影が薄くてもダンジョンを攻略する。のは間違っているだろうか?   作:ガイドライン

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どうも、どうもどうも!!!
今日は楽しい1日になりますように。

…KinKi Kidsのコンサート、どうなることやら。

それではどうぞ!!





影の薄さはこういう時、厄介である。

「そうかー

やっとハジメもレベル2になったんか~」

 

「元々ハジメ君はレベル1では()()()()()()はあったんだけどね。

やっぱりあの一時停止は良くも悪くもハジメ君に影響を与えすぎるよ」

 

 

 

黄昏の館の中庭で二人の神がお茶をしていた。

以前は目を会わせるだけで喧嘩をしていた二人だが同じ屋根の下で生活をすれば無意味なことは無くなるらしい。

 

それでも意見がちょっとでも合わなければすぐ喧嘩をするというのは、やはりというべきなのだろう。

 

 

 

 

「まぁ、こうしてレベル2になったんやしええやんか。

そ・れ・よ・り・や!!!

どうやったんやステイタスは!!?」

 

「べ、別に普通のレベルアップだったよ…」

 

「嘘はあかんで~

あのハジメがレベルアップしたんや。

普通のステイタスなわけがあるか!?」

 

「そ、そういっても……」

 

「これからも持ち持たれつの関係なんやからな!!

それにレベルアップしたことでこれから更にベルやハジメは狙われることになったんや。

もちろん護衛は変わらずにやってやるわ」

 

「……つまり代わりにステイタスを教えろって言うのかい?」

 

 

 

いつかはレベルアップすることで起きることは予想していた。

だけどきっとヘスティアの予想以上の事が起きる可能性はあると思っている。

そのためにはロキ・ファミリアのようなものが護衛してくれたらそれは心強い。

 

 

……だからと言って簡単ステイタスを教えることは……

 

 

 

 

「……はぁ~

どうせハジメが相談しにくるだろうから、発展アビリティぐらいは教えてもいいかな」

 

「やっぱり発展アビリティが発現しとったか。

一体いくつ、いやどんなもんが発現したんや?」

 

「3つだよ、それもどれも聞いたこともないものばかりのね」

 

 

 

 

その言葉にロキの目はギラリと光った。

明らかに面白そうなオモチャを見つけたような瞳である。

それを見たヘスティアはこれだから嫌だったんだと後悔をしながら諦めてロキに話すことにした。

 

 

 

 

「分かっていると思うけど他の人に話すのはダメだからね」

 

「分かっとるわ。

そんな面白そうな事を他の者にいうか」

 

 

 

やっぱり楽しんでいた……

はぁ~とため息をつきながら続きを話す。

 

 

 

 

「ハジメに発現したのは『再生』『拒絶』『削除』の3つだよ」

 

「なっ!!?

………聞いたこともないわ……

というか、それホンマに発展アビリティなんやろな?」

 

「僕だってそう思って何度も見直したよ。

でも間違いなく発展アビリティだったよ」

 

 

 

 

二人共そこで黙ってしまった。

だってそんな発展アビリティなんて聞いたこともない。

というか、名前からしてヤバイのが含まれている。

 

 

 

 

「……おい、ヘスティア」

 

「……なんだい、ロキ」

 

「絶対に『削除』だけは選択させたらあかんで」

 

「もちろん分かっているよ。

そんなものを選んだら……」

 

「選んだらどうなるんですか?」

 

 

 

 

なんか突然入ってきた声の方を見てみると、すぐ近くにハジメが立っていた。

 

 

 

「ハ、ハジメ君!!?」

 

「なんや!!

いつからいたんや!?」

 

「ついさっきですよ。

先ほどエイナ嬢にお話ししてきました」

 

「そ、そうかい……

…で、彼女なんて言ってたんだい?」

 

「『削除』はダメだと言われました。

でも僕は『削除』がいいんですけど……」

 

「「絶対にダメだああぁぁ!!!」」

 

 

 

 

見事にシンクロした二人。

それにちょっとムッとしている感じに見えるハジメは

 

 

 

 

「どうしてダメなんですか?

この中で一番面白そうなのは『削除』なんですよ」

 

「キミは面白さで選んだらダメだよ!!

ちゃんとダンジョンでハジメ君の身を守れるものにしないと!!!」

 

「そうやで!!

例えば『拒絶』とはどうや??

攻撃とかを一切受け付けへんもんかもしれへんで」

 

「一時停止がありますので大丈夫です」

 

 

 

 

確かにその通りである。

 

 

 

 

「なら『再生』ならどうや?

恐らく怪我した時にでも元に戻す力が」

 

「確かにこの前は怪我をしましたが、その時にポーションを飲めば治るようなので大丈夫です」

 

 

 

 

一理ある。

 

 

 

 

「せやかて『削除』はな……」

 

「そうだよ。

わざわざ危ないかもしれないものを」

 

「そうですか?

