ものすごくエロい人間だからこそわかることもあるのかもしれない 作:佐渡カラ君
「イぇ~い! 渋谷! ってか東京!」
「どんだけはしゃいでんだよ」
「だって東京だよ。東京、東京だよ。」
「知ってるよ。」
「七海ちゃん、東京初めて?」
「家族で東京タワー行ったり、工場見学で何回か行ったことあると思うけど・・・、小さい頃だったと思うからあんまり覚えてない。」
「私も、幼稚園生のころに家族みんなで行ったっきりかな。ほら、そのあとお父さんが札幌に単身赴任しちゃったから…。」
「そっか・・・ 岳は?」
「俺、この前お姉ちゃん達と『東京サマーランド』ってとこ行った。」
「お姉ちゃんたち?」
「お姉ちゃんと、お姉ちゃんの友達・・・」
「なんでついていっちゃったの?」
「変態!」
「だって、しょうがないでしょ。ついて来いって言われて無理やり行かされたんだから。でも、そういうこと考えてなかったし、お姉ちゃんもさすがに気利かせて男の人1人連れてきてくれたけど。」
「美奈ちゃんは? あ、そっか。美奈ちゃん東京に住んでたんだもんね。」
「っていっても、西のほうだよ。小金井、ってところ。」
「へぇ~、でも、こっちのほうも来たことあるでしょ?」
「うん。何回か。」
「いいよね、東京。」
「そう? 自慢みたいになっちゃうけど、確かに東京は便利だけど、何回か、自然だらけの田舎に住んでみたい、って思ったこともあるよ。」
「そうだよね、自然もいいよね。」
「あ、ここじゃね?」
地図を見ながら、岳は遠くの建物を指さした。
「あ!本当だ!渋谷109!」
「さっきから思ってたんだけどさ、なんでお前がはしゃいでんの?」
「しょうがないじゃん。田舎もんが東京なんてきたら誰でもそうなるんだよ。」
「玲奈はなってないけど。」
「玲奈ちゃんはいつもクールなの。でも実は心の中ではすっごいはしゃいでるんだよ。 ね?」
「まあね。東京って、すごいよね。」
・・・せつめいおくれてすいません。
皆さんもうわかっているかもしれませんが、今日は玲奈、七海、美奈、岳の4人で東京めぐりをすることにした。
予定としては、渋谷109、なぜかわからないけど、目黒にあるおいしいと話題の『咿滋屋』(いじや)というかき氷屋さん、あと新宿伊勢丹、そして東京駅で買い物をして帰ることになっている。
(こんな多忙なスケジュール、ちゃんと予定通りに動けるのか?)
ということで、一番最初はすぐそこに見えている渋谷109に行った。
その中でも人気の洋服屋、CELEOに行くことにした。
「わ~、見てみて、これ、安いのにめっちゃ可愛いよぉ。」
「あ、これもいいぃ。」
「岳はどれにするの?」
「買うわけねえだろ。」
「もったいないよぉ。」
「買わねえって。買ってどうすんだよ。」
「じゃあ、七海ちゃんとおそろいの買えば?」
「は!? ってか、美奈は?」
「あ、ほんとだ。美奈ちゃん、どこだろ。」
「・・・あ、居た!」
「え?あれ、何してんの?」
すたすたと、七海は美奈のところへ向かった。
「何選んでんの?」
「これとこれ、どっちがいいかな?」
そこへ、気になったのか、岳と玲奈も来る。
美奈の手には、リアルなライオンが描かれたTシャツと、ヒョウ柄のTシャツがあった。
「え~と、うん、独特だね。」
「そうだね、その、なんというか、個性的?」
「そーいう、のも、いいよねえ。」
「でしょでしょ。ね、どっちがいいと思う?」
本当の言葉ではないよ・・・
3人で、一斉にどちらかに指をさした。
結果は、3人全員ライオンのほうだった。
「やっぱり?こっちだよね。」
よかった・・・
3人が、おそらく思ったであろう。その前に、美奈の趣味は大丈夫だろうか。
美奈を除いた3人は、(美奈は試着室に行った)先ほどの場所に戻った。
「ぁ、七海ちゃん、このワンピースよくない?」
「いい。似合いそうだね。」
「そういえばさ、玲奈の制服のスカートとか、私服のやつとか、全部短いよね。学校のやつやばくない?膝隠れないといけないんでしょ?」
「エロ男、そんなとこ見てたの?」
「見てねえよ。みえちゃったんだよ。」
「見てんじゃん。」
「そりゃ、ねぇ。」
「まいいや。私これにしようかな。」
「岳、何も買わないんだったら1つ玲奈ちゃんにおごってあげたら?」
「え!?」
「ありがと~、エロ男、いいとこあんじゃん。」
「まだ買うって言ってないけど。」
「じゃあねぇ、これにしようかな。このTシャツ。可愛いでしょ。」
「え、なんでもう買う前提で話してんの?」
「いいじゃん、そんくらい。ほら、これ買ってくれたら、玲奈ちゃんがキスしてくれるって。」
七海は少しからかうように言った。
「んんん、キスはしないけど買うよ。いくら?」
「1800円。」
「あ、そんなもん。」
「Tシャツだもん。 でも、キス1回の権利が1800円っていうのはね・・・」
「は!?そりゃこっちのセリフだろ。」
さっきから話を聞いていたかもしれない若い女性の店員さんが、クスッと笑った。
・・・恥ずかしい。
「七海ちゃんは、決まった?」
「うん。わたしこれ。」
「あ、可愛い。いいね。」
「じゃ、私たち、試着してくるから。」
「じゃぁね~」
そこへ、試着が終わった美奈が来た。
登場人物ファイル
水布江美奈(1) (後日、(2)を追加) 血液型:B型 4月6日生まれ
まだいろいろわかっていないことも多いが、趣味は独特で、ちょっと恥ずかしがり屋ということぐらいは分かっている。エロさはまだ明らかにされていないが、まあ、この小説に出てくるということは・・・
胸は小さめで、岳の見解だとAカップかBカップ。玲奈や七海に比べると貧乳なようだ。
本日も閲覧していただいてありがとうございました。