ラブライブ!〜1人の男の歩む道〜   作:シベ・リア

114 / 200
もう3月ですね……
いつの間に………
はい、ということでみなさんお待ちかねの第100話です!
なので今回はキャスを中心に執筆していたものを投稿します!
タイトルからわかる通り今回は「少し先のミライ」を書いています!
少々ネタバレが含まれますがそれはご了承くださいね!
ついでにみんなが着ている服はアニメ本編2期第11話のものです!

そして今回は初めて挿絵を使わせていただきます!
描いてくださったのは『ラブライブ!-彼はどう変わる?-【リメイク】』や『新しく芽生えた受け継がれる輝き』などを書かれているレイヴェルさんです!
ありがとうございました!

さらに場面転換をわかりやすくするためになにかを加えましたのでそこも注目してくださいね!

それではみなさんで作り上げた物語……スタートです!





第100話「みんなで作る1人の男の歩む道〜少し先のミライ〜」

これからお話するのは男が歩む道の"少し先のミライ"である。

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「「「お〜!」」」」」」」」」

真姫以外の9人が驚きの声をあげた。

 

今、10人は真姫の知り合いである出井治(でいおさむ)がオーナーを務めている『夢の国(ドーリムカントリー)』に来ている。

実は今日がオープン初日らしく、是非遊んで欲しいと真姫に招待券が届いたのだ。

そして"あの条件"のこともあり、10人はここに来ることにしたのだ。

 

「しかしその出井さんって人、太っ腹だな…」

ナオキは感心したように言った。

「そう?他のところからもよく招待券くるわよ?」

真姫は髪の毛をくるくるして言った。

「ハラショー!流石真姫ね」

絵里は言った。

「今までどこに招待されたの?」

花陽は言った。

「えっと……U〇Jとかディ〇〇ーラ〇ドとか…」

「すごいやん!」

希は言った。

「流石真姫ちゃんだね〜」

ことりは言った。

 

「さ、はやく行きましょう!」

海未は言った。

「海未ちゃんがテンション上がってるなんて珍しいね〜」

穂乃果は言った。

「相当楽しみなんやね」

「そりゃあ出来たばっかりの場所で遊べるんだよ!しかもタダで!テンション上がるにゃ〜!」

凛は飛び跳ねて言った。

やはりみんなテンションが上がっているようだ。

 

1人を除いて………

 

「あれ?ナオキどうしたのよ?目が泳いでるわよ?」

にこは言った。

「ソ…ソウカナ?イヤ、オレモタノシミダヨ!アハ…アハハハハ…」

ナオキは声を震わせて言った。

「さぁ、早く行こう!」

穂乃果はそう言って走った。

みんなその後を追って走った。

 

ところである条件とは何か気になっているところでしょう。ある条件とはナオキがμ'sひとりひとりとデートすることだ。

 

 

 

〜ラブライブ!〜

 

 

「で、穂乃果は何がしたいんだ?」

まずは穂乃果とのデート。

「そんなの決まってるじゃん!」

穂乃果はそう言うとあるものを指さした。

ナオキはそれを見て固まった。

「ほ…ほんまにあれ行くん?」

「うん!」

「ねぇ…違うのにしない?」

「え〜!遊園地と言えばジェットコースターでしょう!」

「いや……でも……」

「何?あんたこんなにちっこいジェットコースターにも乗れないの?だっらしないわね〜」

にこはナオキを見て言った。

「しゃ…しゃーねーだろ!」

「ったく…それでも男?」

「うっ……」

「さぁ…さぁ!」

にこはナオキに詰め寄った。

「乗ろうよナオキくん!ファイトだよ!」

「で……でも……」

ナオキはまだ拒んでいた。

 

ドドドドドド…………

「「ん?」」

音がする方をナオキと穂乃果は見た。

するとたくさんの人たちが走ってきた。

「穂乃果……これって……まさか……」

「ナオキくん行くよ!みんなジェットコースターに乗りたいんだよ!」

穂乃果はナオキを引っ張って走った。

「(やっぱりか……)だ……だから……うぉ!?」

ナオキはずっと拒んでいたが、穂乃果とともに走ってきた人たちの人混みに押されてしまった。

 

 

 

〜ラブライブ!〜

 

 

 

「それでは安全バーを下げまーす」

 

人混みに押された2人はジェットコースターの最前列に乗っていた。

「うわぁ〜!一番前だよ!一番前!

楽しみだねナオキくん!」

穂乃果はとてもワクワクしてナオキの方を見て言った。

「怖くない怖くない怖くない………」

ナオキは目を瞑ってぶつぶつと何回も言っていた。

 

「それでは発車しまーす。レッツ……」

『ゴー!』

「…………」

アナウンスの人が言って、乗っている人たちは拳をあげて元気よく声を出したが、ナオキは黙ったままだった。

ジェットコースターは小さい子どもでも楽しめるように小規模であったが、ナオキにはそれでも怖く感じているのだ。

 

ガタンゴトン…ガタンゴトン……

そしてジェットコースターは動き出した。

「ちょっ…まだ心の準備が……」

「ほら!もうすぐスピード上がるよ!」

「う…嘘だろ………ちょっと待ってえええええええええええええ!!!」

ジェットコースターはスピードを上げてレールの上を走った。

 

『きゃあああああああ!』

ナオキ以外の乗客の人たちはは楽しそうに両腕をあげて声をあげた。

 

しかしナオキは……

 

「やだあああああああああ!!

ナオキおうちにかえるぅぅぅぅぅぅぅううううううううう!!」

 

 

 

 

 

〜ラブライブ!〜

 

 

 

 

 

 

「うっ……ぅぅ……」

ナオキはベンチで泣いていた。

「いやぁ〜楽しかった〜!」

穂乃果は大満足のようだ。

「ぅぅ…怖かった……おうちに帰る……ぐすん……」

「よしよし…」

絵里はナオキの頭を撫でた。

「ぅぅ……絵里ぃ〜〜」

「はいはい……」

ナオキは絵里に抱きついて泣いた。

 

「はぁ…だらしないですね……」

海未は呆れたように言った。

「だってさぁ〜……ぐすん……」

「ほら!次は私の番ですよ!」

海未は無理やりナオキの腕を引っ張った。

「うぉお!?」

 

 

 

〜ラブライブ!〜

 

 

 

パン!パン!

