なんという事でしょう、前回の更新からひと月、この作品に限れば……
八か月も更新していなかった!!
今月は部署異動で忙しかったんです。
壱年頑張ってなれたところで部署異動、勝手が違い過ぎて困惑中です。
___なんだ、なんなんだよこれは!!!!
舞い散る花弁にすべてが滅ぼされる光景にクロノ・ハラオウンは絶叫した。
<----約30分前_____
「凄いな、これが電脳空間で再現されているなんて自分の目で見ても信じられない」
「……あの、クロノ執務官本当に大丈夫なんでしょうか」
「ああ、大丈夫だ、この世界の住人にとって、僕たちを此処に閉じ込めたところで何のメリットも無い、それにただ殺すだけならこんな事をしなくてもたやすく行われるだろう。あくまでも一企業として、メリットが多くなると考えた行動をしているだけだろう」
「しかし、此処は敵の本拠地では!!」
「敵じゃあない、敵として認められても居ないんだよ、それに此処は別に見られても痛くも痒くも無い部分でしかない、小学生の子供でも普通に参加している場所だ」
「そうなんですか……しかし、やけに人が多くないですか?」
「なんでもイベントを重ねたらしい」
《時間が来ました、参加を締め切ります。参加者総数628名、173チームの参加となります。》
「約630人、僕たちを除くと620人といったところか……」
「そして倒すべきは171チーム……今までに無い規模の戦場ですね……」
「そして圧倒的な戦力差、10対618ではないですけど、それでもやはり倒すべき敵と見ると……これは辛いですね60倍とか、撤退しか選択肢の無い戦力差ですよ」
「しかし、バトルロイヤル、全部を相手にするわけじゃないので……それぞれが一対一で戦ってどちらかが脱落すると考えれば7か8チームを倒せばいいわけですね」
「そういうことだ」
「キェァァァァァナノハサマ、ナノハサマナンデェェェェ」
遠くで絶叫が聞こえた。
「なんだいったい」
「どうやら凄い人が居るみたいですね」
「まあ、相手が誰であっても僕たちは全力で生き残るだけだ、バトルロイヤルで勝つためには生き残ればいいのだから」
「ま、所詮遊び連中ですよ」
「油断するな、相手は格上だと思って挑むんだ」
「しかしですね」
まだ何か言おうとする部下に自分の掴んだ情報を話そうとしたところで放送がかかった。
《試合開始前に、連絡です。参加者総数628名、173チームと大規模な戦闘になり、長期戦と成る可能性が高いと判断されたため、特殊エネミーの参戦が決定されました》
そして表示される二体のロボット
《なお、両機ともに撃破ボーナスが存在します、狙ってみるのも一興かと》
「へぇ、面白いですね。こっち狙ってみるのも良いかもしれませんよ」
「情報が足りない。之はどれくらいの大きさだと思う?」
「さあ、でもゲームですからね、大きくて的なのか、それとも人よりちょっと大きいくらいか……そんなものでは?」
だめだ、楽観的過ぎる、放送から考えるに間引きを行うための存在……弱い筈がない。
《それでは、試合を始めます、結界の解除まで3・2・1……試合開始です》
ビーーーーとブザーが鳴り、選手を
《エネミーの参戦は試合開始20分後を予定しています、皆さんの健闘を期待しています、がんばってください》
「よっし、行きますか」
