やはり俺のソロキャンプはまちがっている。   作:Grooki

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年度またぎに忙殺されていましたが、なんとか更新です。

ここからしばらくの間は、由比ヶ浜の視点でお送りします。この子の視点で書いた方が、旅のワクワク感が出ると思って。

ではどうぞ。


(5)奉仕部・女子キャンプ#1 (対:その38〜40)(キャンピングカー)

 いよいよ土曜日。キャンプ当日。

 

 お天気はピッカピカの快晴! ちょっと肌寒いけど、絶好の旅行びよりだった。

 

「そろそろ出ましょうか」

 

 お昼ちょっと前、ゆきのん(雪ノ下)の合図で、まとめ終わった荷物(なんかスゴい重い)を持って、マンション一階のエントランスに降りた。

 

 エントランスのソファに座って、平塚先生が来るのを待ってる間、ゆきのんは何度か、両手で口もとをかくしながら、そっとあくびしてた。

 

「……けっきょく何時に寝たの? ゆきのん」

 

「一時ころかしら……でもしっかり眠ったから大丈夫よ」

 

 ゆきのんは眠気をはらうように、目をキューっとつぶって、ぷるぷるっと顔を横に振った。そのしぐさが、なんかかわいかった。

 

 

 

 

 ゆうべ、金曜の夜、平塚先生が帰った後、ゆきのんとあたしは、ネットでいろいろ調べた。

 

 先生の言ってた「ソロキャンプ」っていうものについて。

 

 あたしは途中で眠くなって寝ちゃったけど、ゆきのんはその後も調べてたみたい。

 

 あ、そうそう、けっきょくその日は調べ物に時間を取ったので、バスキャンドルはまた今度、っていうことになった。ゆきのんがめっちゃ集中してたし。むぅ。

 

 そうだ、せっかくの旅行だし、どっかイイ感じのお風呂に入りに行きたいな。三人でのんびりまったりお風呂、いいじゃん! 平塚先生に提案してみよっと!

 

 っていうか、ひょっとしたらゆきのん、遠足の前みたいに、ワクワクして寝られなかったのかも……やだ、だとしたらかわいい。

 

 

 

 

 で、ゆきのんがいっしょうけんめい調べながら説明してくれたんだけど、一人でキャンプできるっていうのは、けっこうすごいことらしい。

 

 そうだよね、たった一人でテント立てたりかたづけたり、たき火したり、ご飯作って食べたり、寝袋で寝たり。

 

 なんかスゴい、アレだ、えっと、サバイバルみたい!

 

 ヒッキー(比企谷)、すごい趣味始めたんだなぁ……!

 

 でも、いままでホントにヒッキー(ひきこもり)だったのに、何で急にアウトドアとか始めたんだろ?

 

 ……アレかな……、文化祭の打ち上げの時、ヒッキーに趣味がないことをみんなでさんざん言っちゃったけど、実は気にしてたのかな……?

 

 だとしたら、ごめん、ヒッキー……!

 

 まぁ、ホントのところは、本人に聞いてみるしかないんだけど、いつかちゃんと話してくれるかな……?

 

 

 

 

 待ち合わせ時間どおり、平塚先生がエントランスに入ってきてすぐ、ゆきのんのスマホが一回だけ鳴った。

 

「車が到着したようね。外に出ましょう」

 

 三人で手分けして荷物を持って、ゆきのんのあとに続いて外に出た。

 

 そこはクルマが出入口のすぐそばまでグリっ、と入ってこれる……なんていうんだっけ……ローカリー?(※ロータリー) だった。

 

 で、いきなり目の前に、どどん! っと、白いキャンピングカーが止まっていた。

 

「おお……!!」

 

 平塚先生が、おどろきの声を上げた。

 

 あたしもびっくり! こんな間近でキャンピングカーを見たのは初めてかも!

 

 クルマの前には、夏休みのときにゆきのんを迎えに来ていた、ぴしっとしててシブい感じのおじさんが立っていて、ゆきのんを見ると、すごくキレイな動きでおじぎした。

 

「ありがとう、都筑(つづき)

 

 ゆきのんはおじさんにそう声をかけて、おじさんが両手でうやうやしく差し出した封筒を受け取った。

 

「平塚先生。では、一応、借用書類の記入をお願いします」

 

「あ、ああ、分かった……! 言われたとおり印鑑と免許証のコピーも持ってきたぞ」

 

 平塚先生が進み出て、封筒を受け取り、中の書類を出してなにか書き込んだり印鑑を押したりした。その間、あたしは、キャンピングカーをぽやーっと見つめていた。

 

 大きなクルマだった。ちょっとしたトラックくらいある。

 

 すごいな……! キャンピングカーでお泊り旅行って、生まれて初めてだ……!!

