ラブライブ!〜1人の男の歩む道〜   作:シベ・リア

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昨日外伝投稿したばっかですが今日は本編を投稿します!

それではあんな終わり方でしたが今回はその続きです!





第50話「決着のとき」

 

 

 

 

 

 

 

「優勝は音ノ木坂学院スクールアイドル『μ’s』です!!」

 

「キャーーーーー!!」

観客が盛り上がる。

 

 

「やった………のか……おれたち………」ナオキは言った。

 

そしてみんなは見つめあった。

 

そして笑顔になり………

 

「よっしゃああああああああああああああ!!」

「「「「「「「「「やったーーーーーーーー!!!!」」」」」」」」」

 

 

 

みんな抱き合い、喜んだ。

 

 

 

「やったよ!やったんだ……私たち!!」穂乃果は言った。

 

「うん!この10人で結果を残せたんだね!」ことりは言った。

 

「はい!ほんとうに……優勝したんですね……」海未は言った。

 

「やったんですね!!ほんとうに!!」花陽は言った。

 

「やったにゃーー!!!

凛たち一番だにゃーーー!!!」凛は言った。

 

「はしゃぎすぎよ…もう……」真姫は言った。

 

「ついに…ラブライブ!で……

スクールアイドルの祭典で……ほんとうに……」にこは言った。

 

「もうにこっち涙でとるよ…」希は言った。

 

「そう言う希もじゃない……」絵里は言った。

 

「残せたんだ!おれたちの残せる最高の結果!!」ナオキは言った。

 

 

 

「μ’sのみなさん!こちらへどうぞ!」

 

「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

μ’sはステージ下へと移動した。

 

「ここで待機してください!

合図とともに上げます!」係員の人は言った。

「はい、わかりました!」ナオキは言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ステージでは……

 

「それでは皆様!円形のステージにご注目下さい!!

優勝チーム……『μ’s』の登場でーーす!!」

「キャーーーーー!!」

 

すると円形のステージが上がり、みんなは色とりどりのサイリウムが振られ、名前を呼ぶ声、歓声、拍手に感動した……

 

 

「それでは、優勝旗とトロフィーの授与に移りたいと思います!

代表者2名はこちらのステージへどうぞ!」

 

「だれが行く?」ナオキは言った。

「そんなの決まってるじゃない」絵里は言った。

「ナオキと穂乃果が行ってください!」海未は言った。

海未がそう言うとナオキと穂乃果以外が頷いた。

 

「よし、行こうか…穂乃果」

「うん!」

 

ナオキと穂乃果は後ろの方のステージへと進んだ。

 

2人が着くと同時に大きな歓声がわいた。

 

 

「それでは!優勝旗を渡してくれるのは……ラブライブ!運営委員会会長伊藤晋三さんです!」

 

するとステージ端から晋三が優勝旗を持って出てきた。

 

「そして……優勝トロフィーを渡してくれるのは………

前回王者、A-RISEだ!!!」

 

その名が告げられると歓声がわいた。

そしてステージ端からA-RISEが出てきた。

 

 

そして晋三とA-RISE、ナオキと穂乃果がむかいあった。

 

「まずは優勝トロフィーの授与です!A-RISEのみなさん、よろしくお願い致します!」

 

「「「はい!」」」

そしてA-RISEがツバサを先頭に穂乃果の前に出た。

 

「穂乃果さん、ナオキくん、優勝おめでとう!」ツバサは言った。

「「ありがとうございます!」」

「これが優勝トロフィーよ」あんじゅが言った。

「さ、受け取れ」英玲奈は言った。

 

そしてツバサは穂乃果に優勝トロフィーを渡した。

 

「ほんとうにおめでとう」

「はい!ありがとうございます!」

「あなたたちのライブはすごかったわ…流石だわ」

「ほ…ほんとうですか!?」

「ふふっ…だからこうやって優勝してるんじゃないの」

「あっ…そっか……あはははは……」

「ふふっ…あなたってほんとうに面白いわね……ではあらためて……

ほんとうに…おめでとう……」

「ありがとうございます……」

ツバサと穂乃果は握手した。

 

パチパチパチパチパチ………

 

 

「続いては優勝旗の授与です!

