ラブライブ!〜1人の男の歩む道〜   作:シベ・リア

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※内容を一部変更しました


第27話「危機」

「で、ナオキ…何買ったの?」

絵里はナオキの部屋で夜に何買ったか聞いた。

「あぁ……これだ」

ナオキが取り出したのは絵里が欲しがっていたゴーレムだ。

「これって……ありがとう!ナオキ!アハハ……かわいい!」

絵里は目をキラキラさせて言った。

「嬉しそうで何よりだ……」

ナオキは言った。

絵里はゴーレムにほっぺをスリスリしていた。

 

 

 

だがこのとき、ナオキはまだ知らなかった…

 

 

生徒会であんなことが起きていたなんて

 

 

 

「みんな、昨日はお疲れ様!」

「お疲れ様でしたー」

μ'sは部室で話していた。

「大成功したみたいでよかったね!」

ことりが言った。

「そうですね」

海未が言った。

「よかったね!穂乃果ちゃん!」

凛がそう言って穂乃果の方をむくと穂乃果は落ち込んでいた。

「ど…どうしたの?穂乃果ちゃん?」

花陽はでかいおにぎりを食べながら言った。

「具合でも悪いん?」

希が言った。

「うう………体重が増えたんだよー!!」

「えーーーー!!!」

みんなが叫んだ。

「これはダイエットですね……」

海未が言った。

「そんなー……」

「んー……おにぎり美味しい」

「ねぇ……かよちん……」

「どうしたの?凛ちゃん?」

「まさかとは思うけど………」

「ん?」

「かよちん!ちょっと来て!」

「凛ちゃん!?」

「どうしたんだ?」

ナオキは不思議に思っていた。

 

 

「きゃーーーー」

花陽の叫び声が聞こえた。

「!?どうした!?」

ナオキは立ち上がった。

「多分……花陽も………」

絵里は言った。

「…………なるほど………」

ナオキも状況を理解したようだ。

 

 

「ナオキくん!」

フミコが部室に飛び込んできた。

「どうした!?フミコ……そんなに慌てて…」

「それが……書道部の予算が承認されたみたい……」

「なんだと!?」

「そんな!?」

「なんで!?」

ナオキと海未と真姫が言った。

「予算は予算会議前には通らないはず……」

「ナオキくん、理由わかる?」

絵里と希は言った。

「いや……とりあえず真姫!マチコを呼んできてくれ!」「わかった!」

「すまん、しばらくあける!」

「えぇ……」

そう言うとナオキと海未とフミコは生徒会室に、真姫はマチコを探しに行った。

「あれ?ナオキくんたちは?」

凛が言った。

「ちょっとしたトラブルでね…とりあえず……」

「穂乃果ちゃんと花陽ちゃんはダイエットやでー……サボったらわしわしMAXやでー」

「はい………」

絵里と希がそう言うと穂乃果と花陽は声を合わせて返事をした。

 

 

 

 

生徒会室……

「……という事案が発生した、誰か知らないか?」

ナオキが言った。

「私はなにも……」

「海未に同じ…」

「私も……」

海未と真姫とフミコは言った。

「マチコは?」

「わ…私も……です……」

「そっかー……とりあえず書道部に行ってくる」

「私もお供します!」

ナオキと海未は書道部へむかった。

 

 

(ごめんなさい……ナオキ先輩…)

「マチコちゃん?どうかしたの?」

「え……うううん…なんでもないよ…」

「ならいいけど…」

(ごめんね真姫ちゃん)

 

 

 

書道部……

「本当にごめん!!」

「すみません!!」

ナオキと海未は書道部の部長高橋筆子に頭を下げていた。

「そう……だったの……頭を上げて?ね?」

筆子は言った。

「あ…あぁ……」

「ナオキ……」

海未はまだ下を向くナオキを心配した。

「次の予算会議で結論を出す!だから……この承認は取り消して欲しいんだ……」

「うん…私も不思議に思ってたの……予算会議前なのになんでだろう?って……」

「生徒会のミスだったんだ……本当に…申し訳ない……」「ナオキくんが全部背負う必要なんてないよ……」

「そうですよ…ナオキ…」

「あぁ………」

「わかった!他でもないナオキくんの頼みだもの!待つわ」

「高橋さん……ありがとう!」

「ありがとうございます!」

ナオキと海未は頭を下げた。

 

