ラブライブ!〜1人の男の歩む道〜   作:シベ・リア

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みなさんどうもどうも!
今回はなんと、別サイトでウォール@変態紳士さん(ん、紳士……?)が書かれている『ラブライブ!〜夕陽に咲く花〜』とのコラボ回です!
この作品では2回目、さらに私にとって3回目であるコラボとなります!
この投稿された時間……絵里と花陽の誕生日の日にちですね!
みなさんには、このコラボ回を読んでもらって、いい気持ちで9月最後の日、そして金曜日という素晴らしい日を過ごして欲しい所存です。
それでは、どうぞ!



コラボ回(withウォール)「香る絵と春の花〜大人の味に魅せられて〜」

「あいつら遅いな〜」

「そうね〜」

 

おれ、香川ナオキと妻である絵里は『食事処 夕歩(ゆうほ)』に来ていた。

今日はここである1組の夫婦とご飯を食べる予定なんだよ。

 

 

ガラガラガラ……

 

「お待たせしました〜」

「ごめんなさい、待たせてしまって……」

 

おれが待ちくたびれていると部屋の障子が開き、そいつらが申し訳なさそうに入ってきた。

 

「遅いぞ……春人、花陽」

「待ちくたびれちゃったわ」

 

そいつらこそが、東京の小学校のときに仲が良くて、帰ってきた時に花陽を通して再会した別の高校に通ってた後輩の高橋春人(たかはしはると)と、その妻である花陽だ。

 

「本当にすみません、なんでもしますから……」

「ん、今なんでもって……?」

「もう、そんなのいいから早く座って座って」

 

おれが冗談を言ったら絵里が普通に2人に座るように促した。

ったく、折角面白いこと言ったのにな。ま、かわいいから許すけど。

 

「さ、腹へったし早く注文しようぜ!」

「ナオキはこのときの為にお昼ご飯抜いたもんね」

「そうなんですか!?」

「ふふっ、ナオキくんらしいね」

「そりゃあ、久しぶりの外食だぜ?それに春人と花陽と一緒となれば尚更楽しみだったし!」

 

もうおれはぺこぺこなんだよ!

早く食わせろ!!

早く食いたいし、箸をバンバンってしようかな?いやいや、それしたらきっと絵里に怒られる……いや、怒られるのもありか……うん、いい……いいぞ!よし!

 

「ナオキ、注文はなににするの?」

「あ、ご飯の大盛りと、枝豆と、唐揚げと、生で」

「かしこまりました。ご注文は以上でよろしいでしょうか?」

「はい、以上です」

「では、少々お待ちください」

 

店員さんは注文をとって障子を閉めて行った。

いやぁ〜楽しみだなっ!!

あれ、さっきまでなにかしようとしてたような……ま、いっか。

 

「そう言えばナオキさん、お仕事の調子はどうですか?」

「あぁ、最近は"ラブライブ!"も近いし大変だよ」

 

そう、おれは"ラブライブ!運営委員会"で会長をしているんだ。

 

「そうなんですよね!もう席は予約済みです!」

「流石は花陽だぜ」

 

おれと花陽は互いに親指を立てた。

 

「発売日になる瞬間にクリックしたもんね、花陽ちゃんは」

「だって、ラブライブ!だよ、ラブライブ!」

「わ、わかったから……落ち着こう?」

「ご、ごめん……」

「ははは、ほんと相変わらずだな」

 

いやぁ〜微笑ましいなこの夫婦は。

え、おれと絵里もだって?

当たり前じゃん。イチャラブ過ぎてみんな嫉妬ファイア〜〜〜が燃えたぎるんじゃね?

 

「お待たせしました。生3つと枝豆です」

「ありがとうございます」

 

なんか喋ってたら注文の品が来たわ。

あれ、3つ……?

 

「花陽は飲まなくていいの?」

「うん、私はいいよ。あまりお酒に強くないし……」

「また飲みたくなったら頼んでいいんだよ?」

「うん、ありがとう」

「それじゃあ、久しぶりの再会に……」

「「「「かんぱ〜い!」」」」

 

ついに飲める!食える!

