変態企業によるリスタート【istd !】   作:獅狼

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匠君視点でゲーム開始までと成っています。

正直、やり過ぎた感が……



でも、良いぞもっとやれの声が出そうな予感。



執筆中タイトル
【漸く出番ですよなのはサン】

頭に浮かんだ一章のタイトル……【修羅の国:日本】
頭から離れない地球のある次元の通称……【修羅次元】

まさにISTDですね!!


魔王の住む地区

学年のアイドルらしい三人娘と一緒に海鳴B(バニングス)H(ホール)に来ました。

 

「そういえば、匠は今のランクいくつよ」

「ちなみに私達のチームは海鳴で1270組中500ぐらいだね、個人ではあまりやってないから個人ランクは解らないよ」

 

おいおい、小学生レベルじゃねえぞ………

申し訳ないけど俺は一般ランクは持って無いんだ。

ACランクは100/200位だけどね

ちなみにスタイルは万能後衛(フルバック)

小型(ナノ)汎用(ソルディオス)球体浮遊装置(オービット)を用いた後方から前衛までをカバーする。団体戦でこそ本領発揮だけど一人でも戦える。

 

方針は【なにもさせず全てをする】

 

 

だけどあくまでも社内ランキング、外には持ち出せない装備を使っている訳ですし………新しく作るか……

 

「創ってくる」

「え、ソーサラーライセンス持ってなかったの?」

「意外だね、匠君ならトップランカーでもおかしくないのに」

「大人相手に早々勝てるかよぉ……」

「でも、私たちより頭いいし……」

「私よりも運動神経いいよね」

「私たちでも200位なんだし」

「それはチーム戦の話だろ、そしてお前らの連携が阿吽の呼吸過ぎんだろ……」

 

こそっと引き出した戦闘データを閲覧して戦慄した。

こいつら、思考を共有してんじゃないかと思うほどの連携。

 

アリサの後ろに回った奴を的確にすずかが処理、二人の隙間を縫う様に桜色の高速誘導弾が飛び、突っ込んだように思えた二人は絶えずなのはに近づく者に対応をしている。

 

武器はアリサが赤と山吹色の双剣、すずかが青い籠手(ガントレット)、なのはが………砲杖?改造がなんというか凄い。ベースは杖系の砲撃に偏ったC(チェリー)B(ブロッサム)-06、本当はC(キャノン)B(ブラスター)なんだけど、洒落た方が言いと品名は桜の花と成った。

 

それが、なんと、TUPを20は使ったであろうチューニングに追加パッケージでロングバレル、高火力を出せる様にする為だけの強化装甲で二周りは大きくなって……なんだ、これは……

 

「ビックリしたでしょ、これがなのはの咲き誇る桜の木(プラウドチェリーウッド)よ!!」

「別に名前なんて付けてないの」

「え…そう登録してあるよ?」

「した覚えないよ!!アリサちゃん?」

「名無しじゃ可哀想だから私が付けておいたわ!!」

「なんて事をしてくれたの、私もアリサちゃんの武器に勝手に……ッ!!」

「名前ならもう付けてあるわよ?ね、レッドクイーン、サンライトスラッシャー」

「私のも名前ならあるよ?ブルーゲイル」

「なんかかっこいい名前が付けてあるの!?」

「……それよりも、今回はこの部屋でするのか?」

「うん、チームバトルロイヤル、他のチームの殲滅が勝利条件。私たちはチーム戦しかしていないんだよ」

「一人ではちょっとね」

「一人ぼっちは寂しいもんね」

おいばかやめろ

 

しかし、咲き誇る桜の木といっても、何処にも花なんて無い。

大きな木の枝が良い所じゃなかろうか……

 

「それで、匠君は武器何にしたの?」

「ん、これだよ」

「………え?」

「あ…れ?」

「なんでこれを……」

「何か問題でも?」

 

選んだのは俺のソルディオスをグレードダウンして外見を整えたマルチビット、その中でも出力は低いが、やれることの多いものだ。

 