伊藤会長、よろしくお願い致します!」

「うむ」

晋三はナオキの前に出た。

 

「ナオキ、穂乃果さん、優勝おめでとう…」

「「ありがとう(ございます!)」」

 

「これが優勝旗だ……重いから気をつけろよ?」

「おじさん、おれをいくつだと思ってんだよ……」

「ふふ……そうだな……」

 

晋三はナオキに優勝旗を渡した。

 

「おっと……意外に重たかった…」

「ははは…だから言ったろ?

もう1曲準備して正解だっただろ?」

「うん…まさかアンコールがくるなんて…」

「μ’sならそんな予感がしたんだよ」

「おじさんってすごいな……」

「ははは……じゃ、あらためて…

ほんとうに優勝おめでとう……」

「ありがとう……」

晋三とナオキは握手した。

 

パチパチパチパチパチ………

 

 

「さ、穂乃果……やるぞ?」

 

「やる?」

 

穂乃果は最初わかってなさそうだったがわかったら笑顔で頷いた。

 

「いくぞ?」

「うん!」

 

「「せーの…………」」

 

そして穂乃果はトロフィーをナオキは旗をあげて観客席にむかって……

 

 

「「優勝だあああああああああああああああああ!!!!!!」」

 

他のメンバーは「おーー!」と言ってガッツポーズをしたり、

涙をうかべ笑いあったりしていた。

 

 

 

そして観客の人たちは大きな歓声と拍手をしてくれた……

 

 

 

「μ’sのみなさん、ありがとうございました!」

 

ナオキと穂乃果は円形のステージに戻った。

 

「会長もありがとうございました!」

 

晋三は舞台袖に戻った。

 

 

「さてここでなんと!!

前回王者A-RISEがライブを披露してくれます!!!」

 

「キャーーーーー!!」

 

「マジか!?」ナオキは言った。

 

みんな驚いたり喜んだりした。

 

 

そして円形のステージが下がって係員の人たちの大きな拍手でむかえられたμ’s……

 

 

 

 

一方ステージでは……

 

 

「それじゃあみんな!最後まで盛り上がっていこう!!」ツバサは言った。

「曲は前回の優勝したときの曲……」あんじゅは言った。

「みんな覚えてるよね?」英玲奈は言った。

 

 

 

「「「『Private Wars』」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてA-RISEのライブは終わった………

 

 

 

「これで第2回ラブライブ!を閉会します!!

また会う機会があればお会いしましょう!」

 

パチパチパチパチパチ………

 

 

 

そして第2回ラブライブ!はμ’sの圧倒的大差の優勝で幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「みんな!これが優勝旗!!」

「そしてこれがトロフィーだよ!!」

「「「「「「「「おぉーー!!」」」」」」」」

 

μ’sは控え室で優勝旗とトロフィーをみてあらためて感動した。

 

 

 

 

 

コンコンコン……

「はい!」

 

「失礼します!今から記念撮影を行いますがよろしいですか?」

入ってきたのは係員の人だった。

 

「お願いします!」

 

 

 

 

 

 

そして記念撮影をして、係員の人も出ていき、思わぬ人物が顔を出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よぉ、ジャーナ……μ’sのみなさん」

 

「ミツヒデ……」

 

「ふっ、まさか……お前に負けちまうとわな……」

「だから言ったじゃないか…

俺たちが勝つって…μ’sが勝つってさ」

「なんなんだよ……一体……」

「なにがだ?」

 

「なんなんだよ!!あれは!!

ウチの生徒や……いろんなやつらの心を動かした……

一体なんなんだよ!!!」

 

「大坂学園の生徒が?」

「あぁ……イズミたちが見に来てたんだよ……

ほんとうは……ナニワオトメが勝つはずだった……

なのに……なんでだ………」

「それは……μ’sのライブがその力を持っているっていうことだよ……」

「ふっ…そんなことあるわけ……」

「あるんだよ…実際そうだろ?」

「くっ……

おれは……ジャーナ……お前から全てを奪いたいんだよ……

お前を絶望させたい……

そのためならなんだってする……

おれの邪魔になるやつらを排除できるなら……」

「ミツヒデ…てめぇ!」

「実際おれは審査委員の数名を買収し、そしてネット中継でみてるおれ側のやつらは何回も投票できるようにした……」

「お前……そんなことしてたのか………」

「あぁ……だから言ったろ?

