東方博麗社〜もし博麗神社に参拝客が来ていたら   作:だぴょん

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なんだこのロリ×ショタリア充は。でもクリスマスだから許して☆

はい、では詠夢視点でどうぞ。

詠夢の怖いもの嫌いって可愛すぎるかな?


【特別編】クリスマスイヴの1日

今日は12月24日、クリスマスイブ。

 

そんな日に、僕は小鈴とデートの約束をしていた。

 

デートって言われても特にそういう特別な服はないからいつもの神社の衣装に、ちょっと寒いからマフラーを巻いて来た。

 

もう時間なんだけど、小鈴が来ない。

 

そう心配して待っていると、向こうから手を振りながらこっちに来る女子がいた。小鈴だ。

 

「ごめんねー!遅れちゃった……」

 

改めて小鈴を見る。小鈴もあまり服は凝っていないけれど、いつも髪をツインテールにしているのだけれど、今日は全て下ろしている。一見育ちの良い女の子みたいな雰囲気だ。

 

「ううん、大丈夫。全然待ってないから」

 

「じゃあ詠夢、行こっか」

 

僕はこくりと頷く。すると、小鈴の手がが僕の手の方に伸びてきて、僕の指と小鈴の指が絡むように繋がれた。恋人繋ぎだ。そうして、2人で歩き始めた。

 

小鈴と何回かこの手の繋ぎ方はやったことがあるけど、これだけは慣れない。心臓の鼓動が早くなり、どうも緊張してしまう。

 

「どうしたの詠夢?もしかして、緊張してるの?」

 

小鈴が聞く。

 

「い、いや!別に、そんなこと、無いってば」

 

僕の途切れ途切れの言葉に疑問を感じたのか、小鈴は僕の心臓に手を当ててその早さを確かめる。

 

「詠夢、脈すっごく速いよ?」

 

「うっ……本当は、ちょっと緊張してる」

 

実際ちょっとどころでは無い。この手の繋ぎ方、小鈴との体の近さ。僕の緊張は最初からMAXに達していた。

 

「もう、詠夢って本当に正直者ね。そこも好きだけどさ」

 

取り敢えず、また歩き始めた。

 

そして僕たちは歩いていると、命蓮寺の周辺まで来た。命蓮寺の近くは、人を驚かすことを生業とした妖怪がたくさんいる。僕はお化けとかの類のものが大の苦手だから、個人的に怖い。

 

自然と、小鈴に若干身を隠して歩いていた。

 

その時、急に誰かが出てきた。小傘だった。小傘はベロが出た傘……では無く、ぬえが改造したであろうグロテスクな傘を僕に向け、叫んだ。

 

「うらめしや〜っ!」

 

「……!……っ……!」

 

僕はその場で硬直した。そしてその瞬間、うわっと涙があふれ出てしまった。怖い……

 

「え、詠夢!?大丈夫!?」

 

「ごめん……怖くて……っ」

 

「大丈夫よ、こっち来なさい」

 

僕は小鈴に抱きついてわんわん泣いた。だって怖かったんだもん。

 

「怖いよぉ〜……ヒグッ……」

 

「そうね、怖かったよね。でも大丈夫よ、私がついてるから」

 

その後、泣き止むまでに数分かかっちゃった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

取り敢えず僕がひと段落し、また色々と人里を見て回る。こうやって落ち着いて人里を見て回るのがもう何ヶ月かぶりだったから新鮮だった。その間ずっと小鈴とべったりだったけど。

 

取り敢えず、僕と小鈴の私服を買った。僕も小鈴も普段は仕事用の服しか着ないけれど、小鈴の「たまにはおしゃれした方がいいわよ」という提案があったから買った。僕は小鈴に似合う服、小鈴は僕に似合う服を探してくれた。実際その服僕に似合ってたし、小鈴のも似合ってた。いいね、好きな人がいるって。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなことをしているうちにもう夕方、日が暮れ始めた。

 

人里では、にとりがクリスマスのイルミネーションの飾り付けをしていた。

 

今年は、イルミネーションを使って幻想的なクリスマスにするぞー、とにとりが意気込んでたっけな。

 

「ねえ詠夢!そろそろイルミネーションの点灯式が始まるよ!」

 

「うん!行こう!」

 

何となく2人で手を繋いでスキップしながらそこまで向かった。すっごい里の人に見られたけど気にしない。小鈴とは何も話してないのに同時にスキップを始めたのが驚いた。以心伝心過ぎるでしょ。まあ、楽しかったけどさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこに着いたら、既ににとりがボタンを持ってなにか喋っていた。間に合って良かった。

 

「さあ、それではこのボタンを押してイルミネーションを点灯させます!」

 

3!

 

2!

 

1!

 

ポチッ!

 

その瞬間、うわっと通りを光が埋め尽くした。幻想郷に相応しい幻想的な飾り付けにたくさんの色の光。僕たちの雰囲気を盛り上げるには十分だった。

 

「綺麗ね……」

「うん、とっても綺麗……」

 

2人でイルミネーションを見ていた。いつの間にか僕は、小鈴と腕を組んでいた。最初の緊張感も解けて、もっと小鈴と一緒にいたいと思うようになっていた。

 

「ねえ、詠夢」

 

「ん?どうしたの?」

 

「私からの、クリスマスプレゼント。受け取って」

 

「う、うん」

 

小鈴は頬を赤らめてそう言った。見る感じプレゼントも持ってないし何をするのかな?

 

と思った瞬間。僕のことを真正面からハグして。

 

 

 

ちゅっ。

 

 

 

僕の唇に、蓋をした。

 

「!?〜〜〜///!」

 

突然の出来事で、頭が真っ白になった。

 

ほんの一瞬のキスだったけど、その時間はとても長く感じた。幸せだった。

 

「……んむっ。私からのクリスマスプレゼント。」

 

「も、もう……するならするって言ってよ。恥ずかしかった//」

 

「ふふっ、ちょっとしたサプライズしたくて……」

 

好きな人がサプライズしてくれて、実はちょっと嬉しかった。

 

「いつか、一緒に暮らしたいね……」

 

「……うん!」

 

僕は小鈴に抱きつく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

博麗の神主と貸本屋の小娘。

 

2人の純粋な恋は、まだまだ続きそうだ。




詠夢のクリスマスのお仕事。サンタさんやってたという噂が流れてます。

ではまた次回、お会いしましょう。

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