ラブライブ!〜1人の男の歩む道〜   作:シベ・リア

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みなさんどうも!
まずは、本当は投稿を9時12分にする予定でしたが、何故かできませんでしたことをお詫び申し上げます。
そして、なんとUAが10万を突破しました!みなさん、ありがとうございます!
前回の絵里の誕生日回、楽しんでいただけたでしょうか?
さて、今回はナオキが絵里のサプライズのためにしていた料理練習の裏側を書きました!
それでは、前回のラブライブ!略して前ラ!を……ことり!



第130話「スピカテリブル」

 

前回のラブライブ!

ナオキくんは、絵里ちゃんに内緒で私とにこちゃんに料理を教わっていた。

そして、そのサプライズは大成功!

ナオキくんと絵里ちゃんの仲はもっと深まった!

そして……その裏側では………

 

 

 

「なぁ、ことり……ちょっとお願いがあるんだけど……」

 

「ん〜、どうしたの〜?」

 

休み時間、ナオキはことり話しかけた。

 

「その……料理を教えて欲しいんだ」

 

「料理を……?別に構わないけど、なんで?」

 

ことりがその理由を尋ねると、ナオキは少し照れたように頬を人差し指でかいた。

 

「その…………

絵里にお弁当を作ってあげたいから」

 

「お弁当を……?」

 

「あぁ……絵里には朝飯から晩飯まで全部作ってもらってる。でもおれはなにも作ってあげることはできない。それが悔しいんだ……だから、絵里に料理を作ってあげたいんだ」

 

ナオキは真っ直ぐとことりを見つめて言った。

 

「うん、わかった。ナオキくんの気持ちはよく伝わったよ!」

 

「っ……ありがとう、ことり!」

 

「そうだ!にこちゃんにも手伝ってもらおうよ!」

 

「そうだな!あ、でも絵里にバレないように……」

 

「あ、サプライズにしたいんだね!

それなら、少なくともμ'sメンバーには伝えておいた方がいいかもね」

 

「だな」

 

こうして、あのサプライズ計画は始まった。

 

 

 

 

 

ことりの家……

 

「じゃ、まずは料理の基礎からね」

「はい!」

 

まず、ナオキはにことことりから料理の基礎を学んだ。

調味料のこと、野菜の選び方、野菜などの切り方、皮のむき方、調理器具のことなどを叩き込まれた。

ナオキはこのことをノートに書き、絵里に見つからないようにこっそりと読み返していた。

 

そして実践。

ナオキは野菜を切る時に何度か指も切っていた。

 

「っ……!」

「あ、大丈夫!?」

「あんた、これで何回目よ?」

 

ナオキが指を切って心配して救急箱を取ってくることり、にこはにことてまたかと呆れていた。

 

「なんか切っちゃうんだよな……いてて……」

 

ナオキは消毒液がしみて痛がっていた。

 

ナオキはいつも料理をことりやにこに食べさせることはなかった。

一度ことりとにこに食べてもらい、味をみてもらった方がいいのかもしれない。

だがナオキはそれを嫌がった。

 

それは………

 

 

初めて自分の手作りを食べてもらうのは絵里がいいからであった。

 

 

 

ことりとにこはそれを承知の上で、ナオキに料理を教えていた。

ナオキが作っていても、横からアドバイスしたり、次になにを入れてどうするか指示するだけだった。

 

 

そしてナオキには、どうしても実行したいことがあった。

 

「なぁ、チョコレートを入れて美味しい料理ってあるか?」

「チョコレート?」

「う〜ん、色々あるけどカレーなんてどう?」

「カレーに?」

「あっ、そっか〜!カレーにチョコレートを隠し味として入れると、コクが出るんだよ」

「へ〜………」

「でも、なんでまたチョコレート?」

「いや、その……絵里の好物だからさ……チョコレート……」

ナオキは照れながらそう言うと、ことりとにこは笑顔で見つめあった。

 

 

 

そして練習の日々が続いて、ついに本番当日。

 

希とにこに頼んで絵里を連れ出してもらい、穂乃果に頼んで亜里沙を泊めてもらった。

穂乃果には、あとで亜里沙に事情を説明してくれと頼んだ。

だがそれでは少々不安なので、雪穂にも頼んだ。

 

 

そして、サプライズは大成功!