 

 平塚先生が書き終えた書類をおじさんに返すと、おじさんはゆきのんにもう一度おじぎをして、すぐ後ろに止まっていた別の車の助手席に乗り込んで行ってしまった。二台で来てたんだね。

 

「ではまず、由比ヶ浜(ゆいがはま)さんの家に向かいましょう」

 

 ゆきのんの号令で、あたしたちは荷物をいそいでクルマに運び入れると、とりあえず出発した。こんな大きなクルマで、ずっとマンションの入り口をふさいでるのはメーワクだしね。

 

 

 

 

 でね、もうね! マジすごかった!!

 

 まずクルマの真ん中の、玄関? を入ると、頭のすぐ上にエアコンがついてた。フツーに家とかについてるヤツ! 夏とかでも涼しそう!

 

 クツをぬいで中に入ると、目の前に、三人くらいは向い合ってラクに座れそうなセンターテーブル。はしっこには、ドリンクホルダーみたいなヘコみもついている。

 

 で、なんと!! テーブルの上には、一通のお手紙といっしょに、お菓子とかキャンディとかがいろいろ、カゴに入れられて置かれていた。

 

 ゆきのんは手紙を見て、クスって笑った後、「好きなだけ食べていいそうよ」って言った。

 

 たぶんゆきのんのパパからの差し入れだと思う。ゆきのんパパ、超イケてる! 見たことないけど、もう超イケメン確定!!

 

 インテリアはところどころ、落ち着いた色合いの木が使われてて、なんかカフェみたいな雰囲気(ふんいき)。布張りの座席も、すごく上品なデザインだった。

 

 テーブルの横には大きな窓。走ってるときに街の景色が大画面で流れていく。

 

 そしてテーブルから入口の方を見ると、小さな液晶テレビがついてた。フルセグみたいね、ってゆきのんが言った。なんかよく分かんないけど、画面キレイなんだよね? たしか。スゴい!

 

 クルマの後ろの方には、ちっちゃな流し台のついたキッチンスペース。コンロはないけど、上の方に電子レンジ、足元にはちっちゃな冷蔵庫がついてた。

 

 キッチンの反対側には、ドアのついた小部屋があった。開けてみるとトイレだった。

 

 トイレまでついてるんだ。渋滞の時とか便利!

 

 そしてクルマの一番うしろには、二段ベッドがあった。上の段にも下の段にも、横にカーテン付きの小窓、枕もとには小さなライト、足もとには小さな収納がついてる。

 

 おフトンはないけど、マットは、横になったら十分寝られそうなくらいやわらかそうで、それぞれに、枕とふかふかの毛布がたたんで置かれてた。毛布は、手ざわりがすごく気持ちいい。高級な毛布なんだろなー……!

 

 ベッドといえば、運転席の方にも、よじ登ってゴロっとなれる広いスペースがあった。ちょうど、運転席の天井の上で寝るような感じ。バンクベッドっていうんだって。外から見ると、運転席の上に乗っかるような出っ張りが付いてるよね、あの中だよ!

 

 センターテーブルのシートも、形を変えてベッドになるみたいだし、全部で五、六人は寝られるっぽい。すっごーい……!!

 

 

 

 

 あたしはテンション上がりっぱなしで、車内をきょろきょろと見回しっぱなしだった。

 

「すごい、すごいよゆきのん、このクルマ!」

 

 ゆきのんも、ため息をつきながら、やれやれって感じで中を見回していた。

 

「私も実際に乗ったのは初めてなのだけれど……こんなに豪華仕様だったなんて。まるで走るホテルね……まぁ、今回みたいなときには助かるんだけれど」

 

 ホントホント!!