 

「ぷはぁ!やっぱりうめぇ〜」

「もう、飲みすぎないでよ?」

「わかってるわかってる」

「はははは……」

 

おれは勢いよくビールを口に入れた。

絵里は少し口に入れてから少し微笑んで言ってきた。かわいい。

春人は苦笑いをしていた。

 

「ご、ご飯はまだでしょうか?」

「花陽ちゃんは一旦落ち着こ?」

 

花陽はご飯はまだかまだかとキョロキョロして待ちわびているようだな。

 

「まぁまぁ、枝豆食べとけって……」

「ありがとうございます……はむっ」

 

花陽は残念そうに枝豆を食べた。

 

そのあと注文した品全部が揃って、おれ達は話しながら食べていた。

 

 

あ、ビール4杯目です。

 

 

「でも感慨深いわね。あのときナオキが春人くんの背中を押したから今4人でこうして飲んでいるのよね」

「そうなんですよね。あのときはお世話になりました」

「おう、いいっていいって!春人はあと一歩踏み出せなかったんだよ。あ、ビールおかわり」

「ははは……でもあのときのことは本当に感謝してますよ」

「うん、私からも……ありがとう」

 

そう、この2人が結ばれてるのもおれが春人の背中を押したからとも言える。

 

あの日、おれは薄々思ってたことを春人に言った。

「花陽のことが好きなんじゃないか?」ってな。

そしたらそれが図星で、なんで告白しないのかということに。

春人はそれに対して、振られるのが怖いだの、花陽に迷惑がかかるだの、恥ずかしいだと言い訳するからおれがチョップをくらわせたんだ。

そして「なにするんですかっ!」って頭を押さえて言う春人に言ってやったんだ。

「本当にそれでいいのか?」「お前の花陽に対する想いはその程度なのか?」ってな。

それで最後に一押し、「お前ならいける」って背中を押したら……ほら付き合えたってわけ。

 

「懐かしいなぁ〜!」

 

そんな思い出を思い出しておれはさっきおかわりしたビールをまた一口飲んだ。

 

そのあともおれ達は話をしながら食事を続けて店を出た。

 

 

 

 

「いやぁ〜食った食った」

「美味しかったわね」

「ふわぁ……ご飯美味しかったです」

「10杯ぐらい食べてたもんね」

「どうする?次の店に行くか?」

 

おれは違う店に行かないかとみんなに聞いた。

 

「いいんじゃない?」

「明日も休みですしね」

「私はご飯が食べられるならそれでいいです!」

「んじゃ、行くか!」

 

みんなの賛成も得られたので……いざっ!!

 

 

 

 

〜ラブライブ!(ナオキ・春人)〜

 

 

 

 

おれ達が次にやってきたのは『居酒屋 暁』だ。

そこの個室の座敷でおれ達4人は座ってゆっくりと酒を飲んでいた。

 

「結局花陽も飲むんだな」

「はい、みんなが飲んでる姿を見てたら飲みたくなりました!」

「ははは……春人はもっと飲んでもいいんだぞ?」

「いえ、僕はあまり多くは……」

「ナオキは飲みすぎね。少しは控えなさいよ」

「努力しま〜す」

 

そう言っておれは酒を口に入れた。

机には酒と枝豆とかのおつまみと白米が………白米!?

 

「花陽、それ何杯目?」

「えっと……5杯目?」

「ハラショー……流石は花陽ね」

 

花陽はやっぱり白米かぁ……

 

「なぁ春人、花陽って家でも白米ばっかなのか?」

「はい、毎日違う種類のお米が出てきますよ」

「「うそ!?」」

 

おれと絵里は信じられないセリフに声を合わせた。

 

「本当ですよ。しかも家の地下にはお米貯蔵庫がありますし」

「「お米貯蔵庫!?」」

「はい、凄いんですよ。ね、花陽ちゃん」

「ごくっ……はい、お米貯蔵庫には日本中から集めたたくさんの種類のお米が貯蔵してあるんです!」

「「お、おう……」」

「だから高橋家の食費は野菜とかじゃなくてお米に消えるんですよ」

「「ハラショー……」」

 

いや、もうハラショーしか出ないよ?

それに見てくれよあの花陽の目。

むっちゃキラキラしてるし。

花陽まだお酒飲んでないよね?

あ、白米とアイドルのことになったらこんなもんか。

でも、今もまだ米のこと話してるんだぜ?

