取りあえず乗っけときます。
突如としてニューヨークの街が謎の霧に覆われ消滅、異世界と入り混じり再構成された新たな街。
街には地球上の生態系からことごとく外れた姿の知的生命体たちが人と同様に跋扈し、魔術を始めとした超常の技術とそれを用いる犯罪が日常茶飯事となっている。
HLが構成されて3年後の現在、そんなHLと人界の均衡を守る、秘密結社ライブラが存在していた。
しかしある時、HLが新たな異界とつながってしまう。そこは
「フハハハハ! この世界の生きとし生ける全てのツインテールを我等の手にするのだ!!」
ツインテールという髪型が重要視される世界だった。
血界戦線 それはツインテールの異世界
主題歌「Hello,world!」
新たな敵アルティメギル。特定の趣味嗜好が生み出す精神エネルギー、”属性力”を人間から奪う未知の異界存在エレメリアンで構成された組織。
「これはまた……物凄くアホらしい侵略者が出てきたモンだなぁ」
「こればっかりは陰毛頭に同意だな。女はもっといいもん持ってるってのに、それしか目が入ってねぇもったいないことした連中……」
「てめぇら、それはツインテールに対する侮辱じゃねえか!!」
神々の義眼を有する少年レオナルド・ウォッチと、誰よりもツインテールを愛する少年御束総二が出会うが、相性は最悪?
「わぁ、すごい! 子供でしかも女の子になっちゃったよ!」
「おいおい、そんなんでまともに戦えんのかよ?」
「俺だって好き好んでやってるわけじゃないやい! でも、この極上ツインテールの代償だと思えば、何とか……」
しかも総二はアルティメギルと戦うために、幼女の姿の戦士に変身せざるを得ないという残念な宿命を背負わされていた。
「つまり奴らは、人間の精神エネルギーを食物にする異界存在、ということで間違いないのですか?」
「はい。そしてそのエネルギーである属性力を食い尽くされた人間は、何も愛することのできない灰色の存在になってしまいます。これほど静かで残酷な侵略は無いと、私は思います」
「……敵がいかなる存在だろうと、我々は世界の均衡を守るために戦わねばならん」
アルティメギルの被害者トゥアール曰く、敵はかなり危険な存在らしい。クラウスは持ち前の使命感とお人好しさから戦いに乗り出す決意をする。
「要するに、奴らの狙いはフェティシズムが生み出す感情エネルギーってことでしょう。物欲や恋愛感情みたいな根源的な感情が無事なら人は灰色にならないんじゃないかしら?」
「僕もそこは同感です。血界の眷属やその他の異界犯罪者たちに比べても、いまいち危機感が持てません」
しかし、ライブラのメンバー達は今回の敵にいまいち危機感を持てず、今回の任務にも乗り気になれずにいた。
「アルティメギル……中々に面白い連中だ。おかげで、この街ももっと面白いことになりそうだよ」
そんな中、事態をかぎつけて動き出す堕落王。そして起きる最悪の事態。
「そんな……この人、呼吸も脈もあるのに生気を感じない」
ついに、ライブラが動き出す。
「喰らえ、我が夏服属性の力を!」
「盟友の無念を晴らすべく、人形属性の力を思い知るがいい!!」
「「「「モケケー!!」」」
変態染みた思考とそれにちなんだ力を持つエレメリアンたち。
「「斗流血法・カグツチ(シナトベ)」
「エスメラルダ式血凍道」
「954血弾格闘技」
「血殖装甲」
「「「テイルオン!!」」」
激化するライブラとツインテイルズによる、対アルティメギル戦。果たして、その行方は?
「君達は人から属性力……すなわち何かを愛する心を奪うそうだな。だが、それで奪われるような安いものではないと私は思う」
「何?」
「人には感情が、心がある。そしてそれは、人を動かすために情熱を生む。愛する心、物欲、そういったものが情熱であり、属性力もその一つでしかない。すなわち……
人間が心を持つ限り、属性力を含めた情熱が途絶えることなど……断じてない!!」
そして、人類最強の紳士にして凶悪なまでの頑固者が、最終決戦に臨む。
「ブレングリード流血闘術、推して参る!!」
これはツインテイルズとライブラの、HLとツインテールの存亡をかけた戦いの、知られざる……否、語り継がれる記録である(ただし、HLを除く)。