あとあとがきに重大発表がありますのでチェックしてください!
さて、今回から新章のスタートです!その名も、「ゴールまでの一歩編」!これがどういう意味なのか……察しのいい方はわかるかと思いますが、予想を膨らましながらこの章をお楽しみいただけたらなと思います!
それではお待たせしました!最新話をどうぞ!
第150話「変わらぬ日常を変える日」
────ここまで再会し、付き合い、そして婚約したナオキと絵里。
そこまで至るまで様々な道を歩んできたナオキと絵里。
時にはぶつかり合い、時には甘い時間を過ごしてきたナオキと絵里。
そんな2人の関係は………
ついに、
午前6時……
「ん、あぁ……?」
ナオキは連続で同じ音を流す目覚まし時計の音で目を覚まし、まだ目が覚めきっていなさそうな声をあげながら目覚まし時計のアラームを止めた。
午前6時10分……
「おはよ〜う」
「あ、おはよう!今日もいい天気よ」
リビングに入るとお弁当を作っていたエプロン姿の絵里が笑顔で出迎えた。そして机の上には朝ご飯であるトーストとバターが用意されていた。
ナオキはお湯を沸かし紅茶のパックが入っているコップにお湯を流し込んでから席についた。
「いただきます」
「はいどうぞ〜」
そしてナオキはトーストにバターを塗って朝ご飯を食べ始めた。
亜里沙は少し遅れて起床して朝ご飯を食べ始めた。
午前7時……
『本日は各地快晴となるでしょう』
「はい、これナオキと亜里沙のお弁当ね」
「ありがとう」
「ふぁひぃふぁほぉーほぉふぇーひゃん(ありがとーおねーちゃん)」
「亜里沙、口に物を入れながら話したらダメよ?」
「んっ……はーい!」
今日もこの3人は笑顔である。
午前7時30分……
「それじゃあ行ってきます」
「行ってきまーす!」
「行ってらっしゃい。気をつけてね」
「絵里もな」
ナオキと亜里沙は大体いつも絵里より先に家を出る。そして行く際のキスをしたいがその気持ちを抑えているナオキと絵里であった。
絵里はまだ夏休み中のため家で留守番だ。
────音ノ木坂学院
お昼休み……
「あ〜ダメだ〜!」
「この世のおしまいだ〜!」
ここは3年生のナオキ達のクラスの教室。
ナオキ、穂乃果、ことり、海未が固まってお昼ご飯を食べようとしている時に、穂乃果とナオキが悲痛の叫びをあげた。
「うるさいですよ」
「だってぇ〜!」
海未がそれを注意すると穂乃果が涙目で海未を見つめた。
「くそっ、なんで、こんなことに……!」
「そうだよ!なんで………」
「なんで数学で抜き打ちテストがあるんだ!?」「なんで数学で抜き打ちテストがあるの!?」
「あはははは……」
「はぁ……」
そう、先程の授業は数学。そしてその数学で抜き打ちテストが行われ、見事にナオキと穂乃果が撃破されたのであった。
絶望しているナオキと穂乃果を見てことりは苦笑いを浮かべ、海未はため息を漏らしていた。
そのとき、チャイムが鳴ってみんなが不思議そうにスピーカーを見つめた。
「香川くん、香川ナオキくん。至急、理事長室まで来てください。繰り返します────」
「……………は?」
そしてみんなの視線はそのアナウンスを聞いてスピーカーからナオキの方に向いた。
「ナオキ、あなた一体何をしたんですか!?」
「違っ、おれは何も……」
「お母さん……理事長から直々の呼び出しってそんなにない事だよ?」
「まさかナオキくん……」
「だから違うって!」
「いつかやるって思ってました」
「おい誰だ今言ったの!」
海未やことり、穂乃果やクラスメイトからも心配されたりして、それに反論していたナオキだが、むっちゃ焦ってる。
そしてナオキはある結論に至る……
「待てよ、まさか数学の成績悪すぎて卒業が危ういから……とか?」
「「「なるほど」」」
「って、納得するな!」
「とにかく、早く理事長室に行った方がいいよ!」
「そ、そうだな……行ってくる」
ナオキは穂乃果の言葉を聞いて、みんなにその姿を見られながら理事長室へと向かった。
「ったく、なんだよみんなジロジロ見てきて……」
ナオキは理事長室に向かいながら、その道中にいた生徒からある意味注目されたことに対しての愚痴を零しながら歩いていた。
そして理事長室前に着くとその扉を緊張した面持ちで見つめた。
「………理事長室ってこんなに威圧感あったっけ?」
ナオキは妙な威圧感を放っている理事長室の木製扉を見つめて固唾を飲んだ。
(くそっ、止まるんじゃねぇぞおれ。男だろ!男なら覚悟を決めろ……!)