 

 

生徒会室……

「……てことで一旦取り消してもらうことになった」

「あとは予算会議で結論を出すということですが……」「これはなかなか問題よ……」

ナオキと海未とフミコは言った。

「私たちも頑張るわ…ね、マチコちゃん」

「うん………」

「マチコちゃん?」

「どうしたんだ?マチコ……元気なさそうだけど……」「そ…そうですか?私は全然大丈夫ですよ!」

「ならいいけど…とりあえず、すべての部の予算表はここにある……多分おれは……役に立てない……」

「ナオキくん…数学苦手だもんねー……」

ナオキとフミコは言った。

「真姫、マチコ…どうぞ…」

「ありがとう…」

「ありがとうございます…」

海未は真姫とマチコに予算表を渡した。

「で…予算をどうやって割り振るかだな……」

「そうだねー……」

「でも来年は生徒が増えると思いますし、合計予算額からかんがえると後期の予算は各部の希望額にはとどけることができないかと……」

「計算…してみたんだけどやっぱり希望額には無理ね……」

「そうだね……(私の計算能力使ったらこんな問題すぐできる……でも……)」

「希望額にはとどかないなら…各部の何割か確保できる?」

「なるほど!」

ナオキがそう言うと真姫は電卓をたたきはじめた。

「ま……真姫ちゃん…すごい……」

「ハラショー……」

「おぉ…」

フミコとナオキと海未は驚いた。

(それじゃダメだよ…)マチコはそう思っていた。

「ダメ……」

「そうか……とりあえず、みんな今日は帰ろう…明日の放課後残ってくれ」

「はい!」

「海未と真姫は先に帰ってくれ…おれは行くとこがあるから」

「わかりました」

(ナオキ先輩………)

 

 

職員室前……

「あ、先生…少しお話が……」

「どうした?」

「昨日…生徒会室の鍵だれかとりにきましたか?」

「あぁ……たしか……マチコだな……」

「マチコが?」

「あぁ……集まった予算表を置くからって」

「そうですか……ありがとうございます……」

ナオキは歩いていった。

「犯人はマチコしかいないか……でも……なんで……」

 

 

マチコ宅……

「もしもしお兄ちゃん……うまくいってるよ……」

「そうか…よくやったな…」

「でも…ナオキ先輩犯人探ししてるみたいだよ」

「そうか……ま、頑張ってくれ…妹よ…」

「はい……」

 

ツーツーツー………

「みんな……ごめんなさい……」

マチコは夜空を見上げて言った。

 

 

ナオキ宅………

「マチコ………なんで……」

 

プルルルルル……プルルルルル……

「絵里か……もしもし?」

「もしもしナオキ、どう?」

「あぁ……結構厳しいな………」

「そう……頑張って……としか言えないわね……」

「ありがとう……穂乃果と花陽は?」

「ちゃんとしてるわよ」

「そうか……明日も頼んどくわ」

「わかった」

「それじゃ…おやすみ……」

「おやすみナオキ……」

「…………問題が一気に2つ………」

 

 

 

翌日……

生徒会室………

「ちょっと話がある……犯人がわかったかもしれない……」

ナオキが言った。

「えっ!?」

「ほんと!?」

「誰?」

海未とフミコと真姫は言った。

 

マチコは唾をのんだ。

 

 

 

「…………一昨日、生徒会室の鍵を借りに行ったのは………マチコ…お前だけだ……」

 

 

「えっ!?」

「マチコ…ちゃん?」

ナオキの言葉に海未とフミコは驚いた。

「マチコ……お前……なのか?」

「そ……それは………」

ナオキはマチコに言った。

 

しばらく沈黙になった。

 

 

それを解いたのは…真姫だった。

「何言ってるのよ!!」

「真姫……ちゃん……」

「だがな……鍵を借りに行ったのは……」

「だから何よ!マチコちゃんって決まった訳じゃない!!マチコちゃんは鍵を借りに行っただけで……そうだわ!鍵を開けてトイレに行っている間に誰かが入ったんだわ!」「誰が?」

