Infinite Stratos 学園都市最強は蒼空を翔る   作:パラベラム弾

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IS学園新聞部発行『月刊IS学園』特集号

IS学園新聞部発行

 

特集『噂の二人』取材シーンより一部抜粋

 

 

 

 

 

 

 

―――む? 一夏のことについて?

 

突然言われても……いえ、私はそういうのは……! そ、そもそもインタビューなんて慣れていないし、面白いことなんて言えないぞ!? ……な、なに? 音声を流すわけではない? 質問に答えればいいだけですか? ……それならそうと先に……。

 

ごほん。えーと……まずは、長所からですか?

 

ま、まぁ、その。やはり、優しいところ、でしょうか。あいつは昔から誰にでも分け隔てなく接しますから、礼儀を欠かない限りは例え喧嘩した相手だろうと例外ではありません。といっても、幼い頃はかなりやんちゃだったんですが。

 

次……は、今の印象ですか。

 

そう、ですね。男子だからというのもあるのでしょうが、根っからの負けず嫌いなので、努力家、といったところでしょうか。ISのことも、技術だけでなく知識もしっかりと吸収していますし、その熱意とひたむきさは昔と変わりませんね。…………ただ、もう少し他人の気持ちを汲めるようになれば良いとは思いますが。超鈍感、とでも付け加えておいて下さい。

 

……最後に一言?

 

改めて言うほどのことはないのですが……。はい? 一夏のことをどう思うか? それは、その、かっ、か、かっこ―――って何を言わせるんですか!! 終わり、終わりです!! 以上で取材は終わりですから帰ってください!! これ以上変なこと言うなら斬りますよ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――透夜さんについて、ですか?

 

ああ、新聞部の。そういうことでしたら構いませんわ。わたくしでよろしければ何でもお訊きになってくださいな。……とはいえ、あまり変なことを訊かれても答えられませんわよ?

 

……第一印象?

 

そうですわね……まず最初に感じたのは威圧感でした。まぁ、わたくしの態度が好ましくなかったこともあるのでしょうが、肉食獣を前にしているかのような錯覚を覚えましたわ。力を持っていながらそれを誇示せず、自らの圧倒的優位を確立したまま他者をあしらう……そんな感覚でした。

 

今は全然違う……というよりは、正反対ですわ。

 

どう表現したら良いのでしょうか……、なんというか、奪われたくないものを必死に守る子供のような……。あ、いえ、決して透夜さんが子供っぽいとか、そういうことではありませんわよ? ただ、雰囲気がどこか危うい感じもしますね。

 

好きなものですか?

 

コーヒーでしょうか。食後などに飲んでいるのをよく見かけますし。それと、お肉料理も結構な頻度で召し上がっていますわね。後は……味の濃いものでしょうか?

 

最後に一言?

 

……無茶だけはしないで下さいね。わたくし達を守ることが、貴方が傷付いて良い理由にはなり得ないのですから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――一夏のことについて?

 

別に構わないけど、手短にね? あたしも案外暇じゃないんだから。

 

まずは……性格かぁ。

 

熱血、一直線、直情的、楽天家。どれも当てはまるんじゃない? マイナスな面で言ったら、そうね……ちょっと考えなしに動くところがあるかも。今まではまあ、それでもなんとかやってこれたからいいんだけど……これからのことを考えると、もう少し熟考してから動くべきかもね。

 

得意なこと?

 

家事全般ね。料理洗濯掃除、そこらの女子よりスキル高いと思うわよ。……ま、あいつの家庭事情からすれば当然っちゃ当然なんでしょうけど……これはプライベートになるから教えないわよ。知りたきゃ一夏に直接訊いてみなさい。

 

苦手なこと……。

 

あんまり聞かないわね。ああ見えて飲み込みは早い方だから、教えれば大体のことは出来るようになるわ。今も透夜から色々レクチャーしてもらってるらしいけど、成長速度は結構なもんよ。負けず嫌いってのも関係してると思うけど。

 

最後に一言?

 

ま、あたしたちよりも強くなれるよう頑張んなさい。……守ってくれるんでしょ? あたしたちのこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――え? 一夏のこと?

 

はい、いいですよ。って言っても、僕が知ってることなんて皆も知ってることだと思いますけど。……え? 一時期同室だったシャルロットちゃんだから……って、わー! わー! そ、その話はなし! だめです! 忘れてください!!

 

うぅ……一夏の雰囲気?

 

えっと……なんていうか、太陽みたいな感じだね。いつも笑ってて、周りも笑顔にしちゃうし、一夏のそばにいると嫌なことも忘れられるんだ。でもほら、太陽って人間じゃあ動かしようがないでしょ? だから一夏をどうこうしようって思っても、あんまり効果がないんだよね……あはは、はぁ……。

 

あ、すいません。次は、周囲からの評価ですか?

 

他の人たちがどう思っているかは分からないですけど、嫌っているって話はあんまり聞かないですね。表面に出していないっていうだけで、もしかしたら疎ましく思っている人もいないとは言い切れないですけど……でも、一夏のことだからそういうことはあんまり気にしないんじゃないかな。

 

一夏の好物?

 

うーん、なんだろう。基本的に好き嫌いはしないし、どんなものでも美味しそうに食べるから、大体なんでも好きなんじゃないかな? あ、でも『やっぱり和食はいいな』って言ってたことがあるから、和食なんじゃないかな?