そしてナオキは勇気を振り絞ってその扉をノックした。
「はい、どうぞ」
「し、失礼します!」
ナオキがドアを開けると理事長であるすずめが奥にある机に両肘をついて手を組んでいた。その表情に笑顔はなく、深刻なものであった。
「わざわざ呼び出してごめんなさい」
「い、いえ。それで……なんの御用で?」
ナオキは机の前にピシッとした姿勢で立ちすずめの目を見た。その目に若干の恐怖をも覚えていた。
「やはりあなたには連絡が入っていないみたいね……」
「え……?」
すずめの言葉にナオキは驚きの声を漏らした。
そしてすずめは一旦目を瞑り、再び目を開いて言葉を紡いだ。
「来月末に会議が決まったわ。ついに最終段階よ。音ノ木坂学院の共学のためのね」
「っ……本当ですか!?」
ナオキはすずめの言葉に驚いて嬉しそうに言った。
ナオキは共学化を叶えるための試験的な生徒、模擬男子生徒として音ノ木坂学院に入学した。そして今まで自分の経験を活かして、男子が元女子校で過ごすにあたっていいこと、悪いことをまとめて報告したりまとめたりしていたのだが、最終的には先生や音ノ木坂学院を支援している人、同窓会会長などの前でプレゼン、会議をして共学をするか否かを決めなければいけないのだが、その会議の日程がついに来月末、10月の末だということが決まったのだ。
「だからこれからはそれに向けての準備などをしてもらうことになるわ。あと少しだけどよろしくね」
「はい!(よかった、卒業が危ないとかの話じゃなかった……)」
ナオキは会議が決まったことと、成績の話ではなかったのと二重の意味で安心した。
「あと、音ノ木坂学院の模擬男子生徒ということに自覚を持って、その……もう少し成績を上げましょうか。特に数学……」
「あ、はい……努力します……」
訂正、成績の話もありました。
「会議が決まったの!?すごーい!」
「おめでとうございます!」
「あぁ、ありがとう」
教室に帰って会議が決まったことを話すと、ことりと海未はそれを喜ぶと同時にこれまで頑張ってきたナオキへの祝福の言葉を送った。
「まだ共学って決定してなかったんだね」
「穂乃果……おれはその為に動いてるんだぞ?」
「え、そうなの!?」
「「はぁ……」」
穂乃果の相変わらずの反応にナオキだけではなく海未もため息をついた。
「あはははは……でも成績が悪いっていう話じゃなくてよかったね」
「いや、数学をもっと頑張れってのも言われたぞ」
「「「え?」」」
「え?」
『え?』
現在、ことほのうみ、ナオキ、そしてクラスメイト全員の「え?」が教室内を変な空気にしていた。
「へぇ〜やっと決まったのね」
「あぁ、絵里にも協力してもらってたし決まってよかったよ」
家に帰り、ナオキが入学したての頃から共学のための活動に協力してもらっていた絵里に会議が決まったことを報告すると、絵里は嬉しそうにそのことを祝福した。
「でも本当の勝負はこれからよ?決して気を抜かないでね」
「あぁ、わかってるよ」
ナオキはそう言うとコップに入っていた冷たいお茶を飲み干した。水分補給、大事。
「ということで……!」
「ひっ……!?」
ホットしたナオキであったが、絵里がドシッと机の上に置いた本の音に恐怖の声を出した。
「さ、数学の本買ってきたからこれで勉強してね」
「えっと……『馬鹿でもわかる優しい数学』、『馬鹿と数学と過去問』、『数学の基礎は算数にありー有名進学塾の数学教師が熱血解説ー(特典DVD付)』……oh……」
つまりナオキは馬鹿と言われているのだ。恋人から。強く生きて……!