翌朝、ナオキはメッセージアプリでそれをみんなに伝えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん〜!美味しい〜!」

「うん、いいんじゃない?」

「そうか、よかった……」

ナオキは料理を教えて貰ったことりとにこに、先日絵里に作ったチョコレートを隠し味にしたカレーを作って食べてもらっていた。

「コクも出てるし、なにより愛がこもってるわ」

「うん、教えなくてもちゃんとできてたね」

「そうだ。なんでそのことを教えてくれなかったんだよ」

ナオキは一番大事な調味料、愛を何故教えてくれなかったのかと疑問に思っていた。

「そんなの、教えなくてもナオキならわかってるってわかったからよ」

「うん、ナオキくんの料理を作ってる時の顔を見てすぐにわかったよ」

「料理を作ってる時の顔で……?」

「そう。ナオキくん、とても真剣に料理してたしね」

「だからことりと相談して、あえて教えないことにしたの」

「なんだよそれ……」

ナオキは肩を落として言った。

「ま、結果オーライだからいいじゃない」

にこは少々ドヤ顔でカレーライスを食べた。

「うん、そうだね!」

ことりが言うと、ナオキは笑って息を少しはいた。

 

 

 

 

〜ラブライブ!(ナオキ)〜

 

 

 

そしてナオキが食器を洗ってる間………

 

 

ことりの部屋では………

 

 

 

「ねぇ、ことり……今度こそ留学するんでしょ?」

「うん、今度こそはね……」

「そう、寂しくなるわね……」

にことことりは、これからのことりの留学についての話をしていた。

「あのとき断っちゃったから、今度はちゃんと行こうかなって……」

「そう……まぁ、しっかりやりなさいよ?」

「うん……」

ことりは少し寂しそうな目で頷いた。

 

 

 

 

「それと、ナオキにもちゃんと言いなさいよ」

 

「ほぇ?」

 

ことりはにこの言葉にきょとんとした。

 

留学のことならもうすでにナオキには言っている……だとしたらなんなのか……と………

 

「はぁ……その顔じゃ、何かわかってないわね?」

 

「うん、ごめん……」

 

にこは呆れてため息をついた。

 

そして……

 

 

 

 

 

「あんた、ナオキのこと好きなんでしょ?」

 

 

 

「…………ぴぃっ!?」

 

ことりの顔は徐々に赤くなっていき、声を発する時には顔をりんごのように真っ赤にしていた。

 

「その反応は図星のようね」

 

「で、でもっ……あのっ……えっと……////」

 

ことりは顔を赤くして手と首を左右に振りながら戸惑っていた。

 

「そんなに隠さなくてもいいわよ……

私も同じだったから(・・・・・・・・・)……」

 

「えっ……!?」

 

ことりは予想外のにこの台詞に驚いた。

 

「私ね……6月にナオキに告白したのよ……」

 

「そう……なんだ……」

 

「ナオキにOKされないことなんて……わかってた。

でもね、ことり……断られるより、伝えられない方がもっと苦しいのよ?」

 

「………………………」

 

ことりは反論できなかった。

まさに、にこの言ったことは自分の気持ちと同じだったからだ。

 

苦しい……………

 

伝えられないから苦しい………

 

でも、フラれるとわかっていて告白するのもまた辛いものである………

 

「はぁ………

 

風がさらう落ち葉を〜見守る夜のひかり……あな〜たはいまごろ〜どこにいるの〜………」

 

「えっ……?」

 

ことりはにこが急に歌を歌いだしたことに驚いた。

にこが歌っているのは……………

 

『スピカテリブル』

 

ことりのソロ曲である。

 

スピカは乙女座で、最も明るい恒星の1つ……

 

テリブルの意味は恐怖……

 

想いを伝えたいが、関係が崩れてしまうのが怖い……

心の扉を開けてほしい……でも怖い……

 

ことりの今の感情と同じである……

 

 

「………カギをすてないで〜」

 

にこはそこを歌うと、ことりに歌うように促した。

 

「えっと……開けてみ〜たいのならふ〜みださなきゃ、自分を開けたい

ただ恋故に嘆くなら変わらない〜……変わりたいのよ……」

 

ことりは歌い終わるとにこの顔を見た。

にこは静かに頷いた。

 

 

 

 

固まった………

 

 

 

 

 

 

「……ありがとう、にこちゃん!」

 

そう言ってことりは部屋の扉を開けて、キッチンへと足を進めた。

 

「はぁ……世話の焼ける後輩だわ……」

 

