小説を書いて初めて色つきまでいったので結構新鮮な気分です。
差し支えながら、評価をつけてくれる場合にはどこが良かったか、どこが悪かったかなどを一緒に書いて送ってくれると次への改善点がわかるので、もしよかったら評価と一緒に書いてください。
それ兵器募集案、モンスター募集案を送ってくれた方。ありがとうございます。
募集期間の制限はないので思い付いた方からドシドシご応募ください。
それでは第9話『EVOLVE』、どうぞ!
イギリスにあるイギリス内最大の貿易港。
そこでは慌ただしく作業員たちが動いていた。
「接近中の貨物輸送船に告ぐ! ただちに巡航スピードを落とせ! 繰り返す、巡航スピードを落とせ!」
作業員の一人が通信機を手に取り、マイクに向かって怒鳴るように警告する。
彼の前には緑色の円盤状の物体があり、その中で一本の光の針がゆっくりとくるくる回っている。
円盤状の物体……ようはレーダーの中心から離れた場所にかなり早いスピードでレーダーの中心に近づいてくる光の玉があった。
光の玉こそ、今彼が必死に呼び掛けている船なのだが、通信機から返ってくるのはノイズ音だけ。
いっこうに船の乗組員と連絡がつかない。
「もうやばい! 早く逃げるぞ!」
顔を青くしながら彼の同僚が腕を引っ張って外に連れ出す。
彼は『くそっ!』と怒鳴り通信機を投げ捨てて同僚と一緒に外に出る。
辺りはすでに薄暗くなり、港をオレンジ色に照らすライトがつけられており、港とは正反対の暗い闇を映しているような海からうっすらと黒い影が見えた。
黒い影こそ、今しがた必死で通信を行っていた相手である貨物輸送船だ。
貨物輸送船は通常の運航スピードを遥かに越えた速度で港に近づいてくる。
貿易港の作業員たちが全員敷地内から避難した。
それと同時に貨物輸送船が重たい船体で港のコンクリートを砕き、積み上がったコンテナを吹き飛ばしながら乗り上げた。
ゴガガガガガッ!!とコンクリートが粉々に砕け散り、硬い金属のコンテナがベコベコになりながら宙を舞う。
貨物輸送船は船体の約6割ほどが港の上に乗り上げた頃、徐々にスピードを落としていき船体の8割ほどが海上から離れて陸に乗り上げた状態でやっと停止した。
乗り上げてから少しだけ倒れそうになった貨物輸送船だが、コンクリートで船底を大きく抉られたお陰で傾く程度ですんだ。
甲板の上のコンテナはいくつか落ちたが。
作業員たちがざわざわと騒ぎ始める中、パトカーのサイレンが聞こえてきた。
どうやら誰かが警察にこの異常事態のことを早めに伝えたらしく、次々とパトカーが止まり警官たちが出てきた。
警官たちはホルスターに収納されている拳銃取り出し、数名が作業員たちをさらに後ろに下がらせて他の警官たちが貨物輸送船に近づく。
この時軍に通達を入れているあたり今の現状(モンスターがそこらを闊歩していること)を理解していると言えよう。
警官たちはゆっくりと、一歩ずつ、貨物輸送船に近づいていく。
そして、貨物輸送船まであと3~4メートルというくらいまでの距離に近づいたところで、斜めに傾いた貨物輸送船の甲板の上で微妙なバランスを取っていたコンテナが一斉に崩れ落ちてきた。
警官たちは急いで貨物輸送船から離れ、近づくのは危険だと判断して軍の部隊がくるまで離れたところで警戒することにした。
だからだろう。
貨物輸送船の後部から飛んでいく黒い影に気づくことができなかったのは。
☆☆☆
「キャン! キャンキャンキャ」
パァンッと、喧しく吠えていたチワワの頭が木っ端微塵に吹き飛んだ。
貨物輸送船からまんまと逃げおおせた
ポキリポキリと音を立てながら噛み砕かれるチワワ。
味わうほどの量もなかったチワワは、
だが、
ここまで長い道のりだった。
いきなり見覚えのない場所に来て、餌を食べていたところに自分がよく知る小さな生き物が邪魔をし、手酷くやられて傷を癒すのに時間がかかった。
