俺ガイル短編集   作:黒猫withかずさ派

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新作ではありません。編集作業のための投稿をお許しください。


頑張れ、葉山くん。2

 

 

アパレルショップ

 

 

折本「さっきの、友達?」

葉山「ああ、同じサッカー部のやつら」

折本「わかるっ! そんな感じする!」

折本「葉山くんもサッカーって感じ。昔からやってたの?」

葉山「ああ。でも、ちゃんとやったのは中学からだよ」

仲町「昔からスポーツが得意だったんだね。だからか・・・、胸板とか腕の筋肉もすっご~いっ」

葉山「どうだろ?」

折本「ううん、細身だけどしっかりと筋肉ついているし、ただでさえかっこいいのにますます目が離せなくなっちゃうよ。・・・だからかな?」

葉山「なにかな?」

折本「うん、人の視線を普段から意識しないといけないから自然とだとは思うんだけど、葉山君が制服の下に着ているインナーのシャツもなんかおしゃれしてるなって。でもでも、おしゃれしているのを前面に押し出してるんじゃなくて、さりげなく着ているところがいいんだよね」

葉山「そうかな?」

仲町「そうだよ。うん、葉山君だからこそだよ」

折本「比企谷もそう思うよね?」

八幡「どうだろうな・・・」

折本「ほらぁ、もっとちゃんと見なさいよ」

八幡「わぁったよ。・・・ん? なあ葉山」

葉山「なんだい比企谷」

八幡「そのシャツってさ、どこで買ったやつ?」

葉山「どうして?」

八幡「いや、俺もそのシャツと似ているのを最近まで着ていたからさ」

葉山「そ、そうだったのか。偶然だな。比企谷と趣味が合うんだな」

折本「比企谷はともかく、葉山君のセンスはちょういいかんじでしょ」

葉山「だとすれば、同じ服を選んだ比企谷もセンスがいいってことかな」

仲町「どうだろうね?」

八幡「服のセンスがいいっていうのなら、雪乃を誉めてやってくれよ。以前まで着ていた服は全て雪乃に回収されて、今持ってるのは全部雪乃が用意してくれてるやつだからな」

折本「もうっ、比企谷が背伸びしないの。いくら比企谷がまったく同じのを着たとしても、葉山君みたいにはならないって」

八幡「・・・まっ、そのシャツ今はどこかいっちまったからどうでもいいけどよ」

 

 

 

 

 

カフェ

 

 

葉山「そういうの、あまり好きじゃないな・・・・・・」

仲町「あ、だよね!」

葉山「ああ、そうじゃないよ。俺が言っているのは君たちのことさ」

折本「え、えっと・・・・・・」

葉山「・・・・・・来たか」

八幡「お前ら・・・・・・」

結衣「ヒッキー・・・・・・」

八幡「なんでここに・・・・・・」

葉山「俺が呼んだんだ。・・・・・・比企谷は君たちが思っている程度の奴じゃない。君たちよりずっと素敵な子たちと親しくしている。表面だけ見て、勝手な事を言うのはやめてくれないか」

折本「ごめん、帰るね」

雪乃「選挙の打ち合わせ、と聞いていたけれど」

八幡「選挙って、生徒会のか?」

雪乃「・・・・・・。由比ヶ浜さん、やってくれないかしら?」

結衣「らじゃ~・・・・・・。くんくん、くんくん」

葉山「ちょっと結衣。何を急に!」

八幡「おい由比ヶ浜。なんで葉山の服を嗅いでるんだよっ」

結衣「やっぱり隼人がワイシャツの下に着ているシャツってヒッキーの臭いがする」

葉山「・・・・・・」

結衣「でも、どうしてゆきのんと陽乃さんの臭いもしてくるんだろ?」

八幡「ちょっと待て! 俺は葉山と抱き合ったことなんてないからな。けっして海老名さんが喜ぶような展開なんてなかった。わかってくれ雪乃。俺がそんなことするわけないって、お前が一番わかってくれるよな」

雪乃「わかってるわ(にっこり)」

八幡「お・・・ありがと」

雪乃「でも、そんなに慌てて否定されると、ほんのわずかだけれど、疑いたくなってしまうわ」

八幡「ゆきのぉ・・・・」

雪乃「嘘よ(極上の笑み)」

八幡「勘弁してくれよぉ」

陽乃「ふーん、なるほどねぇ。雪乃ちゃんが妙にガハマちゃんのことを大切にしているのって、そういう理由もあったわけか」

雪乃「姉さん・・・・・・」

陽乃「ガハマちゃんの犬みたいな嗅覚を味方につけたってわけね」

雪乃「姉さん」

陽乃「なにかな?」

雪乃「愛人は愛人らしくしていられないのかしら?」

陽乃「あら? 愛人だからこその行動じゃない」

雪乃「はぁ、まあいいわ。・・・葉山くん」

葉山「・・・どうしたのかな?」

雪乃「生徒会の話なのだけれど」

葉山「あぁ、そうだったね」

雪乃「生徒会長については一色さんが「自主的に」立候補して生徒会長になることを泣き叫んで?、泣いて?、命乞いをして?、・・・了承してくれたわ」

葉山「そ、そうか」

雪乃「えぇ、葉山君が自分にできることならなんでもしてくれると言ってくれたのがきいたみたいね」

葉山「自分には大した事なんてできやしないよ」

折本「さすが葉山君」

雪乃「謙遜だわ。葉山君には生徒会副会長としての立候補届けを出しておいたわ。葉山君の推薦人は簡単に集まったから問題なかったのだけれど、書記をやりたいって言ってきた相模さんの推薦人がなかなか集まらなかったのが大変だったわ」

八幡「よく相模がやるなんていってきたな」

雪乃「どういう風の吹き回しかしらね? でも、これも奉仕部への依頼だから協力したまでよ。だから葉山君。一色さんと相模さんと生徒会がんばってね(にっこり)」

葉山「ははは・・・」

雪乃「それと、葉山君の体操服やサッカー部で使っているスパイクやユニフォーム。手違いでなくなってしまったから新しいのを用意しておいたわ。一応みんなに声をかけて探すの手伝ってもらったのだけれど、駄目だったわ。でも、さすが葉山君ね。葉山君の私物だとわかったら飛ぶように手が挙がったもの」

 

 

 

 

 


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