おれの邪魔になる存在になるやつを排除するためならなんだってする……」

「てめぇ!!!」

 

ナオキはミツヒデの胸ぐらを掴んだ。

 

「てめぇの勝手な理由で………

この大会を汚すんじゃねぇ!!!」

「おれは何でもする……今も……これからも……」

 

するとミツヒデはナオキが掴んでいた手を引き払った。

 

「!?お前なにを!?」

「なんでもするって言ったろ……

ならこれが手っ取り早い……」

 

ミツヒデの手にはハサミがあった。

そしてラブライブ!の優勝旗へむかった。

 

「や……やめろ!!ミツヒデ!!!」

「いややめない………おれは……お前を……」

 

「やめて!!!」

「邪魔すんな…そこをどけ!!」

 

そして優勝旗の前に立ちはだかったのは…

 

「いや、どかない!!どかないったらどかない!!」

「穂乃果!!!」

「穂乃果だけじゃありません!!」

 

穂乃果に続いて他のメンバーも優勝旗の前に立ちはだかった。

 

 

「みんな………」

「おれの邪魔な存在になるか……

だが……おれは女にはそう最初から厳しくはしない……」

 

「「「「「「「「「………」」」」」」」」」

 

「まさか………」

 

ミツヒデは穂乃果の手をつかんだ。

 

「さ、おれのものになれ………」

「いや!!」

「抵抗しても無駄だ……

この世は弱肉強食………

弱きものは強きものに屈するしかない………」

 

「穂乃果から手を離しなさい!!」

海未が怒鳴った。

 

「またお前か……

だがお前は嫌いじゃない……

さ、お前も……そこにいるお前たちもおれのものになれ……」

 

「なにをするのですか!!

あなたは最低です!!」

海未はミツヒデにビンタしようとした。

 

ガシッ!!

 

「なっ!?」

「いいビンタだな……」

「海未のビンタをとめた…だと……」

 

「さ、おれのものに………」

 

ミツヒデは海未に手を伸ばした。

 

「やめろ………」

「あ?」

「やめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろ………」

「やめない……それぐらいでやめると思うか?」

「ヤメロヤメロヤメロヤメロ……

やめろーーーーーーー!!!」

 

「っ…!?」

 

ナオキは……

これまでにないくらいに怒っていた。

 

 

「言ったよな………

おれの大切な人に手を出したら……

傷つけたら……許さないって……」

「言ったっけな?」

「ふざけんな!!!!殺すぞ!!!」

「っ…!?(なんだ…こいつのこのオーラは……この威圧感……)」

 

「離れろ……みんなから離れろ!!!ミツヒデ!!!!」

 

「ふっ…離れなかったら?」

 

ポキポキポキ……

 

「ただじゃすまさねぇーぞ!!!」

 

(おれは屈するのか……ジャーナに………おれは……おれは……)

 

 

「離れろって言ってんだよ!!!」

 

そしてミツヒデはみんなから離れた。

 

(ちっ……おれは……屈したのか……ジャーナに……)

 

 

「お兄ちゃん!!」

「「「「ミツヒデくん!!」」」」

「ミツヒデ!!」

 

「マチコ、ヤマト、ユキ、ミク、メグ、チンギスカン…」

 

「お兄ちゃん…もうやめよう……

もう終わったんだよ……」

「そうだよミツヒデくん…もう…負けたんだよ……」ユキは言った。

 

「なにを……なにを言ってんだお前ら!!

おれは…おれの邪魔となるこいつを!!完全に叩き潰す!!!

ただそれだけ!!