にこは息をはいてそう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、これでラストっと……」

ナオキは食器を洗い終わり、体を伸ばした。

「ナオキくん、洗ってくれてありがとうね」

「いいよいいよ。作ったのは俺なんだしさ」

ことりはキッチンで洗い物が終わったナオキに声をかけた。

「でも助かったのはほんとだよ?(ずっと昔から……)」

「……そうか………」

ナオキはなにかあるのだろうかと思い始めた。

 

沈黙…………

 

ナオキはなにか話すことがあるのかと思い、それを待つ。

 

 

ことりは言葉を出そうとするが、なかなか重たい口が開かない。

 

 

ことりの頭の中で、あの曲が流れる……

 

 

スピカテリブル……

 

 

 

 

想いはその歌と同じ………

 

 

 

 

そしてことりは息を大きく吸って、真剣な眼差しでナオキを見つめた。

 

 

 

「ナオキくん!」

 

「ど、どうした?」

 

ナオキはいきなり大きな声を出したことりにびっくりしながらも反応した。

 

「あのね、話があるの……」

 

「話……?」

 

「うん……私………ずっと前から………

 

ナオキくんが小さい頃に、東京にいたときから……!!」

 

 

ことりは服の胸のところを掴みながら言う。

 

 

少し気を引きかけるも、スピカテリブルという歌が、自らの背中を押す。

 

 

 

 

「ナ……ナオキくんのことが、好きでした!!」

 

 

ナオキは目を震わせてそう言うことりを真剣な表情で見た。

 

 

「………そうなのか……」

 

「うん、私……卒業したら外国に行っちゃうし、そうしたらナオキくんにも会えなくなる。

それに、この想いを伝えないまま終わったら、先には進めない気がしたから」

 

「なるほどな……でも、悪いなことり……

おれはお前の気持ちに応えることはできない」

 

「………うん、そうだろうね……

わかってたよ……そんなこと………」

 

ことりの目からは涙が溢れていた。

 

「ことり……」

 

「辛かった……伝わらないってわかってても、伝えなきゃ絶対後悔する……!

でも、怖かったの………

今までのナオキくんとの関係が壊れるんじゃないかって……

でも、伝えたかった……!!」

 

ナオキは黙ってことりの言葉を聞いた。

 

 

そして、ことりの頭をポンポンと叩いた。

 

 

「ことり……よく頑張ったな……

大丈夫、安心してくれ……

おれはことりとキョリを置いたりなんかしない。

おれ達のこの関係は、壊れることは、壊すつもりはないから……」

 

「うぅ……ありがとう……」

 

ことりはナオキの体に顔を当てて、涙を流した。

 

 

ナオキはお疲れ様という風に頭を撫でた。

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

ことりもだったか………

 

希、にこ、ことり………

 

みんなおれに想いを伝えてきた………

 

でも断るしかない………

 

だっておれには絵里がいるから………

 

確かに、向こうも断られるとわかって告白するのは辛いと思う……

 

 

でも…………

 

 

 

 

一番怖いのはおれなんだ………

 

 

 

断って、みんなが傷つくのが辛い………

 

 

 

 

でも………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里にこのこと言ったら………?

 

 

絵里は……どういう風に思うんだろうか?

 

 

 

もしかして……

 

 

傷ついちゃうのかな?

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

「じゃあ、テストを返します。

おそらく、みなさんはこれが期末テストの最後の教科ですね。

では、出席番号順に取りに来て下さい………」

 

先生がどんどんと名前を呼んでいく。

 

ナオキは緊張した表情で先生を見つめる。

 

 

「香川ナオキくん」

 

「はい!!」

 

ナオキは名前を呼ばれ席を立つ。

 

穂乃果、海未、ことりも少し汗を垂らしてナオキを見つめる。

 

ナオキは教卓の前に立ち、先生から数学のテストを受け取る。

 

ナオキは点数を見ずに、席に戻る。

 

穂乃果、海未、ことりもテストを受け取って、ナオキの席に集まる。

 

「ことりは90点だったよ〜」

「私は86点でした」

「穂乃果は76点!」

「待て!穂乃果が76点だと!?」

ナオキは数学が同レベルな穂乃果が76点をとっていることに驚いた。

「穂乃果ちゃん凄いね〜」

「やっぱり勉強の成果があったのでしょう」

海未は珍しく穂乃果を褒めているようだ。

「穂乃果……」

「ナ、ナオキくん……!?」

穂乃果は突然両肩を掴んできたナオキに驚きを隠せない。

海未とことりもなにを考えているのか、頬を少し染めている。

 

「穂乃果、お前………!」

 

「えっ、えぇ……!?」

 

クラスの他の女子も「はわわわわ」という感じでナオキ達の方を見つめた。

 

先生はテストを返すのに必死……なはずである。

 

「お前…………

 

 

 

 

 

 

 

 

カンニングしたなら今のうちに言え……!」

 

『は?』

ナオキ以外の人達が全員言った。

「穂乃果、確かに点数を取りたいのはわかる。

だがな、カンニングはダメだぞ?

