「ギリギリセーフ、だと良かったんだけど。大丈夫?」
私に話しかける、カネキ。お姫様だっこをしながら、いつもみたいに笑っていて。
でも表情を見ても、どこを見ても、明らかに普通じゃない――普段通りじゃない。何をされたのか、傷痕や、白くなった髪や、少し痩せたように思う頬を見ても一目瞭然で。
それでも、カネキはいつも通りに振舞う。
「トーカちゃん、僕を助けに来てくれたの?」
「……あ、…………んた……」
「ボロボロだ」
悲しそうな表情になって、目を閉じるカネキ。「ごめん、僕のせいだ」と謝るコイツに、どうしてかやっぱり、いや、いつも以上に父さんがダブって――。
「なんでそうなんのよ、バカ」
「それから――」
でも、続く一言で。
「――ありがとう。助けに来てくれて」
「――ッ!」
どうしようもなく、全身が熱くなる。
意識が朦朧としていた今の一瞬から、一気に目が覚めるような。まるで回ってなかった酸素が全身に一気に駆け巡るような、よくわからない感覚というか、興奮というかが迸る。
思わず両手で顔を被う。なんかわかんないけど、カネキの顔を見てられない。
そして、そんなカネキの背後から赫子が出てきて、アヤトの弾丸を防いだ。
※
赫子を伸ばして、壁を物理的に這いあがって屋上まで登った僕が最初に見たのは、倒れた西尾先輩、仰向けで呼吸の乱れたトーカちゃん、彼女を寝かせてから離れるアヤトくんの三人。
間違いアヤトくんによってやられたろう二人だ。その間に僕が割って入るだけで良かったのかもしれないけど、アヤトくんは背後から赫子を出し、トーカちゃんの方を睨んでいた。
「――ひとりに、しないでよ」
瞬間的に、僕は走って彼女を持ち上げた。
そのまま跳んで攻撃を回避して、西尾先輩の方まで下がる。
「カネ……キ? お、お前、それちょ、ヤバくね?」
意識を取り戻していたのか、混乱する西尾先輩。そんな彼に少しだけ微笑んで、トーカちゃんに話し掛けた。
案の定と言うべきか、僕の状態を見てトーカちゃんも声が震えていた。
確かに色々と、以前とは違うかもしれない。物理的にも性質的にも、より攻撃的な面が外に出ている自覚はあった。だからこそ、逆に僕はいつもの様に振舞うことに決めた。
トーカちゃんの様子を見て、謝って、そしてありがとう。
顔を赤くして両手で被う彼女は、いつにも増して照れていたように思った。
……えっと、そこまで照れる要素があったのかは自分に置き換えるといまいち心当たりが見つからなかったけど。っていうか、こっちの方がなんか照れる。
『お楽しみの最中悪いけど、出るわよ?』
リゼさんの声と同時に、アヤトくんの赫子がこちらに数発撃たれる。
これに対しては、特に意識してなくても背後から赫子の”手”が出てきて、全部を掴み取って、地面に落した。
目を見開いて驚くアヤトくん。
「だ、大丈夫かカネキ……?」
西尾先輩の声に大丈夫と答えてから、僕はトーカちゃんを下ろそうと……。
「何やってんですか?」
唐突に、四本のうち上二つの左右が、僕の首に絡み付いてきて(まるで抱きしめているようだ)。そして左側の下一本が、トーカちゃんの肩を叩いてほっぺたに指を当てた。
「この手、リゼ……?
