影が薄くてもダンジョンを攻略する。のは間違っているだろうか?   作:ガイドライン

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どうもー!
皆さんの期待に応えられるか分かりませんが、楽しめる展開を書いていきたいですね。
それではどうぞ!!




影が薄いという前提がなくなるとこうなります。

『あー、あーー!えーみなさん、おはようございますこんにちは。

今回の戦争遊戯(ウォーゲーム)実況を勤めさせて頂きます【ガネーシャ・ファミリア】所属、喋る火炎魔法ことイブリ・アチャーでございます。

2つ名は【火炎爆炎火炎(ファイアー・インフェルノ・フレイム)】。以後お見知りおきを』

 

 

 

待ちに望んだ戦争遊戯当日。

ギルドの本部前庭では仰々しいステージが勝手に設置され、実況を名乗る褐色の肌の青年が魔石製品の拡張器を片手に声を響かせていた。

 

 

 

『解説は我ら主神、ガネーシャ様です!

ガネーシャ様、それでは一言!』

 

『━━━俺が、ガネーシャだ!!』

 

『はいっありがとうございました!!』

 

 

 

白亜の巨塔『バベル』三十階。

戦争遊戯を誰よりも楽しみにしていた神々は、多くが『バベル』に赴いていた。

代理戦争を行う両主神ヘスティアとアポロン、ソーマもこの場で待機している。

 

 

 

「ヘルメス様……本当に私がこの場にいてもいいのですか?」

 

「ああ、構わないよ。

固いこと言うやつはこの場にいないさ」

 

 

 

神ヘルメスと、眷族であるアスフィ。

男神女神の中に一人だけ交ざるアスフィは居心地悪そうにしていたが、ヘルメスは笑い飛ばす。

 

するとそこに現れたのは

 

 

 

「ヘルメスやないか。

なんや何してたんやお前!」

 

「やぁロキ。

ちょっと野暮用でね。

しかし知らないうちに大騒ぎになっているね。

聞いているよ、ヘスティアを匿っているって」

 

「言い方が悪いわ。

うちが興味あるのはハジメだけや。

ヘスティアはあくまでもオマケ」

 

「誰がオマケだ、誰が!!」

 

 

 

そこには今日の主役であるヘスティア。

そして隣にはヘファイストスが一緒についてきた。

 

 

 

「ヘファイストス。

君も関わっているんだってね。

まさかこの3人がこうして集まるなんて昔じゃ考えられなかったよ」

 

「そうかしら?

私はあるんじゃないかと思ってたわよ」

 

「冗談じゃないよヘファイストス!!!

君には悪いけどこのロキと仲良くなんて出来るか!!

すぐにハジメ君を引き合いにだして脅してくるこの貧乳とは!!!!」

 

「うるさいわドチビ!!!

お前もハジメを使ってウチの眷族を使い回しとるやろうが!!!」

 

 

 

 

また言い合いが始まり全く緊張感がないと感じてしまう。

そんな様子をヘファイストスとヘルメスは苦笑いしながら見ていると、少し真剣な表情でヘファイストスに問いかけるヘルメス。

 

 

 

 

「……ハジメという子はそんなに神々を引き寄せる子なのかい?」

 

「……そうね、少なくとも私は…魅せられたかもね」

 

 

 

冗談のようにフフフと笑うヘファイストス。

納得したような表情をしているヘルメスだが

 

 

 

(……トキサキ・ハジメ……

…………()()………)

 

 

 

そんな事を考えながら服の懐に手を伸ばして取り出した懐中時計を確認する。

時計は正午に控えていることを告げていた。

 

ヘルメスは顎を上げ、宙に向かって話しかける。

 

 

 

「それじゃあ、ウラノス、『力』の行使の許可を」

 

 

 

空間を震わせた彼の言葉に、数秒を置いて応える声があった。

 

 

 

【━━━━許可する】

 

 

 

ギルド本部の方角より、重々しく響き渡る神威のこもった宣言を聞き届けたかのように。

 

オラリオ中にいる神々が一斉に指を弾き鳴らした。

瞬間、酒場や街角、虚空に浮かぶ『鏡』が出現する。

 

 

 

『~~~~~~~~~~~~~~~~~~~‼』

 

 

 

都市に至る場所で無数に現れた円形の()に、人々が色めき立った。

下界で行使が許されている『神の力(アルカナム)』━━━『神の鏡』。

 

千里眼の能力を有し離れた土地においても一部始終を見通すことができる。

 

 

 

『では(えいぞう)が置かれましたので、あらためて説明させていただきます!