「待て、視界が悪い、1人にならないようにある程度固まって動くぞ」
「そうですね、ジャミングの効果もあるようです。周囲に警戒しながら……」
「何言ってんすか、俺は行きますよ、しばらくアースラに缶詰だったんでちょっと発散してきます」
「おい!!」
先ほどから所詮管理外世界の住人で遊んでいるに過ぎないと声を上げていた者が此方の話を聞かずに飛び出した。
「……どうします?」
「放っておくわけにも行かないだろう、仕方が無い」
追いかけよう、そう続けようとして飛び出した先で光がはじけた。
そして視界の隅に移るリタイアの文字。
「え・・・」
「落された?」
「早すぎる、どう言うことだ」
「おそらく、発見から攻撃までの間が短く、そして正確なんでしょう。
見敵必殺…まさにそんな動きでやられたのではないかと…飛び出した奴が魔法を使用した痕跡がありません」
「敵が多い状態ですので、下手に動くとチームで円になり索敵している者たちと遭遇し、即座に攻撃されてしまうのではないかと」
戦場の広さは解らないが、171組敵が居る。たとえ数十km四方の戦場であったとしても、飛行魔法で移動すればあっという間に接敵出来るだろう。
慎重に動く必要性がある。
「敵は全員が強敵であると思え、気を緩めたらその瞬間にやられると考えて動くんだ」
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「お、見つけた……って単独か、随分と飛ばしてるけど相当な実力者なのか、それとも唯の馬鹿なのかどっちかな?」
おっす、おら匠。
ビット八機飛ばして索敵していたら1人で全力飛行している命知らずが居たので気付かれないように囲んでみた。
「よっし、錬チン術奥義、交差集束爆破!!なんちって」
魔力光線を八ビットから放ち一点で交差させてドカン、ターゲットはリンカーコア。
要するに燃料タンクの中の燃料を加熱して火をつけてみた、イメージは電子レンジで卵を温めた結果。
ある程度の実力があれば 簡単に回避できる。
なぜなら本当に点の攻撃なのだから。
ボンッ!!
「あれ?」
あっけなく魔力暴走ではじけ飛んでしまった。
「おかしいなー、即死するとは……初心者だったのかな?」
中級者以上であれば魔力制御で被害はあれど爆発四散で即死なんてならない筈だ。
「もう1人発見、こっちはどうかな?」
同じ方法で攻撃する。
パンッと魔力がはじけるが、爆発四散はせずにその場でよろけて止まる。
周辺を見渡し、敵がどこにいるかを探しているようだ。
「うん、やっぱりこんなもんだよね……だいたい7割削って3割の損傷を与えたかな?」
MPの七割を飛ばし、リンカーコアの機能に3割の損傷
「とどめ!!」
背中に貼り付けたビットで止めを刺す。
その時に別のビットが問題の大作を見つけた。
「……こいつはヤベェ…ソルディオス無しで戦う気には成らないな」
ビットを通した視線の先には二機のAC、いつでも出撃可能だといわんばかりのその姿。
「まさか、本当に実物スペックを再現とは恐れ入る、全滅させるきじゃねぇか」
フラジールなら近くを通り過ぎるだけで撃墜が可能だろう。早すぎるんだ、ふざけてやがる。
《開始20分が経過しました、エネミーが起動します。がんばってくださいwww》
いま、放送笑ってなかったか?
