いとこも欲しいよ(;_;)
僕って本当にぼっちだなと思うこの頃
では詠夢視点でどうぞ。
僕は隣でもぞもぞしているなと思い目を覚ます。すると、どうやら紅映は寝返りをうっただけらしく、まだ寝息を立てて寝ている。もう風邪は治ったようで、体の調子も良かった。
僕はもう寝られなかったために目を閉じようとしなかった。それもそのはず、時刻はもう7時を回っているからだ。
僕は紅映に聞こえないように、そっと、そっと話しかけた。
「紅映お姉ちゃんの、ねぼすけ」
すると紅映に聞こえていたのか、ビクッと反応して目を見開きこちらを向いた。
《いま、お姉ちゃんって……言った?》
聞こえちゃったのか……ならしょうがない。
「おはよ、紅映お姉ちゃん」
《おはよう詠夢さん!》
すっごい恥ずかしい。多分顔は赤いだろう。
《詠夢さん、風邪治ったの?》
「大丈夫。ありがと紅映お姉ちゃん」
すると、紅映は鼻血で愛情表現をしながら抱きついてくる。いま、僕は多分顔を真っ赤にしているのだろう。
そこに襖を開けて入って来たのは、
「おはよー紅……映?」
陽伸だった。
「お、おはよ……ねえ陽伸?」
「どうしたんですか?」
「……その……タメ語で話して……いいからさ、陽伸お兄ちゃんって呼んでも……いい?」
すごい恥ずかしいけど、陽伸はいかにもお兄ちゃんっぽいからついそう呼びたくなる。昔に色々あったからか、僕は甘えたいのかもしれない。
「うん、いいよ詠夢!」
「ありがとー!陽伸お兄ちゃん!」
そのあと、2人にめっちゃ愛でられた。なぜか陽伸の表情が曇っていたから聞いてみると、『弟が出来るってなんか複雑な気持ちだな』って言っていた。
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朝食後。
陽那さんと会う時にはネコ耳が生えていた。確か陽那さんもネコ耳あったから同じだね。
「あ、おはよー詠夢くん」
「おはようございます陽那さん」
「あれ?詠夢くんってネコ耳あったの?」
「原因はわからないんですけどね……最近ヒョコヒョコ生えてるんですよ」
すると、陽那さんが急に押し倒してきて、耳を触ってくる。
やめて下さい、くすぐったいです。
「きゃうっ!?陽那さん止めてっ!」
「ふーん………詠夢くんのネコ耳、柔らかくて気持ち良いよ」
陽那さんは僕の悲鳴なんかお構い無しに触ってくる。更に尻尾も弄られてもう限界!と思ったその時。
「あんた、私の弟に何してるのかしら?」
お姉ちゃんの声だった。けれど、いつもより数トーンほど低い声がしたから相当怒っているのだろう。
僕はぐったりしてその場に倒れこむ。
「あ……怒ってらっしゃる……」
「もう許さないわ!縛られてなさい!」
お姉ちゃんは陽那さんをヘッドロック、そのまま縄でぐるぐる巻きにした。デジャヴだね。
流石の僕も陽那さんは許さなかったので縄で縛ったままである。
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その後、紅映の隣でいろいろなことを話した。紅映お姉ちゃんもいろいろなことを話してくれた。異変を陽伸が口説いて解決したこと、陽伸の彼女が7人もいること、鬼が超怖いこと。そんな時ふと、一つの言葉が僕の頭の中に浮かんでくる。
「本当のお姉ちゃん……」
《え?霊夢さんじゃないの?》
「ううん、違う」
紅映は驚愕の表情を見せた。
《え、詠夢さんってどこから来t》
「本当に聞きたいこと?」
冷たい声で言ってしまった。でも、みんなに知られたくないからそうしたのだ。
「あっ……ご、ごめん」
《こっちこそ、聞いちゃってごめんなさい》
「なんか……紅映お姉ちゃん、隣にいると安心する」
なんだろう……温かくて……安心できる……そんな感じだった。
本当のお姉ちゃん。いるのかもわからないけど、こんなにあったかければいいのに。
知らないうちに、紅映お姉ちゃんに寄っかかって寝ていた。
〜少年お昼寝中〜
起きると、隣には紅映お姉ちゃんと陽伸お兄ちゃんが寄っかかって寝ていた。
僕はそっと、みんなを起こさないようにカメラを取り出し、
パシャッ!
写真を撮る。僕の写真集に新たな1枚が加わった瞬間だ。
新しいお姉ちゃんとお兄ちゃんが出来て僕はとても楽しいです。
コラボーおわりー
割と日常編っぽかったですね。
ではまた次回、お会いしましょう。