絵里も多分おれと同じ反応……あ、酒進んでるな〜……

さてさて春人は………

流石花陽の夫だな、むっちゃ笑顔で頷いてる。

 

「でもいいものですよ?毎日違う種類のご飯が食べられるのは」

「そうか……幸せそうでなにより……

あ、日本酒追加で!」

「あとご飯と、気分がいいので日本酒も!」

「あいよー!」

「花陽もついに飲むか!」

「はい、お米のことを話したら気分がよくなりました!」

 

いいねいいね〜!どんどん飲んじゃおう!

 

 

 

 

「んで、春人……」

「ナオキさん、結構酔ってます?」

「酔ってね〜よ!ちょっと気分がいいだけっ!それより春人……」

「は、はい……」

「家での花陽はどうだ?」

 

おれは隣で絵里と花陽が話し込んでるから春人に家での花陽の様子を聞いた。

 

「そりゃあかわいいですよ。とくに白米のことになるとかわいいですね。いつも白米を炊くとなると、『今日はどのお米にしますか?』って聞いてくるのがかわいいんですよぉ!!」

「そうか、それはよかった!」

 

おれは感激してまた酒を口に入れた。

 

「絵里ちゃんとはどうなんですか?付き合ってる当初からラブラブだったら、今でもラブラブじゃないんですか?」

「あ、バレた?

いやぁ〜やっぱりかわいいぜ絵里は」

「例えば……?」

「そうだな……ひとつひとつの仕草とか全部かわいいけど、仕事から疲れて帰ってきたら『おかえり』って笑顔で出迎えてくれる絵里は格別だなっ!!」

「わかります!そんな花陽ちゃんもかわいいです!!」

 

チラッと隣を見ると絵里と花陽が顔を隠して下を向いてるけどなにかあったのか?ま、いっか。

 

「でもな、一番かわいいのはな……」

「はい……」

 

 

 

 

「ベッドの上の絵里なんだよ。やっぱりベッドの上の絵里はいいぞ?かわいがってやるといい声で喘ぐんだよ!それがおれのおれ(意味深)とかおれの性欲をさらに活性化させてくれるんだよ!あの柔らかい唇もいいもんだぞ!あの感触は最高だな……うん。そしてやっぱり絵里のお…「てやぁああああああ!!!」…ぐほぉおおおお!!」

 

なっ、急に隣から攻撃されたぞ!?

いてぇ、脇腹痛い……

 

「え、絵里っ!なにするんだよ!」

「『なにするんだよ』じゃないわよ!なんでそんなこと話すのよ!////」

「いやぁ、春人に家での絵里のかわいさをだな」

「教えなくていいのっ!////」

「そんな恥ずかしがる絵里もかわいいよ」

「も、もう……バカッ……////」

 

あぁ〜やっぱりかわいいなぁ〜!

この照れて顔をそらすとかまじかわいいんだよっ!!

 

「で、そっちのベッドの上は?」

「なっ……////」

「どうなんだ?もちろん夫婦なんだ……1回や2回ぐらいヤってんだろ?」

「ま、まぁ……そりゃあ……」

「ほーらヤってんじゃん!で、どうだった?」

「ど、どうだったと言われても……」

「………気持ちよかったか?」

「………はい……////」

「ははは、そうだろうな!おれも絵里とヤるときはむっちゃ気持ちい…「バカァアアアアアア!!」…ぐほぉおおおお!!」

「うわっ、また!?」

 

くそぉ……また脇腹に愛しの妻絵里からパンチがとんできた……

 

「またかよっ!この会話のどこがダメなんだよ!」

「ダメに決まってるでしょ!!もう、怒ったわよ!お酒はもう注文したらダメよ!」

「そんなぁ!!あんまりだよ絵里っ!お許しを〜!!」

「ダ〜メっ!」

 

絵里はそう言っておれから酒を取り上げた。

 

「絵里ぃ〜」

「も、もう、そんな目をしてもダメ!もう飲んじゃうからね!」

「そんなぁ〜……あんまりだよ……」

 

おれのうる目攻撃は絵里に効果はなかったようだ。

しかも絵里におれの酒飲まれちゃ……っ……た……あ……

 

「ナオキさん、ナオキさんのお酒って結構キツイ方のやつなんじゃ……」

「うん、絵里大丈夫かな……?」

 

絵里っておれよりは弱いし……もしかしたら一口で酔っちゃうことだって……

 

「花陽ちゃんは大丈夫……?」

「うん、まだ平気だよ?でも……」

「でも……?」

「春人くんもナオキくんみたいに堂々としてよ!」

「えっ……うん、ごめん」

「謝るぐらいなら堂々と私の愛を叫んで!日本酒おかわりお願いします!あとご飯も!」

「へい、かしこまりました!」

 

春人も大変そうだなぁ〜………

あれ、さっきおれ褒められたのかな?

