東方博麗社〜もし博麗神社に参拝客が来ていたら   作:だぴょん

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閑話です。

ありふれた博麗姉弟の1日(?)です。

では詠夢視点でどうぞ


超絶平和な1日

「あ、霊夢。おはよー」

 

霊夢が起きてきた。僕の姉。人呼んで博麗の巫女。彼女は洗面所へ行き顔を洗う。そうしないと目覚めないらしい。

 

かく言う僕は朝ごはんを作っている最中だった。

 

ご飯を炊き、味噌汁を作って、アジを焼いている。

 

平凡そうな生活だけど、普通の人間とは3つほど違う点があった。

 

それは…

 

親が居ない

 

姉は異変解決が仕事

 

弟は神

 

 

普通はあり得ないことだったりする。しかし、全てを受け入れる幻想郷だからこそできることだった。

 

ご飯は3人分。僕の分、霊夢の分、そして、誰かさんの分。

 

その誰かさんとはわからない。というか大概魔理沙か紫だったりする。

 

霊夢は外で神社の掃除をしている。

 

すると、遠くから白黒で金髪の女子が飛んできた。

 

「はあ…魔理沙か。」

 

今日は魔理沙だった。というかほとんど魔理沙なんだけどね。

 

「おっはよー霊夢!」

 

「なんでそんなに朝からテンション高いのよ。鬱陶しい」

 

霊夢は言い放った。すると、魔理沙はすぐさま反論した。

 

「良いだろ別に人のテンションなんて。なあ詠夢?」

 

なんで僕まで巻き込むんですか…

 

「いいえほぼ毎日のように朝から人の家にぬくぬくと上がってきてその上人に朝飯まで作らせておいて何も手伝いもせずに私は客だからとかいう甘ったれなこと言うだけ言ってこのざまですよ。もう本当に呆れました」

 

僕は魔理沙にそう言い放ちキッチンへと戻った。

 

 

 

 

 

もしかして、僕、魔理沙に言いすぎたかも知れない。

 

魔理沙、落ち込んでいるかも。ごめんなさい。

 

トントントントン。

 

包丁で切る音だけがキッチンに響いた。

 

ーーーーーーーーーーーー

朝食。

 

「「「いただきます」」」

 

「うん。やっぱりこの味噌汁は絶品ね。ジュル」

 

「やっぱ詠夢って料理上手だな。このアジ美味しいぜ。モグモグ」

 

「あ、ありがとう…」

 

僕は魔理沙が落ち込んでいないだけ安心した。

 

僕は勇気を出して魔理沙に聞いてみる。

 

「魔理沙。さっきは…その、ごめんね。急に叱りつけたりして」

 

「そのことは全然気にしてないぜ。むしろこっちが謝るぜ。朝からごめんだぜ」

 

「もう、そういう話してると美味しいものも美味しくなくなるわよ。早く食べなさい」

 

霊夢の声が響いた。

ーーーーーーーーーーーー

 

「「ご馳走様!」」

 

「お粗末様ー」

 

僕は皿の片付けに入った。すると霊夢も来た。

 

「私も手伝うわよ」

 

いつもはそんなことしたがらない霊夢が急にしたら…

 

明日、雹でも降るよ?

 

でも、僕はその心をムダにしたくなかったから素直に

 

「ありがとう」

 

って言ったけれどね。

 

ーーーーーーーーーーーー

皿洗い、掃除、洗濯。

 

霊夢が手伝ってくれたおかげかすぐに終わった。

 

「ありがとね霊夢」

 

「…いいのよ」

 

霊夢が何か変だった。何かソワソワしている感じだった。

 

「なんでそんなに朝からソワソワしてるの?」

 

「なんとなくじゃないか?霊夢ってたまにそういう時があるから多分そうだぜ」

 

魔理沙も同じだった。というか、魔理沙に関しては顔に出ていた。

 

僕はお茶を出し、霊夢や魔理沙と他愛のない会話をしていた。

 

「あ、もうお昼の時間か…何も考えてなかったな…」

 

「じゃあ人里にでも行こうぜ。あそこなら食べるところはいっぱいあるぜ」

 

「そうね。行きましょ」

 

僕たちは空を飛び人里の近くまでやってきた。ここからは徒歩だ。

 

「あ、ここの蕎麦屋さん、前来た時すごく美味しかったから行こうよ!」

 

僕はそう言った。すると、

 

「そうね。ここにしましょう」

 

霊夢も言った。

 

いらっしゃいませー。

 

「あ、詠夢じゃないか」

 

後ろから聞いたことのある声がした。慧音先生だった。

 

「あ、慧音先生。貴女もここでお昼ですか?」

 

「え?あ、ああ。そうだ」

 

「じゃあ、一緒に食べましょう」

 

「分かった」

 