しかし、これまでの苦労が今やっと実を成す。
「グオォォ……ガアァァ……!」
すると、ボコボコと
凄まじい速度で
細胞分裂のスピードが普通の生物のものとは比べ物にならず、古くなった外皮が薄い皮となって
さらに、過剰に分裂した細胞が
そして、赤黒い繭の中からゆっくりと2倍ほどの大きさになった
「グオオオオオオオオオオオ!!」
カッと爛々と輝く眼を見開き、
咆哮を終えた
ドゴンッ!とまるで爆弾が爆発したかのような音が響き、その衝撃で周りの草木が揺れる。
「いったい何が……ひぃっ!?」
そこにはこの家の住民らしき男性が腰を抜かしていた。
強者が再び地上に立ち上がった。
☆☆☆
夕日が水平線に消え、きらびやかな明かりが夜の街を彩る。
街には我が家へと帰宅する男性や、恋人と二人で夜の街を歩く者など様々な人たちがいた。
もうすぐ冬に入る季節なため、早いところではイルミネーションで色とりどりに店を飾っているところもある。
楽しそうな雰囲気が、街からも、人々からも伝わってくる。
しかしそんな中、数人の人々が血相を変えて慌てながら走ってきた。
彼らを見つけた人々は何が起こったんだ?と不思議そうな顔をしていた。
そして、一人が大声で問いかけようとしたときに、走ってきた人たちの内の一人が叫んだ。
「逃げろおおおお!」
「グルオオオオオオアアアアアアア!!」
突如聞こえた咆哮に、その場がまるで時が止まったかのように静まり返った。
姿が見えず、咆哮だけだというのに金縛りにあったように体が全く動かない。
ここにいたらまずい。早く逃げないと。
頭が防衛本能として警告を発するが、体が言うことを全く聞かない。
「グオオオオ!」
ズガンッ!!と、建物を飛び越えるように飛び出してきた巨影がコンクリートの道路を砕きながら着地した。
衝撃で一瞬だけ足の裏が地面から浮かび、何人かがよろけた。
しかし、それで硬直が解けたようで人々は悲鳴をあげながら蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。
立ち上がった
みすみすご馳走を逃すほど
逃げる人間たちは
だが必死の逃走も虚しく、一番後ろで走っていた男性が
「嫌だぁ! 誰か助けてくれぇぇぇ!」
しかし今この場に男性を助けられるほどの力を持った者は誰一人おらず、男性の悲鳴を聞いた人間たちは男性と同じ目に合いたくないため必死に走った。
骨付き肉を食べるように男性の体を噛み千切り、手の中に残った男性の下半身も口の中に放り込む。
人間たちは道路に沿って真っ直ぐ逃げていくが、近くの建物の中に逃げ込んでいく者たちがちらほらと現れ始めた。
その中に土産物屋に逃げ込もうとする女性がおり、扉に手をかけると急いで扉を引いて中に入ろうとする。
しかし扉はガチャガチャと音を立てて中々開かない。
女性はすぐにこの扉は押して開く扉なのだと理解し、扉を押した。
すると扉はすんなりと開き、女性はこれで助かると心の底から安堵して中に入ろうとする。
しかし、扉の前でもたついた時点ですでに遅く、体の半分が店の中に入ったところで
天国から一気に地獄に叩き落とされたかのごとく女性の顔が恐怖と絶望の色に染まる。
「いやあああ! やめて! お願いぐぇぇ……」
先程の男性と同じように頭からかじられ、潰れたカエルのような悲鳴をあげながら女性は
立ち止まって女性を
両足に力を込め、コンクリートを砕きながら走る。
両腕を大きく振り回して鋭利な爪を道路に突き立てて道路を掴むようにしながら前へ前へと猛スピードで走る。
ゴウッ!と、巨体が風を切り、駐車されていた車を意図も簡単に弾き飛ばしていく。
金属の塊でもある車にぶつかりながらも勢いは衰えるような様子はなく、『突進』がどれだけのパワーを持っているかが見てとれる。
あっという間に人間たちと距離は縮められ、
横からブレーキ音を喧しく鳴らしながらくる車を片腕で軽々と吹き飛ばし、
