ラブライブ!〜1人の男の歩む道〜   作:シベ・リア

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みなさんどうも!最近投稿ペースが遅くなってしまっているので、頑張って上げれるようにします!(上げるとは言ってない)
あと、今回から次回予告の方を辞めさせていただきます。
さてさて、今回はみなさん!絵里の!浴衣が!登場!です!よ!(ついでにナオキくんも)さらに今回は揺さんの挿絵付きです!
それでは早速、どうぞ!



第141話「夏祭りと甘いかき氷」

 

「ねぇねぇナオにぃ、夏祭りに行きたい!」

「夏祭りか……もうそんな時期なんだな」

「亜里沙も行きた〜い!」

 

アイドル研究部の合宿後の休み期間中のある日、ナオキ・亜里沙・梨子が出かけていると、梨子は見かけた夏祭りのチラシを見て行きたいと言うと、ナオキは懐かしむように言い、亜里沙は自分も行きたいと手を挙げた。

 

「それなら帰ったら絵里も誘ってみんなで行こうか。梨子ちゃんの思い出作りのためにもな」

「「やった〜〜!」」

 

ナオキがそう言うと2人は飛び跳ねて喜んだ。ナオキはそんな2人を嬉しそうに笑顔で見つめた。

 

 

 

〜〜〜〜〜♡〜〜〜〜〜

 

 

 

「夏祭り?」

「あぁ、明日の夜あるみたいだ。梨子ちゃんの思い出作りのためにも4人で行こうかなって」

 

ナオキは家に帰ってから絵里に夏祭りのことを話した。

だが、その話を聞いた絵里は何か言いたいように唇を尖らした。

 

「ふ〜ん……」

「……なにか言いたいことでもあるのか?」

「言っていいの?」

「もちろん!」

 

ナオキがそう言うと絵里は「それなら……」と恥ずかしがる仕草を見せて、ナオキに上目遣いで言った。

 

「行くなら……ナオキと2人っきりでデートしたいな〜……なんて」

「っ……!!??」

 

ナオキはそんな絵里の姿と言葉により、ナオキは心を完全に射抜かれてしまってわけのわからない衝撃に襲われた。

 

「わかった。2人で夏祭りデートしよう!………小さい時……みたいに」

「………うん」

 

ナオキが照れながらそう呟くと、絵里は頬を赤くして静かに頷いた。

そう、この2人が夏祭りを一緒に行くのはナオキが小さい頃に東京にいた時以来なのである。

 

「じゃ、海未に絵里の浴衣でも頼んでみるか?」

「ナオキのは?」

「お、おれは別にいいかなって……ダメ?」

 

ナオキが苦笑いを浮かべると、絵里は頬を膨らましてコクッと頷いて前からナオキに抱きついて顔をナオキの体に埋めた。そしてその状態ナオキの顔を見上げてこう言った。

 

「ナオキと一緒に浴衣着てデートしたい……」

 

お分かりの通り、ナオキは連続してまたわけのわからない衝撃に襲われた。

絵里のこのいわゆるおねだりはナオキには効果抜群で、ナオキはそれに従わざるをえなかった。ここで断れば絵里に申し訳ないし、なによりこれからの人生に悔いを残すこととなってしまうからである。

 

「わかった。海未におれの分も頼んでみるよ」

「ほんと!?ふふっ、やった〜!」

 

絵里は喜びを表すようにさらに強く抱きついた。ナオキは苦しいというより、絵里の胸が思いっきり当たっているので逆に心地よく感じていた。

 

 

 

その日の夜……

 

「えっ、雪穂が?」

「うん!雪穂の家で浴衣を貸してくれるんだって!」

 

リビングで亜里沙は嬉しそうに、雪穂が浴衣を貸してくれると言ってくれたことを話した。

 

「おれと絵里は海未のところに借りようと思ってな」

「そうなんだ〜。それならお義兄(にい)ちゃんとお姉ちゃんは2人で行くの?」

 

亜里沙がそう言うと、ナオキと絵里は少しだけ頬を赤くしてそれを肯定した。

 

「それなら私と梨子ちゃんは雪穂の家からだね!」

「そ、そうですね!」

「まぁ、また向こうで会えばいいだけだよ」

「ふふっ、そうね」

 

そうして4人は明日にある夏祭りを楽しみに待った。

だが、このときに梨子が残念と思っていることは本人にしかわからなかったのである。

 

 

 

 

〜〜〜〜〜♡〜〜〜〜〜

 

 

 

 

「ナオキに絵里、ようこそお越しくださいました」

「いや、こっちこそ急に頼んだのにありがとうな」

「いえ、いつもお世話になってますから」

 

ナオキと絵里は亜里沙と梨子を高坂宅に送った後、そのまま園田邸に向かった。園田邸に着くと海未が2人を出迎えて中に案内した。

 

それからナオキと絵里は当たり前だが、別々の部屋に案内された。

ナオキが案内された部屋ではもう既に浴衣が用意されていて、畳の上に胡坐(あぐら)をかいて海未の父である五郎衛門が座っていた。

 

