朝……
「楽しみで全然寝れなかった……」
ナオキは昨夜楽しみすぎて寝付けなかったのだ。
「顔洗おう………」
ナオキは洗面所へむかった。
「寝癖やば」
ナオキの頭は……爆発していた。
ナオキは着替えなどを済まし、絵里の部屋へむかう。
絢瀬宅…
リビング……
「うーん……服に迷っててなかなか寝れなかったわ……楽しみだったっていうのもあるけどね……」
絵里もナオキと同じようだった。
「おねぇちゃん、大丈夫?」
亜里沙は言った。
「大丈夫よ。さ、準備しないとね」
絵里は自分の部屋にむかった。
ピンホーン……
「はーい!あ、ナオキさん!」
「よぉ、亜里沙ちゃん!絵里は?」
「おねぇちゃんは部屋にいますよー!あがって下さい!」
「お邪魔しまーす」
ナオキはあがり、絵里の部屋にむかった。
「絵里ー、むかえにきたぞー」
ナオキは絵里部屋の前で言った。
「まって!まだ!入らないで!リビングで待ってて!」
絵里は慌ててるように言った。
「わかった……」
ナオキはリビングへとむかった。
「これどうぞ!」
「ありがとう亜里沙ちゃん……っておでん?」
亜里沙はナオキにおでんの缶を出した。
「これ前に海未さんにもあげたんです!でも飲み物じゃないっておねぇちゃんに言われました…」
「じゃあなんでおれに出すの…」
「ナオキさんなら大丈夫かと!」
亜里沙は目をキラキラさせながら言った。
(……恐ろしい子……)
ナオキは思った。
「お茶どうぞ!そういえばナオキさん!」
「どうしたんだ?」
ナオキはお茶を飲んだ。
「ナオキさんって私のおにぃちゃんになるんですか?」
ナオキは咳き込んだ。
「だ、誰がそんなことを!」
「パパが言ってましたよ」
「(お父さんか……)ま、まぁ……だけど絵里には内緒な……」
「はい!」
「お待たせー」
絵里がリビングへ来た。
ナオキは絵里をじっと見つめた。
「な……なによ…////」絵里は顔をあかくした。
「いや…その……似合ってるなって…綺麗だし……かわいいよ////」
ナオキは顔をあかくして言った。
「あ…ありがと……さ、行きましょ!」
「あぁ!」
「2人とも!いってらっしゃい!」
「いってきます!」
ナオキと絵里は声を合わせて言った。
「楽しみね……」
「あぁ……」
そして2人は腕を組んでショッピングモールへむかった。
「あ、行きましたよ……」
「絵里ちゃんって結構甘えん坊さんだね…」
「そうだね……」
「さ、行くわよ…」
その後ろから海未・ことり・穂乃果・真姫がつけていた。
ショッピングモール……
「着いたわねー」
「でっけーなー」
「さ、まずはナオキの服を買いに行くわよ!」
「おれの?」
「ナオキファッションセンスなさすぎよ!私が選んであげるわ!」
「あ…ありがとう…」
服屋さん『ミント』
「んーこれでもないわねー……」
絵里は真剣な表情で服を選んでいた。
「(服選ぶのってこんなに時間がかかるのか……)絵里まだー?」
「もう!子供じゃないんだから待ちなさい!」
「はい……」
「んーこれね!さぁナオキ、この服試着してきて!」
「はーい」
ナオキは試着室へとむかった。
1分後……
「どうだ?」
「んー……ちょっと違うわねー……」
「違うのか……」
「お客様、こちらなどどうでしょうか?」
絵里が考えていると店員さんが声をかけてきた。
名札には内田と書かれている。
「あ、確かに!えっと……ありがとうございます!内田さん!」
「いえいえ」
「さ、ナオキ!これ着て!」
「はーい……(服選ぶのって大変なのか……?)」
1分後……
「これでどうだ?」
「うん!かっこいいわよ!内田さん、このままお会計お願いします」
「かしこまりましたー」すると内田さんは服に付いていた札をはずして会計した。
「悪いな絵里、服買わせちゃって…」
「いいのよこれくらい」
「ありがとうございましたー」
「さ、ナオキの服も買ったし、どこ行こっか?」
「うーん……絵里は行きたいとこあるのか?」
「あるわよ!」
「じゃ、そこに行こう!」
「いっぱいあるわよ?」
「時間はまだまだあるし大丈夫じゃね?」
「それなら行きましょ!」
絵里はナオキにひっついた。
「絵里ちゃん楽しんでる……」
「本当の目的を忘れてるのでは?」
「むしろナオキくんとのデートが目的なんじゃ…」
「むー……」
穂乃果・海未・ことり・真姫は小声で言った。
ライブの日……
控え室……
「絵里、ちょっといい?」
真姫が絵里に話しかけた。
「どうしたの真姫?それに穂乃果と海未とことりも」
「実はね…ナオキくんのことなんだけど……」
ことりが言った。