おれは……おれは!!!!」

 

ミツヒデは拳を振り上げナオキにむけた。

 

「「「「「「「「「ナオキーーーーー!!!!!(ナオキくーーーん!!!)」」」」」」」」」

 

(やばい……完全に油断してた……)

 

 

パシン!!

 

 

平手打ちの音が響く……

 

 

 

「マ……チ……コ……」

 

「私………私!!

今のお兄ちゃんなんて嫌い!!大っ嫌い!!!

昔のお兄ちゃんの方が……好きだった……

私……昔のお兄ちゃんが好きだったんだもん!!大好きだったもん!!」

 

マチコは泣きながら言った。

 

「マチコ………」

 

「昔のお兄ちゃんは……優しかった……でも………あんなことがあってお兄ちゃんは変わっちゃった…」

 

「あんなこと?それは一体……」

「ナオキ先輩…それは……」

「言うな!!これは命令だ!!言うな!!」

「ううん、言うもん!!

 

それは……私が小学校6年生、お兄ちゃんが中学校1年生のとき………」

 

マチコはミツヒデとマチコの過去について話し出した。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

私とお兄ちゃんは元から『香川』っていう名字ではなかったんです。

元は……『土岐』という名字で岐阜県に住んでいました。

 

お父さん……だった人が『土岐』という名字でしたのでそれで……

 

でも……その人は……とてもひどい人だった………

 

その人はお母さんに暴力ばかり奮っていた。

私とお兄ちゃんは震えてなにもできなかった。

ただ……お母さんが叩かれたりするのをみていただけ……

でもお母さんは決して私とお兄ちゃんを恨まなかった……

 

 

 

そしてお母さんはお父さんの日常的な暴力に耐えれなくなり、私とお兄ちゃんを連れて大阪に住むことにしたんです。

 

 

 

そしてあの日…………

 

 

ピンポーン……

 

「はーい………って……ウソ……」

 

お母さんはドアから来客者を覗いて驚いた……

だって来た客とは……

 

「おーい!いるんだろ?開けろーー!!」

 

それはお父さんだった……

 

 

そしてお父さんは無理やりドアをこじ開け……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お母さんを殺した………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お母さん……」

私はただただ後ろから見ているだけだった。

するとお兄ちゃんが……

「マチコ……警察に連絡しろ……」

「でも……」

「はやく…」

「うん……」

私は警察に連絡しました。

 

 

 

その時お兄ちゃんは……

「よくも……よくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくも!!!!!」

「おーミツヒデじゃないか……」

「だまれくそ親父……なんでお母さんを殺した……なんで!!」

「ふっ、うるせーよ……

お前も殺してやろうか……」

 

「うあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

 

「ぐはっ!?」

 

ドスドスドスドスドスドスドスドスドスドス…………

 

「よくも!!!よくも!!!!よくも!!!!!」

 

お兄ちゃんはお父さんをボコボコにした………

 

そして警察が来て、お父さんは逮捕され……

お母さんはもう手遅れ………

 

 

それから私とお兄ちゃんは大坂学園の寮で生活することになって…

お兄ちゃんは変わった………

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「そんなことが……」ナオキは言った。

「お兄ちゃん…どうして……

あの時まではずっと優しかったのに……」

 

 

「それは………わかるだろ……

お母さんは……弱いから殺された……弱いから強いお父さんに殺された………

弱いから……弱ければ殺される……

強ければ生きれる………

弱いものは強いものに屈するしかない!!

何度も言ってるだろ!!

だからおれは邪魔な存在………

弱いやつらを排除する!!!

それがおれが生きるため!!!

そのためならなんだってする!!!」

「お兄ちゃん………」

「だからマチコ……お前もおれに屈しとけばいいんだよ!!

みんな!!おれに屈しとけば」

 

「ミツヒデ…てめぇ……最低だ……

お前はマチコのことを考えたことはあるのか!!