「あ、おじさん……よろしくお願いします」

「ん、じゃあ早く終わらすか」

「はい!」

 

ナオキが来たのを確認すると五郎衛門は立ち上がって浴衣をナオキに渡した。そしてナオキは五郎衛門に手伝ってもらいながら浴衣に身を包んでいった。

 

 

「よし、いいぞ」

「ありがとうございます」

 

ナオキが貸してもらったのは紺色の浴衣で、デザインは至ってシンプル、主な特徴といえば縦に何本か白い線が伸びているぐらいである。

 

「うん、やっぱりナオキくんにはシンプルなのが一番いいな」

「そうですか?」

「あぁそうとも。さて、暇になったな」

「でもおれがこんなに早く出来たなら絵里も早いんじゃ……」

 

ナオキがそう言うと、五郎衛門は舌を鳴らして人差し指を何度も左右に振った。

 

「ちっちっちっ、甘いよナオキくん。女の子はね、着るのに時間がかかるものなんだ」

「そ、そうなんですか……?」

「その通り。俺も昔は撫子さんに待たされたものだよ」

「へぇ〜」

 

浴衣に着替え終わったナオキはしばらくの間、五郎衛門から昔話(主に妻である撫子との話)を聞かされた。その話を聞いてナオキは、五郎衛門と撫子がどれだけラブラブだったかを知ったのであった。

 

(この話、いつ終わるの……?)

 

 

 

 

〜〜〜〜〜♡〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

「やっと解放された……」

「全く、いくら着替えが長いからってあそこまで必死に話さなくても……」

 

ナオキが五郎衛門から解放されて力が抜けたように肩を落とすと、海未は呆れた表情を浮かべた。

経緯を説明すると、ナオキが五郎衛門から撫子との話をいわゆるマシンガントークで話されていると、海未が入ってきて五郎衛門を「ナオキが困っているでしょう!」と一喝。五郎衛門が軽く謝罪の言葉を言うと絵里の着替えが終わったからと海未はナオキを連れ出した。

 

「でさ、なんでおれ玄関に向かってんの?」

 

そして今、ナオキと海未は玄関に向かって縁側を歩いている。ナオキはその理由がわからず、前を歩いている海未に聞いた。

 

「全く、ナオキは乙女心がわかってませんね……」

「乙女心……?」

「はぁ……」

「ん……?」

 

海未がため息をつくと、ナオキは眉を細めて首を傾げた。

 

玄関に着くと、海未に出してもらった下駄を履いて園田邸の門の前で絵里を待った。

園田邸の門はいつもここは古風な家なのだと認識させられる木製の大門で、ナオキはその門の大きな柱にもたれていた。

 

「絵里着替え終わってるんだろ?それにしちゃー遅いな……」

 

ナオキは絵里が来るのが遅いことに心配して玄関の方を少しの間見つめたが、来る気配がなく視線をまた戻して日の沈みかけている夏の空を見上げた。

 

 

その頃絵里はというと……

 

「海未ぃ〜やっぱり恥ずかしいわ……」

「なにを言っているんですか絵里!ナオキとデートなんて何回もしてるでしょ!?」

「でも今回は浴衣だし……それに、浴衣姿を見せるのだって初めてだし……」

 

絵里は玄関の扉に隠れて恥ずかしがっていた。海未はそんな絵里の背中を押してナオキのところへ行くように促した。そして、2人は何故か小声で話していた。

 

「もう、さっさと行って、くださいっ!」

「わわわっ!」

 

するとしびれを切らした海未はさっきより力を強めて絵里をナオキのいる方向に押した。

絵里はその勢いで下駄をコツコツと鳴らしながらナオキに飛び込んでいった。

 

「おっと……」

 

そして下駄の音に気が付いたナオキは、もたれていた柱から離れて下駄の音の主の前に立って、その人物を胸で受け止めた。

ナオキは受け止めた人物が誰かは最初はわからなかったが、髪の色、匂い、受け止めた時の感触で誰かは察しがついた。

 

「絵里、大丈夫か?」

 

絵里はナオキの胸に顔を埋めたままコクリと頷いた。

ナオキが絵里の顔を見ようとすると、絵里は手でナオキの着ている浴衣を握ってそれを阻止した。

 

「絵里、顔見せてくれよ」

「やだ……」

 

ナオキは何故絵里が顔を見せてくれないのかわからず、頭を悩ましていた。

 

「絵里の浴衣姿見たいんだけど……」

「でも、恥ずかしい……」

「あ〜なるほど。でもおれは絵里の浴衣姿がすっごく見たいんだ。だから見せてくれよ?な?」

「うぅ……」

 

ナオキが絵里に囁くように言った。

絵里は頬をさらに赤く染めて恥ずかしかったが、ナオキがそこまで言ってくれて嬉しくなり、少しずつナオキから離れていった。

 

「おぉ……」

「ど、どうかしら……?」

 