「ナオキがどうかしたの?」
「ナオキがなぜ名字を使っていないのか心当たりはありますか?」
海未は言った。
「実は私も気になってたのよ…」
「絵里ちゃんも?」
「えぇ……」
「気になるわね……」
「そうだ!絵里ちゃん、ナオキくんとデートして聞き出してよ!」
穂乃果が言った。
「デ……デート!?」
「そうね…絵里とナオキは付き合ってるんだからいいんじゃない?」
「お願いします…絵里」
「絵里ちゃん!」
「わかったわ…なら明日にするわ」
そして現在……
「ま、大丈夫でしょ、絵里だから」
真姫は言った。
「ねぇねぇ、あそこにいるのって……」
みんな穂乃果が指さした方向を見た。
「あれは……にこちゃん?あと希ちゃんと花陽ちゃんに凛ちゃん!?」
「にゃ?あ!ことりちゃんだ!あと穂乃果ちゃんに海未ちゃんに真姫ちゃんもいるにゃ!」
凛は後ろを見ていった。
「あらー…みんな揃っちゃったんやね…」
希は言った。
「絵里ちゃんたち行っちゃうよ…」
花陽は言った。
「はやく行くわよ!」
にこは言った。
女性ファッション店『ウーマン』
「ナオキどっちがいい?」
「おれが選ぶのか!?」
「いいからいいからー」
「んー………どっちも似合うと思うけどなー、絵里スタイルいいし、可愛いし……」
「もう……選んでよー」
絵里は顔を膨らました。
「(かわいい……)わかったよ……あ、でもこっちが1番似合うんじゃないかな?」
「ほんと?ならこっちにするわ!」
「ほんとにいいのか?おれが選んだやつで…」
「ナオキが言うんだからいいのよ!」
「ありがとうございましたー」
「あ、絵里おれが持つよ!」
「あ…ありがと……」
2時間後……
アクセサリー屋さん『ダイヤモンド・クラフト』
「おー綺麗だなー……」
「でしょー…あ、これとかどう?」
「おー!ハラショー!これと組み合わせたりとかどうだ?」
「いいわねーハラショー!」
2人はアクセサリーのことで盛り上がった。
「ねぇナオキ!また2人でアクセサリーを作りましょ!」「いいねー」
「私、これ買ってくる!」
絵里はレジへむかった。
「ん?『指輪作ります』か……」
ナオキはその広告の方へむかった。
「すみません、指輪って石持ってきても作ってくれるんですか?」
「はい、お作りできますよ!」
「そうですかー……また持ってきます」
「お待ちしてます!」
「お待たせー」
「おっ、終わったか」
「うん!ナオキ…お腹すいてない?」
「そういえば…もう12時かカフェに行くか?」
「うん!」
ナオキと絵里はカフェにむかった。
穂乃果たちもそれを追った。
カフェ『イート&カフェ』
「お待たせしました!」
「ありがとうございます!」
「んー…ハラショー!いい香りねー……」
「あぁ……」すると絵里は下を向いていった。
「ねぇ……ナオキ、聞きたいことがあるんだけど……」「どうしたんだ?」
ナオキはコーヒーを飲んだ。
「どうしてナオキは名字を使わないの?」
絵里がそう言うとナオキはコップをとめ、飲むのをやめた。
するとナオキの表情は暗くなった。
「…………気になるよな…やっぱり……」
「無理になら話さなくてもいいわよ」
「いや、いつか話す時がくるとおもってたよ………お前らもこっちに来たらどうだ?」
ナオキは遠くを見ていった。
「気づいてたん?」
「当たり前だ」
そして10人で机を囲んだ。
そしてナオキは話した。
「おれはこの名字が嫌いなんだ……『香川』という名字が……」
「なんで?小さい時気に入ってたじゃないの?『珍しいから』って…」
絵里は言った。
「あぁ……話したろ、大阪であったこと……ミツヒデの名字が香川なんだよ……だからおれはあいつと同じ名字が嫌なんだ…」
「ナオキ……」
海未は言った。
「まだそんなこと引きずってるの?いい加減……「誰にだって……忘れたいけど忘れられない…辛い……思い出すだけでイライラする…心が痛くなる……そういう思い出があるんだ………」
ナオキはにこの言葉を遮って言った。
「ナオキ………」
絵里は言った。
「いつまでウジウジしてるのよ…」
真姫は言った。
「ウジウジなんかしてね…「してるでしょ?なによ!そんなの堂々としてればいいのよ!いつまでも過去のこと引きずり回して、これからもずっと香川って名乗らないつもり?一生使わないつもり?ふざけないで!」
「真姫…それくらいに……」
海未は言った。
「ご…ごめん……」
「いや…真姫の言う通りだ……」
「え?」
「たしかにな……おれは心のどこかで名乗りたいって思ってたのかもな……でも過去から逃げて名乗りたくなかった……真姫、ありがとう……おれは香川ナオキって名乗る!」