今、ナオキと海未は射的場にいる。

「よっしゃ!やるぜぇ!!」

「さっきと違って元気ですね…」

「あぁ!しっかし…射的っていいよなぁ〜!ハラショー!」

「まぁ…私も弓道をやっている身なので……」

 

パン!

お世辞にも可愛いとは言えない、あからさまにうざい人形に海未の撃った弾が命中する。

ゴトッ…

 

「ハルゥアショー!」

「からかってるんですか?」

海未はナオキを睨んだ。

「いや、そんなことねーよ!むっちゃうまいから褒めてるんだよ!凄いよ!」

「あ…ありがとうございます///」

照れた海未は銃口を隣の"あるぬいぐるみ"に向けた。

撃つのかと思いきや、海未は震えて撃とうとしない。

「あれ?撃たんの?」

「えっと……その……あの子が欲しいのですが……」

「あぁ…あのかわいくてくりっとした目をしたくまのぬいぐるみか?(てかその隣のネコきめぇ……)」

「はい……欲しいのですが…………かわいすぎて……(と言うかここの射的場の景品はみんな可愛すぎです!!あの隣のネコちゃんなんて……可愛すぎます……)」

海未は最後の一言はボソッと言った。

「なんだ……欲しいならおれが取ってやるよ……任しとけぇ!」

「え……ちょっと……」

ナオキは銃口をそのぬいぐるみに向けた。

「大丈夫……1発で仕留める……」

 

パン!

ストッ……

 

ナオキの撃った弾がぬいぐるみに命中した。

 

 

「あ…………あああああああああああァァァァァァァ!!!くまさんがぁぁぁぁぁぁああああああ!!!」

海未はその光景を見て泣き崩れた。

 

「う、海未!?どうした!!」

ナオキは泣き崩れた海未を支えて言った。

「くまさんが………くまさん……が……ガクッ……」

「ちょっ……海未!?お〜い!」

 

海未はかわいいくまさんが撃たれたことにショックを受け、気絶した。

 

 

 

 

〜ラブライブ!〜

 

 

 

 

 

「はぁ……あんた最低ね」

「ほんまにナオキくん、それはないやん」

「見損なったにゃ〜」

にこと希と凛はナオキを冷ややかな目で見て軽蔑したように言った。

「なんでだよ!?

おれは海未がこれを欲しいって言ったから……」

ナオキはさっき撃ち取ったくまを持って言った。

「「「はぁ……」」」

3人は何も理解していないナオキに呆れてため息をついた。

「ぅぅ……絵里ぃ〜〜」

「はいはい……」

ナオキはまた絵里に抱きついた。

絵里はまたナオキの頭を撫でた。

 

「さぁ…次はことりの番だよ〜」

「そうか……ことりは何がしたいんや?」

「え〜っと……」

ことりは人差し指を顎に当てて辺りを見渡した。

「あっ、メリーゴーランドがいい!」

ことりはメリーゴーラウンドを指さした。

「メリーゴーランドか……よかった……」

ナオキはホッと胸を撫で下ろした。

 

そして2人はメリーゴーラウンドへと向かった。

 

 

「さぁーて…何に乗るかな……」

ナオキは辺りを見渡した。

「え〜っと……ことりは〜……」

ことりは顎に人差し指を当てながら辺りを見渡した。

「ん?馬車に乗らないんか?」

「う〜ん、それもいいけど〜……

あっ!あれに乗りたい!」

ことりはあるものを指さした。

「え!?そんなんあんの!?メリーゴーランドやぞ!」

「珍しいね〜!じゃあことりあれに乗るねぇ〜」

ことりはそれに向かって歩いた。

「ほんまに乗るんか?

ペガサスに……」

「うん!よいしょっと……」

ことりはペガサスに乗った。

ナオキはその隣の白馬に乗った。

 

 

 

「それではいってらっしゃーい!」

ぷるるるるる……

その合図とともにブザーが鳴り、メリーゴーラウンドが動き出した。

かつてμ'sが"あのライブ"で披露した『僕たちはひとつの光』のメロディーにのって………

2人は少しその歌を口ずさみながら楽しんでいた。

「あははは…メリーゴーランドって楽しいね〜!」

「そうだな!」

 

そしてしばらく経って………

 

「あれ?」

 

「ん、どうした?」

 

「えっと……このペガサスが動いたような……」

「はぁ?そんなことあるわけねーだろ…はっはっは…」

「だ…だよねぇ〜……ははははは……」

 

すると……

 

「うわぁ!?」

「なっ……まじで動いた!?」

「え……えぇ〜!?」

ことりの乗っていたペガサスは動き出し、羽を羽ばたかせ、ことりを乗せたまま大空へと飛び立った。

 

「はぁ!?ちょっ……ことり!?

ことり〜〜〜〜!!!」

「わっ……ちょっ……えっ…本当に……本当に飛んでる!飛んでるよぉ〜!!あはははは……」

ことりは最初は戸惑っていたが、徐々に乗り気になり、ペガサスを操って空を飛んでいた。

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

「え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

ナオキはことりが飛んで行った先を口を大きく開けて見た。

 

 

 

 

 

〜ラブライブ!〜

 

 

 

ナオキは"1人で"メリーゴーラウンドを降りて、みんなと合流し事情を話した。

そしてナオキはみんなにジュースを買うために出店へと向かった。

 

「はぁ…ジェットコースターに乗らされるわ、海未に景品を取ってやったのに何故か責められるわ、ことりはペガサスに乗ってどっか行くわ………

色々ありすぎだろ……今日………」

ナオキはその道中に疲れた様子でブツブツと言った。

 

 

そしてナオキは出店についた。

 

「すみませ〜ん!ジュースくださ〜い!」

「はいよ〜!何にしま………す……って……ナオキ?」

「え?……その傷………もしかして……奏多?」

「おう!久しぶりだな!」

ナオキがそこで再会したのは、大阪の小学生時代の同級生の雨杏奏多(うきょうかなた)だった。

「ほんまに久しぶり!なんでここに?」

「あぁ…4月に東京(こっち)に越してきたんだよ」

「へ〜」

 

ナオキと奏多は仲が良かったが、ナオキが希と別れてからしばらく経って同じクラスのほとんどの男子や少数の女子はナオキをいじめだした。それはナオキが奏多以外とはあまり交流しようとしなかったからだ。ナオキがあまり男性と交流しようとしないのはそのためだ。