ナオキは絵里の浴衣姿を見て感動の声を漏らした。

絵里の着ている浴衣は色は青っぽく、所々に蝶々や葉など自然を思わせる柄や水玉模様があり、帯にはアレンジとしてビーンズが使われている。そして耳からはイヤリングがぶら下がっている。さらに絵里は髪を解いており、それが浴衣姿の絵里の大人っぽさをより際立たしているとも言える。

 

「ん……もう!黙ってないでなにか言ってよ!」

 

絵里は片手で髪を弄りながら恥ずかしがっていたが、ナオキが無言で自分のことを見つめてくるのでさらに恥ずかしくなり、髪を弄っていない方の手で持っていた青い巾着を両手で持ち、赤く染まっている頬を膨らましてナオキを見上げて言った。

 

「あ……ご、ごめん、浴衣姿の絵里が可愛すぎて言葉を失ってた。ほら、言葉を失うほどの美しさってやつ?つまり……とっても似合ってるよ」

「そ、そう?ありがとう……ナオキも似合ってるわよ」

「そうか?ありがとう」

 

ナオキがそう言うと2人は照れたように笑い声を出していった。

そんな2人を見て安心した海未は家の中に入っていった。

 

「じゃあ、行くか」

「うん!」

 

そしてナオキと絵里は夏祭りの会場へと向かった。

 

 

 

〜〜〜ラブライブ!〜〜〜

 

 

 

夏祭りの開かれている会場では太鼓の音や人の声が響いていた。

 

ナオキと絵里は会場までの道を照らす提灯(ちょうちん)を眺めていきながら歩いていった。

 

「なんだか綺麗ね〜」

「ん、そうか?」

「もう、ナオキったらロマンチックじゃないわね〜」

「……ごめん」

「ふふっ……」

 

ナオキが少しシュンとした表情で頭を掻きながらそう言うと、絵里は楽しそうに笑みを浮かべた。

 

「お、ここみたいだな」

「本当に賑やかね〜」

 

ナオキと絵里は入口となっているところから少し離れているところから会場を見つめた。

何人もの人がその会場に足を向けていて、そのほとんどの人が浴衣を着ていた。近くのお店では浴衣のレンタルをしているため、そので借りている人も何人かいるようだ。

 

「さてと、じゃあ…「ナオキ、早く行きましょう!」…うぉっ!?」

 

絵里はナオキの腕を引っ張って会場へと入っていった。その顔はとても嬉しそうで、楽しそうであった。

 

 

「安いよ安いよ〜!」

「あ〜破けちゃった」

「残念だったね。ほら、一匹プレゼントだ」

 

会場となっているお寺の境内では様々な屋台が並んでいて、盛り上がりを見せていた。食べ物を売る者、金魚すくいで網が破けて残念がる者、そしてその子に金魚をプレゼントする者、他にも色んな人が夏祭りを楽しんでいた。

境内の奥までの道中には屋台がずらっと並んでおり、奥では盆踊りが行われている。

 

このお寺の敷地はとても広く、昔からよく夏祭りなどの地域行事で使われているらしい。この付近では一番の規模を誇っているため、観光客もよく訪れるらしい。中にはこの夏祭りの日のために遠くから来ている人もいる。

 

「やっぱりここは人が多いな〜」

「そうね。昔より増えてるのかしら?」

「そりゃあ10年近く経ってるからな、人も増えてるだろ」

「ふふっ、それもそうね。でも最後に来たのは幼稚園の頃だったわね?」

「はははっ、そりゃあ変わってるわ」

 

ナオキと絵里は幼い頃にここに来たことを思い出しながらざっと出店を確認しながら奥まで歩いていった。

 

「絵里、なんか欲しい物あるか?」

「欲しい物?ん〜〜」

 

絵里はナオキにそう言われると周りを見回して、なにか欲しい物はないかと探した。焼きそば?りんご飴?かき氷?それとも景品のぬいぐるみとか?

そんなことを考えていると、ふと周りのカップルみんなが手を繋いだり、腕を組んだりしていることに気が付いて動きが止まった。

 

「ん、欲しい物見つかったのか?」

「え、えぇ……」

 

絵里は少し頬を赤く染めて、手をもじもじとさせてナオキから目線を逸らした。ナオキはどうしたのかと頭にハテナマークを浮かべながらそんな絵里の顔を見つめた。

 

「あのね……周りのカップルの人達ってみんな手を繋いでるでしょ?」

「そ、そうだな……」

「だからね、私もナオキと手を繋ぎたいな〜って……ダメ?」

「……ダメじゃないけど……」

「けど?」

 

ナオキは目線を絵里から逸らして反対の方にして照れたように頬を人差し指で掻いた。絵里はどうしたのかと頭にハテナマークを浮かべた。

 

「その……こんなに沢山の人の前で手を繋ぐのは……恥ずかしい……から」

 

ナオキのこの付き合いたての彼氏が言うセリフに呆れることはなく、逆にそんなナオキにキュンキュンした。

すると絵里は恥ずかしがるナオキの腕にしがみついた。

 

「えいっ!」

「おっと……急にどうしたんだ?」

「えへへ、だってナオキかわいいんだもん」

「かわいいって……」

 

ナオキは最初は驚いたが、絵里にそう言われると絵里に向かって微笑んだ。

2人はその状態のまま出店を見てまわった。

 

 

 

〜〜〜〜〜♡〜〜〜〜〜

 

 

シュパン!