監視していた二機の頭部に、目に光がともった。
重厚な起動音がエリアに響き続いて空気を引裂く破裂音が響いた。
「げ、フラッシュ」
メインカメラに高光度のフラッシュを当てて軌道をずらせないか試してみるが……無理だったか、おそらくオートパイロット。
「このままだとこっちに来るな……どーしよ」
問題は問題は巨大で高質量の高速体であること、防御はほぼ意味がなく、下手な回避も巻き込まれて終わりだ。
「詰みに近いが………お」
フラジールが他のチームを見つけた。
レッドラムも戦闘に入ったようだ。
それと同時に残りチーム数のカウンターが毎秒減っている。
………生身でロボットの相手は辛いよな…
「おーい、1.5
「なに言ってんのよ、そんな速度だったら1秒経たない内にここまでを30往復は出来るじゃない」
しまった、それはスペック上の最高速度だった…今はまだそんなに出していない。
「すまん、単位を一つ間違えた、時速500㎞だ」
「それでも早いわね……」
「他の奴を追いかけてひき逃げをしているみたいだ。四脚のほうは……霧に隠れて一撃離脱だな、滑るように動いて人が受けたら一撃な弾を見えた瞬間に撃ってすぐに移動方向を転換、霧に逃げているみたいだな」
まったくもっていやらしい戦い方だ、まあ、的が小さいから命中率は低めだけどな。
「匠、なんでそんな距離の状況がわかるのよ」
「中継局を立てて十機で情報収集をしている」
「絶対にあんた、やったことあるでしょ、然もかなりの熟練者」
はて、何のことやら
「そうだ、この霧を解析してみたんだが、高濃度の魔素であることが判明した、高濃度の魔素を用意して特殊な術式で意味を与えているみたいだな」
「もう隠す気ないでしょ、初めてでそこまで解析出来る分けないじゃない」
「もう、アリサちゃん……接敵だよ、2時の方向数は3」
「全くもう!!」
アリサが敵の方へ向き直り、すずかが魔方陣を出して詠唱を始めた。
「スキル『高速詠唱レベル5』発動。単体強化:速度上昇、物理・魔法防御強化、攻撃強化!!」
どうやらバフのようだ。
「属性強化、障壁付与」
うん?
「魔力充実、気力充実」
おや
「知覚拡大、思考加速」
「魔抵抗強化、鉄皮効果付与」
「武器鋭化、武器破壊付与」
「どんだけ強化するんだい?」
「これで最後、硝子の障壁、次いでスキル『術式待機レベル5』で硝子の障壁を五回分ストック」
「おい」
確かそれは一回限りの完全防御
エンチャンター凶難易度演習講座にて秀の成績を修めたら使えるようになる物だ、砲撃を無傷でやり過ごせると言うのは大きい。
しかも消費魔力は効果に比べて少なく、クールタイムもそこそこでしかないと言う結構な反則魔法だ。
しかし、その演習講座はあまりにも難しく、現在秀を修めた者は100に達していない。
頑張って考えたかいがあるというものだ。
「準備完了!!なのはちゃんの準備が終わるまで頑張ってね、アリサちゃん」
「OK、すずかも援護よろしくね」
『Quick step』
ヒュッと飛び立ったアリサはまるで分身するように短い高速移動を繰り返して視界に入ったグループに向かって射線を外すように左右に不規則に振りながら両の剣に炎熱を籠らせ斬りかかる。
炎が斬撃の軌跡を描き、目眩ましを兼ねた攻撃となっている。
で、なのはの準備というと……此処に居るだけで冷や汗が止まらない。
界の観測に優れた適正があるからこそ恐ろしい。
周囲一帯の魔素が吸い寄せられている。
その魔素は伸縮機構で伸ばし、宙に作った足場に刺して立てるようにされたなのはの杖の先端に集まっている。
最初は小さな、それこそピンポン玉程度の物だったのがたった30秒で中に人が三人入れそうな大きさに……
アリサの相手も非常に焦っているし、それに遠くから桜色の光を捉えたグループが全速力で向かってくる。
しかし、一部、いや半分くらいが逆方向へ逃げ出してフラジールに轢かれている。
レッドラムも撃破数を順調に増やしている。
え、何これ……桜色の太陽が地上に現れるとき、人々は挑むものと逃げるものに別れ、逃げるものは鉄の巨人に鏖殺されるであろう……そんな言葉が脳裏に浮かんだ。
結局全滅じゃないですかやだー
そうこうしているうちにまるで満開の桜のように大きな塊となった魔素、魔力にどうしたら良いか解らなくなる。
「なのはちゃん、二分経過したよいつもより集まりが良いけど大丈夫?」
「まだ、もうちょっといけるよ」
まだ大きくなるとおっしゃるか!!
既に規模はとんでもないことになっている。
周辺の霧は晴れて尚遠くの霧さえも引っ張ってきている。
遠くから飛んでくる砲撃はまるで水中で色つきの水を水鉄砲で撃ったかのように拡散し、散った魔素はなのはに回収される……
あれ?手の打ちようが無くないですか?