と、そこでナオキのスマホに着信が入り、そのバイブでスマホが揺れた。
「あ、電話だ。ちょっと席外すぞ」
「はいはい……(逃げたわね)」
ナオキはそのスマホの画面を見るとリビングから出てドアを閉めてその着信に出た。
「もしもし?どうし…「ナオキ早く大阪に帰ってきて!」………は?」
ナオキが電話に出ると女性の焦った声がナオキの耳に入った。ナオキは急すぎて意味がわからなかった。
「だから、大阪に帰ってきて!早く!」
「だからなんでだよマ……お母さん……」
その電話の相手とはナオキの母親の
「理由はこっちに来てから話すからとりあえず早く来て!あ、絵里ちゃんと一緒にね」
「え、えぇ……」
ナオキはその無茶振りとも取れる樹木の言葉に言葉を失った。
ナオキも急に大阪に帰ってこいと言われて「おう帰る帰る」とは言えないのである。第一、もう授業も始まっている。高校生のナオキには厳しいと言えよう。
「いや、でもね、おれには授業という名の学生の宿命がありましてね」
「大丈夫!すずめちゃんには伝えてあるから!」
「………………」
樹木がすずめに許可を得たという衝撃の事実にはナオキは無言になるほかなかった。
自分の通っている学校の理事長がそう言っているならば仕方ないと、ナオキはほぼ呆れた感情を含めて返事をした。
「わかったよ。絵里にはおれから説明するから」
「それじゃあ待ってるからね!明日、楽しみに待ってるわ!」
「は、明日って!?……切れた」
ナオキは通話が終わって待ち受けになっているスマホ画面を呆然と見つめ、しばらくすると肩を落としてため息をついた。
「明日って……」
大阪に帰ってこいというだけで急だったのに、明日に帰ってこいとはさらに急な頼み事にナオキはお疲れのご様子である。
「じーっ……」
「ん、どうした亜里沙?」
ナオキは何故か自分を見つめてくる亜里沙を見て不思議に思って首を傾げた。
「えいえい……お、怒った?」
すると亜里沙はナオキが怒らないか気弱そうに心配しながら少し目をうるうるとさせ、若干首を傾げて、ナオキのお腹を軽く叩いてそう言った。
まさにそれは天使……(合掌)
「怒ってないよ」
ナオキはそんな亜里沙を微笑ましく思いながら優しい笑みでそう言った。
「えいえい。怒った?」
「…………」
そして今度は絵里がナオキの背を亜里沙と同じように叩くと、ナオキは黙り込んで絵里を見つめた。
ある程度予想はついているだろうが、このときナオキは死に近い体験をしていた。絵里の死んでしまうほど脅威的な可愛さに天にも登る思いをしているのだ。
(ご飯10杯はいける……)
(私なら20杯いけます!)
(花陽は黙っとれ……)
「あ、あれ、本当に怒っちゃった?」
「………はっ!?いやぁ、ごめんごめん。怒ってないよ」
ナオキは意識を取り戻したようにハッとして今にも泣きそうな絵里の頭を優しく撫でた。
「そう……よかったわ。ご飯、出来てるわよ」
「「はーい」」
そしていい匂いが漂っているリビングに絵里と亜里沙がひと足先に入ると、ナオキはそっと手にまだ持っていたスマホの画面を見つめた。
「………よし、また見よう。グッジョブ、おれ」
そしてナオキはその電源を切ってポケットにしまい、リビングへと入っていった。
え?ナオキのスマホになにが映ったか気になる?
それは超可愛いマジ天使マジ女神KKE恋人絵里の「怒った?」が動画で撮られていたのだ。いつの間にか録画ボタンが押させていてフォルダに保存されていた。
因みにこれは故意ではない……恋だけに、ね!(超全開のドヤ顔)
「荷物はこれぐらいでいいかしら?」
「ん、いいんじゃないか?」
絵里とナオキは明日の出発に向けての準備をしていた。
2人とも滞在期間は何日かは知らないがそれほど長くはならないと思ってるので、持っていくものはせいぜい貴重品や着替えなどである。
「あ、化粧品洗面台だったわ。ちょっと取ってくるわ」
絵里はそう言って部屋から出て洗面台に向かった。
ナオキは部屋のドアが閉まると机の引き出しから黒色のクリアファイルを取り出して、中に入っている"紙"を見つめた。
(ま、ちょうどよかったかな……)
そしてナオキはその紙をまたファイルの中になおして、そのファイルを持っていくカバンの奥の方に入れた。
ナオキと絵里、2人の物語の舞台は一旦大阪へ………
次回に続く………
ありがとうございました!
さて、ついに舞台は大阪に移ります!ナオキは東京から大阪に引っ越し、また大阪に帰ってきました。ですが両親は大阪に残っています。ナオキの母親は何故ナオキに絵里と大阪に帰ってくるように言ったのか、謎ですねぇ……えぇ。
あ、因みにシベリアはロシア出身じゃないです。大阪出身です。
さて、それではここでお待ちかね?の重大?発表ーー!
活動報告などでお伝えしました通り、今年の作家としての目標は、「挑戦」であります。その挑戦のはじめのひとつがついにスタート!
それは………
新作小説、3作開始!です!
えぇ!?3作品も!?こいつ頭イカレてんじゃねーの!?byシベリア
まぁ、ということで、そのまんまです。来週あたりから新作を投稿しようと思います。あぁ、二次創作です。作品はですね、バンドリ1作、ガルパン2作です!
バンドリは違う作品、『Rabbit & Guitarist』を投稿していますが、実はアイデアとしては最初から2作品存在していまして、どうしてもこの出していない方のネタが思いついちゃって、「早く書きたい!」となりましたので投稿したいと思います!
ガルパンは、1作品にしようと思っていたのですが、アイデアを考えていたら「あれ、これ別の方がよくね?そうだ、2つ書こう」となりましたので投稿したいと思います!
あげる日程などは決まり次第Twitter、活動報告にて報告しますので要チェックです!
このお知らせはまた活動報告にもあげます。
ではこの作品の次回も、新作の投稿もお楽しみに!