奏多は最初は止めに入ったが、いじめていた人たちに顔に傷を負わされ、それから自分もいじめの対象になることを恐れ、ナオキからはキョリを取るようにした。

でもナオキは感謝していた。

そのときに奏多が止めに入っていなければナオキが傷を負っていたからだ。

だからナオキは奏多のことを嫌いにはならなかった。

それからしばらくしてナオキは転校してしまい、今まで会っていなかったのだ。

だが親同士が繋がっていたため、電話では何度かは話していたらしい。

 

「はいよ、ジュース10本……」

「ありがとう!」

「で、今日はなんでここに?」

「あぁ…友達と遊びに来てんだよ」

「ほほう……お前のことやから……さては女子ばっかか?」

奏多はイタズラな目でナオキを見て言った。

「なんでわかった!?」

「ははは…お前は女の子大好きだからな〜」

「なっ……///」

「ったく……変わんねーな」

「お前もな……」

「あぁ……」

「じゃあ、また会える時があったら…」

「あいよ!」

2人は手を挙げて言った。

 

ナオキはその後に食べ物を買ってみんなの元へと戻った。

 

 

 

〜ラブライブ!〜

 

 

 

「で、凛はなにがしたいんだ?」

昼食後、次は凛とのデート。

2人は歩きながら話していた。

「う〜ん…………はっ!」

「ん?どうした?」

凛は何かに気づいて声をあげて鼻をくんくんした。

 

「こ、これは……ラーメンのにおい!」

「ラーメン?……くんくん……そう言えば……」

ナオキも鼻をくんくんすると、確かにラーメンのにおいを感じた。

 

「あ!あっちだにゃ〜!」

「ちょっ…待てよ!」

凛はにおいがする方へ走り、ナオキはそれを追いかけた。

 

 

「へいらっしゃい!」

「わぁ〜!ラーメンだぁ〜!」

「ちょっ……はえーって……」

2人が向かった先は怪しい建物だった。

その前には小さな屋台があった。

 

「これは……『○ちゃんらあめん』だにゃ!」

「おっ、嬢ちゃんわかるのかい?」

「うん!凛、何回も食べたことあるにゃ!」

その屋台は凛が何回も食べたことがあるというラーメン屋の屋台だった。

「でもなんでラーメン屋の屋台がこの怪しい建物の前に?」

ナオキは言った。

「ふふふ……それはな……ここを制限時間内にクリアすると……」

「「すると……?」」

 

 

 

「なんと!ラーメン1週間無料券をプレゼント!!」

「お〜〜〜!!!」

凛は目をキラキラさせて喜びの声をあげる。

「ほう…1週間無料か……」

「そうだにゃ!しかもあの○ちゃんらあめんだよ!○ちゃんらあめん!」

「お……おう……そうか……それはよかったな……」

凛はナオキに詰め寄った。

 

「で、やるかい?」

「やるにゃ!!」

凛は即答した。

「ちょっと待てちょっと待て星空さ〜ん!

何をするかわからんやぞ!」

「あっ、そっか!おじさん、なにをしたらいいのかにゃ?」

凛はナオキに言われて屋台のおじさんに聞いた。

「それは……この……

『お化け屋敷 DE 迷路』だーー!!!」

屋台のおじさんは右手を広げて後ろの建物に向けて言った。

「「お化け屋敷 DE 迷路?」」

「そう!その名の通り、お化け屋敷の中に作られた迷路を制限時間内にクリアすれば無料券をゲットできるのだ!」

「そんなの楽勝だにゃ〜!ナオキくん、挑戦してみるにゃ!」

「(こいつみんなで花やしき行ったとき仕掛けにビビって逃げたくせに……)まぁ……凛がそう言うならいいけどよ……」

「決まりだにゃ!おじさん、やるにゃ!」

「あいよ!制限時間は50分!頑張れよ!」

「「は〜い」」

 

そして2人は建物の中に入って行った。

 

 

 

 

「ラーメン!ラーメン!………」

凛は「ラーメン!」と連呼しながら歩いていた。

「おい凛早いって。てか離れすぎだ」

「え〜!だって早くしないとラーメンが逃げちゃうにゃ〜!」

「だからこれは迷路やから少し落ち着いて……」

「あ、行き止まりだにゃ〜」

「ほ〜ら、言わんこっちゃねー」

 

すると上から生首の模型が落ちてきて凛の顔の真正面で止まり、凛とその模型の目が合った。

そして凛の顔はどんどん青くなっていった。

「にゃぁぁああああああああああ!!!」

「ちょっ…凛!」

凛はその仕掛けに驚いてどこかへと走って行った。

 

 

 

 

〜ラブライブ!〜

 

 

「お〜い、り〜ん!どこだ〜?」

ナオキは凛を探していた。

「ったく……あいつどこ行ったんや?」

ナオキは頭をかいた。

 

 

すると………

 

 

 

「ワン!」

「ん?犬?」

「ワン!ハァハァハァハァハァ……」

「お〜よしよし……」

ある一匹の犬がナオキに近づいてきた。

その犬は、灰色の毛で一部が黒く、小さい割には牙が大きかった。

「ん?首輪ついてる…………『ポチ』

………こいつポチって言うんか……」

「ワン!ハァハァハァ……」

「なんだ…お前も迷子か?

犬なら(迷子の子猫ちゃん)を見つけてくれよ……なーんてな…ははは……(こいつの飼い主も探すか…)」

「ワン!」

「おいポチ!?」

ポチはナオキの言葉を聞くとどこかへ走って行った。

ナオキはポチを追いかけた。

 

 

「ワン!」

「!?…こっちか!」

ナオキが分かれ道に差し掛かるとポチの鳴き声がした。

その声がした方に曲がるとポチはおすわりをして待っていた。

ナオキが近づくとまたどこかへと走って行った。

 

「まさか……案内してくれてんか……ハラショー!」

ナオキはポチが道を教えてくれてるのを悟り、ポチを追いかけた。

 

 

 

 

〜ラブライブ!〜

 

 

 

「ひぐっ…ひぐっ……ぅぅ……」

凛はある行き止まりでしゃがんで泣いていた。

「ぅぅ……怖いにゃ……うっ……ぅぅ……ナオキく〜ん……」

 

 