テストは正々堂々と、自分の力で解かなきゃダメだ。

だからカンニングしたなら今のうちに……今ならまだやり直せる……!」

「む〜………!」

「穂乃果……?」

ナオキは下を向いて小刻みに揺れる穂乃果を見て首を傾げた。

 

 

「カンニングなんてしてないよ〜!!!」

 

 

穂乃果は両腕を激しく振り上げて叫んだ。

 

「な〜んだ、穂乃果がそんないい点数とるわけないって思ってたからカンニングしたのかと思ってたよ」

「それ酷くない?

ところで、ナオキくんは何点なの?」

「ついに来たか……この時が……!」

ナオキはそう言って、机の上に裏向きで折って置いていた解答用紙を手に取った。

「せめて赤点回避だね……」

「でも今回は穂乃果でも76点なんです!ナオキならきっとそれよりいい点数を……!」

「ナオキくんも海未ちゃんも酷くない?」

 

そして、ことり・海未・穂乃果はもちろん、クラスの全員が気になるナオキの数学のテストの結果は……!!

 

 

 

 

 

「………41点………!ギリギリ赤点回避だ!!」

『おぉ〜!!』

ナオキが点数を言うと、教室が歓声と拍手に包まれた。

「穂乃果の方が点数上だけど……まぁ、おめでとう!」

「やったね、おめでとう!」

「なんとか赤点回避ですね」

「ありがとう!あと穂乃果は地味にムカつく」

ナオキは赤点を回避できたと喜び、穂乃果達も笑顔でその結果を讃えた。

 

 

 

「あ、平均点は73点です」

 

『……………………』

 

その時、教室の空気が固まった。

 

「……………おうまい絵里……」

 

 

でも、平均点よりは結構下回ってました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「赤点は回避したのは褒めてあげるわ……でも………

なんで平均73点のテストが41点なわけ!?あの穂乃果でも76点よ!?」

「うぅ……」

その夜、ナオキは絵里に説教されました。

 

 

 

 

 

「ハックション!」

「お姉ちゃん大丈夫?」

「うん……風邪かな?」

穂乃果は人差し指で鼻の下をこすって、いつも通りダラダラした。

 

 

 

 

次回に続く……

 





〜妄想ラジオ!〜

ナ「どうもー、赤点回避したけど平均点より30点以上下回っていた、ナオキでーす……」
穂「どうも〜!自身最高点を記録した、穂乃果で〜す!」

どうもー、高校3年生のときの数学のテストの点数が1学期期末からずっと赤点だった、シベリアでーす……

穂「それでよく卒業できたね!?」

………………………

ナ「っ……はやまるなシベリア!まだ死ぬのは早いぞ!!」
穂「そうだよ!まだまだ人生……これからだよっ!」

年下にそんなこと言われるなんて……うぅ……

ナ「さて、シベリアもおさまったところで……今回の妄想ラジオは穂乃果と一緒にお送りします!」
穂「わーい!」
ナ「しかし、穂乃果がまさかカンニングしないであの点数なんて……」
穂「穂乃果は海未ちゃんの厳しい特訓に耐えたからねっ!」
ナ「でもおれがいなかったときには全然ダメだったのにな(穂乃果達が理事長室で絶望しているシーンのボードを出しながら)」
穂「やーめーて〜!!」
ナ「あとこんなのもあるぞ(穂乃果と凛が机に手を置いて頭を下げているシーンのボードを出しながら)」
穂「いやだ〜!!」
ナ「はははっ!ざまぁーみやがれ!」
穂「くっ……!」
ナ「それじゃあ、そろそろ終わりにしようか………とその前に………なんと!今回この作品のUAが10万を突破致しました!」
穂「お〜!ついにここまで来たんだね!」
ナ「あぁ、これで今のところのシベリアの目標は達成されたな」
穂「叶ったね!作者の夢!
それでは、新しく評価してくださった、由夢&音姫love♪さん、ありがとうございます!」
ナ「さらに、お気に入りしてくださったみなさん、ありがとうございます!」
穂「感想など、どんどんお待ちしてます!それじゃあ………」

ナ・穂「「ばいば〜い!」」

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