INFINITE EVOLVE   作:00G

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研修をしていて投稿が遅れました00Gです。

ここまで来てやっと4種類のモンスターを出すことができました。

今回は短いですが、ガチ戦闘では文字数を増やせれるよう頑張ります。


大地揺るがす悪魔

「ったく、なんで俺たちがこんな妙な仕事をしなくちゃいけねぇんだよ」

 

「仕方ないだろ。 今は女が天下の世界だ。 下手に拒否でもしたら俺たちが消されかねないよ」

 

 愚痴を言い合いながら武装した二人の男性たちが植物が少しだけ生えている岩場をを歩き、ジャリッと靴が砂を踏みしめる音が鳴る。

 

 彼らは亡国機業(ファントム・タスク)の実働部隊……の下っぱのメンバーである。

 

 彼らがいる所は、ロシアの森の中にある秘密基地のすぐそばにある岩場だ。

 

 『ここ数日、この森の奥から悪魔のような声が聞こえるからそこを調べてこい』と上の人間(女尊男卑の女)に命令されて嫌々ながら調査に来たという訳だ。

 

「悪魔の声ってもどうせ風かなんかだろ? だったらさっさと終わらせて帰ろうぜ」

 

 もう飽きたと言わんばかりに男性の一人が言う。

 

「調査して10分も経っていないだろう。 そんな時間で戻ったら殺されるぞ」

 

 その相方が正論を言い、男性は『はぁぁぁぁ……』と深いため息をはいた。

 

 二人は時間をかけるようにゆっくりと幅が5メートルほどある岩場を歩いていく。

 

 ―――――――――

 

「? おい、何か聞こえないか?」

 

 男性が何かの音を聞き、相方に自分が聞こえた音が相方にも聞こえたかどうか確認する。

 

 相方は耳を澄ませて音を聞き取ろうとした。

 

 ――――――――ロ……

 

「なんだ?」

 

 ―――――――ゴロ……

 

「転がる音じゃねぇか?」

 

 ―――――ゴロゴロ……!

 

「それよりも音がでかくなってないか……?」

 

 ―――ゴロゴロゴロ……!!

 

「「…………」」

 

 ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!!!!

 

「「うわああああああああああ!?」」

 

 二人の視線の先から、直径が3メートルくらいありそうな巨大な岩石が岩壁にぶつかってその岩壁を砕き轟音を立てながら猛スピードで転がってきた。

 

 二人は絶叫を上げ、横に身を投げ出すように飛び込んで押し潰そうと転がってくる岩石を避けた。

 

 岩石は二人の横を通り過ぎるとスピードを保ったまま若干下り坂になっている岩場を転がり落ちていった。

 

 二人は起き上がり、離れていく岩石を茫然と見送った。

 

「な、何だったんだ今の……」

 

「それより早く報告するぞ!」

 

 男性の相方が焦りながら手にした通信機の電源を入れた。

 

 岩石が転がる先には自分たちが元々いた場所……亡国機業(ファントム・タスク)の秘密基地がある。

 

 たとえ上の人間が低俗な人間だったとしても組織の一人である以上報告しなければならないことは報告する。

 

 男性の相方は通信が繋がると嘘偽りなく今見たことを話した。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

『本当なんだよ! 今そっちに巨大な岩が――!』

 

「そんな嘘を信じると思っているの? 戻ったら覚悟してなさい」

 

 所変わって岩石が転がる先にある亡国機業(ファントム・タスク)の秘密基地では連絡を受けた女性が男性の相方の言ったことを一向に信じようとしていなかった。

 

 元々確認しにいくことが面倒だったから彼らを使い、連絡を受けても適当に返すか信じようともしなかったのだが。

 

 なら何のために行かせたのやら。

 

 女性は男性の相方の声を聞きたくないと言わんばかりにまだ真実を伝えようとする男性の相方の声を無視して通信機の電源を切った。

 

 女性はドカッと椅子に座り、首にかけているISを指で弄った。

 

 それだけで女性は優越感に浸ることができ、帰ってきた男性たちをどういたぶろうか思案する。

 

 だがいきなりドゴォォォン!!という大きな音が秘密基地を襲い、建物全体が地震が起こったかのように揺れた。

 

 女性は椅子から転げ落ちて強かに体を打ち付け、痛みにもがく。

 

「ぐうう……な、何が……」

 

 外からは銃声が聞こえてきたため、敵が襲撃してきたと判断した女性はISを展開して壁を突き破って外に出る。

 

 そして何かに捕まれた。

 

「っ!?」

 

 その女性の体を吸盤のように吸い付いた何かは勢いよく女性を引っ張った。

 

 引っ張ったと同時に吸い付いていた何かはすぐに離れたが、引っ張られた勢いで体勢を立て直すことができない。

 