 

 『ゆきのんパパ号(キャンピングカー)』は、のんびりと海岸線の道路を走って、あたしの住んでるマンションへ向かった。クルマの性能なのか、平塚先生の運転が上手なのか、ゆれはあんまり感じない。

 

 クルマの中には、掃除がゆきとどいている感じの、すごくさわやかなにおいがする。

 

「すげえ……すげえ……! チョー楽しい……! いいな……キャンピングカー、いいな……!!」

 

 運転中の平塚先生の顔は見えなかったけど、運転席から興奮したような声が聞こえてきた。平塚先生もすごく気に入ってるみたいだった。

 

 

 

 

「そうだわ、今のうちに、この車を使うにあたっての注意点を説明します」

 

 ゆきのんが思い出したように、あたしと平塚先生に言った。

 

「トイレは、使わないで下さい。目的地につくまでは適宜(てきぎ)休憩、着いてからは現地のトイレを使用してください」

 

「トイレ、故障してるの?」

 

 あたしが聞くと、ゆきのんは「いいえ」と首を横に振り、ちょっと恥ずかしそうに答えた。

 

「故障ではないのだけれど……その、この車のトイレは、……『タンクに貯めて、帰宅後に自分たちで始末する』仕組みなの……けれど、この車はそのまま実家に返すから……その……」

 

 ……あっ!

 

「りょ、了解だ雪ノ下! 大丈夫、みなまで言うな……! そうか、そうだな、なるほど……! 言ってくれて助かった……!」

 

「お、オッケー、ゆきのん!」

 

 あたしと平塚先生は、同時に親指でオッケーのサインを出した。

 

 っひゃー、そうだよね……! 女子三人旅でトイレ使っちゃったあと、誰がそうじするのって話だよね……!

 

 ゆきのんパパ? それか、あの都筑っておじさん……? む、ムリムリムリ恥ずかしい!!

 

 そう考えると、キャンピングカーのトイレって、緊急時にしか使わないものなのかもなぁって思った。家族だけだったらそんな恥ずかしくないし、わかんないけど……。

 

 音とかも……聞こえるだろうし……や、うん、この話はもうやめよう!

 

 

 

 

 で。

 

 あっという間に、あたしのマンションのすぐ下まで着いた。

 

 家には前もって連絡して、旅行のオッケーをもらっていた。急いで家に入って、旅行用の追加の荷物を用意して、バタバタとクルマに戻った。

 

 パパとママも、先生へのあいさつのためにいっしょに下に降りてきた。

 

 パパは、キャンピングカーを見るなり、キラキラした目になっちゃって、「うお〜、すごいなぁ……! いいなぁ、結衣(ゆい)!」と小さく歓声を上げた。

 

 で、その前に立ってた平塚先生とゆきのんを見て、あわててあいさつしてた。

 

 美人のふたりを前にして、ちょっと鼻の下が伸びてた。もうっ。

 

 ママもふたりにあいさつしたけど、特にゆきのんを見た時は「わぁ……!」って、すごくうれしそうな笑顔になってくれた。

 

「ゆきのんちゃん……ね? はじめまして、結衣の母です。いつも結衣がお世話になってます」

 

「初めまして。雪ノ下雪乃(ゆきのしたゆきの)と申します。こちらこそ、由比ヶ浜さんには色々と助けて頂いています。今回は急なことで、ご迷惑を……」

 

 ゆきのんはママに、ていねいにあいさつした。ママはそれですごく感動してた。

 

「ゆきのんちゃん、本当に美人さんで、すてきな子ね! こんどゆっくり、ウチにも遊びに来てもらえるといいわね」

 

 あとであたしに、こっそりそう言ってくれて、なんか、すごくうれしかった。

 

 パパとママが手を振って見送ってくれる中、あたしたち三人は、こんどこそ、ヒッキーのいるキャンプ場へと出発した。

 

 

☆★★☆

 

 

「急ぐ旅でもないし、下道(したみち)で行くことにする。到着は三時から四時くらいになると思うが……、そういえば君たち、昼食はすませたのか?」

 

 平塚先生が、信号待ちの時、カーナビの設定をしながら聞いてきた。

 

「かんたんですが、お弁当とお茶()けを用意してきました。先生の分もあるので、よろしければ……」

 

「おおっ、マジか? ありがとう…………………………(ううむ……これが女子力か……!?)!」

 

 平塚先生がなんかブツブツ言ってる間に、ゆきのんは荷物の中から、サンドイッチと手作りスコーンの入ったバスケットを出して、いくつか紙皿に並べて、運転席の先生に持っていった。

 

 運転席の、先生の左ひじのあたりには、倒すとテーブルになる背もたれがついてたので、ゆきのんはそれを倒して、紙皿を置いた。ついでに紙コップにあったかい紅茶も入れて、ドリンクホルダーに入れてあげていた。