ってか、な、何やってんのよカネキ!」
「いや、えっと……、ごめん」
謝りつつ、何やってんですかリゼさんと心の内で聞く。
『んー、なんか役得みたいだし、ちょっとだけね?』
やっぱりリゼさんもリゼさんで、意味がわからない。
ともかく、僕はトーカちゃんを、ぎりぎり立ち上がった西尾先輩に手渡す。口元で何か咀嚼しているから、回復用に肉でも持って来ていたのだろうか。
それを見て、ちょっとだけ閃いた。
正確には、先輩のそれと、血まみれのトーカちゃんの肩のあたりと。
「先輩、トーカちゃんを……っと、その前に。
先謝っとく。ごめん」
「は? 何――ひ、ひゃうううううッ!?」
僕はトーカちゃんの肩、赫子が出ていたあたりの血やら何やらを少しだけ舐めて、すすった。
味はともかく、少しでも馬力が欲しいところなので背に腹は変えられない。
身体を震わせたトーカちゃんを預けると、西尾先輩は何とも言えない表情を浮かべた。背後ではアヤトくんの射撃を
「なんつーかお前等……。別に付き合ってる訳でもねーだろ?
って、気絶してんじゃねーかトーカ……」
先輩の抱える腕の中で、トーカちゃんは白目向いて、なんか口を変な風に笑ってるみたいにして、気を失っていた。ぐへへ、とかいううめき声が聞こえたのは、きっと気のせいだ。
「何こんなタイミングでいちゃついてんだよ、オイ」
「いや、単純にRc細胞値を上げたかっただけなんですけど……」
「……まあ、本人幸せそうだから良いか。
あ、それからカネキ、これ」
「?」
「ウタさんから。新しいバージョンだってよ。あった方が気合入んだろ」
「……ありがとうございます」
西尾先輩たちを扉の向こうに見送ってから、僕はさっきから赫子を連射するアヤトくんの方を振り返る。
「――やぁ、アヤトくん。何日ぶりかな?」
「……元気そーじゃねぇか、眼帯ヤロー。
俺はてっきり――もう殺されたと思ってたぜ!!!!」
地面も巻きこんで射撃してくるアヤトくん。
「まぁこれから死ぬけどなァ!?」
「嫌だよ」
流石に”手”数だけで捌ききれる量じゃないので、バックステップを踏みながら回避。
できそこないのバク転から、バク宙もどきに以降しつつ、僕はアヤトくんの連射を避ける。
手渡されたマスクを付ける余裕すらくれず、アヤトくんは射撃を続けていた。
「おらおらどうした眼帯!? 反撃しろよ!
喰種らしく殺しに来やがれ――」
「だから嫌だよ」
と、この言葉にアヤトくんは攻撃を一瞬止める。
「何でトーカちゃんの弟の、トーカちゃんのことが
「あ゛!?」
「万が一があればトーカちゃん悲しむだろうし――何より、『アラタさん』に合わせる顔がない」
反抗的に叫ぼうとしていたのを、一瞬止めるアヤトくん。
「……何でテメェ、親父の名前知ってんだ?」
……嗚呼、語るに落ちたわけではないけど、どうやら記憶の捏造ではなかったらしい。嬉しいような、複雑なような。
「覚えてないなら思い出さなくても良いよ。やり辛いだろうしね」
「だったらその、生暖かい目ぇ止めろやゴラ!」
ことさら、何故かここだけは一番吼えるアヤトくん。はて、そんな目なんて僕してたっけ……? あ、アレか。なんか身内みたいな意識がちょっとある、みたいな話をしたことがあったっけ。その時、ものすごく面倒そうというか、嫌そうな表情をしていたのを思い出した。
「このハンパ野郎が……! 見た目多少それっぽくなったかもしんねぇけど、中身は全然だな!」
「人間、本質はそう簡単に変わるものじゃないよ」
「テメェもバケモンだろうが! 何人間気取ってんだバァカ。
殺すのが嫌だァ? 相変わらず甘ちゃんだな。そんなんだから――ッ!」
話を続けるアヤトくんの方に、ヤモリがやったように「地面に穴を掘って」「背後から」一撃を僕は加えた。コンクリートだけど、流石にこれだけ足止めを続ければ嫌でも貫通するくらいの時間は稼げる。