マチコがどんな気持ちで今まで過ごしてきたか……

わかってんのか!!!」

「……そんなの……」

「それに、お前のお母さんだってよ……

弱いとか言うなよ……

おれは強いと思うぜ、お前のお母さん……」

「は?なに言ってんだ…

殺されたんだ!!弱いに決まってる!!」

 

「だから……お母さんは……

お前らを守って亡くなったんじゃないのか!!!」

 

「はっ!?」

 

「そうだろ……だからおれはお前のお母さんは強いと思う……

子供のために……

大切な人のために命をかけたんだ…

違うか?」

 

「そうだよお兄ちゃん……」

 

「黙れ!!黙れ黙れ黙れ黙れ!!

うっせー!!

お前らは……おれに逆らうのか!!

お前らもおれの邪魔な存在だ!!」

 

「ミツヒデ!!てめぇなぁ!!」

ナオキはミツヒデの胸ぐらを掴んだ。

「くっ…」

「マチコは……お前を怖がっていた……お前を恐れていたんだぞ!!

多分大坂学園の一部のやつらもきっとお前を恐れているかもしれない…」

「ふっ…それでいいんだよ……

それが弱肉強食だからな!!」

「おれは弱肉強食はお前と違う意味だと思ってる……」

「あ?弱肉強食の意味は一つだろ!それ以外なんてありゃしない……」

 

「ま、確かにそれは強いものが弱いものを食らうってとれる…だがな……その弱いものは……肉となって……そして強いもののエネルギーとなる……力となる……

おれはそう考えてる…違うか?」

「そんなの……ただの屁理屈だ……」

「それに……ヤマトさん、ユキさん、斉藤さん、佐藤さん、そしてチンギスカンは……

お前に付いて来ている気がする…」

「……恐れずか…」

「あぁ…少なくとも俺の目にはそうみえる……

確かにマチコはお前を恐れていた……

だが少なくともチンギスカンたちはお前を恐れず付いて来てる……

疑うなら直接聞いてみろ……」

 

 

「お前ら………ほんとうに……」

 

ミツヒデがチンギスカンたちの方をむくとチンギスカンたちは頷いた。

 

「ほらな……」

「はぁ………

でもそれでおれは変わらない……」

「…………そうか……」

「……と思ってたんだけどな……

おれは………間違ってたのかもな……」

「ミツヒデ………」

 

ナオキはミツヒデの胸ぐらを掴んでいた手の力を緩めた。

 

「ふっ」

「!?」

 

ドスッ!

 

「ぐはっ!?」

 

ミツヒデはナオキの腹を膝で蹴った。

 

「ふふふ……ははははははは!!

馬鹿め!!おれがそんなこと言うとでも?

こうなったら最終手段だ………

覚悟しろ………」

ミツヒデは足を振り上げた。

 

「やめてーーー!!!!」

絵里は叫んだ。

 

「くらえ!!!!」

 

ドスッ!!

 

「ガハッ!?」

 

ナオキは床に倒れ込んだ。

 

「うぜぇーんだよ……お前は……いつもいつも……

くっ………」

 

 

 

ミツヒデはハサミを構えた。

 

 

 

「!?お兄ちゃん!!!それは!!!」

 

「うるせぇ!!!おれの前から消えろ!!!ジャーナーー!!!」

 

ミツヒデはハサミの刃をナオキにむけ、振り下ろした。

 

 

「ナオキーーー!!!!」

絵里が叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふん!」

 

ナオキはミツヒデの手首を叩きハサミを払い、そして腕を掴んで床に叩きつけた。

 

「うっ……離せ!!!」

 

「お前はまだわかんねーのか!!!

お前は周りの人たちを力ずくで抑えようとした!!

だがな!!!心から付いて来てくれてる人もいるだろう!!!」

 

「うるせぇ!!おれは!!おれは!!!!!」

 

「だから!!!もうその腐った弱肉強食は捨てろ!!!

これ以上それを続ければお前を恨む人たちがでてくる……

それこそお前は殺されるぞ!!

お前は……マチコや……チンギスカンたちを悲しませたいのか!!!」

 

「そうだよお兄ちゃん!!

もうやめて……もう終わろうよ……こんなこと……」

 

「うるせぇ!!うるせぇ!!うるせぇ!!!!!

おれは……このままでいい!!

そうじゃなきゃ、おれは…おれは……」

「ほんなら……ほんなら!!