「ワン!」

 

「ふぇ?……ワン……ちゃん?」

凛が泣いていると目の前に一匹の犬がいた。

そうポチだ……そして……

 

「凛!!」

「えっ……ナオキ…くん?」

「心配したんだぞ!」

ナオキはとても真剣な顔で凛の肩を持って言った。

「っ…!……ご…ごめんなさい……」

「ふぅ……でもよかった……怪我ない?」

するとナオキは笑顔になって言った。

「う……うん……うっ……ぅぅ……うわ〜ん」

「おっと……よしよし……」

凛はとても怖かったのか、ナオキに泣きついた。

ナオキはそんな凛の頭を撫でた。

「ぅぅ……早く出たいにゃ……」

「そうやな……立てるか?」

「……嫌にゃ……怖いもん…」

凛は首を横に振って頬を膨らました。

「う〜ん……しゃーね、おぶってやるよ」

ナオキは凛に背中を向けてしゃがんだ。

「え……えぇぇぇえええ!////」

「なんだよ…早くしろ……」

「う…うん……///」

凛は顔を赤くしてナオキの背中に乗った。

「よし……まだいけるな……」

「ふぇ?」

「ポチ!道分かる?」

「ワン!」

ポチは「任せとけ!」みたく吠えて走り出した。

「よし……ラーメン食いたいやろ?

行くぞ!!」

「わっ!」

ナオキは走った。

「離さんように強く持っとけよ!」

「……うん……///(あったかい……

やっぱりナオキくんはお兄ちゃんみたいだにゃ……)」

 

 

そしてしばらく走って……

「ワン!ハァハァハァハァハァ…」

「おぉ…この先か……時間も大丈夫そうだし少し歩こうか……」

「ワン!」

ナオキとポチはゆっくりと出口へと歩いた。

 

(もうすぐ着くのかにゃ……なんだか……眠くなってきたにゃ………)

 

 

 

 

「凛、もうすぐやからな………って……あれ?」

「すぅ…すぅ………」

「寝ちゃったか……泣き疲れたんかな……」

凛は泣き疲れたのか、安心したのか、寝てしまった。

その寝顔はとても笑顔だった。

 

そしてナオキたちは外へと出た。

 

 

 

「おっ、おかえり!すげーな!オープン初めての完走だ!しかも制限時間内!」

「ハラショー!ありがとうな…ポチ」

「ワン!ハァハァハァハァハァ…」

「なんだポチ……お前中にいたんだな」

「あれ?もしかしてポチっておじさんの……?」

「あぁ…すまねぇーな。ポチの面倒みてもらって」

なんとポチは屋台のおじさんの飼っている犬だった。

「いえいえ、おれの友達を探してもらってここまで連れてきてくれたんでおあいこですよ」

「そうか……ほらよ!ラーメン1週間無料券だ!」

おじさんはナオキに券を渡した。

「ありがとうございます!」

「あんたうちのラーメン知らなかったらこの機会にでも食ってみてくれ」

「はい、是非!」

ナオキは凛をおぶったまま、みんなの元へと向かった。

 

 

 

〜ラブライブ!〜

 

 

 

「…ってな訳でしばらく起きねーと思うから」

「分かったわ」

ナオキはみんなに事情を話して凛をベンチに寝かせた。

 

「さてと…次は花陽か」

「はい!えっと…私は……はっ!」

「ん?どうしたんや「走りますよ!」…花陽ぉ!」

花陽はあるポスターを見るとナオキの腕を引っ張って走った。

その目はまさに……"アイドルヲタクの眼"!!

だだんだんだだん!!

 

 

 

〜ラブライブ!〜

 

 

「ここは……ステージ?」

2人がやって来たのは屋外ステージだった。その後ろには何故か家があった。

「はぁはぁ……よかった……あそこの席に座りましょう!」

「おう……で、何があるかそろそろ教えてくれよ…」

「あ、はい!これからなんとA-RISEのスペシャルステージがあるんです!」

「なっ…A-RISEの!?」

A-RISEは高校卒業後、プロのアイドル界でもなお、名を轟かしている。

「はい!これは見るしかありません!」

 

そして開演時間になり、『Private Wars』のイントロが流れてきた。

 

『おおおおおおおお!!』

観客たちは「待ってました!」の如く歓声をあげた。

 

「Can I do ! I take it , baby ! 」

ツバサがステージ上の仕切りの奥から歌いながら出てきた。

「Can I do ! I take it , baby ! 」

英玲奈がステージ下の右側にあった仕切りの奥から歌いながら出てきた。

「Can I do ! I take it , baby ! 」

そしてあんじゅがステージ下の左側にあった仕切りの奥から歌いながら出てきた。

「「「Can I do ? I make it , baby !

Can I do ? I make it , baby ! 」」」

英玲奈とあんじゅは歌いながらステージ上に上がり、ツバサは中央に向かって3人は中央に集まった。

「「「Can I do ? I take it , baby ! Can I do ? I make it , baby !

Can I do ? I take it , baby ! Can I do ? I make it , baby !」」」

 

そのステージはA-RISEがスクールアイドルであった頃よりも更なる高みにいるという事実を物語っていた。

 

「ハラショー……」

「流石はA-RISEです……」

 

 

パチパチパチパチパチ……

 

「「「ありがとうございました!」」」

A-RISEは『Private Wars』を披露すると頭を下げた。

 

「まずは『Private Wars』を聞いてもらいました!」

ツバサは言った。

「今日はここのオープン記念ということで、A-RISEのスペシャルステージなんだ」

英玲奈が言った。

「そして、スペシャルという名にふさわしいスペシャルゲストも呼んでるわよ!」

あんじゅが言うと会場がざわついた。

 

 

「スペシャルゲストって誰なんでしょう?」

「さぁーな…きっと大物に違いない……」

花陽とナオキは唾をのみこんだ。

 

 

「それでは……」

「「「どうぞ〜!」」」

A-RISEはそう言うとステージ裏に下がった。

するとステージ裏から男性2人が出てきた。

 

『キャーーーーー!!』

女性の観客たちはその2人を見て歓声をあげた。

 

「まさか……あの2人が!?」

花陽は驚きの声をあげた。

「誰や……あの2人……」

「ふぇえ!?ナオキくんあの2人を知らないのぉ!?」

「す…すまん……」

「いいですか!あの2人はトップアイドルの……」

 