てか花陽、ちょっと酔っ払ってきてね?

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「日本酒とご飯入りま〜す!」

 

「あいよ!かしこまっ☆」

 

 

俺はこの店の店主の岡薫(おかかおる)だ。仲のいい友人からは"お薫"とか呼ばれる。

 

今日、うちの店に恐ろしい客が来ている。

なんとそいつは来てからずっとご飯を注文してきやがる。しかも大盛りで。

 

くそっ、なんなんだあいつはっ!!

 

しかも3杯目ぐらいからちょっとずつ盛って出してるんだぜ?

それでもヤツはおかわりしてきやがる……!何回炊いたと思ってるんだっ!

くそっ、こうなったらタイマンだ!!

ヤツがくたばるまで、ご飯を盛りながら出すまでだっ!!!

 

「ご飯大盛りと日本酒、持ってけ!」

 

「はい!」

 

覚悟しろよ……

俺の全力をもって、お前の全力を打ち倒す!!!

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「お待たせしました〜!日本酒とご飯大盛りです!」

「ありがとうございます!」

「ナオキさん、ご飯の量が注文するごとに増えてるような気がするんですが、気の所為でしょうか?」

「いや、きっと花陽がよく食べるから店員さんが盛ってくれてるんだよ」

「これはまたお礼を言わないと……」

 

うん、えらいな春人は。

でも気になるのが……

 

「ナオキぃ〜もっとお酒〜」

「絵里弱いのに強いの飲むからだっての……」

「ナオキぃ……」

 

うぉ……うぉお……絵里のうる目の上目遣い……!!

これは、効果は抜群だっ!!!

 

「すみません、日本酒ふた…「ナオキはダメだって言ったでしょ!」…1つで……」

「かしこまりました!」

 

くそっ、どさくさに紛れて酒を頼もうとしたら絵里に止められてしまった。

 

「もう、ナオキったら悪いコね……そんな悪いコには……」

 

そう言うと絵里はおれに近づいてきて、おれの両頬に手を当てて顔を近づけて………

 

「んっ……!」

「なっ……!////」

 

キスをしてきた。濃厚なやつを。ディープなやつを。

春人は予想外のことに顔を赤くしている。

 

「んっ……ぷはぁ……ふふっ、悪いコはこうしちゃうんだから♡」

 

あぁ……やばいです。おれのおれ(意味深)が疼きます。でもここは公共の場なので家でヤります。

 

「流石ですね。こんなところでも……」

「だ、だろ?」

「声、震えてますよ?」

 

あれ、バレちゃった?あははは……

 

「はい、日本酒で〜す!」

「ありがとうございます」

「ナオキお酒〜」

「わかってるわかってる。はい、どうぞ」

 

おれはお酒をそそいで絵里にその酒器を渡した。

 

「ありがとう」

 

絵里はそうニコッとして言うと酒を口の中に入れた。

にしても絵里の笑顔はかわいい。

 

「春人くぅ〜ん」

「は、花陽ちゃん!?」

 

おっと、花陽もさらに酔ってきたか?

 

「キスしちゃ……ダメですか?」

「えっ……い、今!?」

「だって、絵里ちゃんだってしたじゃないですかっ!」

「で、でもあれは……」

 

春人がおれに目線を送る。

きっと「誰か(てかおれに)助けて」と言っているのだろう。

 

 

 

 

だが断る!!!