僕的には自分が入らないものを『消す力』がある思うんですけど。

これなら邪魔なものは一気に消し去ることができるんですよ」

 

 

 

 

予想通りなことを言っている!!!??

と、二人は同時にそんなことを心の中叫んだ。

まさにヘスティアとロキ、エイナが恐れているのはそれである。

 

何度も目の当たりにしたことがある。

自分よりも他人が傷つけられたとき、ハジメは周りが見えずに突き進んでしまうことに。

もしハジメが『削除』を手にして、予想通りの効果だった場合

 

 

 

 

((手当たり次第に消されるうぅ!!!!!))

 

 

 

 

それは大袈裟かもしれないがハジメの逆鱗に触れれば消されるなんてことは想像がついてしまう。

 

だからそれだけは、それだけは阻止しないと!!

 

 

 

 

「せ、せやけどな、そういうのはもっと考えて決めた方がええで」

 

「そ、そうだよ!!

ハジメ君は一度決めてしまうと突き進む傾向にあるからね。

今回みたいなのは慎重に選ぶべきだよ」

 

「……そうですね。

確かにお二人の言うとおりですね」

 

 

 

 

どうやら納得してくれたようで安心していると

 

 

 

 

「なら皆さんに聞いてみます。

もちろん僕は他の人に口外しないようにしときますので」

 

「間違ってないけど、間違ってるよ!!!」

 

「あかん!!

もういなくなった!!!」

 

 

 

 

煙がフッと無くなるようにその場から消えたハジメ。

一人でも『削除』を選ぶようなら間違いなく、もう梃子でも動かなくなり『削除』を選んでしまう。

 

二人の神はとにかくハジメを、というかハジメに関わりのあるものに余計なことを言わないようにと走り回る羽目になってしまった。

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

「ダ・団長、いまいいですか?」

 

「ハジメ、いま団長の前に余計な「ダ」を入れなかったかい?」

 

「「THE」を入れるとまさに団長になりそうですけど、それだと個性がなくなりそうな気がしましたのでここは思いきって「ダ」を入れました」

 

「そ、そうかい……

(ここはツッコミは入れないほうがいいかな……)」

 

 

 

そこにはフィン・リヴェリア・ガレスの3人がいた。

ハジメの発現にリヴェリアは笑いそうになり、ガレスは豪快に笑っていた。

ここで余計に首を突っ込むと酷くなると考えたフィンはそのあだ名を受け入れるしかなかった。

 

 

 

 

「それでですね、発展アビリティが発現しまして『再生』『拒絶』『削除』のうちどれが僕に合うと思いますか?」

 

「なっ!!!??」

 

「これはまた……」

 

「とんでもないもんが発現したの……」

 

 

 

今度はリヴェリアが一番驚いていた。

博識なリヴェリアでもそんな発展アビリティは聞いたことがないのだろう。

それともその3つの異常性を早くも見つけた為か。

 

 

 

 

「その様子だとリヴェリアも聞いたことがないようだね」

 

「あぁ……

……しかし、またとんでもないアビリティを……」

 

「お主は本当に話題に尽きない男だな!!」

 

「ハジメ、少しそこで待ってくれないか?

三人で話してみたいから」

 

「分かりました」

 

 

 

 

という事で、フィン達は部屋のスミに集まって会議を開くことに。

相談をするということはすぐに決める訳ではない。

だが、発言を間違えるとハジメがとんでもない「力」を手にして抑えられない事態がくると全員が考えていた。

 

 

 

 

「間違いなく『削除』は無しだね」

 

「勿論だ。

しかし残り2つも怪しいぞ」

 

「なら『再生』を選んだらどうだ。

『拒絶』よりもずっと安全じゃ」

 

「それは僕も考えたけど、ハジメのことだ。

何かの拍子でモンスターを再生するなんてことが…」

 

「いやフィン、それは考えすぎだ。

いくらハジメとはいえモンスターを再生するメリットがない」

 

「しかし再生というのは必ず()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

……正直、さっきから親指の震えが止まれない……

……どれを選んでも僕達の想像以上のものが現れるはずだ……」

 

 

 

 

それを聞いて誰もが悩み黙った。

下手に選ぶ訳にはいかない。

 

そんな状態に気づいたのか遠くからハジメが

 

 

 

 

「僕は他の人にも聞いてみたいと思ってますので、また後で聞き来ますね」

 

「あぁ分かっ……って待ってくれ!!」

 

「あやつもうおらんぞ!!!」

 

「追いかけるぞ!!」

 

 

 

誰もが思う。

こういう身勝手にというか、周りの目を気にしないというか、悪意がないからどういったら理解してくれるのかと頭を悩ませる。

 

とにかくいまは他の者に余計な事を言わせない為にも、ハジメの追跡者はさらに追加した。





あっ、この発展アビリティの話は次ぐらいまでかな?
さてさて、ハジメは何を選ぶのやら?

というか、いつの間にか50話目だった!!?

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