今回の戦争遊戯(ウォーゲーム)は【ヘスティア・ファミリア】対【アポロン、ソーマ・ファミリア】、形式は攻城戦!!

両陣営の戦士は既に戦場に身を置いており、正午の始まりの鐘が鳴るのを待ちわびております!』

 

 

 

酒場や大通りなど場所に合わせて大きさが異なる円形の窓には、太陽の(エンブレム)を掲げた古城、そして平野が映しだされている。

 

そしてここでもう一つ。

 

 

 

 

『それではここで神ヘスティア様に皆さんが()()()()()()()()して頂きます』

 

 

 

誰もが何を言っているか分からなかった。

しかしヘスティアは納得したようで、ヘスティアの鏡だけ映像が変わりそこに映し出されたハジメに問いかけた。

 

 

 

 

「ハジメ君、いくよ」

 

『分かりました』

 

 

 

二人のタイミングが合わさり鏡見ているもの全てにこの声が届けられた。

 

 

 

 

「『戦い終わるまで許可をする』」

 

 

 

 

すると鏡の映像がヘスティアの見ていたものに変わり、ただ平野だけが映る中でモヤがかかり、徐々に何かが形を成していき、そしてそこに現れたのが

 

 

 

 

「来ましたぁぁぁぁ!!!!

あれがオラリオの幽霊であり、今回の2つ名がついた「続行不可能(サスペンデッド)」の━━━━トキサキ・ハジメだあああぁぁぁ!!!」

 

『うおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!』

 

 

 

 

その()()()()()()()をみて歓喜が上がる。

この世に姿を消せる物があると知っているものもいるだろうが大半はそれをしらない。

 

つまりこれはパフォーマンスとして最高のもの。

突然現れたハジメに誰もが驚き、言葉にしている。

『さっきのはなんだ!!』『どこから現れた!!!』『無表情にもほどがあるだろう!!!』などなどと。

 

 

そんな中、一人の女神が無意識に妖艶を放ち周りの男共を落としていく。

その頬を赤め物欲しそうな瞳はたった一人の魂とその姿を焼き付くすかのように見つめる。

 

 

 

 

(いいッ!!いいッ!!いいわッ!!!!!

何にも捕らえられないほどの無垢で透明な魂!!

欲しいわ、トキサキ・ハジメ、欲しいわ!!!!!)

 

 

 

欲望を必死に抑えるフレイヤ。

ずっと見てみたいと思ったいたが、見れたのは霞にかかった薄い魂だけ。

ヘスティアから教えてもらったハジメを見るためには何かあると思っていたが、

 

 

 

 

(………ヘスティアには悪いけど…手に入れるわよ、あの子は……)

 

 

 

 

その姿を、その表情を見られないように会場から離れていったフレイヤ。

 

そんな中、別の盛り上がりが始まっていた。

 

 

 

 

「もういいかァー!?