問題は最大で10個しかないことだが。

 

「いやだって、これ、相当な習熟がいるよ?」

「マルチタスクもかなり出来ないと駄目だし」

「左右の目を別々に動かしてそれぞれの視界情報をちゃんと処理することが出来て初めて複数を使えるって話だよ?」

 

……高難易度だったのか、だが俺はこれがやりやすい。

 

「まあ、なんかこれだ!!って思ったんだよ」

「そう……ま、私たちが一緒に居るんだから大丈夫」

 

「そうだ、歓迎って事で今回本気で行こうよ」

「うーん、でもスキルポイントがまだ二回分たまってないのよね」

「私も、あと少しなんだけど」

「……私も少し足りない」

「むむむ」

「にゃ~」

「うーん」

 

そこへ放送がかかった。

 

《緊急速報、ただいまより、チームバトルロイヤルルーム3にて、新ステージのお披露目を兼ねたイベントが開催されます。

優勝チームのメンバーには参加人数の1%に当たるTUPが贈与されます、ぜひご参加ください》

 

「ルーム3って、此処だよね?」

「うん、と言うことはおそらく……」

 

今まで多くても30人程度しか居なかった待機室に次々と人が入ってくる。

入ってくるといってもバーチャルなため、転送されてくる形ではあるが、次々に来るこの状況は圧巻である。

 

「ちょっと、あっという間に人数が300超えたわよ、最低でも60チームが参加じゃない」

「ううん、これはもっと増えそうだよ、戦闘開始までまだ120秒ある、戦闘が終わって参加してくる人がそろそろ」

 

すずかが言うと同時にまたも独特の参加音を響かせて人が増える。

 

「これは……きついわね」

「でも賞品が5TUPだよ」

「スキルMaxの人も多いの」

「私たちも、使いましょう」

 

スキルでは武器の改造や術式の改造では再現の難しい、不可能な現象を起こすことが出来る。

スキルには二種類あり、一つは後付のスキル、カードスキルとも呼ばれて専用の装備を付けることで使えるようになり複数の装備も可能であると言う利点を持つ。

もう一つは先天性のスキル、ユニークスキルと呼ばれ個人の素質に左右される。

一発逆転の可能性を秘めているが、装備によるスキルを使うことは出来ず、コストが高い。

 

そして重要に成るのがスキルポイント、時間経過と戦闘評価で手に入るポイントで、消費することでその試合でスキルを使用出来るようになる。

 

スキルレベルは1から5まであり無論、コストはレベルが高いほど高くなる。

ソーサラーネームの下に星が表示され、試合で使用するスキルレベルを公開する仕様となっていて、先天性は金、後天性は銀の星で現される。

 

 

 

三人が、自分のアセン……否、装備画面を操作して、スキル使用にポイントを振っているようだ。

 

ピッピッと星が増え、三つになったところで声が聞こえた

 

 

「げ、三ツ星、なのはさんか……って、四つ…五つ……キェァァァェェェェァァァナノハサマァァナノハサマ、ナンデ!!」

「あっちの二人も五ツ星だ!!」

「やっべ……ってそりゃそうか、5TUPがかかってりゃ本気も出すわ」

「ありゃ、そこらへんで星が五つ輝いてるな……」

「頑張って生き残って疲弊したところを狙えばなんとかなるんじゃね?」

「そうか、そう思うのか。それならそうなんだろうな、お前のなかでは」

「普通に否定すれば良いだろぉ!!」

「おら、作戦会議スッぞ円陣組め」

 

俺はビットを一個飛ばして作戦を盗み聞きしてみることにした。

 

 

 

「まず大前提だが、なのは様のスキルのお復習だ。

パッシブ5、【魔王の特権】…周辺の魔素の優先権獲得だ

単純に周辺の魔素をかき集めてMPの回復速度を驚異的に上昇させるそして近くに居るほど回復速度は減少し魔力弾も構成力が低ければ自壊し、なのは様のMPになる、最低でも二層構造の弾が必須だ」