近くでアリサと戦っているグループも動きが見るからに悪くなっており、中には飛ぶのがやっと、しかし、定期的に飛行魔法が霧散して落ちかけている。
生物からも無理やり魔力を引っこ抜いているのか……なんてえげつない。
まさに意図も容易く行われるえげつない行為だ。
「三分経過~♪とんでもない大きさだけど、どうするの?」
「うーん、ここは新技行ってみよーかな」
「おお、楽しみ~なのはちゃんの必殺技は全部綺麗で見栄えするからね~」
すっごい楽しそうにバフ、デバフを撃ちながらなのはと会話するすずか、なんというか、すっごく慣れてらっしゃる。
的確にアリサを強化して、その相手の動きを阻害している。
まあ、それももうじき終わるんですけどね……
天を仰げば見えるのは桜色の太陽。
あまりに低空に存在するその小さな恒星は引力を持つかのように光の帯を吸い込んでいる。
これ、ヤバくね?
一週目の世界のstar light breakerでもこのサイズはなかったぞ……そしてよーく調べると密度も倍はありそう。
誰だ、こんな大魔王を作り出したのは!!
我々でした!!
特にレアスキル関係はワタクシの担当でしたねッ!!
小次郎とか俺とか父とか母とかACの面々のスキルを参考に作ったので、そもそもある程度伸びしろやらなんやら見えて手を加えてしまう俺がいる時点で伸び方やら行き着くところは異常なんですよね~普通だったら一生かけても使いこなせないレベルで使えるように調整をするわけですから!!
うん、やっぱり制限は必要だったか~使いこなすための試行錯誤を最適化するようなプログラムするんじゃなかった。だがしかし、だからと言って………感性で容易く壁を突破しちゃったよ、この娘ぇ……これだから天才は。
レベル1、これは基本的に誰でも使える程度に設定してある。
レベル2、一通り魔力を扱える様に成って解放。
レベル3、ここからが有段者な感じ。ここから先は個々で道が違うので模索の道になる。
レベル4、地道に歩んで数年、しかし、閃けばあっと言う間。
レベル5、武術でいう免許皆伝クラス
3以降は難しいはずなんだけどな~
しかもなのはのは収束、収集して束ねる魔力、魔素と呼ばれる素粒子、量子なものをそうするのだ、現実にやろうとしても無理だろう。今までの常識がどうしても邪魔をする。
さて、現実に戻ろう。
「さあ、括目してご覧ください。これが私の全力全開」
杖を両手で握り、祈るように構え、つぶやき始める。
「天を裂いて咲き誇れ、空を覆う満開の
咲いて、咲き誇って、風に流され散って地を埋めて、出来上がるのは
球体だった桜色の魔力塊はうごめき、小さく分裂し、まるで杖となのは、そしてその影を幹とした満開の桜の木の様に成る。
そして、降り注ぐ。
ゆらゆらと、風に揺られる花弁のように、実に不規則な動きで、桜色の花弁が飛び散る。
それはとても美しい光景であるが、一つ一つが
チームメンバーとしてフレンドリーファイアをしない俺たちを除くここに集まってきていた面々は、ここで脱落するだろう。
既に上から降り注ぐ花弁を避ける方法がなくなってしまっている。
見惚れてしまっても仕方がない光景であるが、そのあとにくるからこそ、その衝撃は……とてつもなく大きい。
現に、ある一人が振ってきた花弁を受け止めようと手を伸ばして、腕を弾かれた。
呆然とするよね、そうだよね。綺麗だけど、魔力弾なんだ、それ。
パンッと乾いた音や、ドンと鈍い音が至る所から響き始める。
空を覆う桜の花弁にすべてが圧殺される光景がそこにはあった。
生存者カウンターが最初はゆっくりと、どんどん加速しあっと言う間に桁が一つ減った。
解析してみたらえげつない、異なる魔力に吸い寄せられる性質が組み込んである。
そして他の花弁の爆発で舞い上げられて遠くへ遠くへ飛んで行く仕様とかさ……うん、ナノハサン?なんでまだ魔力塊が杖の先端に残っているんでしょうか?