 

 

 

「絵里、おいで〜」

「ん、どうしたの〜?」

 

絵里はおれに誘われてくっついてくる。

 

「キス、しようか」

「えっ、でも2人もいるし……」

「なんだよ、さっきは自分からキスしてきた癖に」

「それは……その……」

 

ほんとに……愛おしいな……

 

「絵里……」

 

そしておれは絵里の名前を呼びながら絵里の肩を掴んで顔を近づけた。

絵里も観念したのか目を瞑り、唇を差し出してキスを受け入れてくれた。

 

「ちゅっ……」

「んっ……」

 

そしておれと絵里は優しく唇を重ねあった。

 

 

 

 

「裏切ったな」と思っていそうな驚きの表情を浮かべる春人と、ジト目でそんな春人を見つめる花陽の前で。

 

 

「な、ナオキさん!?」

「ほら、ナオキくんと絵里ちゃんがあんなに堂々とイチャイチャしてるんだよ!?春人くんは悔しくないの!?」

「え、え〜っと……」

 

おれは絵里を押し倒してさらにキスを続ける。

 

「だから、春人くん……」

「花陽ちゃん……」

 

時々唇を離して細めで見つめてくる絵里を見つめて、また唇を重ねたりと続けている。

 

いつもはこんな人の前ではしないんだけど……酔ってきたのもあるし、春人を困らせてやりたいのもある。

てことでキスに集中しま〜す。

 

「春人くん、私達夫婦だよね?」

「うん、そうだね」

「だからキスなんてしても当たり前だよね?」

「でもね花陽ちゃん、ここはみんなが見てるし……」

「個室だから大丈夫だよ!それにナオキくん達だって私達の前でもあんなに熱いキスしてるんだよ?」

「そ、それは……」

「ねっ、だから……しようよ」

「そんなに詰め寄って来なくても……」

「なら早くしてよ……」

「花陽ちゃ…「ちゅっ……」…んっ!」

 

あ、声が途切れたってことはやっとキスしたか……計画通り!

 

そしておれは絵里から唇を離して座った。絵里は寝転んで「はぁ、はぁ……」と息を荒くしている。

春人と花陽はしばらく唇を離さずにキスをして、離すと見つめあっていた。

 

「ほら、そっちもキスした」

「誰のせいだと思ってるんですか!」

「さぁ?」

「いくらナオキさん相手でも怒りますよ?」

「ははは、冗談冗談。でも2人を見てみろ」

「えっ……?」

 

春人はおれの言葉に疑問を抱きながら絵里と花陽を見た。

 

「あっ、寝てる……」

「だろ?」

 

2人はすぅすぅとかわいい寝息をたてて寝ていた。きっと酔って暴れて疲れたんだろう。

 

「あっ、絵里のパンツ見えた」

「ちょっ……!」

「だって見えたもんは仕方ねーよ。お前見るんじゃねーぞ?」

「見ないですって!!」

 

春人はそう言って目を自分で隠した。

 

「ははっ、おもしれーな」

 

そう言っておれは絵里のめくれているスカートをしっかりと直した。

 

「からかわないで下さいよ……もう」

 

春人はそう言って日本酒を口に入れた。

 

「すまんすまん」

 

おれは絵里の注文した余っている日本酒を飲んだ。

 

「あっ、絵里ちゃんに言いますよ?」

「いいじゃんいいじゃん、おれ達の秘密ってことで」

「仕方ないですね……」

「ありがとう、春人」

 

そう言っておれ達は笑いあって酒を飲んだ。

 

「ナオキさん、絵里ちゃんとはまだまだ仲がいいみたいで安心しました」

「春人と花陽もな」

「ナオキさん達ほどではないですけどね」

「違いねぇ」

「「ぷっ……はははははっ!」」

「いやぁ〜酒がうまい!」

「そうですね!」

 

おれ達は笑って酒を飲んだ。

 

「ん、春人くん……」

「花陽ちゃん……?」

 

花陽は寝ぼけながら春人の名前を呼んで、春人の膝に頭を乗せた。

春人は微笑んでそんな花陽の頭を優しく撫でた。

 

「ん、ナオキ……」

「はいはい、おいでおいで」

 

おれは膝を叩いて寝ぼけていた絵里をこっちに向かせて、頭を膝に乗せさせて頭を撫でてやった。

 

「家でもそんなことばかりしてるんですか?」

「別にいいだろっ!

でもお前らが家でちゃんと仲良くしてるか心配だわ」

「なっ、当たり前じゃないですかっ!」

「はははっ、冗談だって冗談」

「ややこしい冗談言わないで下さいよ、ったく」

 

はははっ、春人ってからかいがいがあるんだよな〜昔から。

そういえば「からかいがい」って言いにくいよな?