 

『お〜!』

「流石ナオキ!」

 

射的を行っている出店の周りでは、ナオキが絵里の欲しいと言った景品を一発で当てて、さらにそれからも連続で成功させているので歓声があがっていた。

そして残りの弾数はラスト一つとなった。

 

「絵里、あと一発だけど取ってほしいものとかあるか?」

「ん〜、じゃああれ!」

 

絵里は並べられている景品の中から、ずっとかわいいと思っていたクマのぬいぐるみを指差した。

 

「よし、任せとけ!」

 

ナオキは絵里の欲しがるぬいぐるみを確認して、銃で狙いを定めた。そして落とす確信を得ると最後の一発を放った。その弾は見事にクマの脳天に命中して、そのクマのぬいぐるみは台から落下した。

 

「ふぅ……」

『お〜〜!!』

 

ナオキがそのぬいぐるみを落とす、つまりは1プレイでパーフェクトを果たすと、周りで見ていた人達は歓声をあげた。

 

「え、あぁ……どうも、どうも」

 

ナオキはそんな人達の反応に照れてペコペコと左右後ろに向かって片手で頭を押さえながら軽くお辞儀をした。

 

「あんた、これ持てるかい?」

「え、えぇ……なんとか」

「参ったよ、5発とも命中させて景品をゲットしたのはあんたが初めてだ」

「いやぁ、こういうの得意ですから」

 

ナオキは5つの景品であるクマのぬいぐるみ、ヒーローのフィギュア、イヤホン、弁当箱、そしてスマホケースを袋と一緒に受け取り、ぬいぐるみ以外のものをそこに入れた。

 

「はい、絵里の欲しかったやつ」

「ありがとう!」

 

ナオキは絵里に欲しいと言っていた全体的に黒いクマのぬいぐるみを渡した。それを受け取ると、絵里はぬいぐるみを抱きしめてナオキに笑顔で礼を言った。

 

「さて、行くか」

「うん!」

 

ナオキと絵里は射的の出店から離れて、別の出店に向かった。

その颯爽と現れた天才スナイパーの正体を見ていた人達は帰ってから気づくことになるのであった。だが今はただの射的が上手い青年としか思っていない。

 

 

 

 

「それで、次はどこに行く?」

「う〜ん……ちょっとお腹がすいてきたから何か食べたいな」

「おっ、いいね!それじゃあ……焼きそばなんてどうだ?」

「それはいいわね。それじゃあ早速行きましょう」

 

ナオキと絵里は出店で焼きそばを買い、近くにあったベンチに座ってそれを食べることにした。

 

「ん〜美味い!やっぱり出店と言えば焼きそばだよな!」

「ふふっ、そうね」

 

ナオキは焼きそばを勢いよく食べていき、絵里はそんなナオキをかわいいと思いながらゆっくりと食べていた。

 

「あ、ナオキ」

「ん、どうした?」

「海苔とかソースが口の周りに付いてるわよ?」

「え、まじ!?」

 

絵里がナオキの口周りが汚れているのを指摘すると、ナオキは目を見開いて口元を手で触った。

 

「ほら、じっとしてて」

「お、おう……」

 

すると絵里は巾着の中からハンカチを取り出して、身をナオキに近づけてナオキの口周りを優しく拭いた。

ナオキは絵里の顔との距離が急に縮まり、さらに自分の口周りを拭く絵里の優しい顔に頬を赤くして息を詰まらせた。

 

「はい、もう大丈夫よ」

「あ、ありがとう……」

「どういたしまして。落ち着いてゆっくり食べてね」

「わ、わかった」

 

ナオキは絵里にそう言われると、今度は先程と違ってゆっくりと焼きそばを食べた。絵里はそんなナオキを見て微笑むと食べるのを再開した。

 

 

焼きそばを食べ終わった2人はまた出店を見てまわることにした。

そして定番の金魚すくいの出店に立ち寄って、金魚すくいをすることにした。

 

「ん〜〜…………」

 

様々な色の金魚が横に大きい水槽を泳ぎ回っている。

 

「ん〜〜〜〜…………」

 

絵里はそんな金魚をじっと睨み続けて狙いを定めていた。

 

「っ……たあっ!!」

 

そして絵里は何かを感じたように素早く網で金魚をすくい上げた。

 

「ふっ……取れたわね」

 

絵里はそう勝利を確信する。

 

「いや取れてないから。網破けてるし」

「えぇ〜!?そんな〜……」

「はははっ……(可愛すぎる。動画に撮ったから家で観よう)」

 

