影が薄くてもダンジョンを攻略する。のは間違っているだろうか? 作:ガイドライン
お久しぶりです!
やっと終わったよ~❗これで更新アップ出来ます。
今回はちょっと短いですが更新します。
黄昏の館に戻ったハジメ達はそれぞれ自分の部屋に向かい貸してもらった本を読むことにした。もちろん最後まで抵抗したベルには
本来ならヘスティアファミリア一人部屋に三人が住まう形だった。ロキファミリアという格上のファミリアの元へヘスティアファミリアという格下のファミリアが宿を取ろうとしているのだ、周りからしたらそれ事態があり得ないことであり、ロキファミリアとしても威厳が損なわれると考えるものもいるだろう。
だがフィンが、リヴェリアが、アイズが口を揃えて「客人」として招くようにと申し出たのだ。確かにハジメが起こした功績を考えれば当然かもしれないがヘスティアファミリアではない。だからこそベートが反抗したのだが、
「そんなベートさん、キライです」
とアイズの一言で陥落した。
まぁ身内であるヘスティアも反抗したのだが「一人部屋がいいです!」とベルの一言でこちらも陥落した。
ということで静かに本を読める環境の中でテーブルの上に本を置き、そのとなりにワインを入れたグラスを取りそれを口に含む。舌で味わい喉ごしを味合ったところで豊穣の女主人で買い取った高級ワインの事とリューと一緒に飲む約束を思い出した。
「明日謝らないといけませんね」
軽くため息をつきもう一度ワインを飲む。グラスを置き本に手を伸ばしてページをめくる。
『魔法は先天系と後天系の二つに大別することが出来る。先天系とはいわずもながら対象の素質、種族の根底に関わるものを指す。古よりの
『後天系は『
一つとして共通した形のない複雑怪奇な記号群。
文体に…文字の海に、引きずり込まれる。
『魔法とは興味である。
【絵】が現れた。
顔がある。目がある。鼻がある。口がある。耳がある。人の顔だ。
真っ黒な筆跡で編まれ描写すれた、瞼の閉じた人の顔。文章の絵。
『欲するなら問え。欲するなら砕け。欲するなら刮目せよ。虚偽を許さない醜悪な鏡はここに用意した』
違う。【僕の顔】だ。額から上が存在しない自分の顔面体。
違う。【仮面】だ。自分のもう一つの顔。自分の知らない、もう一人の
『じゃあ、始めましょう』
瞼が開いた。僕の声が聞こえた。
文字で綴られた何の関心のない瞳が見てくる。
短文で形成された小さな唇が言葉を紡ぐ。
『僕にとって魔法とは何でしょうか?』
自分の身を守るためのものですね
あらゆるものから、痛みや、苦しみから
そして守りたいものを守れるもの
『僕にとって魔法とは何でしょうか?』
あの日から止まった時を動かしてくれるもの
何も出来なかった自分を変えてくれたもの
大切な人に巡り合わせてくれたもの
『僕にとって魔法はどんなものですか?』
さぁ、分かりません
いま持っているものは…「拒絶」ですから
あの日から僕は僕を「拒絶」した
だから生まれた魔法だと思ってます
『なら僕はどんな魔法を望むのですか?』
僕と同じ思いを無くすための魔法を
取り返しのつかないことが起きないための魔法を
過去も今も未来も守れるための魔法が欲しい
『随分と強欲なことをいってきましたね』
分かっていますよね。
トキサキ
『そうですね、だからこそ「僕」なんです』
「………メ………ハ……君…………ジメ………」
誰かが呼ぶ声が……あれ、確か僕は………
「……メ君………ハジ………ハジメ君!!」
目を開けてみるとそこにはドアップに写し出されたヘスティアの姿があった。お互いに至近距離で見つめ合いながら数十秒後
「…………はぁ」
「なんだいそのため息は!!!?」
「いえ、なんでもないですよ」
「君は何もなくてため息をつくのかい!?それもボクの顔を見ながら!!!」