からかいがいからかいがいからかいがいからかいがいからかいがいからかいがいからかいがいからかいがいからからからからカラカラガラガラ……

 

「っ……舌噛んだ」

「なにやってるんですか……?」

「いや、からかいがいって言いにくいなって」

「結構酔ってます?」

「いや、そんなには」

「あははは……」

 

春人さんよぉ、お前の言いたい事はわかる。馬鹿だって言いたいんだろ?知ってた。

 

「そういや10人で飲みに行った時に花陽が言ってたんだけどよ。寂しがってたぜ、花陽」

「えっ……!?」

「『最近春人くんが甘えてこないし、私が甘えてもちゃんと甘えさせてくれないんです!』ってな……」

「…………」

 

春人はショックを受けたのか、黙って花陽の寝顔を見つめた。

 

「でもさ、甘えるのが恥ずかしいなら甘えさせてやれよ」

「わかってますけど……甘えてきても……その……」

「なんだよ、恥ずかしいとでも?」

 

春人は静かに頷いた。

 

「はぁ……このヘタレが。

花陽はお前に甘えたいんだよ。だったらちゃんと甘えさせてやれ。

しかも恥ずかしいだ?お前ら1回でもヤってるんだったら恥ずかしいもへったくりもあるか」

「うっ……ごもっともです」

「ほんで花陽はもう1つ言ってたぞ」

「もう1つ……?」

 

 

 

 

 

「『春人くんは私のこと嫌いになっちゃったのかな?』って」

「なっ……!?そんなことあるわけ…「だけどそう思っちまうもんなんだよ。甘えても反応が薄いし、春人から甘えてこなかったらな」…っ……それは……」

「もし本当に花陽のことを思うのなら、甘えさせてやれ。それが花陽の為になるし、お前ら夫婦の為になる」

「僕達の……為……」

「あぁ、だからこれは約束だ。

帰ったらちゃんと謝って、そして甘えさせてやれ。もちろんこれからもずっとな」

「っ……はい!」

「よろしい……」

 

おれはそう言ってそっと酒を飲んだ。

春人はグッと酒を飲んだ。

 

 

それからしばらく男2人でゆっくりと話していた。

 

「うっし、そろそろ帰るか」

「そうですね」

「じゃあ、先に会計済ませてくるわ」

「あ、お金少し払います!いくらですか?」

「いいよお金は。今日はおれからの奢りだ」

「えっ、それは……」

「いいって、たまには先輩らしいことさせろよ」

「……じゃあ、お言葉に甘えて……ごちそうさまです」

「おう。それじゃあちょっと待っててくれよ」

「は〜い」

 

おれは財布だけを持って会計に向かった。

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

薫です……

 

 

ご飯の注文が来ない……

 

 

くそっ、来るのか……来ないのか……どっちなんだっ!!

 

 

「岡さん!!」

 

「っ……どうした!?」

 

「あ、あの客が……あのお客様がっ!!」

 

「くそっ、またか……」

 

「いえ……お会計です!!」

 

「なん……だと……!?」

 

お会計……?

 

と、いうことは………

 

「俺達は勝ったのか……」

 

「はい……耐え切りましたっ……!!」

 

『おぉ〜!』

 

厨房に歓喜の声が響いた。

 

 

よっしゃ、やったぞ!!俺達は勝ったんだ!!

この店を始めて数十年と数ヶ月と数日と数秒……こんなに達成感のあった日は初めてだ!!

 

 

よし、これからもこの店を頑張っていくぞ!!

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

なんか厨房が騒がしかったけど気にしないでおこう。

 

 

俺と春人はお互いに愛する人をおぶって店を出た。

 

店を出る時に、店員さん達がすごく満足していて、なにかを達成した感じで

『ありがとうございましたーー!!!』

って言ってたな……う〜ん、わからん。

 

 

「今日はありがとうございました」

「いえいえ、こちらこそ」

「おかげで今日は久しぶりに楽しく飲むことができましたよ」

「あぁ、また飲みに行きたいな」

「はい、そうですね」

「それじゃあ、絵里もベッドで寝かせてやりたいからな」

「僕も花陽ちゃんを早く寝かしたいですしね」

「そうか、じゃあな。花陽と仲良く」

「そちらこそ、絵里ちゃんとお幸せに」

 

そう言って互いに微笑んで別々の道を歩いていった。

 

 

 

 