生存者カウンターの減りが遅くなってきたところで、なのはがさらなる一手を投じた。
「イグニッション!!」
残っていた魔力塊が弾け、
……ふんじん ばくはつ って しってる か?
連鎖爆発!!
花弁で覆われた空間が一つの爆弾となった。
俺のビットは全滅、敵も全滅、フレンドリーファイアがOFFだったがため、我々は生き残りました。
フラジールが優先度を変更して突っ込んできていたようだが、花弁でAPが零になっていた様子。
KP使えないネクストは産廃ですね、魔力で障壁張っていたりするものの特にフラジールは名前の通り、脆いからね……
そして、レッドラムは最後の爆発で撃破されました。
20km先まで飛ばしていたビットが最後に撮していたのは桜の花びらの舞い散るふつくしい光景、感動的だな。だが、絶望的でもある。
ほーらはじまった、スーパースロウで膨張してDONの瞬間を見事に捉えていました。
おや、何かが花弁を掻き分けて……この先は壊れて通信が途切れた。
しかし、見直しが終わると同時に状況が動いた。
ガイィィン!!と金属、しかもある程度の重量を持ったモノがぶつかるような音と共になのはが横滑りする様に片手をあげて動いた。
「どうやら読み通りだったようだな!!」
ライダースーツの様なモノにそれと一体化するようなヘルメットを被ったプレイヤーが拳をなのはに向かって突き立てていた。
それはなのはの常駐型障壁を撃ち抜き、勢いを殺されたところでなのはが対応したようだ。
「むしろ予想よりも優位に立てた!!此処では魔力の回復が早い!!」
「……」
「今回の戦場は魔力が満ち満ちている、故に出力が追い付かないと言う予想は正解だったようだな!!お陰で周囲に継ぎ止めた魔力のおかげで
「……正解、予想以上に多すぎて使いきれなかった分が私を中心に半径15mを覆っているの」
「はは、いい情報だ、そこを外れなければ俺にも勝機が!!」
「でも、残念」
パシッとねじ込もうとしていた拳をなのははつかみ取った。
「はぁ?俺と力比べをしようってか!!」
「みんなには秘密だよ?
直は、とても素早いの」
スギュン!!!!
「か……は?」
ガクンと全身の力を失ったかのように一瞬墜落をしかけて、何とかなのはの手を振り払い、後ろへ退避した。
「馬鹿な、一瞬で八割持っていかれただと!!はっ!!」
なのはの手にはピンポン玉程度の大きさの魔力の塊が浮いていた。
「スキル『収束レベル3』《圧縮》、今あなたからもらった魔力がなんとこのサイズに」
「ック、ここは逃げるしか」
「残念だったわね、知らなかったの?魔王からは逃げられないのよ?」
強襲をかけてきた最後のプレイヤーの振り向いた先には炎の翼を背に双剣の近くに光と炎の魔力刀を寄り添わせた状態のアリサがいた。
「スキル『炎熱変化』移動系レベル5、炎の翼、ジェットエンジン並みの出力が出るわよ」
「ついでに移動阻害系三重だよ。重力の枷、斥力の檻、粘り付く空気」
未だに一般的な補助を使わないすずか、どれもこれも改造術式のようで直接相手にではなく、範囲で指定して影響を及ぼすもののようだ。
「なんという包囲網!!だがこの程度、俺の速さなら「……あーなんというか、ごめんなさい?」
ビットは全滅したので、親機しかないけどまあ、この距離なら。
「創作術式拘束系157番、脚枷」
えげつないことで(社内で)有名な下位拘束術式。
両足を魔力的に拘束、さらに足首と太ももを繋いで正座の形で固める。
ロックは四つ、そのうち一つの錠には攻勢防御が仕込んである。
これが罠だ。普通のバインドと同じように解除しようとすると爆発して機動力を奪う。
さーて、残りは5人、俺となのはとアリサとすずか、そして今拘束されている敵プレイヤーだけだ。
さあ、もうすでに詰みな状態だけど、どう終わらせるか……
というよりも、よく見るとなのはの手の魔力塊がどんどん小さくなっているようなきがするぅ
「スキル『収束レベル4』「魔王特権だよね」違うの!!」
どう見ても魔王なんですが、ビー玉サイズになった魔力塊がバチバチなっているんですが?