 

最後に一言?

 

えーっと……月並みな言葉になっちゃうけど―――いつもありがとう一夏。え、えへへ、なんだか恥ずかしいや。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――師匠についてか?

 

何故私がそんなことを教えなくてはならない? 知りたければ自分で情報を得るのが当然だろう。大体、こそこそと情報を集めて一体何を……ッ!? …………、まぁ、今回だけは特別だぞ。特別だぞ! ―――そのにやけ顔を止めろ貴様ぁ!!

 

フン! ……で、何を聞きたい? ……師匠のどこが良いか?

 

そうだな……あの卓越した操縦技術や戦闘能力は勿論だが、常に状況を俯瞰できるあの冷静さは素晴らしい。焦りは綻びを生み、その小さな綻びは大きな傷へと繋がるからな。そしてなにより、あの人の強さの根底にあるのは『揺らがない意思』だ。

 

織斑はよく誰かを守ると口にしているだろう? だが、師匠のそれは織斑の比ではない。己が持つ全てを擲ってでも私たちの盾となるだろう。……だが…………、いや。何でもない。

 

次はなんだ? 嫌いなもの?

 

菓子類やクリーム等の甘いもの全般だろうな。テーブルに乗っていても殆ど手をつけないし、コーヒーも必ずブラックだ。それと、物ではないが無駄なことを嫌う。意味のない行動、時間の浪費、成果のない仕事。まあ、誰でもそんなものだろう。私だってそうだ。

 

……最後に一言?

 

―――貴方は私に道を示してくれた。自らの望んだ道を進めと言った。故に私は貴方の側で、貴方の姿をこの眼に焼き付ける。私の、ラウラ・ボーデヴィッヒの人生に意味を与えてくれた貴方の姿を以て、私の進むべき道を探し求めようと思う。だから―――どうか、これからも私を導いてくれ。

 

……なに? ちょっと重すぎる? わけのわからんことを言うやつだ。とにかくこの写真は私のだからな……ふふっ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――え? 織斑くんと鈴科くんのこと、ですか?

 

構いませんけど……私もそこまで詳しく知っている訳ではないですから、教師としての立場からしか言えませんよ?

 

普段はどんな感じか、ですか?

 

そうですねぇ……鈴科くんはあまり自分から動くタイプではないので、授業中もそれ以外の時も、結構静かで大人しいですよ。一人に慣れているっていうか、あんまり人付き合いが得意ではないのかもしれませんね。ですから、オルコットさんやボーデヴィッヒさんたちと話しているときはちょっと安心します。

 

逆に織斑くんは、いろんなことに自分からチャレンジしていくタイプですね。その積極性は、教師から見ても大変好ましいと思いますよ。飲み込みも早いので、こちらとしても教え甲斐がありますね。周囲には常に人がいる感じで、どこでもムードメーカー的な役割を果たしています。

 

えぇっ!? お、弟にするならどちらが良いか、ですか!?

 

えぇぇぇ……!? でも、お、織斑くんはもう織斑先生がいますし、そうなると鈴科くん……? もし弟だったら、私のことをなんて呼んでくれるんでしょうか? ……お姉ちゃん、はないでしょうから……姉さん? 姉貴? はぅあぅあぅ……!!

 

―――なにをやっているか、馬鹿者。あまり教師を困らせるな。……なに? 丁度良かった?

 

……織斑と鈴科についてか? 私に訊いたところで、姉目線から答えはせんぞ。

 

織斑は……ISに関しては、素人に毛が生えた程度のレベルだろう。学業の方は並みだな。意欲はあるが、結果が出ているかどうかと訊かれたら……首を捻らざるを得んな。

 

鈴科は、そうだな。操縦技術は中々のものだ。戦闘というものもよく理解しているが、『ISでの戦闘』に関しては若干経験が足りていないか。だがまあ、アイツならその内克服するだろう。学業に関しては、授業態度以外はほぼ言うことなしだな。生徒として見るには一番厄介なタイプだ。

 

そら、質問は以上だ。さっさと帰れ。教師はお前たちと違って暇じゃないんだ。それとも私たちの代わりに仕事を片付けてくれるのか? ん?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――あら薫子ちゃん。生徒会に何かご用事?

 

え? 透夜くんと一夏くんについて? 私に取材? 珍しいわねぇ。それじゃ、二人のあーんなことやこーんなことをたっぷり教えてあげるわ♪

 

まずは……二人の恥ずかしい話? 変なことから聞くのねぇ……まあ、いいけど。

 

うーん……透夜くんはあんまりそういうの―――あ、あったわ。私と同室だったころの話なんだけどね? 透夜くんって、朝にすっごい弱いじゃない? だから、起き抜けとかは結構隙だらけなのよ。で、暇だったからなんとなーく観察してたら、透夜くんが寝惚けて洗面所の扉におでこぶつけちゃったの! その時の『おァ?』っていう声がまた面白かったのよー! いやー、あれはカメラに収めておくべきだったと後悔してるわ。

 

……え? 何? 後ろ?………………あ、あら透夜くん。ごきげんよ―――痛たたたたたたたたっ!? ちょ、薫子っ、待ちなさい!! 逃げるなぁ!! 待って透夜くん落ち着いて!! 誰かっ、誰か助けていやぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ネタ要員楯無さん。
と、セシリア嬢、11巻表紙おめでとうございます!
誕生日クリスマスイブだったのね……

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