「春人くん……?」

「花陽ちゃん、起きた?」

「うん……って、ふぇえ!?おんぶされちゃってるのぉ!?」

「う、うん……花陽ちゃん、疲れて寝ちゃったからね」

「そうなんだ……」

「……その………ごめんね。花陽ちゃんに不安な思いをさせちゃってたみたいで……」

「春人くん……」

「だから……これからは甘えさせてもらうし、花陽ちゃんもたくさん甘えてね」

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん、ナオキ……?」

「おぉ、起きちゃったか?もうすぐ家に着くからな」

「うん……」

 

絵里は静かに頷いておれにもたれかかった。

 

絵里の2つ膨らみが当たってます、はい。柔らかいです、はい。ヤヴァイです、はい。

 

 

春人に言ったけど、おれはちゃんと絵里に不安な思いをさせてないかな……?

おれはそう思って顎を肩に乗せていた絵里に言った。

 

 

「愛してるよ、これからもずっと」

「ふふっ、私もよ」

「それなら今日は、そのアカシ(・・・)……つけていいか?」

「うん、私……今日はナオキが欲しい(・・・)……」

 

2人の考える事は一緒なんだな……

 

 

 

 

 

 

 

 

このあと家でむっちゃS〇Xした。

 




〜シベ壁ラジオ〜

ナ・春「シベ壁ラジオ!」
ナ「さて、今回のほんぺんはウォールさんの作品の主人公の高橋春人くんと一緒にお送りします!」
春「どうもはじめまして、春人です」
ナ「とりあえずお疲れ様」
春「いえいえ。このような場に僕みたいな特徴のない人間を出演させていただいてありがとうございます」
ナ「そんなに固くならなくてもいいって。そっちの作者のコラボ回みたいな感じでいこうぜ」
春「は、はいそうですね!でも勝手にホモみたいな扱いされてますけど違いますからね?」
ナ「それはそっちの作者のせいだろ?」
春「確かにそうですね」
ナ「あとでこっちの作者がシメとくわ」
春「でも逆にそれだと喜んでしまうのでは?」
ナ「あっ...(察し)」
壁「喜ばないからっ!」
ナ「作者は黙ってろ、シベリア頼む」
シ「任せとけい!」
壁「あっ、ダメ、そこはっ!あっ、あああああああ!!♂」
ナ「イったか」
春「逝きましたね」
ナ「さて、今回のコラボ回のおさらいといきますな」
春「そうですね、やっぱり僕の方の作品は知らない方が多いでしょうから」
ナ「だな。でもそっちの作者も元はこっちで書いてたんだろ?」
春「はい、とある事情で向こうに移行したみたいですよ」
ナ「ふ〜ん、なんでだろうな?」
春「そこは触れない方がいいかと……」
ナ「そうだな。そっちの作品はどんなやつだっけ?」
春「そうですね……僕がナオキさんに無理矢理薬を飲まされて、男も女もなりふり構わず口説いちゃうお話ですね」
ナ「流石は作者がホモなだけはあるな」
春「そうですね。やる側の気持ちも考えて欲しいものです」
ナ「おれにも結構ダメージきてるけどな」
春「でも未だに思い出せないんですよねぇ〜僕、ナオキさんになにしたんですか?」
ナ「知らない方がいいことだってあるんだ」
春「そうなんですか……酷いことしたのなら申し訳ないです」
ナ「まぁ、元は飲ませたおれが悪いし、そもそもこの薬を作った張本人が悪いんだし」
春「結局あの薬は誰が作ったんでしょうね?」
ナ「どうせ希だろ?わかりきってることじゃん」
春「やっぱり希ちゃんか……」
ナ「だな。こんなことするのはあいつしかいねぇ……」
壁「詳しくは僕のを読んでね!」
春「露骨な宣伝!?」
ナ「はい、退場」
シ「さて行こうか」
壁「ちょっ、また……あああああああ!!♂」
ナ「さて、続きを話そうか」
春「そ、そうですね……
ナオキさんの方のは僕のところとは違って大人の僕達が登場してますね」
ナ「そうだな。おれと絵里、春人と花陽が結婚して、しばらく経った時の話だ」
春「飲み会ですか〜、そういえば僕の方の最後でもナオキさんと僕が食べに行きましたよね」
ナ「そういやそうだったな。
話は戻すけど、こっちのコラボ回はキャラ崩壊が激しかった気もするけどな」