 女性はなんとか体勢を立て直そうと空中でもがくが、吸い付いてきた何かと入れ替わるように今度は太い何かに鷲掴みにされた。

 

「ぐっ! このっ!」

 

 身動きがとれない状態で必死に体を動かすが、ゴウッ!という音と共に女性の体に巨大な拳が叩き込まれた。

 

 ゴシャッ!と音を立てて女性はISごと潰され、拳は元女性の肉塊がべっとりとこびりついたまま地面に強く叩きつけた。

 

 拳の持ち主は、巨大な岩とも見て取れるような姿をしていた。

 

 岩のような質感を持ったGoliath(ゴライアス)よりも堅牢な外皮。

 

 上半身が異様に大きく下半身が小さいアンバランスな体躯。

 

 Goliath(ゴライアス)よりも太い腕と3本の指。

 

 剥き出しの内臓。

 

 不規則に並んだ複数の小さな目に横に大きく裂けた口とそこに並ぶ乱杭歯。

 

「ゴオオオォォアアアァァァァ!!」

 

 伝説の獣、もしくは悪魔の名を冠する『Behemoth(ベヒモス)』は歯茎を剥き出しながら天に向かって咆哮をあげる。

 

「撃てぇ!」

 

 銃を手にした亡国機業(ファントム・タスク)のメンバーがBehemoth(ベヒモス)に向けて発砲するが、頑丈な外皮を貫通することなく弾かれていく。

 

 煩わしいと感じたBehemoth(ベヒモス)は体を反転させると体を少し後ろに引き、何かを溜めるような動作をとる。

 

 すると、腹部の剥き出しの内臓から赤く発光する液体がボトボトと垂れ始め、それが口に移動するように上へ上へとせり上がっていく。

 

 そしてその液体が口元までせり上がって、口の中に収まりきらなかった分の液体が口から溢れる。

 

 Behemoth(ベヒモス)はその液体を前方に向かって吐き出した。

 

 赤く発光する液体は緩やかな放物線を描いて飛翔する液体は、Behemoth(ベヒモス)に攻撃する人間たちの前に着弾すると複数の大きな飛沫へと変化して回りに飛び散った。

 

 飛び散った液体は銃撃していた人間たちの上を覆うように広がり、液体がかかった人間たちは高温に包まれ体が燃え出した。

 

 体内に保有した溶岩を吐き出し、その溶岩が着弾したと同時に小型の溶岩の塊が周りに飛び散り辺りを燃やすBehemoth(ベヒモス)の能力『溶岩爆弾』。

 

 体内に再度溶岩を精製させて次に使えるようになるまで時間がかかるが、予想以上に攻撃範囲が広い溶岩爆弾を使用したBehemoth(ベヒモス)は燃える人間たちに背を向けると、体を丸めて建物へと転がりながら突進した。

 

 Behemoth(ベヒモス)が転がり始めたと同時に、建物のシャッターが開いてそこからゾロゾロと武装した人間たちが出てくる。

 

 だが出てきたと同時に彼らは転がるBehemoth(ベヒモス)に、まるで木の実を潰すかのようにプチプチと轢かれ、地面の上に無造作に撒き散らされる人間の挽き肉にされる。

 

 まだ開きかかっているシャッターを破壊して建物の中に侵入したBehemoth(ベヒモス)は外に出ようと動いていた戦車に衝突して戦車の砲身を破壊した。

 

 戦車の主力武装を潰したBehemoth(ベヒモス)は丸めた体を元に戻して転がっていた勢いを無くすために両腕両脚を地面に押し付けてガリガリガリガリ!!と五月蝿い音を撒き散らせながら勢いを殺し、くるりと体を180度回転させた。

 

 Behemoth(ベヒモス)に轢かれずに生き残った人間たちは手にした武器を建物内のBehemoth(ベヒモス)に向ける。

 

 しかし、それよりも早くBehemoth(ベヒモス)は右腕を金属製の床に突き刺し、何かを掴んだかのように腕をピクリと震わせると、右腕を上に引き上げた。

 

 すると床に白い線のような衝撃波が走るりドゴンッ!という音を立てながら巨大な岩の壁が出現した。

 

 Behemoth(ベヒモス)が侵入した通路を塞ぐように出現した『岩壁』は外にいた人間たちの放った銃弾を遮り、壁の向こうから硬いものを殴打する音が聞こえてくる。

 

 攻撃が通らない岩壁をどうやって破壊しようか考えていると、10秒も経っていない時間で通路を塞いでいた岩壁がボロボロと崩れ始めた。

 

 中の様子がうっすらと見えるようになった彼らは中にいるであろうBehemoth(ベヒモス)に銃を向けるが、崩れかけている岩壁の向こう側からボコボコに凹んで大破した戦車が岩壁を突き破ってガゴンガゴンッ!と何度も地面に車体を打ち付けながら転がってきた。

