トンガリ帽子の復讐者と小さい竜の迷宮物語 (リメイク開始)   作:ケツアゴ

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さてレベル三十を超えたところでレギュラーの能力上昇が 調べたら70以降に戻るらしいし、これまでか。清姫育ててイベント見たけど怖い 後はエミヤとジークに黄金つぎ込んで銀色はキューブに変換かなぁ 

弱点つくように育ててるサブの小次郎とメデューサ育ててから


ヘファイストス

「……起きないな」

 

 ここはダンジョン十八階層に存在するリヴィラの街の宿屋。ダンジョンで眠りだしたネルガルを放置する訳にも行かず、後を付けたという負い目からリヴェリアが部屋をとってネルガルを眠らせていた。途中、『男日照りで餓鬼に走ったか』、などと無遠慮かつ屈辱的な言葉を投げかけられたので其奴の顔はしっかり覚えておいた。

 

『この阿呆はよぉ、何日もぶっ続けで戦い続けれるくせに、一度寝たら十時間は起きやしねぇんだ』

 

「やれやれ、寝る子は育つと言うが……」

 

 そう言いながらリヴェリアの視線は帽子掛けに掛けられたトンガリ帽子に向けられる。ハイエルフである彼女に帽子の素材から放たれる精霊の尋常でない力を感じられ、金糸の刺繍で書かれた制作者の名前が読み取れた。

 

(……やはりな)

 

『んで、俺達に何の用だ?あの貧乳に何か言われたのかよ』

 

「まぁな。どうもこの子の事が気になったらしい。危なくなったら手助けして、出来れば勧誘してこい、だそうだ」

 

『はっ! 其れは無理な話だな。此奴の目的達成のためにはロキ・ファミリアは大きすぎる。今のみてぇな単純でお人好しの神が運営する零細ファミリアが丁度良いのさ』

 

「目的?」

 

『……復讐を終えたらのんびり平和に暮らす、其れが此奴の望みだよ。だぁからダンジョン攻略に躍起になってる大手ファミリアは駄目なのさ』

 

 ザハクは話は終わりだとでも言うように小さな欠伸をしてネルガルの横で丸まって瞳を閉じる。リヴェリアも隣のベットに横になるが目を閉じる前に口を開いた。

 

「最後に一つ訊こう。お前は”使い魔の壺”から産まれたのか?」

 

『……さぁ~な』

 

 最後に言葉を濁すザハクだが、リヴェリアはそれを肯定と受け取り、そのまま眠りだした……。

 

 

 

 

 

 

 

 ここはオラリオの端に位置する夜の街。大陸中から娼婦が集まるこの地区を縄張りにするのは美と愛を司る女神イシュタル。そしてイシュタルのファミリアの団長を務めるのは己こそ世界一の美を持ち女神ですら敵わないと信じて疑わないフリュネ・ジャミールだ。その傲慢な性格と男癖の悪さから他の団員から嫌われている彼女は、団員の噂話を耳にした。

 

「昨日相手にしたギルド職員から聞いたんだけどさ、まだ十歳の子供なのにレベル2の子がオラリオに来たんだって」

 

「唾を付けておくにしても餓鬼過ぎるね。歓楽街になんか来ないだろうし、興味ないよ。……それで名前と見た目は?」

 

「興味有るんじゃん。確か赤毛で可愛らしい男の子で魔法が得意らしいよ。傭兵時代は竜の悪魔(ブネ)って呼ばれてて、ネルガルって名前だった」

 

 

 

 

 

 

 

(ゲゲゲゲッ! あの餓鬼、生きてたのかい。まぁさか傭兵になってたとはねぇ。少し顔を見に行くとしようかねぇ)

 

 フリュネは醜悪な顔を歪ませて笑うとその場から去っていった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お世話になりました』

 

 リヴェリアが目覚めると宿代の半額と共に置き手紙がテーブルの上に有り、ネルガルとザハクの姿は消えていた。

 

「……律儀な子供だな」

 

 この後、宿から出た時に、『昨夜はお楽しみでしたね』、等とからかわれたので仕返しの内容を考えるリヴェリア。その時の顔は凶悪で魔物が尻尾を巻いて逃げ出す程だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「神様、僕は強くなりたいです」

 

「ベル君……」

 

 夜は明けてヘスティア・ファミリアのホームでは一晩中防具もつけずに戦っていたベルが戻ってきていた。

 

「……ふ~ん。ようやくマトモな決心ができた顔になったね。ベルさんって今まで自発的に強くなろうとしたんじゃなくって、人に言われて行動してたっぽいもん」

 