腹に穴が開き、混乱した表情のアヤトくん。
「だから、二つだけ訂正」
微笑みながら、僕は指をまず一本立てる。
「これからやるのは『殺し合い』じゃない。ケンカだ。
それからもう一つ」
二本目を立てた後、アヤトくんを蹴り飛ばす。
転がっている彼を見ながら、僕は開いている左手でドライバーを手に取り。
「ハンパのつもりはないよ。僕は、
「は?」
「人間で、喰種で――」
顔の横に、左手のドライバーを構えて。
少しだけ自分なりに覚悟するように、言った。
「――
呆気にとられたように固まるアヤトくん。
ドライバーを腰に構えると、下の二つの”手”がベルト状になり装着される。
そのまま僕はマスクを放り投げて。
「変、身ッ!」
右手でレバーを落し、身体の前でスラッシュを描くように右腕と左腕を重ねた。
『――
ベルトの電子音と共に両腕を軽く開く。
と、背後の”手”が二つ、投げたマスクの方に伸びる。
周囲に、どこかリゼさんのくすくすとしたような笑い声が響く。
ドライバーから放たれた光がリング状に展開され、僕の身体に集ってくる。それと同時に全身から赫子が吹き出し、服と混ざり融合していき――。
いつものように変身が終わる。ただ、いつもと少しだけ違う。
伸びた”手”が僕の顔面に戻ってきて、案外丁寧に顔面にマスクを装着した。
以前は単なる黒いアイパッチだった右目が、レンズのような複眼のような、そんな素材に変化していて、前にくらべて視界が開けていた。
赫子が背中全体を覆って真っ赤にし、変身が完了した後。アヤトくんは叫ぶ。
「……仮面ライダーだァ? 何、生っちょろいこと言ってんだよ、あ゛!?」
腹を押さえて立ち上がりながらも、その反発はさっきの比じゃない。
「それを使って……、それを名乗って良いのは――」
そして全力なのか、こちらの反応が遅れるくらい急接近してくるアヤトくん。
彼の拳を受け止めながら、僕はアヤトくんの絶叫を聞いていた。
「――名乗って良いのは、『親父だけ』だああああああああああッ!」
その言葉に、頭の中のどこかで嗚呼、そうなのかという納得があった。
店長のことはともかく、アラタさんもこのドライバーを使っていたということだろうか。
それにしてもこの執着は――、とにかく今は、考えを切り替えよう。
アヤトくんを投げ飛ばし、僕は僕で彼に向かって駆けだす。
着地した彼に正拳突きの要領で一撃。これを躱した彼だが、フェイントだとは気付いてなかったのか、腹に一発貰っていた。
「て、てめ……ッ」
「羽赫は射撃に寄るから、アヤトくん近接戦は苦手なんじゃないかな?」
僕だって得意という訳ではないけど、今は違う。慣れた痛みのせいか、今まで以上にドライバーによる変身を扱えている今だからこそわかる。
赫子は想像力というリゼさんの言葉通り、全身から赫子を噴出し纏える現状は、まさに自分の体を自分の完全に思う通りに動かすことが出来る、ということだ。
店長が言ってた、ドライバーの「人間側からした欠陥」とはきっとこれのことだろう。肉体のパフォーマンスが、本来の僕の倍とかで利かない。
おまけに、その気になればこの状態からでも赫子を出すことができそうだ。
結果として、アヤトくんに距離をとらせず、超近接戦を維持することが出来ていた。
「トーカちゃんとは姉弟なんだからさ。もっと仲良くしなよ。
暴力も程ほどに、素直になってさぁ」
「~~~~、説得力ねぇんだよ、クソが――」
赫子を噴射するアヤトくん。距離が狭いからこそその射撃を避ける術はない。
それでも出来る限り身体を捻って交わして、なんとか四発くらいに留めることが出来た。
アヤトくんはその隙に飛び跳ねて、赫子の展開の仕方を少し変えた。
「近接が苦手だァ?