絵里は涙目になって破れた網を見つめていた。出店の人も微笑を浮かべていた。

 

「だって初めてだったもん。金魚すくい」

「あれ、そうだったっけ?」

「そうよ!だからこれは仕方ないのよ!」

「そ、そうだな……(意地を張る絵里もかわいい〜)」

 

絵里は初めての金魚すくいだったからと維持を張ってナオキに破れた網を見せた。

するとナオキはお金を出店の人に渡して網とボウルを受け取った。

 

「ナオキ……?」

「まぁ見てろって。おれが金魚を取ってやるよ」

「ナオキ……!」

 

ナオキがカッコつけて歯を光らせてそう言うと、絵里は頬を赤くし、目をキラキラとさせて胸がキュンとなる感覚に襲われながらナオキを見つめた。

 

「金魚は(すく)うんじゃない……救うんだ」

「ナオキ、カッコイイ……!」

 

ナオキは今までになくカッコつけてそう言った。

周りの通りかかった女の人もつい足を止めてそんなナオキに惚れ惚れとした。だが隣にいるのが彼女だとすぐにわかって残念がってしまった。

 

「絵里は強引に掬おうとしたからダメだったんだよ。だからもっと優しく丁寧に……()()

 

ナオキはそう言いながら数々の金魚を目で追って狙いを定めていた。

 

「っ……今だ」

 

そしてある金魚が少し水面に上がってきたのを狙って網で金魚を掬った。

網に金魚が乗ったため、ナオキと絵里は勝ちを確信した。

だが金魚は網を破って水槽へと逃げていった。

 

「「あ…………」」

「惜しかったな〜」

 

ナオキは破れた網を目の前に持ってきて口を開けて涙目で見つめ、カクッと落ち込んだように首を落とした。

 

「ナオキ、どんまい」

 

絵里はそんなナオキを元気付けようとナオキに声を掛けた。

 

「やった〜!いっぱい取れた〜!」

「わぁ〜すごいわね〜!」

 

そして隣で子供がボウル2杯分の金魚を取っていて驚きが隠せない2人であった。

 

 

 

〜〜〜〜〜♡〜〜〜〜〜

 

 

 

 

「ふふっ、かわいい〜」

「そ、それはよかったよ」

 

絵里が袋に入った金魚を眺めながら言うと、ナオキは少し声を震わせながら笑みを浮かべた。

あれからナオキは絵里に金魚を取ってあげようと奮闘し、5回目にしてやっと1匹取れて今に至る。

もうここまでくればわかってると思うが、ナオキは金魚すくいが苦手なのである。

 

「ねぇねぇ、そろそろ花火大会の時間じゃない?」

「ん……あ、そうだな」

 

ナオキはスマホの時計を見て、そろそろ花火大会の時間が迫っていることを確認した。

 

「じゃあなんか買ってから場所取りに行くか」

「えぇ!」

 

それからナオキと絵里は歩きながら食べ物を売っている出店を探した。と言っても、先程焼きそばを食べたためそんなにお腹はすいてないため、軽食程度の物を探した。

 

「さてと、何食べようかな〜?」

「いっぱいあるから迷っちゃうわね〜」

「へいらっしゃい!夏といえばかき氷!かき氷だよ〜!」

 

そして2人が何を買うか迷っていると、近くからかき氷の出店の人の声が聞こえてきたのでその方向を見た。

 

「かき氷か」

「夏といえばかき氷よね、やっぱり」

「だな」

 

2人はそれからアイコンタクトを取るとかき氷の出店に足を進めた。

 

「へいらっしゃい!なににしやす?」

「えっと……」

 

そのかき氷の出店では、いちご、ブルーハワイ、レモンなどのスタンダードなメニューが並んでいた。そしてナオキは見たことのないメニューを見て驚いた。

 

「……ぶっかけミルク?」

「そうだよ。こんなの出してるのこの店だけだ」

「こんなのって自分で言うのかよ……ちなみにこれはどんな?」

「その名の通り、ミルクをたっぷりとぶっかけたかき氷だよ」

「ミルクオンリーってことか……」

 

ぶっかけミルク……人によっては意味深にも捉えられる名前のそのメニューは、ただミルクをぶっかけたかき氷であった。

 

「それならおれはそれを頼もうかな」

「それじゃあ私はブルーハワイで」

「あいよ!400円です!」

「じゃあ、ちょうどで」

「あいよっ!」

 

出店の人はナオキからお金を受け取ると、かき氷器で氷を削ってかき氷を2つ作った。

そして一つには青いブルーハワイのシロップをかけて、もう一つにはミルクのシロップをたっぷりとぶっかけた。

 

「はいよ!ブルーハワイとぶっかけミルクだ」

「ありがとうございます!」

「あ、ありがとう、ございます……(思った以上にぶっかけてるぞこれ……)」

 

ナオキは思った以上にミルクがぶっかけられているかき氷に圧倒されながらそれを受け取り、絵里と共に花火を見るための場所取りに向かった。

 

