東方博麗社〜もし博麗神社に参拝客が来ていたら   作:だぴょん

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タイトルからして予測はつくと思いますが……。

では三人称視点どうぞ。

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そうそう、全く関係ないんですが、成績面がね、友達が異常なんですわ

大親友(男子)←学年1位2連覇
友達A(男子)←学年3位
友達B(女子・東方好き)←学年4位
友達C(女子)←学年5位

もうその人達とつるんでる僕が怖いです。ちなみに僕は約160人中70位くらいです(泣)


おめでとう詠夢

「あら詠夢、おはよう」

 

「おはよお姉ちゃん!」

 

ふあぁ、と欠伸をする霊夢とは裏腹に、詠夢は朝からハイテンションだった。なぜかというと、

 

(今日は僕の誕生日♪)

 

詠夢の誕生日だからだ。

 

「お姉ちゃん、今日は何の日だ?」

 

「うーん……ゴミ出しの日?」

 

「違うよー、何かあるでしょ、な・に・か」

 

「あ、今日燃えるゴミの日だ」

 

「違うって、もう知らない!」プイッ

 

霊夢は平静を装っていたが、内心はドキドキしていた。

 

(はぁ、危なかった……サプライズにあの言葉は取っておかないとね)

 

霊夢は朝ごはんの準備に入っていった。

 

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一方弟はというと……

 

「お姉ちゃん……なんで覚えてないのかなぁ……」

 

凹んでいた。

 

 

 

自分の家族に記念日を覚えていてくれなかったのはとても悲しかったようだ。

 

誕生日のことは自分の心の中に置いておき、黙々と家事をこなしていく詠夢だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢「いただきまーす」

 

「「「「いただきまーす!」」」」

 

みんなは会話を交わしながら、朝ごはんを食べていく。しかし、1人だけ全く違うオーラを出している人物がいた。

 

コン「え、詠夢さん?どうしたんですか?」

 

「…………今日、何の日か覚えてる?」

 

針妙丸「今日はたn………燃えるゴミの日だっけ?」

 

「ほら………みんなそうなる……ヒドイよ」

 

緋天「詠夢様……どうされました?」

 

「ごちそうさま」スタスタスタ

 

霊夢「あ、詠夢!待って!」

 

詠夢は足早に自分の部屋へと歩いて行った。

 

霊夢「はあ………本当に上手く行くのかしら……?」

 

早速だが、雲行きは怪しい。

 

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鈴奈庵

 

カランカラン

 

「いらっしゃいま……え、詠夢」

 

鈴奈庵に来たのは、この日がある大切な日の詠夢。

 

「………小鈴………おはよ」ドヨ-ン

 

詠夢の周りには、漫画で描くとまるで周りが暗くなっている、そんなようなオーラが出ていた。

 

「うわっ……負のオーラが……ど、どうしたの詠夢!?」

 

すると、詠夢は今朝のことを話し始めた。

 

「実は、今日誕生日でね………霊夢にそのことを伏せて聞いたんだけど……『ゴミ出しの日ね』とか言われて……僕なんて……ゴミ同然なんだとか思っちゃって……」

 

「あ、おめでとう!でも!そんな弱々しく生きてちゃダメよ。誕生日だってことを知らないのは博麗神社の人たちだけかもしれない。だから、知ってる人に声をかけてみれば良いじゃない」

 

すると、詠夢は顔を上げて小鈴を見た。その顔は来た時より幾らか明るかった。

 

「分かった……やってみる」

 

そう言うと詠夢は鈴奈庵を後にして太陽がのぼっている幻想郷の空へと飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふう……少しは助けになったかなあ……?」

 

カランカラン

 

「あら小鈴、そんな顔してどうしたの?」

 

「さっきね、詠夢が来て………」

 

「そっか、小鈴も『あの』計画知っているものね」

 

「詠夢に喜んで貰えると良いんだけどね……」

 

少し不安になる小鈴だった。

 

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その頃、詠夢は……

 

「今日は何の日だ?」

 

魔理沙「さ、さあ……今日何かあったっけ?」←計画を知ってる

 

「………」←表情が曇る

 

 

 

 

 

 

 

「今日は何の日だ?」

アリス「何かあったかしら……ゴミはもう出したものね」←知ってる

 

「………」←俯いてアリスの家を出る

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日は何があるか分かりますか?」

 

慧音「す、すまないが……わ、わからないな」←知ってる

 

「………グスッ」←聞こえていないけれど泣いている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

詠夢は昼の人里を1人トボトボと歩いていた。

 