お前が昔のお前に戻れば喜ぶ人は何人いるんだ?

マチコだけじゃない……チンギスカンたちや……

亡くなったお母さんも喜ぶんじゃないのか?」

「!?昔のおれ………弱い……おれに?」

 

「違うよお兄ちゃん!!昔のお兄ちゃんは弱くない!!強かった!!」

「なにを言ってんだマチコ!!!

昔のおれは……弱い……

今の俺の方が強いんだよ!!!」

「違う!!!昔のお兄ちゃんは私がいじめられてた時助けてくれた!!

あの時だってお母さんがいない時私を守ってくれた!!

だから私は昔のお兄ちゃんの方が好き!!

優しくて、いつも遊んでくれて……

守ってくれる強いお兄ちゃんが好き!!!

今のお兄ちゃんは自分のことしか考えてなくて、優しい時もあるけどほんとうの優しさとは違う何かで……

それに……今のお兄ちゃんは弱いよ……」

「弱い……おれが……昔の方が……強かった……?」

 

「そう……お前が思ってる強さは権力の強さだ……

マチコの言ってるのは…『心の強さ』じゃないのか?」

「心の………強さ………」

 

「お前は……怯えてたんだろ?

力がなければ殺されると思って…

力が弱ければ死ぬしかないと思って……」

 

「!?

そうか………おれは……おれは………うっ……」

 

ミツヒデは涙を流した……

 

「「「「「「「!?」」」」」」」

 

「お兄ちゃんが…泣いた……」

 

「うっ……ぅぅ…………まん……

すまんかった………ジャーナ……

みんな………」

 

ナオキは力を抜いてミツヒデを起こして手を出した。

 

「ミツヒデ……」

「ジャーナ……」

「おれは……恨んでなかったが…お前は嫌い……だった……

でももういいんだ……」

「でもおれはお前に……」

「だからいいって!!

だからさ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

友達になろう………」

 

「!?………ジャーナ………あぁ………」

ミツヒデはナオキの手を握った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コンコンコン……

ガチャ……

 

「ナオキ……」

「おじさん……」

「ミツヒデくんを渡してくれるかな……」

「言われなくても私は行きますよ…

会長さん……」

「君がやったことは……わかってるかい?」

「はい………

審査委員の数名を買収したり不正行為をしました……」

「よろしい……なら付いてきなさい……」

「はい………

みんな……すまんな………

μ’sのみなさんも……すみませんでした……」

 

ミツヒデは晋三に連れられて出ていった。

 

 

「ミツヒデ………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ナオキ先輩……」

「マチコ………」

「その……ありがとうございました!

お兄ちゃんは……昔のお兄ちゃんに戻ったみたいです!あの目は……」

「そっか……」

 

 

「「ナオキくん……」」

「「「ジャーナ……」」」

 

「ヤマトさん、ユキさん、斉藤さん、佐藤さん、チンギスカン……」

 

 

 

「その……すまんかったな……」

「ヤマトさん……」

「その……μ’sのみんなにも…ナオキくんにも……ひどいこと言ったりしたな……すまんかったな…」

「いえ…もういいんです」

 

 

 

 

「その…ごめんね…」

「ユキさん……」

「ひどいことしたね……

でもミツヒデくんは…あれがほんとうのミツヒデくんなんだよ……

ありがとう……」

「え…いえ……」

 

 

「「ジャーナ……」」

「……斉藤さん……佐藤さん……」

「………許してとは言わないわ……

でも…あのときは……あんなこと言っちゃって……」

「それに……今までだって……いろいろとやっちゃってさ……」

「「ごめん……」」

「もういいよ……元クラスメイトじゃん……」

 

 

 

「ジャーナ……」

「チンギスカン………」

「…………」

「……………」

「……お前には謝っても謝りきれないな……

おれはお前を1番苦しめてしまったのかもしれない……友達と思ってなかったとか……いろいろと……だから……ごめん……」

「いいよ…もう………

だからさ……」

 

ナオキはチンギスカンに右手を出した。

 

「ジャーナ………」

「チンギスカン……仲直りしよう!