「それは……しょ…書道部の部長の高橋先輩よ!あの人しかいないわよ!そうなのよ!そうなのよね?マチコちゃん!このバカに言ってやって!マチコちゃんはやってないって!!」

真姫は叫んだ…これまでにないくらい……真姫の目からは涙がこぼれていた。

「真姫……少し落ち着きなさい……」

「そうよ真姫ちゃん…」

「なによ!!海未も…フミコさんも…マチコちゃんが犯人だって言うの!?」

「そういう訳では……」

海未は言った。

「おれはマチコと思うな……」

ナオキは言った。

「ナオキ!?」

海未は言った。

「あなた……なに言ってるのよ!!なんでマチコちゃんだって決めつけるのよ!高橋先輩かもしれないでしょ!!」「残念ながら…それはない……」

「どうして……」

「それはな…高橋さんもライブに来てたからだ…」

「はっ……」

「それはおれが確認している……」

「そ……それなら…他の誰かが!他の誰かが!」

「もういいの…真姫ちゃん……」

マチコが言った。

「マチコ……ちゃん?」

「もういいの……もう…」

「なに言ってるの?マチコちゃんはやってない!そうなんでしょ?このバカが勝手に言ってるだけよ!ナオキがマチコちゃんを陥れようと……」

「真姫!!」

海未は立ち上がった。

「う…海未……」

「真姫ならわかるでしょう…ナオキが…そんなことする人ではないと!!」

「それは………そうだけど……でも!!」

「真姫ちゃんやめて!!……もういいの!!」

マチコが叫んだ。

「マチコ……ちゃん?」

「ナオキ先輩は悪くない……悪いのは……私なの……」「何言ってるの?マチコちゃん……」

「そのままの意味……だよ……わ…私がっ……やったの……」

「え………」

「ウソじゃないの!!ナオキ先輩、園田先輩、フミコ先輩、真姫ちゃん……全部話します……」

「マチコ……なんでこんなことを……ただのミスだよな?わざとじゃないよな?間違って入れただけだよな?おれはわざとではないと信じてる……」

「そ……そうね……ミ…ミス…なら……仕方ないわよ……正直……に……言えば…よかったのに……」

真姫は涙をこらえるように言った。

「いいえ……わざとです……」

「………え?」

ナオキとフミコと海未と真姫は声を合わせて言った。

「わざと……だと……なんで……なんでだマチコ!!」「ナオキ、落ち着いて……」

海未が言った。

「すまん……なんでなんだ?理由を聞かせてくれ……」

ナオキは深呼吸して言った。

「はい……兄から命令されました」

「マチコのお兄さんから?」

ナオキは言った。

「はい」

「なんでマチコのお兄様が?」

海未が言った。

「私の兄は……ある学校で生徒会長をしています……」

「それが…なんで?」フミコが言った。

「ある学校とは………『大坂学園』、ナオキ先輩が前にいた学校です」

「なっ!!まさか……マチコ……お前……ミツヒデの……」

 

 

「はい……ミツヒデが……香川ミツヒデが私の兄です……」

 

「たしかその人はナオキを陥れた……まさか……」

海未は気づいた。

「はい……私はあの日……兄に電話で命令されました。『予算表を承認ボックスに入れてそれが問題になればまたあいつは居場所を失うだろうからやれ』と……私は断ろうとしました……でも……兄は怖いんです……逆らえば……何をされるか……」

「なによ……それ……」

フミコは言った。

「それが私の兄なんです……それが香川ミツヒデという男なんです……兄はずっとナオキ先輩のことが嫌いで……私はそれを近くで聞いていました……でも……止められなかった……そしてこんなことまでしてしまって……」

「そっか……だからマチコは名字を名乗ろうとしなかったのか…おれと同じく……」

「はい……」

「マチコちゃん……」

「真姫ちゃん……」

「マチコちゃんは悪くないじゃない……悪いのはそのお兄さんじゃない……ね?」

「ごめん……真姫ちゃん………」

「なんで謝るのよ……なんで……」

「兄が考えたのを私は実行した……実行犯なのよ……私も悪いの……」

マチコの目からあふれる涙……真姫からも……

「なぁ……マチコ……お前は…どうしたい?」

「どうしたい……ってどういうことですか?」

「自分の犯した罪を償うか否か……」

「もちろん……償います!私の計算能力を使えばこんな問題……すぐに解決できます!」

「なら、やってみな……」

「はい!!」

マチコは涙を拭いて机にむかった。

(これが私がここでできる最後の仕事……お兄ちゃんのことだ……きっと私は大阪に帰ることになる……なら!!)

