ラブライブ!〜1人の男の歩む道〜   作:シベ・リア

126 / 200
みなさん、どうも!
記念回楽しんでくれましたか?
今回は本編の続きですよ〜!


それでは、穂乃果がお送りする前回のラブライブ!
略して前ラ!


第108話「葛藤の日々」

 

 

前回のラブライブ!

?←HEARTBEAT(ハテナハートビート)してランナウェイした私たちは穂乃果の家で話をした。

そして翌日の部室では……

 

「ふざけんじゃないわよ!!」

「おれだってわからなかったんだよ!!」

 

ナオキくんはそのまま部室を出て行って、明後日にみんなで答えを出し合うことにしたんだ。

 

 

 

 

 

 

「ナオキ………」

絵里は1人、リビングでナオキの帰りを待っていた。

机に突っ伏し、その机の上にはラップがしてある"ナオキの晩御飯"があった。

 

 

「ナオキのこともあるけれど……

μ'sのこれからも決めないといけないのよね……」

 

 

 

 

 

時は遡ること数時間前……

 

 

 

 

アイドル研究部部室……

 

「ナオキ……」

絵里は目を大きく開き、まだドアの方を見つめていた。

「えりち……」

希は絵里を心配して名前を呼んだ。

「……ごめん…絵里…みんな……」

にこは下を向いて拳を握って言った。

「にこちゃん……」

花陽は心配そうな表情をして言った。

部室の空気はさらに重くなっていた。

 

パン!

 

そんなとき、手を叩いたのは海未だった。

みんなは海未の方を見た。

 

「ナオキにも言われたでしょう?

明後日、答えを出さないといけない。

最後のライブ(ファイナルライブ)のことを。

μ'sのこれからの歩む道は私たち全員で決めなければならない。

だから今日のところは解散にしましょう。

明日一日でじっくりと考えて、明後日また集まりましょう」

「そうね……じゃ、私は先に帰るわね…また明後日」

絵里は海未の言葉を聞くと早足で部室を出て家に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして時は戻る……

 

 

 

 

「……6月…か……」

 

6月……

ナオキが明らかにした『最後のライブ(ファイナルライブ)』の日程。

その日は第3回ラブライブ!決勝の日。

その最後に前大会優勝者のμ'sがライブを披露しなければならないという。

でも絵里・希・にこの3年生は3月をもって"スクールアイドル"ではなくなる。

そのライブはナオキ曰く、あくまで"前大会優勝者μ's"として出ることになるという。

だが、みんなであのとき決めた答えを変えることになる。

 

 

 

 

第2回ラブライブ!(この大会)が終わったらμ'sはおしまいにする。

 

 

 

 

10人で活動できるのは3月の終わりまで、日は限られていた。

 

 

 

 

スクールアイドルμ'sとして終える方が良いのか……

 

 

 

 

もしも、3月で終わって第3回ラブライブ!の最後に披露しなければ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スクールアイドル(この輝き)自体が失われてしまうかもしれない。

 

 

そんな葛藤を10人は抱えていた。

 

 

 

 

 

 

チュンチュンチュン……

 

 

「ん……朝……?」

絵里はそんなことを考えているうちに眠ってしまったようだった。

意識がまだ朦朧(もうろう)としている中、自分に何かがかかっている感触を感じた。

「毛布……?」

絵里には毛布が1枚かけられていた。

 

 

 

 

「っ……!ナオキ!?」

絵里はそれがナオキがかけてくれたものだと悟り、立ち上がって部屋に走った。

 

 

ガチャ!

「ナオキ!」

絵里は笑顔で勢いよくドアを開けた。

だが、そこにナオキの姿はなく悲しい目をした。

ハンガーにはナオキの制服がかけられていた。

「やっぱり一度帰ってきたのね……」

絵里はぼそっとそう言って窓の外を見た。

 

外は雨が降っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

〜ラブライブ…(穂乃果・海未・ことり・花陽・凛・真姫・にこ・希・絵里)〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希はその日はバイトで神田明神にいた。

雨が降っていたので事務所の中での作業が多かった。

作業していても、休憩中でも、雨空を見上げて悩んでいた。

 

 

 

にこはファーストフード店にいた。

ポテトやハンバーガーを食べていたが、ほとんど外を眺めていた。

ライブのこともあるが、ナオキとのことも気にしていた。

サングラスをかけて………

 