むしろ俺は接近戦の方が得意なんだよ!!」
展開されたそれは、トーカちゃんのやっていたような大きな羽根のようでなく、マントのように全身にまとわせたものだ。
弾丸の大きさは変わらない。それでも今までは大きく広げた先端部分から射出していたものが、羽根全体が弾丸になって、見える方向全体に放射されるのだ。
攻撃にも防御にも転用できる状態、か。
嗚呼、たしかにやり辛いかもしれない。
仕方ないとばかりに距離をとって、僕はアヤトくんの方を見る。
さっきの一撃が大きかったのか、未だお腹を押さえているアヤトくん。
「……大丈夫? 回復できそう?」
「知るか、タコ!」
「まだ髪の毛寂しいことになってないんだけどなぁ……」
マリーアントワネット症候群の状態――ショックで髪が白く変化する、から更にストレスを受けると、髪の毛が抜け落ちる。毛髪に出ているうちはまだ安全だけど、抜けるものさえなくなったらそのまま脳みそがダメージを受けて死んでしまう、だったか。
流石に喰種でも、粘膜が弱かったことから考えて内臓器の疾患とかも普通にあるだろうし、そういう意味じゃ割とギリギリだったのかな、僕。
「んな話じゃねェ!」
まぁ、おどけるのはこれくらいにして。
あんまりやると、アヤトくんがストレスで大変そうだ。物理的にも胃に穴が開いているだろうし。
『こんまま戦うと、ちょっと分が悪いわよ? 研くん』
あ、リゼさん。
『貴方は殴って文句言うくらいしか頭にないみたいだけど、相手は普通に殺しにかかってきてるんだし。真面目にやりなさい?』
そう言われても、実際僕はスタンスを変える気はない。アヤトくん相手に「言わなきゃならないことを言って聞かせる」のが主目的である以上、あんまりやりすぎると危険というか。
今の僕の状態で、本気で殺しにかかったらきっと歯止めが効かないというか。
『まあ、確かに私もその調子だったらストッパーなんてならないけれど』
ですよね、やっぱり。
でも現状、確かにこのまま戦うのは得策でもない。 僕の方も、アヤトくんの方も。短期決戦型の羽赫に加えて損傷も大きく(穴開けたの僕だけど)、あんまり長時間続けていると危ないことに違いはないだろう。実際、こうしてリゼさんと会話している余裕があるのだ。自分の腹を押さえ、距離を計り一歩も動かないでいる。
加えて性格もきっと、根っこのところでトーカちゃんと同じということは。自分の限界まで無茶してでも戦うに決まってる。
だったら、とにかく現状を打破するためには――。
『だったら、これを使いなさい?』
背後から”手”が伸びてきて、僕のドライバーのレバーを上げる。
それと同時に、いつもなら変身解除かキック待機に入るところが、バックルの中央部の色が何か違った光を放っているような、いないような。
『そのままレバーを落してごらんなさい?』
言われるままに、僕はレバーを落した。
『――
「な――ッ!」
嗚呼、これはひょっとしてヤモリの赫胞を奪ったせいなのかな?
僕の「殴ろう」という意志が伝わったのか、肩甲骨の下あたりから這い出た赫子が、僕の両方の腕に絡みつき、巨大な手甲のようになり腕を覆った。
ロケットパンチみたいに飛ばせそうだな、と思ったのはちょっとナイショ。
「いい加減死ね――!」
アヤトくんの射撃を、両手を合わせて防ぐ。走りながらというのもあるけど、正直に正面に射撃するアヤトくんだったため、見事に両腕のそれに弾かれる。
そしてそれを彼の眼前で解き、胴体ごと殴った。
「!――ッはが」
赫子のマントみたいになっている以上、普通の鎧とかと違って触れるだけでダメージが入るところだろう。それは、近接攻撃しかない相手にとってはまさに天敵のような状態だ。
でも、残念ながら今の僕は「甲赫」だ。
そして、拳は強大で。
この一撃に多少、口からぶちまけながら、アヤトくんはゴロゴロと弾かれて転がった。ダメージが大きかったのか、赫子がもう展開できないらしい。