「す……すごい……」

「あの計算速度…すごいです…」

「しかも電卓を使ってない…」

「マチコちゃん……」

「できました……書道部だけ少し多めにしたら完璧です……どうぞ…」

ナオキはチェックした。

「これは………書道部以外は予算がぴったり……」

「マチコちゃん…すごい……」

真姫は言った。

 

 

「あと……私……大阪に帰ります……」

マチコの突然の言葉に一同が唖然とした。

 

「マチコ……なにもそこまでしなくても……」

海未が言った。

「いいえ……私の兄のことなら…私に帰ってこいと命令するでしょう……」

「……間違いない…あのミツヒデならしかねんな……」

ナオキは言った。

「でも兄が私を帰ってこさせる一番の理由は……」

マチコは一瞬ためらった。

「それは……私は大坂学園スクールアイドル『ナニワオトメ』のリーダーだからです……」

みんなが驚いた。

「ウソ……だろ……」

「そんな……」

「マチコちゃんがスクールアイドルで…しかもリーダー?」

「なんで?マチコちゃんはまだ1年生じゃない……それってミツヒデって人の妹だから?」

ナオキと海未とフミコと真姫は言った。

「それもあるけど……私……みんなよりすごいから……どんな先輩よりも……ダンスや歌が上手だから」

「そう……なの……」

「ごめんね…真姫ちゃん……みなさん……私、皆さんをずっと騙して来たんです……でも……でも……嫌だった……辛かった………だって……みんな……優しいんだもん……こんなみんなを騙すなんて嫌だった……心が痛かった……」

マチコは涙を流しながら言った。

「マチコちゃん……」

「真姫ちゃん……ごめんね……親友……だったのに……」「ううん……これからもずっと……ずっ………と……親友……なんだから……」

「うん……」

真姫とマチコは抱き合って泣いた。

「ちょっと……でてくる……」

「ナオキ……」

 

 

廊下……

プルルルルル……プルルルルル……

「おやおや……君から電話なんて珍しいね……」

「ミツヒデ……てめぇ……」

「どうしたんだい?……あぁ……マチコのことバレちゃったか…」

「てめぇ……変わってねーな……自分の妹だろ!!!なんで……なんであんなことさせた!!」

「マチコが望んだことだ」

「いいや!マチコはそんなこと望んでない!!本人の口から聞いた!!」

「ほほう……そうかい……なら…マチコがおれの『ナニワオトメ』のリーダーだってことも?」

「あぁ……聞いたよ……」

「まぁいいさ……マチコにはこっちに帰ってきてもらう」「ミツヒデ……てめぇは……おれの仲間を傷つけた……マチコと親友の仲のおれの大切な仲間を……なにより……マチコ自身を!」

「ハハハ……ジャーナは変わらないな……人思いで……」「お前とは真逆だよ…」

「フフフ……違いない……」

「もう切るぞ……おれはてめぇを絶対許さないからな……」

「おー怖い怖い……ではな……」

ツーツーツー……

「くそっ……くそっ……くそっ!!!」

ナオキは壁を思いっきり叩いた。

 

 

 

生徒会室……

「落ち着いたか?」

「はい…」

「えぇ……」

マチコと真姫は言った。

「さっき……兄からメールがありました……戻ってこいと……」

「そんな………」

真姫は言った。

「ごめんね…真姫ちゃん……でも楽しかった……真姫ちゃんと過ごした日々……皆さんと過ごした日々……この音ノ木坂学院で過ごした日々は」

マチコは笑顔で言った。

だが涙が流れていた。

マチコは真姫との日々を思い出していた。

 