 

 

ことりは自室で真姫が作っていたという曲にピッタリの衣装をスケッチブックに描いたり、休憩の合間にアメリカで撮った写真を見て笑顔を浮かべていた。

だが、時々は集中できずにため息をついた。

 

 

海未と真姫は生徒会の仕事で学校に来ていた。

誰よりも責任感の強いナオキはこの場にすら現れなかった。

2人はフミコに事情を説明し、3人で生徒会の仕事を始めた。

それが終わると海未は弓道場に、真姫は音楽室に向かった。

 

 

 

音楽室では凛と花陽がいた。

1年生3人で決めようと凛が2人に声をかけたのだ。

まずは真姫が作っていた曲を弾いた。

そのメロディーを凛と花陽はゆったりと聴いた。

その後に3人は話し合ったのだ。

 

 

海未は弓道着を着て弓道場で正座して精神統一をしていた。

聞こえるのは雨が道場の屋根などに当たる音のみ。

海未ははたから見れば冷静のようだが、心の中では葛藤を繰り広げていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜ラブライブ…(希・にこ・ことり・海未・真姫・凛・花陽)〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ…どうすればいいんだろう……」

 

雨の中、穂乃果は悩んでいた。

雪穂と一緒に来た亜里沙に「楽しくないの?」と言われたこと、理事長に「続けて欲しい」と言われたこと、そしてナオキから告げられた最後のライブ(ファイナルライブ)のことを考えていた。

 

さらに昨日……

 

雪穂と亜里沙が穂乃果の部屋から出た後、穂乃果の元にある人物から電話がかかってきていた。

 

その人物とは……

 

A‐RISEのリーダー綺羅ツバサ。

 

穂乃果はツバサに呼び出されてUTXまで走った。

 

そしてリムジンの中でA-RISEの3人にアメリカライブのことを言われたが、「次のライブはいつするの?」とも言われた。

穂乃果は事情を説明すると、ツバサは穂乃果に名刺を渡した。

なんと、A-RISEは4月から『ユニバーサル』という大手アイドル事務所にプロデュースしてもらうようだ。

つまりA-RISEはまだ続く。

だからμ's(ライバル)にも続けて欲しいのだ。

 

「あ〜!!

もう意味わかんないよ〜!!」

穂乃果は雨の音に負けないほど大きな声でしゃがんで叫んだ。

そして大きなため息をついた。

 

 

「……And when two lovers woo〜………」

 

そのとき聞こえてきたのは聞いたことのある歌声だった。

 

「え…この声……!?」

 

穂乃果はその声のする方に歩いて行った。

 

 

 

そこで歌っていたのはやはりアメリカで出会った穂稀だった。

 

「……As time〜goes by

As time goes b〜y」

 

 

歌を歌い終わると穂稀は穂乃果の方を向いた。

「また会ったわね」

穂稀は穂乃果の方を見てウインクして言った。

「なんで!なんで日本(こっち)にいるんですか!?

あぁ〜!このマイク家にもあります!

ずっと渡したかったんですよ!

あのときも急にいなくなって!!」

穂乃果は穂稀に詰め寄って言った。

「あはははは……ごめ〜ん……」

穂稀は苦笑いした。

「まだ話したいこといっぱいあるんです!マイクも返したいですし!

家が近くなので来てください!!」

穂乃果は穂稀の手を引っ張って走った。

「あぁ〜ちょっと待って〜!

あ、マイクそのままだし〜!!」

穂稀はマイクなどを片付けて穂乃果とともに穂むらに向かった。

 

 

 

 

 

 

「あ、ここです。中へどうぞ」

穂むらの前に着くと穂乃果は言った。

「いいよ…ここで。

私、用事思い出したから帰るわね」

穂稀は前に着くと来た方を向いて歩き出した。

「えぇ!?