また……友達になろうや……」

「………あぁ……」

 

チンギスカンはナオキの手を取った。

 

 

「じゃ、私たちはお兄ちゃんに付いていきます……

私たちも共犯みたいなものですから……」

 

「あぁ……」

 

「あ、そうだ…

ジャーナ……μ’sのみなさん、優勝おめでとうございます!」

「「「「「おめでとうございます!」」」」」

 

「「「「「「「「「「ありがとうございます!」」」」」」」」」」

 

 

そしてナニワオトメとチンギスカンは出ていった。

 

 

 

「……みんな……騒がしくしてごめん……」ナオキは言った。

「ううん…ナオキくんは悪くないよ」穂乃果は言った。

「はい…それにナオキは私たちを守ってくれましたし」海未は言った。

「そうだね…かっこよかったよ!」ことりは言った。

「ナオキくんのあんな顔初めてみたにゃー」凛は言った。

「すごく頼もしかったです…」花陽は言った。

「ふん、男らしいところあるじゃない……」真姫は言った。

「少し怖かったけどね…ココロたちにはみせたくないわ……」にこは言った。

「あははは……でもかっこよかったやん、ナオキくん!」希は言った。

「ほんと……かっこよかったわ……

流石…私の恋人ね……」絵里は言った。

「な…なんだよみんな……照れるじゃんか……」ナオキは顔を赤くした。

「あー赤くなった赤くなったー!」穂乃果は言った。

「うるせー」

 

「でも…ナオキくん……」

「ん?」

 

「「「「「「「「「ありがとう!」」」」」」」」」

 

「………おれは……別に……なにも……」

 

「そんなことないわよ」

「絵里……」

 

絵里はナオキに抱きついた。

 

「ナオキは私たちを守ってくれた…

私たちのために立ち向かってくれた…

そして……あの人たちも……救ったの……」

「………あぁ……」

ナオキは絵里の頭をなでた。

 

 

 

 

そしてその日はみんな解散したのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのころ……

「ミツヒデくん……君のやったことは普通は許されるものではない…」

「はい、わかってます……」

「だが……それで優勝していたらもっと厳しい処分をするけど……

今回は買収された審査委員もお金を返却してきたし……

それに不正投票も行われなかった…」

「え!?」

「ふっ……今回の件は内密に……な」

「……はい!」

 

 

ミツヒデは厳しい処分を免れた。

これもμ’sのライブのおかげだろう…

 

μ’sのライブが買収された審査委員や

不正投票しようとした人たちの心に響いたのだ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」

ナオキは会場の入り口で1人、誰かを待っていた。

 

「シベ……」

「イズミ……」

 

そう大坂学園の部活仲間で、裏切った者の一人、イズミである。

 

「すまんな…待たして……久しぶり……」

「あぁ…久しぶり……」

 

そして沈黙が続いた。

 

 

「その…まずは優勝おめでとう……

μ’sのライブ…心に響いたよ……

だからおれは…おれたちはμ’sに投票した……」

「そうか……ありがとう……」

 

 

「シベ……

すまんかった!!」

「……イズミ……」

「おれは…ミツヒデと一緒に共謀してお前を…陥れた……だから……

ごめん!!!」

「…………ふふ……ふはははははは…」

「な…なに笑ってんだよ!」

「いや…イズミが頭下げるのんって初めてだなぁーって思ってさ」

「笑うとこかよ……」

「すまんすまん……で、イズミ……」

「なんや?」

「……もう1回友達になろうぜ」

 

ナオキは右手を出した。

 

「いいんか?」

「当たり前だ…」

「………あぁ……」

 

イズミはナオキの手を取った。

 

 

 

 

そして長い夜は終わったのである…………

 

 

 

 

 

次回へ続く……

 

 






はい、ということでいかがだったでしょうか!!
今回のタイトルの決着は、
ラブライブ!の決着とナオキの決着の両方の意味があります。
ミツヒデの意外すぎる過去に驚いた方もいたと思います。
おれも驚きましたw
←書いたやつ

明日は外伝を投稿します!


それでは感想などお待ちしてます!

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