「ネルガル君っ!? 君も何処に行ってたんだいっ!?」

 

「十七階層でゴライアスと一騎打ちした後でリヴィラの街で一泊した後、魔石やドロップアイテムを換金しにギルドに行ったらエイナさんに怒られてお説教されてた。……ベルさんとは行き違いになったみたい」

 

「階層主と一騎打ちぃっ!? 君はどんだけ無茶してるんだいっ!?」

 

「無茶しないと強くなれないよ? あっ、これ換金したお金の一部。ファミリアに入れる分ね。それと、僕は今日はダンジョン休んでリフレッシュするから」

 

 ネルガルがバックから出したのは金貨が詰まってズッシリ重い袋。ゴライアスの牙を始めとしたドロップアイテムを安定した価格でなく高く買い取ってくれる可能性もあり安く買い叩かれる可能性もある他のファミリアで売却したものだ。金貨の詰まった袋には鍛冶系ファミリアのヘファイストス・ファミリアの紋章が描かれていた。

 

 

 

 

「彼奴の所の子かぁ……」

 

 それはネルガルがホームに帰る少し前の事、大量の素材の持ち込みの知らせを聞いたヘファイトスは少し前まで居候させていた神友であるヘスティアの眷属と聞いて少々思案し出す。

 

 元々居候させていたのだが本を読むかゴロゴロするしかしない怠惰っぷりに腹が立って追い出し、それからも家を用意したりバイト先を紹介したりお金を貸したり何かと面倒を見てきた。最近眷属が出来たとは聞いていたが暫く会っていないので様子は知らない。

 

「……しょうがない。今日の午前は珍しく時間が空いたからオフにするつもりだったけど、あの子の様子も聞きたいしね」

 

 主神自ら持ち込みの相手をするなど本来は有り得ないのだが、主神との関係や詳しく鑑定できる者が出払っている事もあって彼女自ら相手をする事にした。

 

 

 

 

 

「う~ん、純度はあまり良くないわね。まぁ量はあるしそれなりの値段で買い取らせて貰うわ。……それでアンタの所の主神はどうなの?」

 

「さあ? 僕、昨日眷属になったばかりだし、改宗した後はずっとダンジョンからホームに戻ってないから」

 

「ああ、二人目って事ね」

 

 よくよくネルガルの装備を観察してみれば新人が持つには性能が良すぎるものばかり。帽子の中に入っている竜も半月も経っていれば噂になるだろうが其れを聞かないという事は行っていたのとは別なのだろう、とヘファイストスは判断した。

 

「じゃあ、全部で二百万ヴァリスで良いかしら? 本当はもう少し安いんだけど、これだけ持ってこれる君への投資って事で初回サービスよ。これからも出来たら御贔屓に頼むわ」 

 

「うん! 有難う、ヘファイストス様」

 

「……にしても君もへスティアの眷属なんて苦労しそうね。アイツ、結構怠惰だから大変よ?」

 

「? 地上に降りて来ている神様って大体怠惰でしょ? 本来の仕事を他の神様に押し付けて娯楽として地上で生活してるんだからさ。どれだけ仕事しているようでも、本業を放っておいて副業を優先させているみたいなものだしさ」

 

 目に前にいるのは鍛冶系ファミリアの主神である。

 

「そういう事、他の神には言わない方が良いわよ。特にフレイヤの所なんて眷属が心酔しきってるから何されるか分からないんだから。君はもう少し神に敬意を持ちなさい」

 

「え~!? 僕が今まで関わった神様ってロクなの居ないし、神様に敬意を払うって良く分からないんだよね。アレスとか、アレスとか、アレスとか」

 

「……彼奴かぁ。あれは特別。他の神とあれを同一視しないの。……改宗って事は他のファミリアに居たんでしょ? 他の眷属ってどんな子達が居たの?」

 

「団長やってた目が死んだ狙撃手に副団長の額が広い偉そうな名門出身のエルフに脳内も髪の色もピンクな狐人(ルナール)に極東出身のヤンデレに緑衣の中途半端なイケメン、とその他諸々」

 

「残りの扱いが雑ねっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ってな感じでヘスティア様に宜しくってさ」

 

「と、取り敢えず今からお説教だっ! そこに座りたまえネルガル君っ!」

 

 

 

 




意見 感想 誤字指摘お待ちしています


主人公の見た目赤毛の少年としか描写してないし……魔女っぽい服を着たアレクサンダーをイメージしてください

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