強化された火炎放射は前の頃に比べてより遠くにまで届くようになり、灼熱の炎が逃げる人間たちはもちろん車や周りの建物まで燃やす。
「ぎゃあああああ!」
「熱い! 熱いいいいいい!」
体にまとわりついた炎が皮膚を焼き、その熱さから逃れようと必死に地面を転がる。
メラメラと燃えるそこは、まるで地獄のような錯覚を覚えさせる。
そう見えるなら、
地面を転げ回ったことで体にまとわりついた炎はなんとか沈静化したが、それでも体中に酷い火傷を負い、燃やされた人間たちのほとんどは瀕死の重症を負っていた。
炎で気管と肺を焼いたことで掠れた息をはく、もはや男女の判別もできない人間たちを掴むと
ウジ虫のように這いつくばりながら必死に体を動かして
だが
今の
今でも
空を飛ぶものなど己が知る中では2種のモンスターだけだが、今回やって来たものはどうやらモンスターではなく人間らしい。
しかし動物特有の、絶対と言っていいほど必ず出す汗の臭いと無機物らしい何も感じさせない金属臭が同時に
横に回転しながら飛んでいく軽自動車だったが、残念ながら空にいた人間たちには避けられてしまった。
セシリアが持つブルー・ティアーズに似た鮮やかな青い装甲を持った機体を纏った人間が5人。
量産ティアーズ型第3世代機『
それがその機体の名前だ。
ティアーズ型ということもあって、
しかし操縦者のBT適正が低いため、数は2機と少ない。
「グルオオオオオオオオオオ!!」
対する人間たちも
「あれが本当に情報にあった化け物だって言うの!?」
「姿も情報と一致している! それ以外に何があるって言うんだ!」
「同じって言っても大きすぎでしょ!」
どうやら以前日本で暴れていたときの
だが
さすがに言い争っている場合ではないと判断した5人はすぐさま互いを邪魔しないようバラバラに広がりなが飛んでくる車を回避。
レーザーライフルの銃口から青いレーザーが放たれ、それが
戦車の装甲すら熔解させて貫通するレーザーが
パァンッ!と音を立ててレーザーは虚空に青い光を撒きながら霧散する。
まさかレーザーを防御、もしくは回避するのではなく殴って無効化するとは思っておらず、レーザーを放った女性は驚愕の声をあげた。
しかし、さすがに軍人ではあるらしく、すぐに気を持ち直すと他の女性たちに
女性たちが
☆☆☆
そこにソイツはいた。
ソイツの眼が空から地上に向けて放たれる青い光条を捉えると、ソイツは視線を後ろの建物へと変えた。
街にあるどの建物よりも大きく、巨大な鉄塔が何本も建ち並び、細い配線があちこちに伸びている。
ソイツは静かに唸り声をあげると、地面に爪を突き立てて巨大な岩石を引きずり出す。
自身の半分以上の大きさがありそうな岩石を肩に担ぐようにして持ち上げると、ソイツは建物めがけて投げ飛ばした。
緩い放物線を描きながら巨大な岩石は建物の横にあった巨大な球体状のタンクのようなものに激突した。
タンクのようなものは巨大な岩石が激突したことで中の燃料が外に漏れ、岩石と金属の壁の摩擦によって起こった火花に燃料が引火して大爆発を起こした。
しかも最悪なことに他のタンクのようなものまで誘爆し、連鎖的に爆発が次々と起こっていく。
そして、一際大きな爆発が起こると建物のあちこちから火花が散り、人工的な建物の光が消えた。
建物の光が消えると同時に、ソイツが初めに見ていた街の光もすべて消えてしまった。
炎が建物を包んで森を照らす中、爆発を引き起こしたソイツはすでに森の奥へと消えていってしまった。
不自然な色を放つ、青い炎を残して。
ということで
BBBBBBBをしてもキャンセルできないので悪しからず。
そして最後の彼は皆さんが想像する彼です。
すでに彼もこの世界にいるのですよ。
第2形態
岩投げ ★☆
跳躍撃 ★
火炎放射 ★☆
突進 ☆
黒星はすでに選択済みのポイントです。
それではまた次回。