「どうも!レナです!」

長髪でヘッドホンを首にかけ、ギターを持っている男が言った。

「ヨハにゃんです!」

短髪で猫耳をつけた男が言った。

「「2人合わせて……『ヨハ☆レナ』です!」」

2人は手を猫の手にして背中合わせになり、ポーズをとった。

そして観客(主に女性)が大きな歓声をあげた。

 

(男2人が猫のポーズ……恥ずかしくないんかな?ま、イケメンだからいい感じになってるんやろうな〜)

 

「ちっ……このポーズはやっぱり慣れないな…///」

レナが照れて言った。

 

(恥ずかしいのかよ〜〜〜)

ナオキは心の中でそう思っていた。

 

「まぁまぁ…そろそろ慣れましょうよ〜」

ヨハにゃんはレナの肩に手を置いて言った。

「くっ…早く歌っちまおうぜ!」

「OK!それではみなさんお聞きください……」

 

「「OωOver!!」」

 

2人がそう言うとドラムの音が流れてきた。

 

「「にゃ!にゃ!にゃ!にゃ!にゃ!にゃ!にゃ!…………」」

2人は元気よく猫の動き、そしてエアギターをしながら(レナは本物を弾きながら)、歌った。観客たちは一緒に声を出した。

 

花陽もとても盛り上がってるみたいだった。

「ハラショー……これが……トップアイドルのステージ……」

ナオキは『ヨハ☆レナ』のステージに圧倒されていた。

 

『おおおおおおおお!!』

『キャーーーーー!!』

その曲が終わると観客たちは歓声をあげた。

「「ありがとうございました!」」

パチパチパチパチパチパチパチ……

 

するとステージ裏からA-RISEが出てきた。

 

「さて、私たちのスペシャルステージも次の曲でおしまいよ」

「最後は彼女たちA-RISEの"あの曲"を5人で歌っちゃうぜ!」

ツバサとレナがそう言うと会場がざわついた。

 

「「「「「Shocking Party」」」」」

 

5人がそう言うとイントロが流れた。

 

「Dancing , dancing ! Non-stop dancing」

まずはツバサが歌った。

「Dancing , dancing ! Non-stop dancing」

続いて英玲奈が歌った。

「Dancing , dancing ! Non-stop dancing」

続いてあんじゅが歌った。

「Dancing , dancing ! Non-stop dancing」

続いてヨハにゃんが歌った。

「Dancing , dancing ! Non-stop dancing」

最後にレナが歌った。

「「「「「Dancing , dancing ! Let me do ! 」」」」」

そして5人が声を合わせて歌った。

 

観客のボルテージはMAXになった。

 

 

「「「「「Dancing , dancing ! Let me do !」」」」」

 

『おおおおおおおお!!』

『キャーーーーー!!』

5人が歌い終わり、決めポーズをとると歓声がわいた。

 

「それではこの後も夢の国(ドリームカントリー)を楽しんでくださいね!」

ツバサは言った。

「さぁ、私たちは後ろのレナくんの家に行こうとしましょうよ!」

「はぁ!?ヨハにゃん!何言って……」

「それはいい考えだな」

「じゃあ行きましょう!」

「ふふふ…それじゃあ……」

「「「「バイバーイ!」」」」

ツバサの合図で英玲奈、あんじゅ、ヨハにゃんは手を振ってステージ裏へと下がった。

「ちょっと待てって……バイバーイ!」

レナも遅れて手を振ってステージ裏へと下がった。

5人は裏にあるレナの家へと向かった。

 

 

「やっぱり凄かったです……」

「ははは…楽しくて何よりやよ」

花陽とナオキはみんなの元へと向かいながらステージのことを話していた。

 

 

 

 

〜ラブライブ!〜

 

 

「次は真姫か……なにに乗りたいんや?」

「私はやっぱりあれよ!」

真姫はあるものを指さした。

「あれ………に乗るの?」

「えぇ!だってあの『機関車ドリーム』はここの目玉アトラクションよ!乗らなきゃ損よ!」

「で……でも………」

ナオキは震えた声で言った。

「真姫ちゃん察してあげなよ……」

穂乃果は目を瞑り、真姫の肩に手を置いて言った。

「穂乃果?どういうこと?」

「ナオキくんは絶叫系はどうせ乗れないんだよ……だからあんなパーク中を走る青い機関車の形をしたジェットコースターなんて無理なんだよ」

「なんやと……」

「え?どうせ乗れないんでしょう?

だって穂乃果と乗ったあんな小規模のジェットコースターでも泣いてたじゃない」

穂乃果はニヤニヤしてからかうように言った。

「てめぇ……いいやろう!乗ってやんよ!!行くぞ真姫!!」

ナオキは怒って真姫の手を引っ張って歩いた。

「え…ちょっと…////」

 

 

 

〜ラブライブ!〜

 

 

 

 

「ナオキ…本当に大丈夫なの?」

「あ…あぁ……大丈夫…大丈夫!」

真姫とナオキは機関車ドリームに乗っていた。

ナオキはやはり震えていた。

「はぁ……あ、もうすぐ発車みたいね」

「お…おう!」

 

 

「それでは出発進行〜!」

アナウンスの人がそう言うと汽笛の音が鳴り、機関車ドリームが発車した。

 

 

ゴトゴトゴトゴト………

機関車ドリームはゆっくりと坂を登った。

「た…高ぇ……」

「さ、もうすぐスピード上がるわよ!」

「よっしゃ!バッチコイ!!」

 

そして機関車ドリームはスピードを上げてパーク中を勢いよく走った。

 

 

 

 

〜ラブライブ!〜

 

 

「ナオキ…大丈夫?」

「うっ……お…おう……でもちょっと気持ち悪い……」

真姫とナオキは機関車ドリームを降りてみんなの元へと向かっていた。

ナオキは少し泣いていた。

「何泣いてるのよ……でも流石は目玉アトラクションね!とっても楽しかったわ!」

真姫は余韻に浸るように言った。

「あ…あぁ……楽しめて何よりやよ………うっ……もう限界!!」

「ヴぇえ!?ナオキ!」

ナオキは近くにあった嘔吐専用ゾーンへと走った。

そこでなにをしたかは名前を見れば分かるだろう……

 

 

 

〜ラブライブ!〜

 

 

 

