堕天使な彼女の恋物語   作:nasigorenn

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今回は少しばかりエッチぃですよ(笑)


番外 彼女の彼氏が酔うと

 前日に家を訪れたアザゼルの所為で少しギクシャクしてしまう湊とレイナーレ。

別に嫌いになったとか退いたとか、そのようなことではない。

湊はレイナーレが昨日のことで気にしていると思い、彼女が気負わないようにいつも通りに接しているだが、経験がない彼ではどこかぎこちなくなってしまう。そしてレイナーレはと言えば、実の所朧気ながら昨日自分が晒した恥部の事を覚えており、それを湊に見られた挙げ句に彼に思いっきり絡んでしまったことが恥ずかしすぎて彼に対し負い目を感じたり恥ずかしかったりと様々な感情が渦巻いてどうして良いのか分からなくなっていた。

その結果がこの妙にギクシャクした雰囲気であり、それは学園に行っても続く。

周りはそんな二人を見て何事かと少し心配したが、女子がレイナーレにどうしたのか問いかけたらその答えは直ぐに判明した。何せ問いかけただけなのにレイナーレはのぼせ上がったかのように顔を真っ赤にして凄く必死に何もないと主張するのだ。そのくせそう言いつつも湊の方に何度も目を向けるのだから、何があったかなど分かってくるもの。

女子達は湊とレイナーレの間でTo LOVEるな事が起きたと直ぐに分かり、そして黄色い声で騒ぎ始める。年頃の少女達はそういった話が大好きなのだ。

そしてそれは男子にも通じるわけであり、今度は湊が男子から質問攻めに遭うのだが、彼はそれを苦笑して何とか躱す。普通ならそれで済むわけがないのだが、そこは人柄故か、穏やかな人柄である彼はあまり困らせるべきではないと皆自制の念を抱くのだ。

だからこそ、それ以上の追求はされない。皆湊とレイナーレのことは応援しているのだから。

ただし、凄まじい憎悪を向ける二人と一体『ナニ』があったのか気になって仕方ないといった様子の者が一人いた。

 

「くっそ~~~~~~~~~! 蒼崎の奴、一体レイナーレさんと『ナニ』したんだ! ま、まさか……もう卒業したってのかァアァアアアアアアアアアアアアアアア!!」

「あのグレモリー先輩には負けるがそれでも充分過ぎる大きなおっぱいでナニをしたんだ、アイツは!」

「羨ましいぜ、蒼崎! 俺は部長達とは全然そんな感じにならないってのに」

 

このクラスの問題児三人組は湊に向かってそのような視線を向けるが、湊はその視線ぬ身体を軽く震わせ何故そのような視線を向けられるのか理解出来なかった。

 

 

 

 そんな感じで互いに意識しつつもギクシャクする二人。

それは授業が終わり、部活に出て家に帰るまで続く。

部活では二人の様子をリアス達が見て心配したが、それでもレイナーレは頑なに話そうとはしなかった。その所為か、更に聞き出そうとリアスと朱乃に彼女は弄くられることになり、湊達はそんなレイナーレ達を見て苦笑することに。

そして自宅までそのままその雰囲気は続き、夕食前までそれは続いた。

いつもと変わらない食事を作る光景。だが、そこに上機嫌な鼻歌はない。レイナーレは昨日の記憶を思い出しては顔を真っ赤にして慌ててしまい手元が疎かになって危なっかしくなり、湊はそんなレイナーレを見ていて此方も落ち着かなくてハラハラしていた。

結果…………。

 

「レイナーレさん、お話があります」

「…………はい……」

 

湊に呼び出され、レイナーレは恥ずかしさやら何やらで気落ちしシュンとした様子で湊に従い彼の元へと向かった。

そしていつもは食卓を囲むテーブルで向かい合わせに座る二人。

互いの顔をジッと見つめる湊とレイナーレだが、レイナーレは正直湊の顔を真正面から見つめられない。負い目を感じるが故に、少し目を逸らしてしまっていた。

それが丸わかりだからこそ、湊は正直に聞く。

 

