INFINITE EVOLVE   作:00G

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2話目の更新ですが1作品目を蔑ろにしていて良いのかと思う作者です。

それとこの前EVOLVEをやっていたら外国の方のボイスチャットが聞こえてきてビックリしました。

Wraithで勝ちましたけど。

戦闘と前に言いましたけど皆さんが想像する戦闘とは控え目です。激しい戦闘は次回です。

それでは2話目、どうぞ!


地獄の始まり

「く、来るな! ひっ、やめ」

 

「いやあああ! 助けてえええ!」

 

「うわああああん! おかーさーん!」

 

 賑やかになるはずの公園で、地獄のような光景が広がっていた。

 

 滑り台やブランコといった遊具は全て薙ぎ倒され、あちこちに血や内臓が飛び散っている。

 

 その中には人がそのまま壊れた遊具の鉄柱に突き刺さっていたり、体のありとあらゆる場所があらぬ方向へ折れている人が倒れていたり、もはや人と判断できないほどグチャグチャになっている人がいた。

 

 そして、どれも共通してすでに息をしておらず、Goliath(ゴライアス)によって絶命させられた者たちだった。

 

 Goliath(ゴライアス)は近くにいる人間を片っ端から殴り、踏みつけ、握り潰して喰らっていく。

 

 老若男女、大人から子供関係なしに殺していく。

 

 しかし、かれこれ20人以上喰っているが一向に外皮が回復している実感がない。

 

 ならどうするか。

 

 餌を探してさらに喰えばいい。

 

 Goliath(ゴライアス)は人のいなくなった公園をぐるりと見渡して、より餌が豊富にある場所に向かって移動し始めた。

 

 勿論途中で見つけた人間もちゃんと腹の中に収めた。

 

 公園を出て跳躍したGoliath(ゴライアス)は近くの屋根の家に跳び乗り、屋根の瓦を踏み砕き屋根から屋根に跳び移りながら移動する。

 

 ――ファンファンファン

 

 ふと、跳躍するGoliath(ゴライアス)の耳にパトカーのサイレンが聞こえたため、一旦屋根の上に着地してから眼下を見つめた。

 

 動きを止めるGoliath(ゴライアス)に合わせるようにGoliath(ゴライアス)を追跡していたパトカー数台もその動きを止める。

 

 そして、パトカーの中からゾロゾロと警官が降りて腰のホルダーから拳銃を取り出してGoliath(ゴライアス)に銃口を向けた。

 

 眼下にいる人間たちが次にやろうとすることは知っている。

 

 なら己がやることはただ一つ。

 

「グルオオオオオオオオオオ!!」

 

 Goliath(ゴライアス)は大きく吼え、右腕を大きく振り上げながら屋根の上から跳び降りた。

 

 警官たちは落ちてくるGoliath(ゴライアス)に発砲するが、銃弾の全てはGoliath(ゴライアス)の頑丈な皮膚に弾かれていく。

 

 銃弾の嵐の中、Goliath(ゴライアス)は着地と同時に振り上げた右腕を道路に止まるパトカーと警官たちのど真ん中に振り下ろした。

 

 そして、振り下ろした右腕を中心にいきなり爆発が起こった。

 

 その爆発で警官もパトカーも吹き飛ばされ、爆心地にもっとも近い場所ではコンクリートの道路に巨大な穴が開きパトカー3台が使い物にならないくらいに大破した。

 

 警官たちも爆発に巻き込まれ、ただの肉塊になった者から手足の一部だけが残った者たちが道路に倒れていた。

 

 Goliath(ゴライアス)は吹き飛び積み上がるようにして重なったパトカーを剛腕を使って薙ぎ倒しながら残っている警官たちに襲いかかった。

 

 ギリギリで爆発から逃れた警官たちも再度Goliath(ゴライアス)に発砲するも全く効果がない。

 

 Goliath(ゴライアス)は腕を振り、鋭い爪で警官の一人を切りつける。

 

 腹を横に向かって切り裂かれた警官は、切られた腹から内臓がボトボトと流れ出て倒れた。

 

「う、うわああああああ!」

 

 あまりにもショッキングな光景に警官の一人が叫びながらGoliath(ゴライアス)に拳銃を向けて発砲したが、逆にGoliath(ゴライアス)に興味を持たせる切っ掛けとなってしまった。

 

 体の向きをその警官の方に向けて、Goliath(ゴライアス)は次に襲う対象をその警官に決め大きく一歩を踏み出して警官を掴んだ。

 