「うぅ………」

「大丈夫?」

絵里はナオキの背中をさすった。

「あぁ…なんとか……」

「ったく…だらしないわね……」

にこは呆れた顔で言った。

「ははは……次はにこだったな……どこがいい?」

「う〜んと……いっぱいあるからにこ迷っちゃ〜う」

「そうですか……」

「う〜ん……あ、真姫ちゃんはなにかオススメのアトラクションとかある?」

「ヴぇえ!?なんで私!?」

「だって〜真姫ちゃんは目玉アトラクション知ってたから〜」

「まぁ…にこがそう言うならおれは構わんけど」

「わかったわよ……それじゃあ……『メテオフリーフォール』なんてどう?」

「「メテオフリーフォール?」」

「えぇ…あれよ」

真姫はメテオフリーフォールを指さした。

「え?」

にこはそれを見て驚きの声をあげた。

「にこちゃん乗れないの?」

真姫はそんなにこを見て言った。

「の…乗れるに決まってるでしょう!私を誰だと思っているのよ!」

「へ〜……にこは乗れるんかぁ〜。

すげ〜」

「何言ってんのよ?あんたも乗るのよ?」

「はぁ!?」

「当たり前じゃない!ほら行くわよ!」

にこはナオキの腕を引っ張って歩いた。

「ちょっ……もう勘弁して………

タ゛レ゛カ゛タ゛ス゛ケ゛テ゛ェ~!!」

 

 

 

 

 

〜ラブライブ!〜

 

 

 

 

「くそっ…なんでおれが……」

ナオキはブツブツと言った。

「ふ…ふん!なによこれぐらいこのにこにかかれば楽勝よ!」

「そういう割には体震えてますけどね……」

「うっ……ナオキも人のこと言えてないじゃない!」

「うっ……今からでも遅くない!降りよう!」

「嫌よ!ここまで来て引き下がる訳には行かないわ!」

「じゃあおれだけでも……」

ナオキは安全バーを外して降りようとした。

「ちょっと待ちなさい!」

するとにこはナオキの服を掴んだ。

「うおっ!な…なんだよ……」

「に…にこを見捨てる気!?そんなの許さないわよ!」

「ほんならにこも降りたらいいやんか……」

「だ〜か〜ら〜!」

「………はぁ……わかったよ……腹くくるか………」

ナオキは乗ることにしたようだ。

「…あ……ありがとう……////」

にこは少し顔を赤くしながら言った。

 

 

「それでは上がりますのでバーをお持ちくださいね〜」

アナウンスの人がそう言ってしばらくするとメテオフリーフォールはパーク中を見渡せるほど長い柱を登った。

 

「高ぇ……」

「こ…これぐらい……こ…怖くないわよ……」

2人とも声が震えていた。

 

そしてしばらく動かず、急に勢いよく下がり出した。

 

「「ぎゃああああああああああああ!!!」」

他の乗客は喜びの声をあげるが、ナオキとにこは悲鳴をあげていた。

「うぉあああああああ!!無理無理無理!!!ぎゃああああああああああ!!!」

「うわぁぁああああああ!!!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!ぎゃああああああああああああ!!!」

 

 

 

 

〜ラブライブ!〜

 

 

 

「「はぁ…はぁ…はぁ………」」

にことナオキはベンチに座っていた。

「にこっちもナオキくんも大丈夫?」

希は言った。

「大丈夫なわけないでしょう……もう……嫌……」

「ほんまに……もうあれはごめんだ……」

「ははは……ならウチはナオキくんとカジノでも行こうかな」

「カジノ?未成年やのにいけんの?」

「うん!さっきそこの説明板に、『未成年もできるカジノ』って書いてあったで」

「ほほう……面白そうやな!行くか!」

「うん!」

希とナオキは未成年も出来るというカジノへと向かった。

 

 

 

 

〜ラブライブ!〜

 

 

 

「で、なにする?」

「う〜ん……じゃあナオキくん!」

「ん?」

「ポーカーで勝負せぇーへん?」

「ポーカーか……いいで!

なにかける?」

「そうやね……(ウチは負けへん自信がある……ということはナオキくんに恥じかかすような……あ!)

なら負けるごとに服を脱いでいくってのはどう?」

「ふぁ!?ちょっと待て!お前はいけるんか?」

ナオキは焦った様子で言った。

「ふん、ウチは勝つ自信があるからな!ナオキくんは勝つ自信ないから拒むんやろ?」

「……なんやて……」

「え〜?ナオキくんはウチに勝つ自信なくて服脱ぎたないから拒んでるんやろ?あぁ…別にええで。そんな無理して勝負せんでも」

希はナオキを煽り、ナオキはそれに我慢出来なくなったのかポキポキと手を鳴らした。

「いいやろう……相手になってやるよ……」

 

 

 

 

「それでは……カードを配ります」

「「はい!」」

(あずさ)というスタッフの手によって希とナオキに5枚ずつカードが配られた。

「チェンジは1回のみです。

チェンジしますか?」

「おれは2枚で……」

「ウチはチェンジなしで」

「なっ!?よっぽどの自信があるようやな……」

「そりゃあ…ウチ、スピリチュアルやし」

「意味わかんねーよ」

「それでは2枚チェンジします………どうぞ」

「ありがとうございます……」

 

「それではオープン!」

 

「2ペア!」

ナオキは2ペアだった。

希は……

「ロイヤルストレートフラッシュや…」

「はぁ!?」

「ふふーん!さぁ、ナオキくん……1枚脱いでもらおか」

「ちっ……」

ナオキはまずは上着を脱いだ。

「さぁ、勝負はこれからやで!」

「おう!」

 

 

 

その後も希が勝ち続けてナオキはシャツ1枚とパンツ1枚だけになった。

 

 

 

「さ…寒い……」

「どうする?ギブアップする?」

「す…するもんかよ!!次や次!!」

 

スタッフはナオキと希にカードを配った。

「くっ…3枚や……」

希は今までノーチェンジだったのに3枚チェンジ。

ナオキは……

 

「ふっ……ノーチェンジで……」

「なっ!?」

「さぁ…どうする?」

「(ナオキくんのこの自信は……まだウチは1回しか負けてない……ここで負けても……)いいやろう!受けて立つで!」

 

「それではオープン!」

 

「フルハウスや!」

希は勝ちを確信した。

だが……

 