 

 

 

 

「ねぇ、ナオキ……?」

「ん、どうした?」

「どこまで行くの?ここ結構人通りが少ない……というか私達以外は通らなそうなのだけれど……」

 

絵里はナオキが自分を連れて歩いている場所を見まわして不安になっていた。そこは木と木の間にあった小道で、出店が並んでいるところからは離れた場所にある。

 

「大丈夫だって。もうすぐ着くから」

「着く……?」

 

そしてその小道をどんどんと進んでいき、そこを抜けると、絵里とナオキの目の前には綺麗な夜景が広がっていた。

 

「ここは……!?」

「あぁ、ここの寺の裏山だ。小さいけど、花火を見るのにはうってつけだ」

「本当に……綺麗……!」

 

そこは夏祭りが行われている寺の所有している小高い裏山で、先程の小道はここに繋がっていたのだ。その場所は立ち入り禁止なのではなく開放されていて、その証拠にちゃんとベンチが数個並んでいる。

 

「寺からでも花火見える場所が用意されてるけど、人がいっぱいで見にくいからな。それだったらここの方がいいだろ?」

「えぇ、そうね……それに、ここに来て思い出したけど、ここって……」

「あぁ、その通り。絵里とおれが小さい時に見つけた場所だ」

 

そう、ここはナオキと絵里が小さい頃、ここの夏祭りに来た時にたまたま見つけた場所なのである。

 

「ナオキ、早く座ってかき氷食べましょ?」

「あぁ、そうだな」

 

ナオキと絵里はかき氷が溶けないうちに、少し早歩きになってベンチに向かってそこに座った。それから一息ついて2人は夏の夜空を見上げた。

そして2人はシャリシャリと氷とシロップを混ぜ合わせるようにかき氷をストローで出来たスプーンで刺して、頭が痛くならないようにゆっくりと食べ始めた。

 

「ん〜!冷たくて美味しいわね〜」

「ん、あぁ!やっぱり夏といえばかき氷だな!」

「ふふっ、そうね……ふぅ……」

「絵里、疲れたのか?」

 

ナオキは絵里が疲れたような息を吐いたので心配して声をかけた。すると絵里はナオキに心配されて嬉しそうに微笑んで答えた。

 

「えぇ、少しね。スクールアイドルをしていたとはいえ、やっぱりこんなに歩いたりしてたら疲れたわ……」

「はははっ、なんだよそれ。おばさんみたいなセリフだな……あ………」

「……………何ですって?」

 

絵里が疲れた様子を見せると、ナオキは爆弾発言をしてしまいしまったという表情を浮かべたが、時すでに遅し。

絵里の表情は笑ってはいたが確実に怒っている。

 

「え、えっと……そ、その……ご、ごめんなさい……」

「ふん!」

「絵里ぃ〜………」

 

絵里は先程は笑顔で怒っていたが、ナオキが落ち込んだ様子を見せると頬を膨らましてそっぽを向いてしまった。ナオキはそんな絵里を見て弱々しい声で絵里の名を呼んだ。しかし絵里はそれに動じず、怒った表情のままかき氷を食べた。

ナオキはどうやって絵里の機嫌を直そうかと考えたが、どれだけ考えてもいい方法が思いつかなかった。

そしてナオキは自分が今食べているのがかき氷であることを思い出すと、ピコーンと何かいい方法を閃いたようでかき氷を食べた。

 

(何よのんきにかき氷食べて……もう知らない!)

 

絵里はナオキが()()()()食べていると思って機嫌をさらに悪くした。もちろんナオキはそのつもりなのではない。これは()()()()()()()()()()にしていることなのである。

そしてかき氷を食べて()()()()を確認するとベンチから立ち上がって、絵里の前にしゃがんで絵里の顔を見上げた。

 

「なぁなぁ絵里」

「ん……なに?」

 

絵里は怒った声でそんなナオキを見下げた。普通ならばその目線に恐怖を覚えるが、今回は違った。

ナオキはウィンクをしながらベッと舌を出して絵里を見上げた。

 

「………ぷっ!ふふふふふっ……もう、ナオキったら子供ね」

「ひひっ、そうか?」

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

絵里の表情は子供のようなことをしたナオキを見たことで柔らかくなり、その表情に怒りというものはなく、それは先程の感情が消え去ったようであった。

そしてナオキはタイミングを見計らったように言葉を続けた。

 

「なぁ、本当に悪かった!この通りっ……!だから許してください!」

 

ナオキが重ねた両手をあげて頭を下げて必死に謝ると、絵里は少し考えたような表情を浮かべてから仕方ないというふうに息を出した。

 

「もう、仕方ないわね」

「絵里……!ありがとう!」

「でも、条件があるわ」

「ん、条件……?」

 

ナオキは絵里に許してもらうとまた絵里の横に座った。そして、絵里の言葉を聞いて首を傾げた。

 