「レイナーレさん……昨日のことを気にしているんですよね」

 

そう湊に聞かれ、レイナーレは顔を真っ赤にしつつ小さく頷いた。

こうまであからさまでは流石に隠しようもない。事実、レイナーレ自身自分が可笑しいことに気付いているのだから。

だからこそ、白状する。

 

「うん。そのね…………昨日はごめんなさい!」

 

レイナーレは思いきってそう言い頭を下げて謝る。この際恥も何もない。彼女自身、今の雰囲気は良くないと思っているから。

そしてレイナーレは改めて昨日のことを語る。

 

「昨日のこと、朧気だけど覚えてるの。私、湊君にみっともない所ばかり見せちゃって、それで恥ずかしくて………あんなことする女だと知って、湊君に嫌われちゃんじゃないかって恐くなって、それで………」

 

湊に嫌われたのではないかと思い、不安そうに湊を見つめながらレイナーレは話す。そう聞いて、湊はレイナーレの側まで歩くと、彼女の身体をそっと抱きしめた。

 

「あ………」

 

驚きと少しだけ嬉しくて声が出てしまうレイナーレ。

そんな彼女を愛おしく想いながら湊はレイナーレを胸の内側へと抱き寄せる。

 

「僕がレイナーレさんのこと、嫌いになるはずありませんよ。だって……こんなにも大好きなんですから。聞こえますか、僕の心臓の音」

 

レイナーレは湊に抱きしめられていることで顔を赤くしつつ、言われた通りに湊の心臓の鼓動を聞く。

そして少しうっとりとしつつ答えた。

 

「うん、確かに聞こえるよ、湊君の音。とくん、とくんって少し早めになってる」

 

レイナーレはドキドキしつつそう答えると、湊も満足そうに頷き返す。

そしてそのまま湊はレイナーレが昨日しでかしたことについて彼個人が思った事を彼女に伝える。

 

「昨日はまさかあんなことになるなんて思いませんでした。レイナーレさんって酔い易いんですね」

「あぅ……ごめんなさい。私、お酒って初めてだから良く分からなくて。あんな風に頭がぽわぽわして身体が熱くなって陽気になるなんて思わなかったの」

 

申し訳なさそうに謝るレイナーレ。酒で酔うと人は様々な姿を見せるが、彼女の場合は普段抑圧していた思いが表に出るタイプのようだ。

湊はそんな彼女を少しだけ強めにぎゅっとした。

 

「謝らないで下さい。確かに少し驚きましたけど、それ以上に嬉しくもあったんですよ。レイナーレさんが普段から抱えていた悩みが聞けて。レイナーレさん、もっと一緒に幸せを感じたかったんですね」

「うぅ~~~~、そ、そうだけど、そう言われるともっと恥ずかしくなる……」

 

湊が素直に口にすると、レイナーレは湊の胸の中で恥ずかしそうに身じろぐ。

その顔は真っ赤になっていて、少しだけ目に涙が浮かんでいた。それが湊には可愛く見える。

愛しい彼女の可愛い姿を見て胸が高鳴る湊。少しだけリアス達がレイナーレを弄くり回す気持ちが分かったような気がする。

そして湊はレイナーレの隣の席に座ると、湊はレイナーレを抱きしめたままテーブルに置かれているある物に手を伸ばし始めた。

 

「レイナーレさん、僕にもっと甘えて貰いたいって言いましたよね。そしてもっと甘えたいとも」

「う、うん……」

 

酔っていた所為とはいえ、胸中の思いを言われてしまいレイナーレは顔が熱くなるのを感じた。恥ずかしい思いで一杯になる。

そんな彼女に湊は少し笑いつつ答えた。

 