「ロイヤルストレートフラッシュ!」

「なんやて!?」

「ふふふ…復讐の時間やぞ……」

 

その後、形勢は逆転してナオキが押す形となった。

 

 

そして希はあと1枚脱げばブラが見えるところまできた。

 

「どうする?ギブするか?」

「ふっ…ウチがギブアップするわけないやろ……」

「わかった……なら……勝負!」

 

そして2人にカードが配られた。

 

「「ノーチェンジで」」

「希もか……」

「ナオキくんもなんやね……」

 

「それでは……オープン!」

 

「「フルハウス!!なっ!?」」

2人ともフルハウスだった。

これで勝敗を決めるのはスリーカードの強い方……

 

 

「ナオキさんはJのスリーカード……

希さんはAのスリーカードなので希さんの勝ちです」

「くそっ!」

「ふふふ…残念やったねぇ〜」

「くっそぉ〜……シャツ脱ぐか……」

そしてナオキはシャツを脱いでパンツだけになった。

「どう?ギブアップする?」

「ふっ…するかよ!まだパンツが残ってる!」

「ふ…ふ〜ん……なら裸にしてやるまでやん!」

「それは色々問題あると思うけどな……」

 

「それではカードを配ります」

スタッフが2人にカードを配った。

 

「5枚チェンジで……」

「ウチは3枚や……」

 

ナオキは5枚、希は3枚チェンジした。

 

「ナオキくん…続けるんか?

今の状況から結構不利やと思うけどな〜」

「いや…わかんねーぜ……」

「ふっ…いいやろ……」

 

「それでは、オープン!」

 

「ロイヤルストレートフラッシュや!」

「お前今日何回出すんや!?」

「へへ〜ん、これもスピリチュアルパワーのおかげやね!」

「ちっ……おれは………」

 

 

希は本日4回目のロイヤルストレートフラッシュを出した。

 

そしてナオキは…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハイカード……」

 

 

ハイカードだった。

 

「勝負ありやな…」

希はナオキとの戦いでの勝利を確信した。

 

だが………

 

 

「はぁ……脱ぐか……」

 

 

「え………」

 

 

そう言うとナオキは手を下の方にのばした。

 

「ちょっと………ナオキくん……待って……////」

「ん?」

「はわわわわわ……////」

希は目を両手で塞いで顔をどんどん赤くしていった。

 

「なんだよ……脱ぎゃいいんだろ?それならまだ勝負が続けられる」

「でも……でも………それじゃあ裸に………ぷしゅ〜////」

希はついに頭から湯気を出して倒れてしまった。

 

「お…おい希!しっかりしろって!」

ナオキは希に駆け寄った。

「はわわわわ……ナオキくんが……裸に……////」

希はブツブツと呟いていた。

 

「はぁ?裸に……?

まだくつ下残ってるっての………」

ナオキは実はまだくつ下を抜いでなかったのだ。

だがその告白は希に届くことはなかった。

 

 

 

服を着たナオキは希に服を着せて希をおぶってみんなの元へと戻った。

 

 

〜ラブライブ!〜

 

 

 

「ん………ナオキくん……?」

「おっ…起きたか……」

「あれ?ウチは一体……」

「あぁ…頭から湯気出して倒れたんだよ」

ナオキはさっき起こったことを希に話した。

 

「あっ……////」

希は思い出したか顔を赤くした。

「まぁ……早くみんなのとこへ戻ろうか」

「うん……///」

 

そして2人はみんなと合流した。

 

 

「希ちゃん顔赤いにゃ〜」

「なにかあったの?」

凛とにこはからかうように言った。

「もう!からかわないで!////」

希は顔を赤くして言った。

 

「じゃあ最後は絵里だな」

「えぇ!行きましょう!」

絵里はナオキの手を引っ張った。

「ちょっ……どこ行くか決めてんのか!?」

「えぇ!もう暗くなってるから"あそこ"しかないわよ!」

そう、もう辺りはすっかり暗くなっていた。

そして絵里がナオキを引っ張って着いた先は………

 

「観覧車…………」

「えぇ!さぁ、乗りましょう!」

「あ……あぁ……(絵里おれが高いとこ苦手なの忘れてんのかな?)」

「楽しみね〜(ナオキは高いところは苦手だけどあの景色はナオキと見たいもの…)」

そして2人は観覧車へと向かった。

 

「すみません、あなた達はカップル様でしょうか?」

大門(おおかど)』と書いた名札を付けている店員が絵里とナオキに聞いた。

「はい、そうですけど…」

「それでしたら、もうすぐ回ってくるカップル専用ゴンドラに乗られては?」

大門がそう言うと絵里はパァーっと笑顔になった。

「是非お願いします!」

「わかりました……あ、来ましたね……ささ……」

大門はカップル専用ゴンドラが来たのを確認するとドアを開けて2人に乗るように促した。

「ありがとうございます!」

「あ…ありがとう……ございます……」

ナオキは少し声が震えていた。

 

 

 

カップル専用ゴンドラはベンチ型のイスが1つだけあるだけだった。

2人は隣り合わせで座った。

「観覧車なんて久しぶりだわ〜」

「そうか…おれは乗ったことねーわ」

「そうなの!?」

「だって高いし、その割には遅いし……」

「なるほどね……ということは初めては私なのね!」

「ま…まぁ……そゆこと……」

「ふふっ……///」

絵里は少し顔を赤くして笑った。

 

「あの……絵里……お願いがあるんやけど……///」

「ん?」

ナオキは照れながら言った。

「その……えっと………その………手を……繋いで欲しいな……って……その……怖いから……////」

「はいはい……」

ナオキが顔を赤くしてそう頼むと絵里はナオキの手をギュッと握った。

「……ありがと……///」

「ふふっ……」

そのまま観覧車はゆっくりと一番高いところまで近づいてきた。

 

「あ、ナオキ見て!」

「ん?おぉ!!」

絵里は窓の方を指さすと、それを見たナオキは目を輝かせて感動の声をあげた。

 

目の前には綺麗な夜景が広がっていた。

 

「ねぇ、綺麗でしょう?真姫に教えて貰ったのよ」

「そうなんか……綺麗だな……」

「えぇ……」

絵里はナオキにもたれた。

 

そのままの状態で2人が乗るゴンドラはついに一番高いところに到着した。

 

すると……

 

ガタン!