「自意識過剰ですよ神様。ただ僕の目に写ったのがリュー姉なら良かったなと、ちょっと考えただけです」
「原因はそれだよぉぉ!!!」
朝から大声を出して元気だなーと思いながらヘスティアの事をスルーしてグラスに手を向ける
「ちょっと何を飲もうとしてるのさ!!」
「いいじゃないですか飲んでも」
「君は朝からお酒を飲むつもりかい?それに今日はバイトがあるっていってたじゃないか」
「……朝……」
もしかしてと、嫌な予感を感じながらもいつも通りの落ち着いたスピードで窓まで移動してカーテンを開けてみる。すると開いた隙間から光が差し込み、窓の向こうは明らかに夜の顔ではなく朝の清々しい顔だった。
目の当たりにした現実にハジメは、
「……今日は休みましょう」
「ダメに決まってるだろう!!」
………………………………………………………………………………
「ということで遅刻しました」
「ふざけるんじゃないよ!!!!」
問答無用でミアに殴られるハジメ。もちろんダメージはないのだが目の前にいる鬼ような表情と威圧感は一時停止でも止められない。
「ったく、飲めない酒を飲むからこういうことになるんだよ」
「いつもは一時停止である程度でしか酔わないですけど……」
「魔法頼りにしてるからだよ。冒険者ならもっと体と酒に強くなりな!!!」
冒険者に酒は関係ないですよね。と言いたかったが【豊穣の女主人】で働いている以上そんなことをいったらヤバいなと判断して言うのをやめた
「怒られてしまいましたね」
「怒られない方法があるんですか?」
「遅刻せずに来ることですよトキサキさん」
「なるほど、だから怒られたんですね」
なるほどと今になって納得したハジメ。「今度は気を付けましょうね」と明るくフォローするシルと、「さぁ、仕事をしましょう」と切り替えてくれるリュー
そしてそんな三人に近寄ってきたのが、
「なにをやってるニャー鉄仮面。アーニャを手本にすればいいニャー」
と、いいながらついさっき洗ったばっかりのコップを運んでいたのだが、いつものように調子に乗っていたために足元を見ていなかったアーニャはテーブルの足に引っ掛かり
「に、ニャアアアアアアァァァー!!!」
見事に転倒し宙に舞う複数のコップ。不幸中の幸いなのか飛んでいった方向がハジメやリュー達のいる方向であった。シルが少し慌てたようにコップを取り、リューは冷静に何個もコップを掴み、ハジメは立っているだけでまるで磁石のようにハジメに当たったコップはくっついた。
しかしすべて拾えたわけではなく一つのコップだけがハジメ達の頭上を通りすぎてそのまま地面に吸い込まれるように落ちて砕け散った。
「あんたは何をやってるんだい!!!!」
「ニャアアアァァァー!!!」
背後から現れたミアの拳骨を思いっきり喰らったアーニャはその場にうずくまった。その拳骨から聞こえてきた衝撃的な音は他の者にも効果があり
「何ボーとしてるんだい!!さっさと仕事しな!!!」
その一言ですぐさま仕事に取りかかる。もちろんリューもすぐに仕事に戻り残されたハジメはこの割れたコップを片付けようとしたのだが
「…………うん?」
一体何が起きたのだろう。割れたコップの残骸の上に何故か「5」と数字が浮かんでいた。さっきまでこんなものはなかったのにこれは…
「ハジメもさっさと仕事しな!!」
「あの、この数字ってなんですか?」
「はぁ?何いってるんだい。いいからさっさと着替えてきな!!!で、あんたは早く後片付けしな!!!!」
「はいニャー!!!!」
ミアの圧に怯えているアーニャはホウキとチリトリでさっさと割れたコップを片づけて離れていった。あの数字は一体何だったのだろうと思ったのだが、まぁ仕方ないなということで気にしないことにした。
余談ですが、KinKi Kidsアリーナコンサート、福岡当たりました❗でも最終日が当たって欲しかったぜ❗❗