「ああああああ!」

 

 Goliath(ゴライアス)は手を強く握り締め、掴まれた警官の身体中の骨からギチギチという音がなり、激痛が身体中を襲った警官は痛みから叫び声を上げる。

 

「くっそおおおおお! そいつを離せえええ!」

 

 Goliath(ゴライアス)に掴まれている警官の同僚の警官がGoliath(ゴライアス)に発砲する。

 

 そのお陰か、Goliath(ゴライアス)の興味が掴んでいる警官からその同僚の警官に移り、Goliath(ゴライアス)は握り締める手の力を緩めた。

 

 Goliath(ゴライアス)は煩わしそうに目を細めると、掴んでいた警官をまるでゴミを捨てるかのように道路に強く投げ捨てた。

 

 ゴキャッ!という音が投げ捨てられた際に響き、さらにGoliath(ゴライアス)は横にあった大破したパトカーを両腕で掴み投げ捨てられた警官の同僚に向けて投げつけた。

 

 大質量の金属の物体はやや緩やかな放物線を描きながらその同僚に直撃した。

 

 パトカーは何度も道路にバウンドして家の外壁に激突してやっと止まった。

 

 同僚の警官がいた場所には赤い線が道路に引かれ、引き千切れた片足が道路の隅に落ちていた。

 

 しかし、残った警官たちはGoliath(ゴライアス)に発砲して少しでも市民が逃げれるだけの時間を作ろうとする。

 

 ただしGoliath(ゴライアス)にとっては鬱陶しい以外の何物でもなく、チマチマと潰していては埒が明かないと判断すると息を大きく吸い込み、口から炎を吐き出して首を横に振った。

 

「「「「ぎゃあああああ!」」」」

 

 火炎放射機のようにGoliath(ゴライアス)の口から放たれた炎はGoliath(ゴライアス)が首を振ったことでGoliath(ゴライアス)を中心に円を描くように燃え広がる。

 

 Goliath(ゴライアス)の周囲にいた警官たちは火炎放射の炎に包まれ断末魔の叫び声を上げて道路にのたうち回りながら死んだ。

 

「グルオオオオオオオオオオオ!!」

 

 炎が燃え広がる中、Goliath(ゴライアス)は炎の中心で体を炎で赤き照らされながら勝利の咆哮を轟かせた。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「ちょっと、返事しなさいよ! これだから男共は……!」

 

 Goliath(ゴライアス)が警官たちとの戦闘に勝利した頃、Goliath(ゴライアス)がいる場所から400メートルほど離れた場所で小太りの婦警がパトカーに備え付けられていた通信機片手に怒鳴っていた。

 

 パトカーが道を塞ぐように並び、その回りにいた婦警たちも通信機を持っている婦警が怒鳴ったことに同意しているように怒りの表情を浮かべた。

 

 この婦警たちだけでしか構成されていない警官隊はGoliath(ゴライアス)が第一次防衛ラインを突破したときに足止めをする第二次防衛ラインである。

 

 もっとも、男と一緒にいたくないという理由だけで構成されているのだが。

 

 だがそこにいる婦警たちはどれも皆やる気がなさそうに欠伸をしていた。

 

 普段から男性警官に仕事を押し付け、自分の職務すら全うしなかったことが今になっても出ていた。

 

 まあそんなことはGoliath(ゴライアス)には関係ないことで、現にGoliath(ゴライアス)は婦警たちがいる道路の先に現れた。

 

「な、なんなのよあの化け物!?」

 

「怯むな! 私たちは役立たずの男共とは違う! 撃てぇ!」

 

 Goliath(ゴライアス)の姿を見た婦警の一人が自分が想像していた物とは遥かに違ったためヒステリック気味に叫んだが、小太りの婦警が皆を鼓舞するためか、または自分を鼓舞するために指示を出して発砲した。

 

 その発砲音をスタートに他の婦警たちも一斉に拳銃の引き金を引くが、Goliath(ゴライアス)には効果がない。

 

 さらに先程も同じ攻撃を受け、痛くはないが小虫がペチペチと当たるような感触にGoliath(ゴライアス)は段々イラつき始める。

 

 Goliath(ゴライアス)は跳躍して婦警たちの前に一気に飛び出すと時間をかけたくないのか火炎放射を行い婦警の何人かを火だるまにした。

 

「うあああああ!熱い熱い熱いいいいい!」

 