「えぇ、それを守ってくれたら今日のことは完全に許してあげる」

「完全には許されてなかったんだな……」

「当たり前よ。女の子にあんなこと言うなんて最低よ?」

「誠に申し訳ございませんでした……」

「それで、どうする?」

「守ります。守らせていただきます」

「ふふっ、よろしい……」

 

絵里はそんなナオキを見て笑みを浮かべると、コホンとしてから背筋を伸ばしてその条件とやらを言った。ナオキはなにを言われるのかとドキドキして絵里の顔を見つめた。

 

「で、その条件とは……?」

「それはね……えっと……」

「ん……?」

 

ナオキはそれを言おうとした絵里が急に頬を赤くしたので疑問を覚えた。

絵里は言いかけて辞めてと繰り返して、その条件を言おうかどうか迷っている様子を見せた。

そんな絵里を見たナオキは何かを察したのか、絵里との距離を縮めて絵里の顔を優しい表情で見つめた。

 

「ナオキ……?」

「絵里、そんな条件なんて言わなくても大丈夫だよ」

「えっ……!?」

 

絵里はそんなことを言うナオキに驚きの表情を見せた。ナオキはそんな絵里を見て微笑んだ。

そしてナオキは絵里の頭を撫でながら言葉の続きを言った。

 

「だからさ、条件なんて言わなくても……これから先ずっと、絵里がおばさんになっても、おばあさんになっても、おれは絵里とちゃんと一緒にいるから」

 

「ナオキ……!」

 

絵里はナオキの言葉に胸を締め付けられるような感覚に襲われ、さらにその言葉に感動を覚えた。

 

「あ、そうだ。やりたいことあるんだけどいいか?」

「別に構わないけど……どうしたの?」

「まぁまぁいいから、目を瞑って」

「う、うん……」

 

絵里はナオキの言う通りに目を瞑って、なにをされるのかわからず不思議そうな表情を浮かべていた。

そして、ナオキは絵里の唇に自分の唇を重ねた。絵里は不意の出来事で戸惑うが、徐々にナオキを受け入れていった。それからナオキが舌を入れようとすると、絵里は自分から舌を絡ませて、2人の顔が少し離れるとその間には唾液の線が伸びていた。そこまで激しいものではなかったが、2人は興奮したからか少しだけ息を荒くしていた。

 

「もう、急に何するのよ……」

「はははっ、すまんすまん。ちょっと絵里を驚かせたくてな」

「なによそれ……」

「まぁまぁ、とりあえず鏡で舌を見てみな」

「舌を……?」

 

絵里はナオキにそう言われて頭にハテナを浮かべながらも巾着から手鏡を取り出して自分の舌を出して見た。

そして絵里はそれを見て驚いた表情を浮かべた。

 

「どうだ、驚いたか?」

 

ナオキとキスした後の絵里の舌の色は、水色に変化していた。

 

「どうしてこうなったの?」

 

絵里はもちろんこれに驚いていて、ナオキにこの仕掛けを聞いた。ナオキはその仕掛けを鼻を高くして答えた。

 

「それはな、色の変化を利用したんだよ。絵里の食べてたのはブルーハワイ、青だ。おれはミルクだから白……だからキスした時に絵里の青色になってた舌におれの白くなってる舌を絡ませたときに絵里のイメージカラーの水色になったんだ」

「なるほど!」

 

絵里はそれを聞いて納得すると同時に、よくそんなことを思いついたとナオキの発想力に感心した。

そしてそんなことを話しているうちに……

 

ヒュ〜………ドン!

 

「あ、花火だ!」

「綺麗ね……」

 

一発の花火が夏空に打ち上げられた。ナオキと絵里はその打ち上がった一発の花火を見上げた。

そして絵里がナオキの肩に頭を乗せると、ナオキはビクッとして頬を少し赤く染めた。

 

「え、絵里……?」

「ねぇ、ナオキ……」

「ん、どうした?」

 

ナオキは絵里が小声で話し出したので、自分も小声でその言葉に反応した。

 

「私ね、ずっと()()とこうして花火が見たかったの……その()()が私のことをグッと引き寄せてくれて、一緒に花火を見れたらいいなって……」

 

ナオキにはわかっていた……その誰かというのは自分のことであると。

絵里は小さい頃からずっとナオキのことを想い続けていた。だからそんなことをしてもらいたい人となればそれはナオキになるのである。

ナオキは何故わかったのか……それは、自分もまた絵里と同じことを思っていたからである。

ナオキは頬を赤く染めて空を見上げている絵里の腰に手を当てて、優しく絵里を引き寄せた。

 

「ナオキ……!」

「絵里、一緒に花火……見ようか」

「……ありがと」

 

2人は互いに寄り添いながら夜空に打ち上がっていく花火を見上げていた。

 

 

「みんな早く早く〜!」

 

だが、そんな雰囲気を聞き覚えのある元気な声がぶち壊した。ナオキと絵里はびっくりして引っ付いていた体を少しだけ離して、両手を太ももに置いた。そしてナオキはその声の主の方を恐る恐る見た。

 