「追加補足だ、他者のMP回復速度は最終的にはマイナスへ陥る」

 

「ふぁ!?初耳なんですけど!!」

近接戦闘(インファイト)しに逝った奴が近づくので八割近くMP減らして一撃当てようとしたら魔力刃が消失したらしい。前衛で最大値が少なかったとはいえ、あっと言う間の出来事だったそうだ」

「なにそれ怖い」

「しかし、欠点もあるなのは様のMPが満タンになれば特権の効果は止まる」

「……いや、それは無いだろ」

「無限砲台なら使うだろ?」

「どう考えても欠点にならにぃ……」

「何か別のも弱点はないのかッ………!!」

「そもそも、それが弱点としてもガーディアンが」

「あの二人の女の子ね、マジやべえ連携なんだよな」

「炎熱系の双剣使いに氷結系のワイヤー使いだったか?」

「後者は状況からの推測に過ぎないがな」

「鉄壁過ぎて普段ならどうしようもなく、なのは様覚醒を防げなかった」

「しかし、今はこの大人数だ、他と連携して囲めばどうにでもなる」

「………いや、小学生を囲んでボコるとか、完全に悪役で外道なんですけど」

「なのは様のスキルが危険すぎるのが悪い」

「そうでもしないと勝てん」

「しかたのないことなんだ」

「そう、勝つためには仕方が無いんだ」

 

「よし、他と交渉しつつ、大方針は命を大事に、超大事に、全力で大事にで逝こうか」

「フラグが立った気がする」

「馬鹿野郎!!フラグが立ったら逃げられないじゃないか!!」

「壊滅ルートに入りました」

「だからやめろ!!」

 

 

 

うん、なるほどこの世界ではなのははヤバいやつだと。

つまりはそう言うことだな。

 

 

 

 

 

 

《時間が来ました、参加を締め切ります。参加者総数628名、173チームの参加となります。》

 

「チームメンバーの平均、四人いってないじゃないか」

「そんなもんだよ」

「フルメンバー集めるの結構難しいんだよね」

「相性が悪かったり、連携が思ったように行かないとかで増えたり減ったり繰り返しているチームが多いよ」

「なんで念話使わないんだろうね、便利なのに」

「アンタの念話はもう既に話だけじゃないから、なんで視覚情報の共有とか出来るのよ」

「うーん……小さい頃から使っていたから、かな?」

 

《ステージへの返送を始めます、エリアを173に分け、ランダムで転送います、地上へ転送するため、飛行術の必要はありません》

 

おっと、そろそろ始まるのか、ビットを全部回収しておこう。

「あ、そうだ匠君はなのはちゃんの傍にいてね」

「これ、持って置いて、絶対離さないで欲しいの」

 

渡されたのはなのはの杖から外したパーツ

 

「魔力供給するためのパーツよ、それがあればなのはが本気を出していても近くで活動できるわ」

「どうゆうことだってばよ……なに、そんなに物騒なの?」

 

いちおう、何も知らないことになっているので台詞に呆然としてみる。

 

「…始まれば解るわよ、いやでもね」

「私たちはいつも通り、終わるまで間引いてるね。魔王様♪」

「……魔王はやめて欲しいんだけどな~」

「スキル名がすべてを語ってるじゃないの」

「【魔王の特権】と【魔王足る所以】だっけ?」

「本当にやめないと後ろから撃つよ?」

「ごめん」

「ごめんなさい」

「手のひらクルクル回るなー」

「引き際を見極めるのは重要なんだよ、特に相手をいじり倒すときは拗れ過ぎない様にしなきゃ」

「…すずか、アンタそんなキャラだっけ?」

「最近、黒くなってないかなぁ」

「ふふふ」

 

わけが解らないよ、確かに前は困難じゃなかった気がするんだけどな~

 

「もう直ぐ始まるよ」

 

その声を聞いて周りをみると、いつの間にか廃ビル、そして数十メートルも見渡せない濃霧に覆われていた。

 

「なにこれ!!レーダーがノイズで見えないじゃない!!」

「本当だ、この霧はジャミング効果があるのかな?」

「有視界戦闘しか出来ないけど……霧が濃すぎて視界もわるいね」

 

いやいや、ちょっとまて。どこかで見たようなステージだぞ……

地面は……砂か?でもやけに白い、

 

……まさか、PA-N51か!!