 

 Behemoth(ベヒモス)に攻撃しようと通路の前に出ていた人間たちは強く車体を打ち付けながら転がる戦車に轢かれ、地面に潰れた熟れたザクロの実のように赤い血溜まりを作り上げた。

 

「えっ?」

 

 運良く一人生き残った人間は訳がわからないといった表情を浮かべるが、すでに死んでいる仲間と通路からゆっくりと現れたBehemoth(ベヒモス)の姿を見ると顔を恐怖で歪めて銃をかなぐり捨てて逃げた。

 

 だが、Behemoth(ベヒモス)が口を開くと先端部が吸盤のように開いているチューブ状の舌が勢い良く伸びて逃げる彼を捕まえた。

 

「うわああああああ!!」

 

 Behemoth(ベヒモス)の『舌攻撃』によって捕まえられた彼は、そのまま一気に舌を引き戻されたことでBehemoth(ベヒモス)に向かって叫び声を上げながら空中を飛んだ。

 

 Behemoth(ベヒモス)は空中を飛びながら近づく彼に狙いを定めてくるりと素早く横に回転して横から彼を左腕で掴み、右手を固く握りしめながら彼の頭部に振り下ろした。

 

 プチッと潰された彼はBehemoth(ベヒモス)に無造作に投げ捨てられ、喰う場所もないと思われ死体を捕食されることなく無視された。

 

 完全に力の加減を間違えたBehemoth(ベヒモス)は別の新しい獲物がいないか嗅覚を使って探す。

 

 すると、丁度Behemoth(ベヒモス)の反対側から無数の人間が固まって逃げていく反応を捉えた。

 

 Behemoth(ベヒモス)は今度こそちゃんとした食事をするために力を弱めようと思いながら体を岩石のように丸めて逃げていく人間を追いかけた。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「……さすがにこれは酷いわね」

 

 ボロボロに崩れ、ブスブスと煙を上げながらまだ燃える建物の前に立った赤い胸元が大きく開いたドレスを着た女性は、予想以上の惨劇に少なからず動揺していた。

 

 周りには女性の他に、潰れて誰かもわからない亡国機業(ファントム・タスク)のメンバーの死体を処理する人間たちがおり、死体に集まったハエを追い払いながら死体を死体袋の中に入れていた。

 

「スコール、これも今騒がれている例の化け物の仕業か?」

 

「恐らくそうね。 それで、トラックの方はどうだったかしら?」

 

 スコールと呼ばれた女性は、後ろに立っていた橙色の髪を持つ目付きが鋭い女性『オータム』に振り返って、建物から離れた場所にあった大破したトラックの様子を訊いた。

 

「全員死んでいたよ」

 

 オータムは簡潔に事実だけをスコールに伝えた。

 

 だが生き残っている人間は二人だけいるため、全滅した訳ではない。

 

 もちろん生き残っているのは森の中に入っていった二人で、その二人はすでに回収されている。

 

 スコールはそのことを聞いてしばらくの間考えるような仕草をとり、オータムに何かを伝えた。

 

 オータムは目を見開きながら驚き、思わず『本気で言っているのか?』とスコールに聞き返した。

 

 だがスコールの目が冗談を言っているような目付きではなく、スコールの言ったことは本気だと悟ったオータムは何か言いたげな表情でスコールを見たが渋々とどこかへ連絡をいれた。

 

 そして丁度死体の処理が片付いたらしく、次々と処理を行っていた人間たちが撤収していく。

 

 スコールとオータムもそれに続き、最早使い物にならなくなった建物を後にしてそこから立ち去っていき、最後に残ったのは人の気配が一切しない建物だけだった。

 

 

 

 

 

 

 さあ、役者(モンスター)はすでに揃った。

 

 ここから始まるのは強者と弱者を決める、生死を賭けた闘い。

 

 卑怯も、如何様も、ルールも一切ない、真剣勝負。

 

 5……4……3……2……1……

 

 ――狩猟(ハンティング)開始(スタート)




文字数がやっぱり5000文字は欲しいと思ってしまう今日この頃。

今日久しぶりにEVOLVEでBehemoth(ベヒモス)を使いました。

ごり押し強いよBehemoth(ベヒモス)……

そしてステータスはこうです。

<モンスター>
Behemoth(ベヒモス)

<スキン>
デフォルト

<技ポイント振り>
溶岩爆弾 ☆
舌攻撃  ☆
岩壁   ☆

<パーク>
攻撃力ボーナス ☆☆☆
与えるダメージが10%増加する。

<モンスターバフ>
なし

<マップエフェクト>
なし

感想、アドバイスドシドシ送ってください。待ってまーす。

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