 

真姫とマチコはある日日直で一緒になった……

「西木野さんってμ'sの作曲してるんだよね!」

「うん…」

「またなにか聞かせて欲しいな!」

「しょうがないわねー」

2人はこの会話から仲良くなった。

 

そしてしばらくして2人が生徒会に選ばれた。

「やったー!西木野さんと一緒だね!」

「うん!」

「しかも同じ役職!」

「そうだね……」

そして仕事をしているうちに2人は親友になっていった。

 

「ねえ…私達名前で呼び合わない?マチコちゃん……」「う…うん!真姫ちゃん!!」

2人は数学は100点、学年の1.2を争う仲だった。

真姫は良きライバルであり、なにより……親友だった。

かけがえのない存在だった。

 

 

 

それを思い出してさらに涙があふれてきていた。

「マチコ……また会えるさ……ラブライブ!の本戦…全国大会で…」

ナオキはマチコの頭に手を置いて言った。

「はい……必ず……勝ち上がってきます……だからμ'sも……」

「あぁ!」

「もちろんです!」

「えぇ……」

ナオキと海未と真姫は言った。

そしてその日は解散となった。

ナオキは真姫とマチコを一緒に帰らせた。

 

「真姫ちゃん……本当にありがとう……」

「私こそ……」

「私……絶対…勝ち上がってくるから!真姫ちゃんも頑張ってね!」

「えぇ…当たり前よ!」

2人は笑ったがその笑い声は次第に泣き声に変わっていったのだった……

「真姫ちゃん……やだよぉ……」

「私もよ……マチコちゃん……」

「いつか会えるとわかってる……」

「わかってるけど……でも…」

2人は抱き合って泣いた。大声で泣いた。

 

少し冬に近づいてきた秋の夕日のもとで……

 

 

 

帰り道……

「そうだったの……マチコちゃんが……」

「あぁ……おれは……ミツヒデを……絶対許さない……」

「ナオキって本当に人思いなんだから……そこが好き…人のために泣いて、人のために笑って、人のために怒って……昔からそうだったわね……」

「そう…か……」

「好きよ………だーいすき!」

絵里はナオキにくっついた。

「あぁ……おれも絵里のこと大好きだ……愛してる……」

 

 

 

 

翌日……

1年生教室……

(マチコちゃんは大坂学園に帰って行った。

私は1日中外をみていた。

昨日も練習も休んだ……

穂乃果と花陽のダイエットは成功した、予算もマチコちゃんの案を通した。

だけど………

マチコちゃんは音ノ木にいない…

会いたい…いますぐ会いたい……)

「まーきちゃん!!」

「わっ!なによ…凛…それに花陽……私は練習休むって…」

「真姫ちゃん……元気なさそうだから…心配で…」

「なっ……なによ……別に落ち込んでなんか…」真姫は顔をあかくした。

「わかるよ真姫ちゃん……マチコちゃんとは仲良かったもんね……」

「そう…だよね……凛たちよりも…」

真姫は花陽と凛の頭にチョップした。

「もう!2人とも…何言ってるのよ!」

「真姫ちゃん?」

「真姫ちゃん…」

「し…親友は…その……マチコちゃんだけじゃないんだから……大切な友達は……マチコちゃんだけじゃないんだから……花陽と凛も……その……私にとっては……親友よ…大切な……友達……なんだから……///」

真姫は顔をあかくして言った。

「真姫ちゃん………」

「真姫ちゃん……大好きにゃーーー!!」

凛は真姫に抱きついた。

「もう……なによー……ふふっ……」

「ハハハ…アハハハ…」

3人は笑った。

 

 

「ふっ……真姫はもう大丈夫かな……」

ナオキは1年生の教室の外で言った。

(マチコちゃん……私……大丈夫だよ!マチコちゃんも頑張って!)

真姫はそう思ったのだった。

 

 

 

大坂学園……

「ただいま帰りました……お兄ちゃん……」

「マチコ…おかえり……さ、着替えなさい…練習しよう」

「はい……(真姫ちゃん…私…頑張るから……でも……やっぱりお兄ちゃんは怖いよ……)」

 

 

 

次回へ続く


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