 

「運転はだいじょうぶそうですか?」

 

 ゆきのんが平塚先生に声をかけた。

 

「うん、びっくりするほど快適だ。こういうトラックみたいなタイプのクルマは初めてなんだが、ゆったり運転できてすごく気持ちいい。どこまでも走っていけそうだ……! 貴重な経験をさせてもらってるよ。君にも父上にも感謝だな」

 

 平塚先生がサンドイッチに手を伸ばしながら、うれしそうに言った。

 

 平塚先生、すごく運転がていねいだと思う。うちのパパの運転とか、たまに乗ったとき、カーブで横に引っ張られたりすることもあるけど、先生の運転だとゼンゼンそんな風にならない。

 

 ゆきのんも、安心して平塚先生に運転をまかせているみたいだった。

 

 

 

 

 さてさて。

 

 出発してしばらくは、サンドイッチと紅茶でランチタイムしながら、三人でおしゃべりしながらドライブしてた。

 

 でもやっぱ、けっこう目立つのか、信号待ちのときとかは、歩いてる人やまわりの車の人たちから、ほえーって目で見られたりした。ふふっ、なんか、ゆうえつ感♪

 

 登戸(のぶと)あたりでの信号待ちのとき、となりに止まった大きめのクルマのうしろの窓から、小学生くらいの女の子が、こっちをぽえーって見ていた。

 

 三つ編みにしてて、なんか上品な感じの、かわいい子だった。おたがいの窓の高さが近かったので、目が合った。あたしはにっこりして、手を振ってみた。

 

 女の子はちょっとびっくりしてたけど、はずかしそうに、でもほわっとした笑顔になって、ちっちゃく手を振り返してきてくれた。か、カンワイ〜!!

 

「ゆきのん見てみて、あの子かわいいね!」

 

「ふふ、そうね」

 

 ゆきのんも小さく手を振ってあげていた。平塚先生も気づいたのか、「おっ?」と言う声が運転席から聞こえてきた。

 

 と。

 

 その子はふと運転席の方を見ると、ぱっちりした瞳をもっと大きくして、おどろいた顔をした。

 

 そして次の瞬間、はわわ〜って感じで口を両手でおおって、みるみる顔を真っ赤にした。

 

 信号が青になって、あたしたちの車のほうが先に動き出し、その子のクルマは右折して、ポートタワーの方へ走っていった。見えなくなるまで、女の子はずっとこっちを見ていた。

 

 なぜか平塚先生が、ふふふ、と楽しそうにひとりで笑っていた。

 

「先生、いまの子、知り合いだったんですか?」

 

 あたしがそう聞くと、先生はちょっとうれしそうに、

 

「ああ、まあね。名前は知らないが」

 

 って、不思議な返事をして、またしばらく笑っていた。

 

 ふーん??

 

 

 

 

 『ゆきのんパパ号』は、海沿いの国道を南へ南へ、のんびり進んだ。途中に何度か、コンビニでトイレ休憩と平塚先生の一服タイムをはさみながら。

 

 あたしたちはおしゃべりしたり、テレビを見たり、外の景色をながめたり、まったりしながらドライブしてた。

 

 ううっ、楽しい!!

 

 夏に千葉村に行った時みたいだったけど、あの時よりもなんか、ゆきのんや平塚先生と、キョリが近い感じがして、うれしかった。

 

 ……ん? なんか昨日までの雰囲気とちがうよね……? ま、いっか!

 

 しかし、いま通ってる道、海沿いの国道のはずなんだけど、アクアラインの入り口までは、海側にはず――っと大きな工場が並んでて、走りやすい道だけど、おんなじような景色が続いていた。

 

 道の右側には、ず――っと線路が敷かれてたけど、駅とかがゼンゼン見当たらない。その線路はときどき枝分かれして、工場の中に入っていってた。

 

「工場、すごい数だね。夜にライトアップとかしたら、なんかかっこよさそう」

 

 なにげにあたしが言うと、ゆきのんは、ふむ、と、細いあごに手をやった。

 

「由比ヶ浜さん、問題。いままさにこのあたり、工場の立ち並んでいる広いエリアを、何地域というでしょうか? 地理の問題よ」

 

 えっ、えっ!? え――っとえ――っと……!! 工場、工業? あ、たしか、ナントカ工業地帯とかナントカ工業地域とかがあった……聞いたことある! け、け……!