「だから今から僕は……レイナーレさんに凄く甘えようと思います。昨日レイナーレさんが見せてくれたように、僕もレイナーレさんに見せます」

 

そう答えると、湊はレイナーレの前にある物を見せた。

それを見てレイナーレの表情が固まる。

 

「それ……昨日のお酒入りのチョコ……」

 

アザゼルから貰った昨日の事の元凶。

湊はレイナーレにそれを見せ、少し恥ずかしそうに頬を掻きつつ答える。

 

「流石に恥ずかしいので、これで少しでも恥ずかしさを誤魔化せれば…と思いまして」

 

湊はそう答えると、持っていたチョコを『3つ』一遍に食べた。

そう、一個でレイナーレを酔わせたチョコを『3つ』も食べたのだ。

その結果が…………。

 

「レイナーレさん」

 

上機嫌に普通に笑う湊。そんな湊にレイナーレは少し心配そうに声をかける。

 

「湊君、大丈夫? 目眩とか吐き気とかしない?」

 

そう言われた湊は軽く首を横に振り、優しそうな笑みを彼女に向けた。

 

「心配してくれてありがとうございます。こんなに想ってもらえて、僕は幸せ者です」

「そ、そんな、湊君が心配だから、それで……」

 

湊にそう言われ照れるレイナーレ。

しかし、ここからが湊の本領であった。

湊はレイナーレを抱きしめたまま一旦立ち上がると。彼女を軽々と抱きしめて持ち上げ始めたのだ。

 

「み、湊君!?」

 

当然持ち上げられて驚くレイナーレ。湊はレイナーレを持ち上げると、再び先程自分が座っていた席に座る。

ただし、今度はレイナーレを膝の上に乗せてだ。

 

「湊君、急にそんな事されても、その………困ちゃうよ」

 

湊の膝の上にすっぽりと収まったレイナーレはどうして良いのか分からず困惑するが、やはり嬉しそうに頬を赤らめていた。

 

「それに私、重くない?」

 

それと共に気になることを聞く。もしこれで重いと言われた日には彼女はダイエットに全力を尽くすだろう。大好きな人から重いなどと言われた場合、乙女の心には深い傷が刻み込まれるのだ。

そう聞かれ、湊はニコニコ笑いながら答えた。

 

「全然重くないですよ。寧ろ軽すぎてこっちが驚いちゃいました。でも、これが女の子の重みなんだって思うと、何だか愛おしいですよね」

「そ、そうなんだ……」

 

いつもよりより素直に言われ、レイナーレは恥ずかしそうに身をよじる。

きっと少し酔っているだけなのだろう。

そう思った。何せ自分が一つで酔うくらいなのだから。

それが認識の甘い事だとこの後直ぐに感じさせられたわけだが。

湊はレイナーレの膝に乗せると、改めて彼女をぎゅっと抱きしめた。

 

「湊君!? その、嬉しいけど、少し苦しいかも(湊君、酔ってるからなのか少し大胆かも)」

 

湊にすっぽりと抱きしめられたレイナーレはそう言いつつも何処か幸せそうだ。

そんな彼女に湊は頬を寄せながら答える。

 

「一度こうやってぎゅっと抱きしめたかったんです。大好きなレイナーレさんを胸に抱きしめて、こうやってくっついてみたかったんですよ。確かコレ、レイナーレさんが呼んでる少女漫画に載ってましたよね」

「なんでそんなこと知ってるの!?」

 

まさかばれていたとは思わず、彼女は驚く。

そんなレイナーレに湊は甘い声で彼女に囁いた。

 

「驚く姿もキュートで可愛いですね、レイナーレさん。その可愛さにドキドキしてしまって、もっと大好きになってしまいます。レイナーレさん……大好き」

「はうっ!? み、湊くん、そんな急に言われても……嬉しいけど…恥ずかしいよ……」

 

嬉しいけど恥ずかしいと言うレイナーレ。

そんなレイナーレに湊は笑いかける。

 