ベルトのレバーを上げ、スイッチを押して解除。
周囲を確認しながら近寄る僕を、アヤトくんは鬱陶しそうな目で見ていた。
「……殺せよ」
「だから、嫌だって」
しゃがみこんで、僕は彼の目を見つめる。
色々と何かを諦めたようなその目に、僕は、ついさっき確信を持ったことを言った。
「アヤトくん。君はアオギリで何をしたいのかな?」
「――ぁあ?」
「アオギリは世界を変えるって言ってた。人間が跋扈する世界から、喰種が支配する世界に。
でもそれってさ――言い方を変えれば、喰種が人間の手で、殺されない世界だとも言えるよね」
僕の言葉に、アヤトくんは目を見開いた。生気を失っていたそれが嘘のように、驚愕が表情に浮かんでいた。
「だから強くなりたいんだよね。弱かったら奪われるから。
トーカちゃんを――たった一人しか残ってない家族を守れるように」
「何、訳、わかんねぇことを……ッ」
「切っ掛けは沢山あったよ。”あんていく”に襲撃した時、トーカちゃんがヤモリに飛びかかろうとするのを防いだこと。あのまま戦っても、興味を持たれてもロクなことにならないって、わかってたから出しゃばったんだよね」
「違う……っ」
「そのまま拾わず、結局あんていくに見捨てて行った。おまけにあの時の口ぶり、完全に素直になれない時のトーカちゃんのそれだよ。やっぱ姉弟だよね」
「違……っ」
「こっちに来てトーカちゃんの話をした時、少しだけ顔を逸らして、いっつも頭ガガリガリしてたの。調子が狂うのも、やり辛いのも、トーカちゃんが関わってたからで――」
「違うって、言ってるだろうが――!」
拳を僕の顔面に叩きつけようとしても、その速度は軽く受け止められるものだ。
そして、僕は決定的なことを言う。
「いつでも殺せる状況で殺さなかったり、お父さんに何だかんだで愛着があったり――結局、歪んじゃったけど、君は変わってないんだと思う。
トーカちゃんを守る為に、そのために何でもするって思ってるだけだ」
それでも無理やりトーカちゃんに、自分と一緒の生き方をしろと矯正できないのは、きっと彼自身が、見てしまったからだ。依子ちゃんと話したり、学校に通うトーカちゃんのことを。もう、彼女の生き方から、人間の社会が切っても切り離せなくなってしまったことを。
だからこそ、危ない道にだって一人だけで行くんだろう。
彼等のお父さんが、きっとそうだったように。
「――頭、イカれてんじゃねぇのかよ、クソがッ」
アヤトくんは、左手で目元を被って、歯を食いしばって。
声は震え、頬には涙が伝った。
「……最初から、気に入らなかった。
胸糞悪ぃんだよテメェ、目つきも、態度も、喋り方も……! クソ親父思い出して、ちくしょう――」
力なく泣き続けるアヤトくん。
僕は――そんな彼にドライバーを付け、レバーを落した。
「てめ、何を――ッ!」
「痛いかもしれないけど、ちょっと我慢、ね」
そして背中から出た赫子の根元を少し齧る。
味は……、うん、まぁ、トーカちゃんから考えて押して知るべし。
「下手に反抗されてもちょっと大変だから、我慢ね」
「……ッ」
赫胞に少しダメージを与えて、僕はレバーだけ戻して、彼を持ち上げる。
トーカちゃんにやったのとは、反対方向のお姫様だっこだ。
全身に突き刺すような痛みがあるだろうに、アヤトくんは震えながら、それでも僕を睨んだ。
「何がしてェんだ、テメェ」
僕は、気軽ににっこりと笑って――ある意味、死刑宣告をした。
「――とりあえず”あんていく”に連れて帰るから、手当て受けて、トーカちゃんと話しな?」
僕の言葉を受けて、今度こそアヤトくんは、口をあんぐりして戦意を喪失した。
▼ あやと は めのまえがまっくらになった!
変身シーンのマスク装着は、√AOPのアレイメージです。
そしてフォームチェンジ(赫子チェンジ)後の鉄拳はゴリラメダル的鉄拳みたいな感じでw