「なんで………なんでよ……グスッ…みんな……去年のお姉ちゃんの……誕生日の時はおめでとうって……うう……言ってたのに……なんで僕だけ……僕だけ………」

 

詠夢は悲しみに打ちひしがれていた。

誰も自分の誕生日のことを思い出してくれない。それだけが頭の中をぐるぐると回っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カランカラン

 

「あ、詠夢。どうだった?」

 

小鈴の問いかけに対して詠夢は首を横に振った。

 

「あら……そうなの……。でも、大丈夫よ。こっちに来なさい」

 

「あ、ありがと……」ギュッ

 

詠夢は小鈴に抱きついて静かに泣いていた。

 

「気持ちが晴れるまでいいわよ」ナデナデ

 

小鈴は自分の彼をまるで母親のように撫でた。とても温かみがあった。

 

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「スー……スー……」

 

詠夢はいつの間にか寝ていた。小鈴は今、鈴奈庵のカウンターで詠夢を寄りかからせながら座っている。

 

「すみませーん」

 

「あ、いらっしゃいませ早苗さん」

 

そこに入って来たのは早苗だ。どうやら、「あれ」の準備は出来たものの肝心の詠夢がいないということで霊夢と手分けして探していたところだという。

 

「あの、詠夢さん知りませんか?」

 

「あ、詠夢ならここにいますよ」

 

小鈴は自分の左肩の方を指した。

 

「あ、ああ。そうですか。それじゃあ……」

 

「それじゃあ?」

 

早苗はもじもじしながら言った。

 

「膝枕……してもいいですか?」

 

「……ええ、どうぞ」

 

すると早苗は詠夢を支えつつ、自分の太ももに頭が来るように体を倒す。

 

「……カワイイわね、詠夢さん」ナデナデ

 

「……ん……だれだろ……さなえ?」

 

詠夢は寝ぼけた感じで聞く。

 

「さあ詠夢さん、博麗神社に戻りますよ」

 

「詠夢、行こ」

 

「じゃあ……おいしょっと、行こうか小鈴」

 

詠夢と小鈴は手を繋ぎ、仲良く歩いていく。それを早苗はまるでパルスィのような目で見ていた。

 

side out

 

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詠夢視点

 

 

僕は博麗神社に着くと、いつものように母屋の扉を開けた。

 

するとその瞬間。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無数のクラッカーの音が鳴り響き、みんなが声を合わせて言った。

 

霊夢「せーの、」

『お誕生日おめでとー、詠夢!』

 

 

 

も、もしかして……

 

僕のためにサプライズを用意してくれたの?

だからみんな気付かないフリをしてたの?

みんな最近ヤケにソワソワしてると思ったのはこのため?

 

「み、みんな………」

 

 

 

すると、いつも僕が使っているピアノにアリスが座り、何かを弾き始めた。

 

それは、誕生日の時によく聞く曲。みんなが歌う声はとても温かみがあって、嬉しかった。

 

みんなが歌い終わり、気付いた時にはツーッ、と頬をなにか熱いものが伝っていた。

 

霊夢「詠夢、今日はごめんね。誕生日気付かないフリなんかしちゃって」

 

お姉ちゃん……そんなことはない!

 

「そんなことないって。むしろこんなみんなに……グスッお祝いしてもらって……うう……嬉しいよ………僕は。ごめん泣いちゃって」

 

僕は涙を拭いながら小鈴の方を向く。小鈴も笑顔だった。

 

小鈴「喜んでくれた?」

 

「うん!………みんな、本当にありがとう!この恩はいつか絶対に返すから!」

 

霊夢「いいのよ詠夢。あんたはいっつも幻想郷を守ってくれてる。幻想郷の平和が失われそうだったらそれを察知して行動してくれる。もし大切な人に危害が出そうだったら、命を懸けて守り通す。あんたと一緒に暮らしていて1番あんたがすごいと思ったところよ」

 

「霊夢……」

 

霊夢「さあ、詠夢中心で今夜も盛り上がるわよー!」

 

『おー!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幻想郷の夜空には満天の星空と博麗神社に集まった人間や妖怪の声が木霊していた。

 

また詠夢にはフランからフランの羽の結晶から作ったブレスレット、霊夢から貰った新機能付きのお祓い棒、小鈴とお揃いのペンダントなどなど沢山のプレゼントをもらい、いつもより何倍も明るい飛びっきりの笑顔を見せていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー僕のためにありがとね、霊夢。




はい、詠夢の誕生日は10/30設定です。

神が出雲から帰ってくる10月の終わりに落とした神の子で神の使いという設定になります。

それではまた次回、お会いしましょう。

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