「レイナーレさん」

「何?」

 

呼ばれて顔を湊に向けるレイナーレ。

その時には既に湊の顔は彼女の目の前にあった。

 

「ん……」

「っ!?」

 

そして湊から唇にキスされ驚いてしまうレイナーレ。

普段どちらかと言えば彼女からキスをお願いするので、こうして湊からしてくれることは珍しい。だからなのか、驚くと共に嬉しくて心がふやけた。

そして唇を離すと、レイナーレの目は潤み顔は真っ赤に染まっている。

 

「まずは昨日のお返しです。でも、僕だってレイナーレさんともっとこうして一杯キスしたいんですから。だから今は………もっとレイナーレさんにキスします。愛してること、もっと一杯伝えたいですから。レイナーレさん……大好きですよ。愛してる……」

 

そう耳元で囁かれレイナーレの脳がとろける。

大好きな人に耳元で愛を情熱的に囁かれる。

それは一種の麻薬のように恋する少女を溺れさせる。

そこから始まったのはキスの乱舞。

湊はレイナーレ頬、額、首筋、うなじ、唇と様々な所にキスをしていく。

その感触に彼女は恥ずかしい事ながら嬌声を洩らしてしまう。もどかしくも快楽の伴った感触は彼女の身体を敏感にさせ、より快楽を感じ取ってしまう。キスだけでも正直、下着が大変なことになりかけていた。

そしてそれは湊にばれている。

 

「レイナーレさん、何やら少し湿ったような感触がする気がするんですけど、これは何かあったんですか?」

「は、恥ずかしい……湊君、虐めないで……」

 

顔を真っ赤にして息を途切れさせながら涙目でそう訴えるレイナーレ。

そんな彼女に湊はいつもと変わらぬ笑顔で答える。

 

「別に虐めてなんかいないですよ。ただ、レイナーレさんの気持ちよさそうな顔をもっと見たいだけです。可愛くてもっともっとみたいんですよ……レイナーレさんのその表情を」

 

そして彼女の唇を奪う湊。

レイナーレは抵抗する素振りも見せず、彼を受け入れた。

そして口内に侵入してくる柔らかくも熱い湊の舌。

その舌によって口の中を優しく蹂躙され、レイナーレは顔を真っ赤にしつつも感じてしまう。

 

「んぅ…ちゅ……ふぅ…ん…んん……ちゃぷ…」

 

彼女の耳には自分の口から出る卑猥な水音が聞こえ、それが更に羞恥を煽った。

だが、それ以上に心地良い快楽に満たされ、頭が幸福感で満たされる。

息が苦しくなるが、それでも彼の舌からの愛撫を感じたくて自分もぎこちないながらそれに応じて動かした。

そして少しして唇を湊が離すと、湊とレイナーレの唇の間に銀の橋が架かる。

それを見てレイナーレは顔を真っ赤にしつつ呟いた。

 

「あぅ~……何かエッチな感じ……」

 

そんな彼女を見て湊は嬉しそうに笑うと、彼女の顔に手を添えた。

 

「とっても可愛い顔をしてますよ、レイナーレさん。見てて凄くドキドキするくらい魅力的です。その顔がもっと見たい。だから……もっと愛しますね……レイナーレさん」

 

 

 

 その後レイナーレの記憶は此処で飛んだ。

翌日彼女が意識を取り戻した時に最初に目に入ったのは、土下座をする湊の姿だった。

尚、その後彼女はトイレにいって『確認』したが、損傷した形跡がないことが分かりホッとしたような残念なような、そんな複雑な思いを感じた。

そして彼女は想う。

 

(酔った湊君……いつも以上に大胆で、エッチだけど何かイイかも……偶にこっそりお酒とか仕込んでみようかな。それで酔った湊君に昨日みたいにキスして貰うのも………キャッ)

 

どうやら味を占めたらしい。

 

 

 


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