 

「け、けい、京浜工業地帯(けいひんこうぎょうちたい)!!」

 

 ずびしっ! と指をつきだして答えた。

 

「そりゃアクアラインの向こう側(東京〜神奈川)だ」

 

 平塚先生が、ぶはってウケた。ええっ!?

 

「はずれ。正解は京葉工業地域(けいようこうぎょうちいき)よ。『何()()か』って言ったじゃない……ちなみにここは、石油化学工業の割合が突出して高いのが特徴よ」

 

「ぐうっ、ひっかけ問題かあっ!?」

 

「ぜんぜんひっかけてないどころかヒントまで出していたのだけれど……」

 

 ゆきのんがこめかみを押さえる。平塚先生はまだ楽しそうに笑っていた。むむぅっ。

 

「では、私から雪ノ下に問題だ。『工業地帯』と『工業地域』の違いはなんだね?」

 

 今度は平塚先生からゆきのんへの問題。

 

 ええっ、むずかしい……っ! たしかに、どうちがうんだろ?

 

 けど、さすがはゆきのん。ふふん、と得意そうにほほえんで、ソッコーで答えた。

 

「公式な名称や規模などの基準による分け方というものではなく、慣例として、戦前から昭和三十年代までの高度成長期以前に形成された、京浜、中京、阪神、北九州(※)の四つのエリアが 『工業地帯』、高度成長期以後に形成された、京葉、東海、瀬戸内その他のエリアが『工業地域』と呼ばれているようです。」

 

 おお――っ、すご――い!!

 

「へぇ……そうだったんだ……! なるほど……。あ、せ、正解だ。さすがだな雪ノ下」

 

 平塚先生?

 

 でも、そっか、ここ、教科書に出てくるくらい有名なところなんだね。そう思うと、なんかすごい!

 

 

 

 

 そんなこんなワイワイやってるうちに、『ゆきのんパパ号』は京葉工業地域を抜け、アクアラインへの道も横切って、木更津(きさらづ)に入った。

 

 だいたい半分くらい来た感じかな。

 




【いちおう解説】


 書き手の私はキャンピングカーに乗ったことがないので、想像で書いてます。とはいえ、モデルにしたキャンピングカーは実在します。ルームエアコンがついてるのは特別仕様車で、新車で買うとだいたい700万円くらいのようです。ちょっとほしいな。


 キャンピングカーをレンタルしているお店もあります。最寄りのお店を捜してみるのも面白いかもしれません。

 ちなみに、私の地元の最寄りのお店では、「終日料金」と「ハーフタイム(終日でない)」料金を組み合わせて、レンタル料が決まるようです。一泊二日なら、クルマだけで2万円前後といったところでしょうか。ガソリンは別に手出し、返却時は満タン返しです。

 ちょっと高いように見えるけど、電車や高速バスで移動して、現地にホテル取って、ホテル近くのお店でご飯食べる、っていう旅行に比べると、格段に移動や食事が自由にできそうですね。雪乃の「走るホテル」、名言かも。

 いっかいくらい経験してみようかな……?


 今回の話では、雪乃と由比ヶ浜ママの初顔合わせは、この時点である、という設定にしています。なぜかというと、原作第11巻初版第1刷の246〜247ページで、由比ヶ浜ママが八幡と雪乃に会うシーンで、八幡についてはえらく関心を見せてるのに、雪乃に対しては、もう少し知ってるふうなセリフ回しだったので、由比ヶ浜ママはこの時より前に、雪乃に会ったことがあるのかも……、と思えたので。

 これは完全に私の個人的な解釈です。


 北九州工業地帯は、かつては「日本四大工業地帯」と呼ばれていましたが、近年、生産規模の低下から、なんかハジかれて、他の京浜、中京、阪神の3つで「日本三大工業地帯」と呼ばれることの方が多いようです。

 しかし、しかしですね! 北九州工業地帯の基幹工場であった「官営八幡製鐵所(かんえいやはたせいてつじょ)」(現在の新日鐵住金八幡製鐵所。創業は明治34年! 歴史が違う!!)をはじめとする九州各地の工業遺産が、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」として、2015年7月8日、ユネスコの世界文化遺産に登録されました。

 九州なめんな!!(教科書会社に、ずびしっ! と指差し)

 

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