トンガリ帽子の復讐者と小さい竜の迷宮物語 (リメイク開始) 作:ケツアゴ
「
ダンジョンから直行した豊穣の女主人でご飯を食べていた僕はロビンから神会で決定した僕の二つ名を聞かされていた。本来大手ファミリアでもない限り、神は巫山戯た二つ名を付けるし、何故かその馬鹿みたいな二つ名を格好いいと思う人は多い。
「てか、二つ名の発表があったのは三日前だろ。お前、何日ホームに帰ってないのよ?」
「……二週間? ほら、神と人間の関係ってお金稼いでくる人間と養われる代わりに祝福を刻む神ってだけでしょ? 説教は聞き流せばいいし、ダンジョンで経験値を稼いでいた方が良くない?」
何故かロビンが呆れ顔を向ける中、僕は注文した肉団子のパスタを待っていた。
「で? その二つ名ってどういう経緯で決まったの? ああ、周囲の人間を巻き込む災害みたいだからか」
「自覚あるなら自重しろよ。……まっ、ケリィ団長に消されないレベルには自重してるけどよ」
って言うか、イシュタルを始末したロビンには言われたくない。他の人には隠しているけど、同じファミリアだった僕や清姫さんは見当が付いてるよ?
「そうそう。僕、叔母さんに紹介したファミリアまでの旅費渡して金欠なんだよね~」
「嘘付け。かなーり儲けただろ。……今日だけだぞ」
「やった! リューさん。ロビンが払うから一番高い酒をザハクに、僕は一番高いメニューと持ち帰り可能なメニュー全て包んで」
「ちょい待てっ!?」
「畏まりました。少々お待ちください」
ロビンは口をあんぐり開けて固まっているけど、僕も其処まで鬼畜じゃない。こっそり机の下側で宝石の詰まった革袋をリューさんに渡しておいた。
『あ〜、美味かった。今度もあの酒を飲ませろよ。金はあんだろ』
「じゃあ、ロビンを騙して奢らせよう」
流石に一番高いお酒は僕の三日分の稼ぎなので大酒飲みのザハクに飲ませるのは嫌だ。どうせ帰ったらアホ神が煩いので同じ事とダンジョンに戻ろうとした時、ふと視界に一件の家が入る。誰かが住んでいる気配はなく、入り口には『売り家』の文字。売主はギルドだった。
「あ〜。イシュタル・ファミリアの財産をギルドが手に入れたんだったっけ」
あっ、うん。一々ホームに帰らなくて良いし、買おう。ヴィーヴル殺して大金が手に入ったから・・・・・・・あれ? 何か思い出しそうな気が。ヴィーヴル、人間っぽい、怪物趣味、ああ、そうか。
「モンスターを外に売りに出してる奴らが居たっけ。主神はイケロスだったね」
今は奴隷とかそういう扱いだけど、兵器として売り出されたらケリィ団長が来るかも知れないし、そうしたら僕殺されちゃうかも知れないし、神様って別に死なないし・・・・・・・。
数日後、ダンジョンから帰るとギルドは大騒ぎだった。短期間にそれなりのファミリアが二つも主神を
「エイナさん。例の空き家ってまだ売ってる? ウチのホームが狭いから其処から通おうって思うんだけど」
「ネ~ル~ガ~ル~くぅ~ん。他に言うこと有るでしょ。まぁた一人でダンジョンに潜ったでしょ。ロキ・ファミリアの人が深層で見掛けたって言ってたわよ」
「あぁ、遠征前に少しでもステイタス上げておこうって潜ってるんだっけ。しまったしまった。其れで幾ら?」
「あのねぇ、君が幾ら強くても危険なんだからベル君や同じファミリアに所属してたって人と潜らないと駄目でしょ。ロビンさんも心配してたわよ。・・・・・・・其のついでにナンパしてきたけど」
あっ、やっぱり。後腐れ無いのが一番だからってナンパが好きなんだよね。僕と違って物心ついた時から戦場に居たらしいし。・・・・・・・折角レッドライダー様が死んで自由になったのに他の生き方を知らないからなぁ。呪いで絶対に会えないお母さんの事が諦められないらしいし、情報だけは入るから尚だろうね。
「じゃあ、後でお説教ね。必ず戻って来ること。家については其の後で」
・・・・・・・ステイタス更新したら一ヶ月はダンジョンに潜ろう。ヘスティア様でも家を買うくらい出来るだろうし、お金渡しとけば良いかな?
「ベル君も大概だけど、君は特に酷いよ。少しはボクの言うことを聞きたまえ。今日はみっちりとお説教をするからね!」
「ドレス代と事故の賠償金の立て替えが合計で・・・・・・・」
「久々に帰ってきて疲れているだろうから明日にしてあげるよ!」
丁度今日はバイトが休みだったらしく、ベッドでゴロゴロしていたヘスティア様はプリプリ怒りながらステイタス更新をしていたけど、少しお金の事を言えば大人しくなった。にしても神様がバイトって笑えるよね。まぁ正義の神が居てもこの世に正義がない場所なんて幾らもあるし、神に何か期待するのが間違いなんだけど。
「・・・・・・・あのさぁ、どれだけ無茶をしてきたんだい? 取り合えずはやったねって言っておくよ。レベルアップだ」
そう言いつつもヘスティア様の顔は浮かない。それにスキル欄の一カ所に消したような跡がある。間違いって誤魔化すつもりだろうけど、この程度の嘘なら清姫さんじゃなくっても見抜ける。ってか、明らかに挙動不審だし。
さて、どんなスキルなのか後でザハクに聞いておこう。彼奴が読めるって事、言ってなくって良かったよ。
ネルガル・ノヴァ
Lv.2
力:F301 →C703
耐久:D688 →A802
器用:C711 →S977
敏捷:D606 →S911
魔力:SS2000 →SS3000
魔導:E →C
「・・・・・・・そろそろレベルアップしておくかな? ラキアの侵攻の時に2のままだったら出して貰えないだろうし」
僕が殺したい奴は沢山居るけど、今殺したら後々厄介になる奴らも多い。降りかかる火の粉を全て払える力と綿密な下準備を終えて、それから復讐を始めなきゃ。幸い僕は呪いのおかげで復讐心を失わない。だから今は耐えよう。
それに、必要な物は既に手に入ったから。
僕はほくそ笑みながらダンジョンに向かい、入り口で待ちかまえていたエイナさんに捕まってしまった。
「・・・・・・・黙っておこう。これだけはヘファイストスにも相談できないよ」
その頃、ヘスティア様は僕のステイタスが刻まれた紙を念入りに処分していた。其の理由は僕の新しいスキル。ずっと欲しかった力にあった。
神を殺せる
FATE、ゼロにマイヤって人居ましたね あの人、子供が居たそうなので・・・・・・・
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