ナオキの目は決意の目だったが、まだどこか闇を抱えているようだった。
「ナオキ……」
絵里は言った。
「みんな心配かけてすまんな……でも今は絵里とデート中だから2人っきりにしてくれるか?」
「そうやね……」
希は言った。
「そうだね、帰ろっか」
ことりは言った。
「すまんな…」
そしてナオキと絵里以外は帰っていった。
「絵里……」
「ん?」
ナオキは息を吸っていった。
「ごめんな…黙ってて……」
「いいのよ別に…話しにくかったんでしょ?」
「ほんとにごめ……ん……」
「めっ…」
すると絵里は人差し指でナオキの口をおさえた。
「もう謝らないの…わかった?」
「はい………」
「よろしい」
すると絵里は人差し指を離した。
「じ……じゃあ…次はどこいく?」
ナオキは言った。
「そうねー……あそこにに行きましょ!」
絵里はゲームセンターを指さした。
「わかった!」
ナオキと絵里はゲームセンターにむかった。
ゲームセンター「エンジョイ・センター」
「ねぇ、これなに?」
「あぁ…プリクラだ、写真を撮るんだ。ま、おれもあんまり撮ったことないんだけど」
「ねぇねぇ、撮りましょうよ!」
「いいよ…」
「やったー!」
「はーいくっついてー」
プリクラの機械が喋った。
「ほらナオキ、もっとくっついて!」
「あ…ああ…」
「3.2.1はい、チーズ…パシャ……あと2枚!」
「これデコレーションできるのね…ハラショー…」
「そうだな……」
「ナオキ顔あかーい…ふふっ……」
「絵里があんなにくっつくからだろ…」
「なによ、いつも腕組んでるじゃないの」
「それはそうだけど…」
「ほら、時間なくなるわよ」
「そうだな………」
ナオキと絵里は1枚ずつデコレーションするのだった。
「写真はどこからでてくるの?」
「そっちだろ?さ、でようか」
「あ、でてきたー!さーてナオキはどんなデコレーションを……うーん、名前を書いただけ…ナオキらしいわね…ふふっ…」
「そういう絵里はどうなんだよ……」
「私?私はね、相合傘に私たちの名前とか色々」
「ほー…さすが絵里だなー」
ナオキはそう言うと絵里の頭をなでた。
「もう……」
「次は何がしたい?」
「そうね…UFOキャッチャーがいい!」
「よし、行こうか!」
「私これ欲しい!」
絵里はクマのぬいぐるみを指さした。
「よし!」
ナオキは500円を入れた。
そして2000円使った……
「もうちょっとよ!頑張って!」
「よし!取れたー!」
「ハラショー!」
「はい、絵里!」
「ありがとう、ナオキ!…うーん……かわいい!」
絵里はぬいぐるみをほっぺでスリスリした。
「(かわいい……)さ、次はどこいく?」
「あれもやりたい!!」
絵里はホッケーを指さした。
「あぁ!いいぜ!」
「絵里、強い………」
「えっへーん!ジュースおごってね!」
「わかったよ…」
「もうこんな時間か……」
「楽しかったわね……」
「なぁ…絵里、屋上に行ってみるか?」
「いいわね、行きましょ!」
ナオキと絵里は屋上へむかった。
「わぁー……」
屋上に出ると綺麗な夜景が広がっていた。
「どうだ、綺麗だろ?」
「うん……そういえば、周りの人たちみんなカップル?」「ん?あぁ…そうみたいだな」
「ここってデートスポットなのかな?」
「さぁ?ちょっと待ってて……」
ナオキはスマホでここを調べ始めた。
「(なになに……カップルは1度でも行くべきデートスポット、いい雰囲気になれるかも)へぇー……やっぱりデートスポットみたいだな」
「へー……ねぇ、もっとフェンスの方に行きましょうよ!」
「え…あ…あぁ……(やべぇ、たけぇ……)」
「ナオキ大丈夫?顔色悪いわよ?」
「そ…そんなことねぇよ……」
ナオキは高いのが苦手なのだ。
ナオキは知らないうちに絵里を強く引き寄せていた。
「ちょっと……ナオキ……」
「ん?……あ……」
ナオキの顔と絵里の顔の距離が近くなった。
「ナオキ………」
「絵里………」
ドキドキ…………
(ナオキの鼓動が聞こえる……)
(絵里の鼓動が聞こえる……)
「ナオキ……」
絵里はナオキの首に手をまわした。
「絵里……」
ナオキは絵里の頭の後ろと腰を持ち、絵里を引き寄せた。
そして2人は………キスをした……
「ん………私のファーストキス……ナオキでよかったわ…」
「おれもファーストキスが絵里でよかった……」
ナオキは絵里を抱きしめた。
「ふふふ………今日のことは…ずっと私は忘れない……ナオキも忘れないでね…」
「あぁ……絶対…忘れない………」
そして2人は帰路についたのだった。
次回へ続く