トンガリ帽子の復讐者と小さい竜の迷宮物語 (リメイク開始)   作:ケツアゴ

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fateGO の無課金で貯めた石を使っての十連×2が呂布三体という悲惨な結果に終わったのでむしゃくしゃして気分転換に書きました。

リリィを外して呂布が参入 カーミラ今度こそ 取り敢えずフレにレベル高いジャンヌのが居るのでアサ次郎を育てて

童話作家は雑魚が先にあったら宝具が簡単に使えるんですがね スキルといいボス戦向けなのに 


プロローグ

 迷宮都市オラリオ。世界で唯一ダンジョンが存在するこの都市は世界の中心とされている。ダンジョンから生み出されるモンスターから取れる魔石は生活に欠かせない明かりを中心とした製品に利用され、その魔石を入手すべくダンジョンに潜りモンスターと戦う者達は冒険者と呼ばれていた。

 

 冒険者は力を封じた状態で地上に降りてきた神の眷属となって祝福を受ける事によってステイタスと呼ばれる恩恵を受け常人を超えた力を持つ。神と眷属の集まりをファミリアと呼び、その冒険者をサポートする組織の名はギルド。この組織は魔石などのモンスターか落とすアイテムを買い取り、冒険者の登録を請け負っていた。

 

「此処がオラリオ、夢の始まりと終わりの街か……」

 

 そして今日も冒険者を目指す少年がオラリオにやって来た……。

 

 

 

「え~と、ギルドの本部は……何処だっけ?」

 

『地図見てもゴチャゴチャしてて訳分かんねぇしな』

 

 少年はまるで絵本の魔女の様な先が折れたトンガリ帽子を被り古びたローブに身を包んでいる。帽子には継ぎ接ぎが目立ち、中に何か居るのかゴソゴソと蠢き声が聞こえていた。少年は地図を見ながら人の間を縫う様に歩き、やがてギルド本部の建物までたどり着いた。

 

「此処で冒険者になれるんだよね?」

 

「ケッ! テメェみたいなどチビを相手にしてくれたら良いんだけどな、ケケケケケ!」

 

 少年はが大口を開けた髑髏の口の中に魔法石が嵌っているという趣味の悪い杖を不安そうに握り締め、帽子をひと睨みすると意を決した表情でギルドの門を潜る。この時間帯は冒険者達はダンジョンに潜っているのか人の姿は少なく、職員達は書類作業をしたりウツラウツラと船を漕いていた。

 

 

 エイナはその中で真面目に仕事をこなしている職員だ。隣でサボっている友人が何時もの様に期限ギリギリで慌てるのを想像しながら終わらせた書類を纏めた時、カウンターに冒険者登録の申請書が差し出された。

 

「お姉さん、書類は此処で良いんだよね?」

 

「そうだけど、坊やが登録する気?」

 

忽ち困った顔になるエイナ。目の前の少年は精々十歳くらいで今担当している新人のベル・クラネルよりも幼い。タダの子供の好奇心からの行動と判断出来たら良いのだが、持っているのは魔法を扱う物が使う杖。もしかしたら戦うだけの力が有るのかもと悩んだ時、彼の帽子の継ぎ接ぎが開いて中から猫程度の大きさを持つドラゴンが姿を現した。

 

『おい、此奴は確かにチビだがよ、外でモンスターと戦って来てんだぜ? ちゃんと祝福も受けてたけど、主神の奴が天界に帰っちまって新しい奴を探しに来たんだよ』

 

「こら! 勝手に出てきちゃ駄目じゃないかザハク。安心してお姉さん。此奴口は悪いけど人は基本的に襲わないから」

 

「そ、そう。……え~と、坊やの名前は……ネルガル・ノヴァね。じゃあ、ネルガル君。一応背中のステイタスを確認させてくれるかしら? ステイタスを見るのはマナー違反だけど、流石に君みたいな子供を無条件で登録する訳には行かないのよ」

 

「うん、良いよ!」

 

 それではと部屋の隅で他人から見れれないようにネルガルのステイタスを確認するエイナ。ザハクの言った通りに力を失ってはいるがステイタスが刻まれており、最大三つの魔法のスロットは全て埋まっている。それだけでも驚きなのだが、スキルの部分を見たエイナは思わず叫びそうになった。

 

(ッ!? な、何よこれっ!? 全部レアスキル、それも今まで発見された事のない物ばかりじゃないっ! ……どうしよう。こんな事あの神様達に知られたら……)

 

 思い浮かべるのは珍しい物が好きで気紛れな神達。この様な事が知られれば珍しい玩具として争奪戦になりかねない。ファミリアをちゃんと探す必要があると思った時、ネルガルが振り返った。

 

「ねぇお姉さん。新しく主神になって貰う神様なんだけどさ、無理だと思うけどマトモな人が良いな。ほら、神格者(じんかくしゃ)な神様って珍しいでしょ? そもそも地上に降りて来ている時点で職務放棄して娯楽を楽しみに来た駄目な人が殆どだしさ」