慧音先生と僕たちは蕎麦を頼んだ

 

 

数分後

 

 

「お待たせいたしました」

 

「「「「いただきます」」」」

 

「うん!この蕎麦噛みごたえがあって美味しい!」

 

「おつゆもいい感じだな。美味い」

 

霊夢と慧音先生は言った。

 

そこに、慧音先生が聞いてきた。

 

「あ、そうだ。詠夢、臨時授業で子供達を教えてくれないか?どうしてもお前がいいって言っていてな」

 

「僕は別にいいですけれど、なんの教科ですか?」

 

「歴史だ」

 

僕は耳を疑った。歴史といえば慧音先生の好きな教科だ。しかし、それを抑えてまで僕に授業をやらせるかな…?

 

怪しい。何か怪しい。

 

「…詠夢?聞いてるか?」

 

「はっ!は、はい!聞いてます…」

 

「教える範囲と教材は教員室に置いてあるからな。頼んだぞ」

 

「あ、はい…」

 

僕を除く3人も食べ終わり、僕がお会計をしようとしたその時。

 

「あ、私が払う。気にしないでくれ」

 

「あ、わかりました。ありがとうございます」

 

「というか、もう授業開始15分前だぞ。早く行ったほうがいいんじゃないか?」

 

時刻は12時55分を指していた。

 

「やばっ!じゃあ!」

 

僕は人には出せない速度で寺子屋へ走っていった。

ーーーーーーーーーーーー

「じゃあ、これで授業を終わります。ありがとうございました」

 

「「「「ありがとうございましたっ!」」」」

 

「ちゃんと宿題をやるんだよー!」

 

「あ、詠夢先生、少し質問があるんですが、いいですか?」

 

「え?うん。いいよ」

 

僕は生徒たちの質問に答えていた。

 

時刻は18:30を指していた。

 

「やばっ!ご飯作ってないよ…」

 

「その必要はないって霊夢さんが言っていたよ」

 

「その声は…小鈴ちゃん?」

 

振り返ると、ニコッと笑った。いつもの服装をしていた。しかし…

 

「そのリボン…どうしたの?」

 

小鈴ちゃんの頭には大きなリボンが乗っていた。

 

「まあ、いろいろあって…」

 

僕はそのことは掘り返すことは止めた。

 

「じゃあ…行こうか…?」

 

僕は小鈴ちゃんの手の近くに手を差し出した。ちょっと恥ずかしかった。

 

「…うん」

 

小鈴ちゃんは僕の手を取ってくれた。

 

僕は小鈴ちゃんと地底に行った時のお土産話をしながら、神社に向かって歩いていた。

 

「よし着いた。霊夢ーただいまー…霊夢ー?」

 

霊夢の返答はなかった。何かおかしい気がする。

 

母屋の扉も閉まっていた。

 

「霊夢ー!入るよー!」

 

僕は扉を開けた。しかし、そこは暗かった。

 

その時。

 

 

 

 

急に明かりがつき、

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「「「お誕生日おめでとーーー!」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

僕はびっくりした。幻想郷中のみんなが僕の家に来ていたから。

 

「はいはい!ここに座って詠夢」

 

「いや、ちょっと待っt「食べ物はたくさんあるわよー!」」

 

僕は取り敢えず食べた。お腹いっぱいになるまで。

 

でも、今日はそうじゃないから。

 

「…この企画を考えたのは誰?」

 

「私よ」

 

急にスキマから紫が出てきた。

 

「取り敢えずお前を殴る」

 

「ちょっと!なんでよ!せっかく企画したのに!」

 

いや、そういうことじゃなくて。僕は大声で叫んだ。

 

「今日は僕の誕生日じゃないっ!」

 

そこには沈黙が訪れた。その後、霊夢が口を開いた。

 

「ちょっと紫!今日は詠夢の誕生日って言ってたじゃないの」

 

「確かに、僕がここ、博麗神社に来たのは今日だよ。だけどね…

 

今日は誕生日ではないんだ。」

 

僕は紫から話を聞いていた。僕は捨て子だった。そこを紫が通りかかって博麗神社に来させたこと、全部を話した。

 

「…っていうこと」

 

みんなは黙っていた。その黒歴史を知っていたのは、紫、藍と、僕だけだった。それは霊夢も知らなかったらしい。

 

「そ、そう…なんだ」

 

「まあ、それより皆さん!宴会を楽しみましょう!」

 

 

 

その後、千里眼の椛が僕と小鈴ちゃんが手をつないで歩いていたことを発見したことでいろいろ質問攻めにあったけれど、またそれは別のお話。




はい。ついに幻想郷の人達に詠夢の黒歴史が知られました。

次回は、詠夢をカッコ良く仕立て上げようかと思っています。

では次回!さらばだー

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