「ぎゃあああああああ!」

 

 火だるまになった婦警たちは火を必死に消そうと暴れ、道路の上でのたうち回る。

 

 一瞬にして死屍累々の光景が展開され、生き残った婦警たちは拳銃を捨て一目散に逃げていった。

 

 男性警官たちがGoliath(ゴライアス)を足止めした時間の5分の1にも満たない時間で防衛ラインは崩壊した。

 

 Goliath(ゴライアス)はギャーギャー騒ぎながら逃げていく婦警たちに興味を無くして再度餌の確保に移った。

 

 ダメージは無くとも外皮が少しばかり減らされたことは事実だし、何より進化するためのエネルギーが足りない。

 

 Goliath(ゴライアス)は嗅覚を使ってまだ逃げ切れていない街の市民たちを補食すべく移動を開始する。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 Goliath(ゴライアス)が餌を補食しようと逃げる市民を探している頃、何十人という自衛隊が一ヶ所に集まっていた。

 

 理由は勿論Goliath(ゴライアス)に関することだ。

 

「これより我々は突如現れた謎の生物に対して殲滅作戦を行う。 まずはこれを見てほしい」

 

 集団の中で指揮官らしき人物が前に出て空中ディスプレイに映像を流す。

 

 かなり画質が悪いが、パトカーと同じくらいの大きさがある二足歩行をしている生物らしき物が映っていた。

 

「一般の市民がネット上に投稿した動画だ。 この通り、この謎の生物は巨大だ。 さらに出動した警官たちの防衛ラインを突破してきているため戦闘力も高いと思われる。 今は市民たちを誘導して避難させているが目撃情報や衛星写真からは真っ直ぐ避難している市民たちに向かって進んでいる」

 

 指揮官は新たに大量の青い点と赤い点が表示された街の地図を出した。

 

「青い点が今避難している市民たち。 そして赤い点が謎の生物を表している。 この通り謎の生物は蛇行したりしてはいるが確実に市民たちに向かって進んでいる。 我々の目的はただ一つ。 この謎の生物の進行を食い止めることだ! 全員直ちに準備を行い現場に向かえ!」

 

「「「「はっ!」」」」

 

 指揮官の号令に敬礼して答えた自衛隊たちは、全員がすぐに移動をして各々の装備の準備を始めた。

 

 しかし、その中で全く動こうとしない集団があった。

 

 しかもスクール水着のようなものを着ている奇妙な女たちだけの集団だった。

 

 彼女たちは今回の作戦に加わっているIS部隊のメンバーである。

 

 今ではISの影響で自衛隊の数が極端に減らされているためどうしても集められる人数に限りがある。

 

 そのため足りない戦力を補うために呼んだのだが、彼女たちはよく自衛隊と騒ぎを起こす人物でもあった。

 

 『ISがある今では自衛隊のような無駄なものは要らない』やら『男が偉そうに歩くな』など無茶苦茶なことを言って自衛隊の男性隊員と騒ぎを起こすのだ。

 

 指揮官は無駄だと解りながらもその女たちのもとに行く。

 

「お前たち、もう少し気を引き締めたらどうなんだ?」

 

「ふんっ、男風情があたしたちに指図すんじゃないよ。 変な生き物だか何だか知らないけど、あたしたちが負けるなんてあり得ないから」

 

「生物の情報が全くないのに慢心は敗北を招く。 確かにISの強さは認めるが、作戦中は勝手な行動は慎め」

 

「指図するなって言っただろ? あたしたちはあんたたちみたいにビクビクしながら戦うような臆病者じゃないんだよ。 臆病者のあんたたちはどっかいっちまいな」

 

 そう言ってから女たちは笑いながら外に出ていった。

 

 指揮官は手で頭を押さえため息をはいた。

 

 この作戦が上手く行くかどうかは大部分がIS部隊に左右される。

 

 あの女たちが勝手な行動を取るのではと指揮官は不安になったが、今は謎の生物Goliath(ゴライアス)への戦闘に備えなくてはならない。

 

 自分も現場に出て指示を出しながら戦闘を行う以上準備に不備があってはならない。

 

 指揮官はこの後行う戦闘が激戦になることを予想しながら準備するスピードを速めた。




次回こそはGoliath(ゴライアス)を暴れさせようと頑張ります。

まだ怪物と亡霊と悪魔が残っているし、さらには新しいモンスターが追加されるというので執筆が楽しいです。

感想、アドバイスをお待ちしております。

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