本当の2作品目はまどマギの小説にしようと思っていましたが、先日PS4の『EVOLVE』というゲームをやっていると「このモンスターたち小説に書きたい!」という願望が目覚めて書くことになりました。
1作品目の息抜き程度に書き始めましたが、両作品とも完成させるつもりなのでよろしくお願いします。
EVOLVEに先に手を出すのは俺だぁ!
世界に立つ巨人兵士
ある森の中に一匹の生き物が歩いていた。
いや、生き物という可愛らしい言葉が似合うとは思えない化け物がいた。
ソイツはいつも通り餌を探すため森の中を歩いていたが、目の前が真っ白に光ったと思ったらいつの間にか先程自分がいた森とは別の森にいた。
別にソイツは縄張りを持っていないが、自分の知らない土地にいきなり居ては些か気分は良くない。
しかしソイツはそんな感情をすぐに捨て、己の発達した嗅覚で周囲の餌の位置を探る。
少し離れた先に、自分が知っているものとは形状は違うが明らかに人工物があるのを知ったそいつは今までの経験からそこに餌があることを直感で理解した。
そうと決まればソイツはドスドスと重い足音を鳴らしてその人工物のあるところに向かって歩き始めた。
まずは餌を獲り外皮を獲得せねば。
そう考えた、ある世界では旧約聖書に登場する巨人兵士の名を持つ化け物『
☆☆☆
「あぐっ……!?」
「ほら、さっさと金出しな!」
「早く出さないと警察呼ぶわよ」
「わ、わかったから待ってくれ! 今出すから……!」
とある国の公園のすぐ裏にある薄暗い森の奥に3人の女に囲まれて1人の男性が財布の中から何枚かのお札を取り出す。
20代後半の男性が女子高生3人に暴行を受けているという可笑しな光景だが、今の世の中では当たり前になってしまった光景である。
男性は傷だらけの手でお札を握り3人(その中のリーダー格らしい女)にお札を渡すが、女はそれを奪い取ると男性の腹に向かって蹴りを入れた。
「うぐっ……!?」
鳩尾に入ったのか、男性は苦しげに身を丸め、その光景が面白かったのか女たちはゲラゲラと笑う。
「それにしてもあんたこんなけしか持ってないのかよ。 ちゃんと働いてんの?」
「それに私たち最近ストレス溜まってんのよ。 だからサンドバッグになってよね」
男性の答えも聞かずに女たちは一斉に男性に暴行を始めた。
男性は身を守るため、頭を隠すようにして体を丸めた。
だが痛いものは痛いため、時節男性が小さく呻き声を上げ、それを聞いた女たちは醜く笑いながら暴行を続けた。
「(俺が……俺が何をしたっていうんだよ……!)」
産まれてこのかた犯罪など一切せず真面目に働きながら生活していた男性は今の世の中を呪った。
10年前に現れたISのせいで今は何の権力もない女が、女だけという理由で道行く男性を奴隷のように扱うようになり、女は敬われ男は蔑まれる女尊男卑の思想が全世界に流行った。
この男性も、そんな思想の女たちに
運が悪かったのだ。
「(誰か……誰か助けてくれよ……!)」
しかし、そんな男性の切な願いが届いたのか、遠くから何かの足音が聞こえてきた。
しかもその足音が少しずつ大きくなってくる度に地面が揺れ始めた。
さすがに女たちもこの変化に気づき、足音のする方に目を向け、自分たちの暇潰しを邪魔した奴を懲らしめてやろうかと考えた。
だが途中でピタリと足音が止み、地響きも止まってしまったため、その場にいた全員はその足音のした方角を凝視した。
だが、見えるのはただ暗く続く森。
女たちは何もなかったとわかるや否や、男性を再度暴行すべく足を振り上げた。
だが女たちは気づいていない。
女たちの視線は足下にうずくまる男性にしか向けられていないため、すぐ近くまで近づいているヤツの獲物を狙うギラついた目を。
そして、女たちが男性を蹴ろうと足を振り下ろしたと同時に、ソイツは女たちの後ろから太く生える木々を吹き飛ばしながら吹き飛ばされた木と同じくらい太い剛腕を振り下ろした。
グシャァ!
たった一振りで、3人の内2人の女はただの肉塊に成り果て、飛び散った肉片が残った女と男性に大量にかかる。
突如現れたソイツ『
不揃いな歯が並んだ顎で肉や内臓を喰い千切り、喰い千切った時に飛び散った血や肉片で顔や腕を血で真っ赤に染める。
ある程度肉塊を喰った
さっきまで人を喰らい、さらに体を血で汚し、太い腕と指先から伸びる鋭利な爪を持った
「グオォォォ……」
唸り声を上げた
「い、いやあああああああああ!!」
そこでやっと我に返ったらしい女が喧しいほどの大声で叫びながら逃げ出した。
勿論のこと
逃げたのに目の前に跳んでこられたため女は慌てて動きを止めて反対の方向へ逃げようとするが、足が縺れて無様に転んでしまった。
それでも女は地面を這いずってまで逃げようと体を動かすも、逃がすかよと言わんばかりに足を
ベキィッ!
「ぎゃああああああああ!!」
一気に体重をかけられ女の足は意図も簡単に潰れた。
痛みで大きな叫び声を上げるが生憎ここは公園といえど森の奥。
叫び声など公園にいる人になど聞こえず、ましてや助けに来てくれる人間などいるはずもなかった。
女は涙と鼻水で顔を汚なくしながら必死に男性に向けて手を伸ばす。
「お願い……助け」
ズチャッ!
女は最期に頭を踏み潰され呆気なくこの世を去った。
恐怖で足がすくみ、腰が抜けた男性は
「ぁ……ぁぁ……」
逃げたくても体がまるで地面に固定されているかのように全く動かず、うまく言葉も発することができなくなった男性は自分を見下ろす形となった
そして
「は、はは……」
これから自分がどうなるのかわかってしまった男性は絶望しきった顔で力なく笑う。
なんで俺が、真面目に生きてきた俺がどうして……そんな感情が男性の頭を埋め尽くしていき、男性が最期に見たのは血とは違う
ボキボキッ、グチャ、ズチャ、ブチィッ!
男性の頭や胸部を噛み砕いて思いっきり噛み千切った
すると、
「グルルル……グオオオオオオオオ!!」
嬉しそうに高らかと空に向かって吼えた
全ては己が次なる
例え立ち塞がる者がいるなら力で叩き潰す。
どんな世界でも強き者が生き残り、弱き者が死ぬ。
腐り堕ちた世界で、交わることなどない異世界の
次回はいきなりの戦闘描写なので頑張って書きます。
感想やアドバイス、ドシドシ送ってください。
さあ、今日もどこかでEVOLVEしようかな。