 

「う、う~ん、そういう事は大っぴらに言わないほうが良いわよ? ……あれ?」

 

 ネルガルの余りにもと言ったら余りにもな発言にエリナが顔を引き釣らせた時、彼女を呼ぶ声が聞こえてくる。その声は段々大きくなり、やがて声の主の姿が建物の外に見え出す。血まみれの少年が笑顔を浮かべ手を振りながらやって来た。

 

「エイナさーん! アイズ・ヴァレンシュタインさんの事教えてくださーい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私、何度も言ったわよね? 冒険者は冒険しちゃいけないって? 七階層まで行くってどれだけ危険か分かってる?」

 

 先ほど血塗れで街中を走り、いま説教されている少年こそがベル・クラネルだ、女の子との出会いを求めてオラリオにやってきた彼は冒険者になってまだ日が浅いのにソロで七階層まで潜り、他のファミリアから逃げてきた格上のモンスターであるミノタウロスに殺されかけ、先ほど言っていたアイズに助けられて惚れたのだ。

 

『ケッ! 戦場(ダンジョン)を社交界か何かと勘違いしてやがるみてぇだな』

 

「まぁ仕方ないんじゃない? 見た所、戦い慣れてないみたいだし、生きて来た環境で価値観や考え方は変わるよ」

 

 ベルが説教されている間待っているネルガルは話が終わるまで壁に寄りかかり、ザハクは帽子の中に潜ってしまっている。そうしている間にも話は進み、最後にベルが女の子は守ってくれる人に惹かれる、というような事を言われた所で漸くエイナとの話の続きが始まった。

 

「待たせて御免ね。それで入りたいファミリアはある? ギルドは直接交渉出来ないけど、ホームの場所を教えるくらいなら出来るわよ」

 

「う~ん取り敢えずガーネシャ様はいい神だけど変人な上に暑苦しく、ロキ様とは前の主神が仲が悪かったらしいから止めておけって言われてるんだ。……所でさっきのお兄さんは何処のファミリア?」

 

「ベル君はヘスティア様の所よ」

 

「なら僕も其処にするね。あの能天気さなら神様もそれほど変人じゃなさそうだし、今から追い掛けてくるよ」

 

 そう言うなり駆け出していくネルガル。エイナが止める暇もなくその姿は見えなくなった。

 

「大丈夫かな? ……あの年であんなスキルを持ってるなんて……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「君も僕の眷属になってくれるのかいっ!? やったぞ、ベル君! 君に後輩が出来たっ!」

 

「まぁ僕も冒険者になってまだ半月なんですけどね、神様」

 

 直ぐにベルに追いついたネルガルの申し出を快く引き受けたヘスティアは喜びながらベルとハイタッチをして燥いでいた。

 

「まぁ僕は外で冒険者を六歳の頃からやってたから冒険者としては僕が先輩なんだけどね。じゃあ、改宗お願いできます?」

 

「ああ、勿論だ! じゃあ、服を脱いで其処に寝転がってくれ。……前の主神はっと……!?」

 

 直様ネルガルの無効化されていたステイタスを蘇らせるヘスティア。その瞳は前の主神を見て固まり、ステイタスを見て驚きの声を上げてしまった。

 

 

 ネルガル・ノヴァ

 

 LV.2

 

力:H=101

耐久:I=35

器用:H=122

敏捷:I=22

魔力:G=271

魔導:G

 

 

 

スキル

 

魔導大才(マジック・ジーニアス)

 

 魔法関係の能力・技術の向上に補正が掛かる。

 

二重魔法(ダブルマジック)

 

 任意発動

 

 精神力の消費を倍にする事で攻撃魔法の威力を増大させる。消費を倍加させ続ける事で威力も増大し続ける。

 

詠唱短縮(ロースペル) 習得呪文の詠唱が短くなる

 

魔法

 

 クワトロカノン

 

 火氷雷風の四属性複合魔法

 

 放つ属性の任意変換及び精密操作が可能

 

 詠唱『燃やし凍らし穿ち砕け』

 

 

 

 

 

 此処までは良い。魔法特化の優秀なステイタスだと言えるだろう。外でどれだけの経験を積んだかは分からないが、このステイタスからも過酷さが伺える。

 

 ただ、残る二つの魔法の内容ともう一つのスキルが問題だった。

 

 

 

 

 

 

 

仇敵憎悪(アベンジャー)

 

 早熟する

 

 復讐心が募るほど効果が向上

 

 復讐を果たすか復讐心が消えたらこのスキルは消滅する

 

 

 

 

(たった十歳でこんなスキルを習得するなんて、君の人生に何があったと言うんだいっ!?)

 

 年相応のあどけない笑顔を見せるネルガルを見ながらヘスティアは背中を冷たい汗が伝うのを感じていた……。

 




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FATE要素は次回以降 何時になるかは未定

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