ついにやってきた開店初日……ではなく七日目。
え? なぜ七日目なのかって?
いや、宣伝しなきゃ客は中々来ないってことだよ。
お蔭でアカデミーの教科書は結構読めたけどね?
ちなみに数学や物理とかの一般科目の教科書はスルーして、基本読むのは忍術や体術の教科書(幻術の教科書は忍術の後にやろうと思ってスルー)。
流石に正弦、余弦定理くらいは覚えてるからあんまり読まなくても問題ないんだよ、あれ。
小学生くらいの歳の子がやる勉強内容だから、あんまり難しくないんだけど……今の日本の小学生はやらない内容だと思う。
ピタゴラスの定理とかって中学生位の時に習った気がするしね。
ただ定理の名前に人名が入ってるやつは名前変わってたな……別に内容分かればいいかなと思ったから覚えてないけど。
で問題は忍術や体術の教科書。
まず忍術がどうやって発動するか……まずこれが意味不明。
忍術を発動するためにはチャクラが不可欠である。
このチャクラというのは精神エネルギーと肉体エネルギーをバランス良く混ぜ合わせることで出来るらしい。
いや、精神エネルギーと肉体エネルギーってどうやって知覚すんだよ……と思いがちの貴方!……俺もいまいちわかんない。
教科書曰く瞑想というか心を落ち着けて身体の内部に意識を傾ければ出来るらしいんだけど、とりあえずこの一週間では出来ませんでした。
このまま俺の一週間の努力を話してもいいんだけど、それじゃよくわからないだろうから忍術についてもう少し詳しく説明することにする。
先程説明していた通り忍術というものは精神・肉体エネルギーをチャクラへと変換し、更にそのチャクラを印という両手で影絵の手みたいなものを決められた順番で組むことで発動するらしい。
まぁ原作読んでる人には分かるだろうけど……俺が読んだ最新刊位だともう殆ど印使ってなかったような気もしなくはないが、そこはスルーしてもらって、忍術を発動するのには基本的に印が必要不可欠と覚えていていただきたい。
でその印だが基本的に用いるのは十二種類の基本印であり、十二支の名の印が全ての基本であるようだ。
両手で組む印は指一本でも間違えれば不発、もしくは暴発を巻き起こし術者に悪影響を与える事になる。
アカデミーの卒業試験でもある分身の術は三つの印で出来るが、上級忍術とかだと八つ以上、多いものだと五十近い印を組まないと発動できない術も存在するらしい……確かにカカシVS再不斬の術合戦とか異様な数の印を組んでた気がするしな。
まぁそんな感じでアカデミーではまず正確に印を組む練習を徹底的にやるようだ。
俺も一応練習なんだけど、ややこしい印が多くて中々素早く出来るようにならない。
まだ一週間程度しかやってないわけだからしょうがないのかもしれないけれど、実際は手に残像が残るレベルのスピードで尚且つ正確に戦闘中に組まなきゃいけないわけで……先行きが不安すぎる。
俺が幾ら下忍並みの身体能力を得たからって、器用になったわけじゃない。
要するに……
「痛っ! また指攣った!!!」
こうなるわけだよ。
不安しか沸かないだろ?
俺自身こんな事だったらNARUTOの連載当初から厨二病全開で練習しとけばよかったと思った位だからな……ドラゴンが跨いで通る人の呪文や赤い弓兵の固有結界の詠唱なんて覚えてたって何にも使えねぇ。
かといって諦めることも出来ないから、教科書片手に練習してるわけさ。
まぁ忍術はこの位にして、次は体術についてだ。
これはまぁ、そのまんま体術。
教科書に載っているのは打撃や投げの基礎。
人体の急所とかなんだけど、格闘技って基本的に見て、真似して覚えていくもんなわけで……要するに空手や柔道にある様な技ならなんとなく理解は出来るんだけど、教科書後半に説明少なく載っている相手の真後ろにピッタリと張り付く影舞葉、上段蹴りと下段蹴りを連続して放つ木ノ葉旋風とかは正直良く分からない。
恐らく他国の人に見られても分からない様に短い説明しか入れずに、必要に応じて教師が教えるのだろう……ギブミーティーチャー。
そんな感じで探り探り感が尋常じゃない忍術・体術なんだけど、俺はそれに加えてもう一つ行っているものがある。
それは管理者にもらった能力の確認だ。
流石に周囲に大きな影響を与えるだろう魔法や罠は試してないけど、効果の小さな装備魔法位は試してみた。
それで分かった事は攻撃力の上昇は筋力が増えるわけじゃなく、なんか良く分からないけど力が増す感じ。
チャクラでの身体能力向上がこんな感じなのかもしれないけど、やったことないから比べようがないんだよ……早くチャクラ練れるようになりてぇ。
防御力も似た感じで、肉体が硬くなったわけじゃなく重さ0の鎧着た感じ?
どちらも効果のほどは余り試してないけど、攻守がどちらも300上がる‘伝説の剣’という装備魔法を試してみたところ、眼前に突然剣が現れて、それを握ると力が満ち溢れてきた気がした。
効果を試すために店の裏庭に転がっていた拳大の石を斬りつけてみたところ、ガキンという音が鳴って石を割り、剣が地面に突き刺さったことから、普通の武器に身体能力上昇効果が付いたものだと考えればいいのかもしれない。
全力で振ったわけじゃないので、その上昇率がどれ程のものか分からないけれど、‘デーモンの斧’の攻撃力1000upとかだと何か微妙にヤバい感じがするから、そこら辺もゆっくり試していきたいと思う。
里の人たちが話していた忍界大戦が終わったばかりで、各国も疲弊していて暫く大きな戦は無いという話を信じればの話だが……。