「ま、魔王少女」
「魔王って言うなー!!」
なのはが腕を振り下ろすと魔力塊が弾丸のように一直線に進んで、すっと相手に入り込んだ。
「ぐあああぁぁぁ……あ?」
「あれ?」
痛みを覚悟していた相手も来なかった痛みに混乱している。
と、思った次の瞬間、全身から一気に魔力が噴き出た。
言葉を発する間もなく、全身の魔力が枯渇し、意識を失う。
「………なにこれぇ~」
「え、えっとね、相手の魔力を小さく固めて……その、ぶらっくほーる?みたいにして相手の魔力を吸い寄せて排出させるって技なんだけど………その、相手の魔力を使うとしんわせい?が良くて全部集められるんだよ」
「思いのほかえげつない」
「え、そうかな?」
「先の魔法と言い此度の魔法と言い、なんとも、えげつない」
「えぇ!!」
「まあ、そうよね」
「間違いないね」
「二人ともそう思っていたの!?」
「どうせなら一思いにやってやれよ、そもそもリアルでそれやると全身の血液を一気に全身から噴出させるようなものだぞ」
「うわ、やめてよねイメージしちゃったじゃない」
「場合によってはマジで血が噴き出かねない」
「わーこれで技の性能を絵的にも魔王だね、なのはちゃん」
「全然、うれしくないの!!」
Congratulation!!の文字が視界に浮かぶ中、みんなでなのはを弄っているとリザルトが始まる。
VIPはむろんなのは、撃墜数が300越+特殊標的撃破ボーナス×2、お前は一体何略兵器なんだと言うのだ。
俺は撃墜数3
アリサは5
すずかは0
終了時間は00:30:42
なんと600人以上いた人間が30分で四人になってしまいました。
コイツはひでぇ、クソゲー以下の臭いがプンプンしやがるぜ!!
規制もしくは調整しなきゃ……今晩から徹夜かな……
その夜、必死になっていろいろと検討していると、公式掲示板が盛り上がっていた。
【ふつくしい】魔王少女なのは様万歳【だが、残酷だ】というタイトルですでに10件
【新ジャンル】海鳴に君臨せし【魔王少女】とか魔王少女で検索したところ、最古で去年のもの、今日だけで30件は……どうしようか、規制したら叩かれるんじゃ……何気に高評価が多いし、なんだこれは。
ロリコンしかいねぇ
だが、我々はそれを歓迎しよう。平凡なぞ、つまらんだろ?
いやー忘れていたよ、ゲームでできることは現実でもできる、逆もまた然り。それをモットーにやっていたのに規制なんてしちゃだめだよね、そのうちきっとたぶん対策が作られるさ。
むしろそのためにも俺のやるべきは新しいスキルの追加だな。
ユニークスキル持ちだからって有利に事を運べると思うんじゃないぞ!!なのはぁぁぁぁ!!!!!
翌日、謎のアップデートで新スキルが50ほど追加されて各地の戦場が実に賑わったという。
考案中の新作、ぶらり斬殺異世界旅行とかそんなタイトルを考えているんですが…
誰が主人公かわかりますかね?
え?そんなことはいいから未完のままのものを終わらせろ?
ネタがね、湧いてこないの