「ほ、穂乃果……」

「あ、ナオキくんだ!あ、絵里ちゃんも!なんでこんなところにいるの!?」

「それはこっちのセリフだ……」

 

穂乃果は驚きの声をあげ、ナオキは力が抜けたような声を出した。

穂乃果に続いてことり、海未、凛、真姫、花陽、亜里沙、雪穂、真癒美、瑞希、マシュ、さらににこ、希、梨子もどんどんとナオキと絵里の周りに来た。

なんと、ナオキと絵里の邪魔はするまいと2人以外のみんなで花火を見ようと、穂乃果、ことり、海未が小さい頃に見つけたこの場所にみんなを連れてきたのだが、偶然ナオキと絵里と遭遇してしまったのだ。

ナオキと絵里の2人っきりであったこの場所はみんなの乱入によって結構な大人数になってしまった。

 

「あ〜もう!!」

「ナオキ!?」

 

するとナオキは大声をあげて柵の前まで歩いていった。そして息を思いっきり吸って夜空に向かって大声をあげた。

 

「た〜まや〜〜〜!!」

「おっ、いいね〜!私だって……た〜まや〜〜〜!!」

「凛もするにゃ〜!た〜まや〜〜〜!!」

 

ナオキがそう言うと、穂乃果と凛も続いてナオキの横に立って大声をあげた。そんな3人をみんなは微笑みながら花火と同時に見つめた。

それからみんなで一緒に花火を見ることとなったのであった。

だが誰も気づくことはなかった……ナオキの目には一粒の涙があったことを……

 

 

「た〜〜まや〜〜〜〜〜〜!!!」

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜♡〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

「絵里との2人っきりの時間が……」

「まぁいいんじゃない?久しぶりにみんなで集まれたんだし」

「そうだけどよ……はぁ………」

 

帰り道、ナオキは絵里に励まされながら歩いていた。その後ろからは雪穂と梨子もついて来ている。

花火大会の後、みんなは海未の家で浴衣から私服に着替え、ナオキと絵里は海未に浴衣を返し、亜里沙と梨子は穂乃果と雪穂に浴衣を返して4人一緒に自宅まで帰っている。

 

「でも梨子ちゃんの思い出作りにはよかったんじゃない?ね、梨子ちゃん」

「は、はい!とても楽しかったです!」

「そうか……ならよかったよ」

「でも……」

「ん、でも……?」

 

ナオキ達は梨子の言葉の続きが気になるのか、梨子の方を見ながらその答えを待った。

 

「でも……もっとナオにぃと夏祭りを見てまわりたかったな〜って……」

「梨子ちゃん……」

 

ナオキは残念そうな表情を浮かべる梨子を放っておけなかった。

梨子は本当はナオキと夏祭りを見てまわりかったのだ。だが絵里との2人の時間を壊したくないからと自分の気持ちを我慢していたのである。

ナオキは立ち止まってそんな梨子ちゃんの前でしゃがんだ。

 

「ナオにぃ……」

「ごめんな、梨子ちゃん……おれと絵里のために我慢してたんだよな?」

「ナオにぃ……」

 

ナオキが梨子の頭を優しく撫でてやると、梨子は目をうるうるとさせてそんなナオキを見つめた。

 

「それなら約束しよう。またいつか、梨子ちゃんと一緒に夏祭りを見てまわる」

「本当……?」

「あぁ本当さ。男に二言はない」

 

ナオキは梨子の頭を撫でていた手を離して、小指を立てて梨子の前に出して笑顔を浮かべた。

 

「っ……うん!約束だからね!」

 

梨子はそんなナオキを見て涙を拭き取って笑顔で頷いて、自分の右手の小指とナオキの小指を絡ませた。

 

この2人の約束は叶うのはいつになるのか……このときは2人を含めて誰も知る由もなかったのである。

だが、これだけは言える。

 

この願いは必ず叶う……ということが。

 

 

 

 

次回に続く………




〜妄想ラジオ〜

ナ「さて、本日もやってまいりました妄想ラジオ!今回は絵里と一緒にお送りします!」
絵「やっと夏祭りね〜」
ナ「そうだな。現実的には春だけどな」
絵「それはそうだけど……でも王道ネタにやっといけたわね」
ナ「だな。恋愛モノでは夏祭りは王道だからな」
絵「でもやっぱり夏祭りがあったら次は……アレなのかしら?」
ナ「まぁ、夏だしな……アレがあるだろうな」
絵「ふふっ、楽しみね」
ナ「だな。それじゃあそろそろ終わりにしちゃうか?」
絵「早いわね……」
ナ「たまにはいいんじゃないか?長い時はたまにはあるし」
絵「マイペースね……では、今回挿絵を描いてくださった揺さん、ありがとうございます!そして新しく評価してくださったイチゴ侍さん、ありがとうございます!」
ナ「新しくお気に入りしてくださったみなさんもありがとうございます!感想などどんどんお待ちしております!それでは……!」
ナ・絵「「ばいばーい!」」

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