 

「ひっ!?な…ななななななななにが起こったんや!?」

観覧車は停止した。

「と…止まったの……」

すると今度はゴンドラ内の明かりがなくなった。

「きゃぁぁあああああ!!暗くならないでよぉぉぉおおおお!!」

「止まんなよぉおおおおおお!!」

絵里は暗いから、ナオキは一番高いところで止まったから悲鳴をあげた。

絵里はナオキに先程より強く引っ付いた。

 

それから絵里は前を見た。

すると……

 

「ナオキ……見て……」

「だって高いし………」

「いいから見てよぉ〜」

絵里に言われ、ナオキは恐る恐る目を開けて前を見た。

 

「お…おぉ〜!」

「さっきより綺麗ね……」

「あぁ……そうやな……」

さっきまで見ていた夜景はさらに綺麗になっていた。

 

「ロマンチックね………」

「そう……やな……」

ナオキは前を見るのが怖くなり絵里の方を向いた。

すると絵里は視線を感じてナオキの方を見た。

「あっ……」

「……………」

「……………」

そして2人は無言になった。

 

 

 

「絵里…………」

 

 

 

 

「ナオキ………」

 

 

 

 

 

 

そして2人の唇は徐々に近づいていった。

 

 

 

 

 

 

「ん……わっ!?」

だが、2人の唇が重なり合う直前に絵里は窓の方を見て驚きの声をあげた。

「どうし……わっ!?」

ナオキも絵里の見ている方を見ると驚きの声をあげた。

 

その理由は………

 

 

 

 

「ジーーーー……」

 

「ことり……何してんの………」

 

 

ことりはペガサスに乗ったまま、窓からナオキたちをジーッと見ていた。

 

「たまたま飛んでたらナオキくんたちが見えて何やってるんだろうと思って見てたの〜」

「てかお前今までどこ行ってたんや!?」

「ずっとこのパーク中を飛んでたよ〜!ペガちゃんと一緒に」

「ペガちゃんって……まぁ、ええや……

そろそろ帰るから下に降りとけよ」

「は〜い。

行くよ!ペガちゃん!」

ことりがそう言うとペガちゃんは降下した。

 

 

「はぁ……まさかここでことりが出てくるとは……」

「そうね…あはははは……(キスしたかったのになぁ〜……)」

 

するとゴンドラ内に明かりが復活して観覧車も再び動き出した。

 

「「ほっ……」」

2人は胸を撫で下ろした。

 

「よかったな…」

「えぇ!」

2人は見つめ合って笑った。

 

 

 

 

「絵里……」

「どうしたの?」

するとナオキは絵里を引き寄せて……

 

「チュッ……」

「ん……」

 

優しく絵里の唇にキスをした。

 

 

 

 

 

それから2人は観覧車を降りると、先程のトラブルはカップル専用ゴンドラに誰かが乗ったときに故意で起こすトラブルだというのを大門に聞いた。

それでナオキは「殴っていいか?」と手を鳴らしたので絵里はそのナオキを「キスできたじゃないの」と言って沈めたという……

 

 

 

 

〜ラブライブ!〜

 

 

「バイバ〜イ!ペガちゃ〜ん!」

ことりはペガちゃんと別れ、飛んで行くのを手を振って見送った。

 

 

みんなは出口へと向かっていた。

「う〜ん!楽しかったねぇ〜!!」

穂乃果は背伸びをして言った。

「そうですね……射的のときは戸惑ってしまいましたが、よかったです」

海未はぬいぐるみを持って言った。

「うん!ペガちゃんと飛べて楽しかったなぁ〜!」

ことりは手のひらを頬に当てて言った。

「またラーメンいっぱい食べるにゃ〜!!」

凛は飛び跳ねて言った。

「A-RISEとヨハ☆レナのライブを見れたなんて……幸せですぅ!」

花陽はライブを思い出しながら言った。

「まぁ、目玉アトラクションにも乗れたしね」

真姫は髪の毛をくるくるして言った。

「今回で乗れなかったアトラクションにもまた乗ってみたいわね!」

にこは手を顎に当てて言った。

「カ…カジノ……本物のカジノに行きたい……///」

希は顔を両手で塞いで言った。

「ふふっ…また来たいわね〜。

ねぇ、ナオキ!」

絵里はナオキを見て言った。

「あぁ…そうだな……

でも今日は散々な目にあったわ……

あんな約束するんじゃなかった……」

ナオキは少し後悔気味に言った。

 

「まぁまぁ…この約束があったから"あのライブ"が出来たんだし、いいんじゃない?」

「そうやな……穂乃果の言う通りやな…」

ナオキは夜空を見上げて"あのとき"の事を思い出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

μ'sの本当の最後のライブのことを……

 

 

 

 

 

 

みんなとそれを叶えるために約束したときのことを……

 

 

 

 

 

 

これが少し先のミライのお話……

 

 

 

 

 

 

次回へ続く……

 




ありがとうございました!
結構書くのに時間かかりました……
そして長かったですね……お疲れ様です……読んでいただいてありがとうございました!
みなさん、今回投稿した19時52分はなんと序章を投稿した時間なんです!

それとこれは私のことなのですが、3月1日に高校を無事に卒業しました。
答辞も読んだんで結構疲れました。

では次回からアメリカ編を再開しますか!
そして新しく評価してくださった、ルカさん、サキりんさん、ありがとうございます!
さらに新しくお気に入りしてくださった、深山木秋さん、miyabizeroさん、アスワンコさん、Licht Uwさん、EDF-R5さん、ろひげさん、海道狂介さん、チャレンジャー斎藤さん、ラブックさん、凛乃空さん、キサラギ-コウマさん、きらすくさん、Wadaikoさん、ありがとうございます!

そして最後に、今回アイデアやネタ、キャラクターなどの面ででご協力いただいた、でぃおさん、トゥーンさん、名無しさん、ルカさん、かきさん、篝さん、文音さん、ヨハ猫さん、レイヴェルさん、アリアさん、映日果さん、jusuminさん、本当にありがとうございました!アンケートなどでご協力いただいた皆さんも本当にありがとうございました!

これからもシベリアと『ラブライブ!〜1人の男の歩む道〜』をよろしくお願いします!
それでは感想などどんどんお待ちしています!
よければ私の他の作品も読んでみてくださいね!

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