折角再会できたのに……」

穂乃果は残念そうな表情をして言った。

「………ねぇ…穂乃果ちゃん……」

「……はい…」

すると穂稀は立ち止まって言った。

「"答え"はみつかった?」

「えっ…!?」

穂稀はアメリカで穂乃果に言ったことの答えを聞いた。

「穂乃果ちゃんはなんで歌ってきたの?」

「それは、歌うことが好きだからです!」

「じゃあ…"あなたたち"はどうありたいの?」

「そ…それは……」

穂乃果が答えに迷うと穂稀はふっと笑った。

「…飛べるよ……」

「飛べる……?」

穂乃果は穂稀の言っていることがわからなかった。

「目を瞑ってみて……そうすればわかるから……」

「目を……?」

穂乃果は穂稀に言われた通り目を瞑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ララランラーン ララランラーン

ララララララララー

ラララララララララララララ

ララーラーラーラー

ララランラーン ララランラーン

ララララララララー

ララーラーララー ラーラーラーララララ ラーラララー」

すると穂稀は口くさんだ。

 

 

 

 

 

 

「え…さっきのは……!」

穂乃果はこの歌に聞き覚えがあった。

それに気づいて目を開けて穂稀に聞こうとした。

 

 

そのとき急に強い風が吹いた。

 

その風は卒業式の日に感じた"あの風"と同じ感じがした。

 

穂乃果が強い風に怯んで、おさまったところで目を開けた。

 

すると穂乃果は風が気持ちいい程度に吹き花びらが辺りを舞っている花畑の一本道に立っていた。

 

「ここは……?」

穂乃果は不思議に思い辺りを見回した。

一本道の先は坂になっており、さらにその先には大きな水たまり…というより大きな湖があった。

その湖の前には穂稀が立っていた。

「この湖は今、穂乃果ちゃん自身が抱えている悩みだよ」

穂稀は湖を見て言った。

「私に抱えている……悩み……」

その湖はとても大きかった。

それだけ穂乃果の抱えている悩みは大きいということだった。

「飛べるよ!」

「っ…!?また……」

「飛べる!いつだって飛べる!"あのころ"のように!!」

「あのころ……?」

すると穂乃果の頭の中に幼いころの光景が蘇ってきた。

あのころ……穂乃果がナオキと出会った時、聞こえてきた歌に力をもらい水たまりを飛び越えたときのことが……

 

そして穂乃果はゆっくりと足を進め、次第にそのスピードを上げていった。

やがて先程まで向かい風だった風は追い風となり、穂乃果の背中を押した。

まるで答えの決まっていっている穂乃果を「明日にススメ」と応援しているかのように。

「たぁああああああああ!!」

そして穂乃果は坂を駆け下りて飛んだ。

そんな穂乃果を穂稀は見送った。

だがあと少しのところで穂乃果はどんどん落ち始めた。

それは"最後の悩み"……最後のライブ(ファイナルライブ)のこと。

「あと少し!答えはわかってるはず!

"穂乃果ーーーー!!"」

穂乃果はその穂稀の声にさらに背中を押された。

 

 

 

 

 

 

 

………答えは決まった。

 

 

 

 

 

 

 

そのとき風が穂乃果の背中を押した。

そして湖の先の地面に穂乃果は足をつけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん……?」

穂乃果は何故か家のベッドに寝ていた。

「あれ……なんで……?夢…?」

穂乃果は穂稀のマイクを置いた所を見るとそこにはまだマイクがあった。

そして穂乃果はベッドから出て立ち上がり、目を瞑ってそのまま天井の方を向いた。

穂乃果は自ら出した答えを呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「限られた時間の中で精一杯輝こうとする、スクールアイドルが好き。

μ's(私たち)はそんなスクールアイドルでありたい……

穂稀さん……みつかったよ……"答え"…!」

 

 

 

 

昨日からずっとμ'sの曲を流していたのだろうか、開きっぱなしのパソコンの画面には『ススメ→トゥモロウ』のPVが終わったところが映っていた。

 

 

 

 

 

次回へ続く……

 





ありがとうございました!



てか…………




主人公どこ行った!?
今回はナオキくんが全く出てこなかったよぉ!?
どういうこっちゃ!?
誰や書いたやつは!?

あ、おれか……

でも、みなさん安心してください……はいてますよ!
じゃなくて、今回は9人…主に絵里と穂乃果にスポットを当てました。
なので、次回はナオキくんにスポットを当てますよ!
ですからナオキくんが好きだというみなさん、安心してください……!!

それでは新しくお気に入りしてくださったみなさん、ありがとうございます!
次回もお楽しみに〜!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。