ものすごくエロい人間だからこそわかることもあるのかもしれない 作:佐渡カラ君
「・・・俺、七海の事、大、、、」
岳は、息をのんだ。
「大っ嫌い。」
七海は、地面に向けていた顔を一気に上げた。
「勝手に告白しといて、俺はお前らに好きだって言わされただけなのに、お前はなんかエッチしようなんて言ってきてさ。いい迷惑だっつーの。だいたいお前はエロすぎるんだよ。そんな奴が俺にお似合いかって、だれが見ても分かるだろ。 この機会に言っておくけど、別れてくれる? っていうか、別れろ。」
「おい、ゆうき・・・ 」
「岳、残念だったな。俺は勇気を持って、七海の事嫌いだって言えるよ。2人でイチャイチャしてろ。」
「・・・お、おい!」
優輝は、階段を下りて行ってしまった。
「七海、大丈夫か?」
すでに、七海の体の下は、水で湿っていた。(まん汁ではない (笑))
「七海、まじで、大丈夫?」
「なんなの、あの人。」
「え?」
「勝手はどっちよ。告白したときに田島君が好きって言ったからそうなったんじゃん。」
「そーだよな。 」
「もう嫌だ。」
「・・・」
「岳、わたし帰る。」
「何?仮病?」
「・・・」
「無理すんなよ。」
七海は、その日は家に帰ってしまった。
ただ、岳が家に帰ると、携帯にラインが来ていた。
『わたし、今何のために生きてるんだろう。』
そのメッセージを見た岳は、すぐに返信した。
『みんなを楽しませるためだろ?』
『でも、私が楽しめてないもん。』
『とにかく、家来な。おやつで焼きそば作っておくから。』
『うん・・・』
続けて、七海はもう1通メッセージを送った。
『やっぱり、わたし、岳のこと大好き!』
そのあとすぐ、七海は、岳の家に向かった。
「お、七海、早かったな。」
「うん。 ・・・早く岳に会いたかったんだもん。」
「なんだそれ。 どーせ焼きそば食いたかっただけだろ。」
「それはそうだけど、本当だよ。」
「ふうん・・・ 何味がいい?」
「え、焼きそば?」
「もちろん。」
「うーん、今日は塩。」
「オッケー、作っとくよ。」
「あっりがとー!」
不自然にも見える七海の元気さだったが、これは本当の気持ちだったのかもしれない。
「そーいえばさあ、、、」
岳が料理をしていると、七海が話しかけてきた。
「岳って、なんで立校行こうと思ったの? 遠いじゃん。」
「うーん、やっぱなんとなーく東京がよかったんだよね。それに、立校は校則緩いし。埼玉はちょっと。んなこといったら七海は?」
「私はぁ、岳と一緒に行きたかったから、かな?」
「だったら、俺も、七海と早く一緒に行きたいなー、なんてね。」
七海は、ちょっと恥ずかしそうに笑いながら、もう1つ質問した。
「岳、立校毎日こっからいくの?」
「いや、親が、なんか引っ越せって。いろいろ、ストレスかかるからだって。」
「じゃあ、一人暮らし?」
「もちろん。」
「わたしどうしよっかなー。」
「一人暮らしすれば? 俺は、バイトもするつもりだけど。」
「でも、お母さん許してくれるかなぁ。」
「立校に行くことは許してくれてんの?」
「うん。好きな学校行きなさい、って。」
「話してみれば?七海の親、どっちもそういうの大丈夫なタイプだと思うけど。」
「あんた誰よ。」
「いや、なんか七海のお父さんとお母さんみてたら、そんな感じがする。」
「まあ、話してみるかぁ。 」
「水布江って、どこの高校行くの?」
「何、気になるの?」
「いや、気になりはしなくはないけど、べつにそういうのじゃないし。」
「うーん、普通に頭はよさそうだけど。」
「へぇ・・・」
「いい加減、下の名前で呼んであげれば? 美奈ちゃん、寂しがってるよ。」
「なんでだよ。」
「美奈ちゃんも、唯一仲良くしてくれてる男子、岳だから、仲良くなろうとしてるのに。」
「いや、別に呼んでもいいけど、、、呼ぶよ。」
「あ、言った。わたし、聞いてたからねぇ。」
「できたよ。 えーっと、何トッピングすればいいんだっけ?」
「今日は久しぶりに、何も載せないで食べてみる。」
二人は、ゆっくり、味わって焼きそばを食べた。
いやぁ、・・・何でもないです。