作ってやる!!!」

 

 

 

 

いまだに壊れない魔剣はあるアイデアにより原型を留めていた。

 

ハジメからのアイデア。

魔剣に一時停止をつけるという方法だった。

触れただけですべてを止めていたハジメだったがこの度レベルアップによりコントロールが可能となり、止めるものと止めないものの区別が出来るようになったのだ。

 

しかし無意識に行う一時停止においては制御は出来ないため、自分自身への一時停止はコントロール出来ないようである。

 

 

それでもコントロールが出来るようになり、ハジメは魔剣の崩壊する現象を一時停止することにした。

しかしいきなりその現象のみを一時停止することなど出来ることではないため、いくつもの魔剣を試していた。

その魔剣はロキ・ファミリアが提供してくれたが、全て無くなるまで続けてしまったためにロキが嘆いたことがついこの前の出来事である。

 

 

そしていまその損失を補うために賭け事をしているのだが、後でリヴェリアに怒られるのは……またの話となる。

 

 

とにかくそのお陰でこうして猛攻が出来ているのだが一向に出番のない四人の元に、空に放たれた業火が光放ったのだった。

 

 

 

「うしッ!!!!

やっと出番がきたぜ!!」

 

「いいですか、作戦通りにお願いしますね」

 

「分かりました」

 

「それじゃ、行きましょう!!!」

 

 

 

走り出した四人はバラバラに城に向かって駆け出す。

そして各自その手にはある物が持たされており、これが更なる城の崩壊へと繋がることになる。

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

「前線は終わったようですね」

 

 

 

ハジメは氷の塊が砕けたあと城内を散策していた。

見かけた冒険者は手当たり次第気絶させているが、どういうわけか見えている筈なのに至近距離まで来ないと気づかないようである。

 

その他にも氷の犠牲になった冒険者、魔剣で吹き飛ばされた冒険者を含めて、半分近くの冒険者が倒されているがそれでも未だに勢いは止まらない。

 

それを止めるためにハジメは四人にある作戦を伝えた。

それが終えればあとは最終決戦になるだろう。

 

 

なのでそれまでにもう一つ、仕掛けを施す必要があった。

だから城内を散策している間もこうして壁に手を当てながら歩き回っている。

 

 

すると広々とした部屋にたどり着いたハジメ。

そこには顔を知っている二人の冒険者がいた。

一人は訳の分からない恐怖に怯え、一人は冷静を装っているが冷や汗をかいていた。

 

二人もまたハジメの存在に気づいていない。

【カミカクシ】の影響がなくともハジメは影が薄いということが改めて分かる。

 

かといって近づけば気づかれる、そしてあの二人を倒すのはベルである。

 

ハジメはあくまでも「サポーター」として今回の戦争遊戯に参加しているのだ。

 

 

 

なぜならハジメがメインで行うなら、

すでにこの城は完全に最短で、

落とされているのだから。

 

 

 

「この部屋だけは()()がないようにしておかないとですね」

 

 

 

そういい部屋に一時停止をかけたあと誰にも気づかれずにハジメは離れていった。


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