 

《試合開始前に、連絡です。参加者総数628名、173チームと大規模な戦闘になり、長期戦と成る可能性が高いと判断されたため、特殊エネミーの参戦が決定されました》

 

目の前に複数の画像が表示される。

 

真っ赤な四脚のロボット、正面から見ると穴のような形をしたロボット……ACだ、レッドラムとフラジール。

レッドラムは確か水平方向の移動が早い、フラジールは……最速のACだ、なるほど、初見殺しもいいところじゃないか。

 

《なお、両機ともに撃破ボーナスが存在します、狙ってみるのも一興かと》

 

馬鹿を言うな、音速前後で動き回る12mほどのロボットだぞ?下手に前に出れば轢殺される。

それに、スペックを見ると、魔力弾に変わってはいるが、火力が十分にある。下手に一撃貰えばただじゃ済まない。そのまま削られるか、轢殺されるか……そして、PAモドキを装備している、減衰型の障壁を常時展開している。

障壁を消さなければまともなダメージが入らない。

……駄目だ、チームフルメンバー五人そろって全力を出し切り、漸くフラジール撃破の可能性が見える程度、そしてそれも火力だけを考えればの話だ。まず、フラジールに追いつけない。攻撃が当たらない。

 

 

やめたほうがいい。

 

「おい、さっきの放送の話だが……」

「ああ、アレね、私たちは手を出さないわ。まあ、偶然倒せれば御の字ってところかしら」

 

いやいや、偶然で倒せる奴らじゃないよ。

 

「アレにやられないように気をつけておけばいいよ、私たちは今回久しぶりの全力なんだから」

「そうだね、私に任せて!!」

「なのはの準備が出来ればたいていそれで試合終了なんだから!!」

「……あーうん、そうなんだ……」

 

まったくわけが解らない。

 

 

《それでは、試合を始めます、結界の解除まで3・2・1……試合開始です》

 

ビーーーーとブザーが鳴り、選手を囲む檻(けっかい)が開いた。

 

《エネミーの参戦は試合開始20分後を予定しています、皆さんの健闘を期待しています、がんばってください》

 

 

 

こうして、俺の一般参加初戦が開始された。




次回予告?


「霧が酷いわねー……おっと、魔力光ね。わざわざ自分の居場所を教えてくれるなんてサービスが良いわ」
「アリサちゃん、視界が悪いんだから突っ込み過ぎないようにね」
「大丈夫よ、なのはの光が場所を教えてくれるから」

彼女たちの背後には、桜色の光が集まりつつあった。

「こんな、何でだ、知らない、唯の素人じゃなかったのか!!」
「悪いね、でも此処なら彼女たちの目に入らないから、本気が出せる」
「ギャァァァァ」

その反対方向では、初戦はずの少年が、十の従順な下僕を操り、暴れていた。


「弾が届かない!?なんだこれは、どうすれヴァッ」
「シンジィィィィ!!」
「お前まで轢殺されたいのか!!此処は逃げるんだよォ!!」
「チクショウ」
「グワァァァァァ」
「ジョウジが撃たれた!!なんだあの弾幕は!!」
「早い、早すぎるんだ!!撃った弾に追いつきながら撃っているから弾が密集して……ウワァァァアア!!!!」


動き出した狩人(ハンター)は余りにも速く、そして堅かった。





「はは、これが、これが咲き誇る桜の樹か……なるほど、美しく、そして恐ろしい」


少年が見たのはまさしく決戦兵器。

その樹を片手で持つ少女は、まさしく王であった。






たぶん、こうなる。

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