春「ははは……やっぱり飲むと人は変わるんですかね?」
ナ「そりゃあ〜アルコール入ってるからな〜。
さてさて、ここでお互いの作品の裏話とでもいきますか」
春「ですね〜。
僕の方は作者曰く、自作品は純愛ものなんですけども、他の作家さんの企画やら今回のようなコラボになると変態チックになってしまうんだそうです。どうしてなんでしょうね?」
ナ・シ「それは作者が変態だからだろ?」
春「そうですよね〜。
しかもあの人って、自分のことを変態とか浮気者だとか言ってネタにして遊んでるんですよね。僕としてはちょっと悲しいですね……」
ナ「同情するよ。シベリアもそうだし」
シ「待て!俺とお前は一心同体だろ!?」
ナ「はいはい少し黙ろうか」
春「まぁ、お互い苦労する作者を持ちましたね」
ナ「そうだなぁ〜。夕陽に咲く花を初めて投稿した次の朝には赤帯になってたって噂で聞いたことがある作家さんなんだけどな……」
春「そういえば、僕の方とナオキさんの方のどちらにも出演していないμ'sの人……いますよね?」
ナ「え、そんな人いる!?おれの方は絵里と花陽だけだし……そっちに全員出たんじゃないのか?」
春「それがですね……ウォールさんとシベリアさんが読み合わせたら、驚きの結果が出たんです」
ナ「まさか……ゴクリ」
春「設定上は部室にいるんですけど、一言も喋らない人がいたんですよ」
ナ「な、なんだって〜!?い、一体誰なんだ!?」
春「それはですね……高坂穂乃果さんです……」
ナ「え、原作主人公……え?」
春「いやぁ〜なんかウォールさんもこれは想定外だったらしいんで……」
ナ「それは想定外というより、計画性がないだけだろ?」
春「…………………」
ナ「…………………」
壁「…………………」
シ「…………………」
ナ「よし、次行こう!」
春「そうですね。そちらの裏話とかはあります?」
ナ「そうだな……まずはやっぱり店の名前かな?
食事処の方は、そっちの『夕陽に咲く花』とこっちの『1人の男の歩む道』から一文字ずつ取ってつけたみたいだ」
春「なるほど。確か居酒屋の方は僕の作品が掲載されているサイトの名前ですよね?」
ナ「だな。あとはサブタイトルかな?
このサブタイトルは、おれ、絵里、春人、花陽から一文字ずつ取って考えたみたいだ」
春「そうなんですね〜。でもナオキさんだけ名前じゃなくて名字ですね」
ナ「だってカタカタだからしゃーねーだろ!」
春「ははは……」
ナ「あとはこの大人の味っていうのは、アルコールのこともあるけどキスとかの意味も含めてるみたいだ」
春「そちらの作者さんは結構タイトルに凝ってますね〜」
ナ「春人、"無駄"って付け忘れてるぞ」
春「あ、そうでした。すみません」
ナ「もう、ないはずだ」
春「そういえばこっちの作者はナオキさんの方のを読んで『花陽ちゃんかわいいよぉ〜』とか叫んでましたね」
ナ「そうだな、実際これも通話しながら書いてるし。
こっちの作者もそっちのを読んで『絵里かわいい〜』とか言ってたな」
春「そうですね。でもどっちも主人公が主人公しててよかったですね……ナオキ"くん"」
ナ「ゾゾッ……」
春「どうしたんですかナオキ"さん"、顔色悪いですよ?」
ナ「いや、なんでもない。
さて、そろそろ終わりにするか」
春「そうですね!今回はコラボありがとうございました」
ナ「こちらこそありがとうな。
みなさん、ウォールさんの作品も是非読んでみて下さいね!」
春「あ、宣伝ありがとうございます」
ナ「いいっていいって。これからも作者も含めてお互い仲良くしていこう!」
春「はい!」
シ「それじゃあみなさん!」
壁「今回は読んでいただいてありがとうございました!」
ナ「サイトを越えたコラボ楽しんでいただけましたか?」
春「あと今日でウォールさんの企画小説の原稿締切なんですよ」
ナ「それ最後の最後で言う!?(うちの作者が忘れてただけ)
そういえばシベリアも出るって言ってたな」
春「はい、他の方も合わせて総勢11名の方が参加してくれます!お楽しみに!」
ナ「それじゃあ今度こそ……」

ナ・春・シ・壁「ばいば〜い!」

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