賭けを締め切るぞ!!」

 

 

 

実況の声が外から響くなか、街の数多くの酒場では、商人と結託した冒険者主導で賭博が行われていた。

 

 

 

「アポロン、ソーマ派とヘスティア派、50対1ってところか……」

 

「【ヘスティア・ファミリア】の予想配当が50倍以上………むしろよく賭けるやつがいるな」

 

 

 

胴元の冒険者達が金と睹券を集計し賭博の状況を確認する。

流石に名のある2つのファミリア対、無名に近いヘスティア・ファミリアではどうしてもこうなってしまう。

 

それでもヘスティアにかけているのは異常といっていいほどのバカな神々(ギャンブラー)だろう。

 

 

そんな中にアポロンがソーマを連れてヘスティアへと近づいてきた。

 

 

 

 

「よく逃げ出さずにきたなヘスティア」

 

「………………」

 

「ベル・クラネルとは別れを済ませてきたかい?」

 

「………………」

 

 

 

 

あくまでも無言を通すヘスティアに代わりロキが口を出すためにアポロンの前に立ち

 

 

 

 

「ヘスティアに加担していると思われるのは癪やからな、忠告しといたるわ」

 

「なんだいロキ

まさか負けるかもしれないから注意しろというのか?」

 

「あぁ、その通りや。

いまからでも掛け金を変更したほうがええで」

 

「バカにしないでもらおうか。

ハッキリいってこの戦力差で勝てるとでも?

むしろ追加してあげるよ!!

負けた時はソーマ・ファミリアにも同じ条件で取引することをな!!!!」

 

 

 

その言葉に一気に神々が騒ぎだした。

強気の発言に揺らいだ神々はヘスティアに賭けていた睹金をアポロン側へ変更し始めた。

 

慌てて止めようとするがその時にはほとんどのものがアポロン側へ賭けることになりヘスティアの予想配当が75倍にはねあがった。

 

 

 

 

「知らんで。

ウチは忠告したからな」

 

「あぁ、構わないよ。

それより負けたときの言い訳でも考えておくんだな」

 

 

 

 

そういって高笑いしながら離れていったアポロン。

一方ソーマはまだその場に止まり

 

 

 

 

「ええんか、あんな勝手に決められて」

 

「………あぁ。

……それが()()になるなら…構わない……」

 

 

 

 

アポロンとまではいかなくても余裕ある表情をしてもいいソーマだが、終始強ばった表情でいた。

それを見ていたロキやヘファイストスはため息に似たものを吐き出したあと

 

 

 

 

「……分かっていて、やるつもりなのね」

 

「ええんやないか。

実際、勝負は最後まで分からんもんや。

ただウチらと他のもんの考えと情報が違うからな。

あの一本槍(ハジメ)がどれだけ引っ掻き回すか。

あとはやってみらんと分からんわ」

 

「その割にはヘスティアに賭けているのね」

 

 

 

ロキの手には睹券が握りしめられていた。

あそこでロキが言った意味はこうして合法として賭けるためでもあったのだ。

 

それにはヘスティアは知っていたが、

 

 

 

「当たり前や!!!

お前も賭けんかヘファイストス!!!

ええかヘスティア!!絶対勝てや!!!!!」

 

「言われなくても、あの子達は負けないよ!!!」

 

 

 

 

いまはそんな事はどうでもいい。

ベルとハジメ、いやあそこにいる皆のために出来ることはこうして見守ることしか出来ないと目の前に出現している自身の『鏡』だけを見つめる。

 

 

 

『それでは、まもなく正午となります!』

 

 

 

冒険者が、酒場の店員達が、神々が、全ての者の視線がこの時『鏡』に集まった。

 

 

 

戦場遊戯(ウォーゲーム)━━開幕です!』

 

 

 

号令のもと、大鐘の音と歓声とともに、戦いの幕は開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、次に映った映像には城壁だけではなく城の1/4が巨大な氷によって潰されたところだった。

 

 

 

『…………………はっ?』

 

 

 

誰もが理解出来ない中で、誰もが呆然とするなかで、氷の上に立つ影が一つ。

その者は無表情であるがゆえに見下ろされているものからみたらただの恐怖の対象しかない。

 

 

 

「さて始めましょうか。

挨拶は不要ですよね、先ほどの映像で皆さん分かったと思いますから。

それでは()()()()()()()()()()()()()()()どうぞよろしくお願いします」






ひとまずこれ、予想できた人手を上げて~(笑)
自分でも思う、めちゃくちゃやって!!(笑)

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