やはり俺のソロキャンプはまちがっている。   作:Grooki

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その53:比企谷八幡は父との死闘(笑)の果てにそれを手に入れる。

 雪ノ下と由比ヶ浜(第五ステージ)からようやく解放されて、帰り道。

 

 最後の力を振り絞って自転車を()いでいると、小町からメールが入った。

 

 

 

 

 件名『お母さんと女子会してきます♪』

 

 本文『おふろは洗ってあります。ばんごはんは各自で食べてね☆』

 

 

 

 

 マジかよ……。

 

 そういや母ちゃん今日は一日家にいたんだったな。

 

 こんなボロボロな日は一刻も早く暖かな家で愛妹(こまち)の笑顔を見ながらおいしい飯食ってテレビ見てまったり癒やされたいのに。

 

 しかし、たぶん母親もそれは同じだったんだろう。たまの休み、小町にべったりしたいんだな。可愛いもんな小町。

 

 まぁ、しょうがねえけど……なんか、何もかも思うとおりにならない……。

 

 遠くへ行きたい。いや土日に行ってきたばっかだけども。実際は知り合いが百メートル圏内(けんない)にいたわけだし。事後的コレじゃない感ハンパねぇ。

 

 もっと遠くへ……知ってる奴が誰もいないところへ……。ああ、そういや火星でぼっちライフを過ごすみたいな映画のCMが流れてたな。きっと最高の映画に違いない。観に行かなきゃ! いや待てアイツ帰還を待たれてる時点でぼっちじゃねえな。でも面白そうなので観に行きたい。

 

 それはさておき、飯どうするかな……。持ち金もあんまりないし、サイゼかな。

 

 脳内で現在地から最寄りのサイゼの位置を検索する。ちょうどすぐ近くに一店あった。あんまり行ったことない店だけど、今日のような日にはむしろ丁度いいかも知れない。

 

 俺は自転車の進路をやや南向きに変更した。

 

 

×××

 

 

 京葉線(けいようせん)検見川浜駅(けみがわはまえき)

 

 おなじ京葉線の、稲毛海岸駅(いなげかいがんえき)海浜幕張駅(かいひんまくはりえき)の間にある駅だ。俺の通学路的にも、家から高校までのちょうど中間地点にあたる。

 

 駅の周辺は稲毛海岸駅のそれと比肩(ひけん)、あるいはそれ以上にマンション群が立ち並んでいる。区役所も近く、ちょっと海の方へ行けば市立病院、救急医療センターもあり、住環境としては最強に近いスペックを誇る。ラーメン屋が近くにないのだけが惜しい。

 

 俺的には、高校帰りのちょっとした買い物はマリンピアに行く方が便利だし、本格的にショッピングをしたいときは千葉駅または海浜幕張駅の方へ行くので、普段はほぼ素通りしているのだが、今日みたいに、いつもと違う気分に浸りたい日には最適なところだ。

 

 駅の北東にあるショッピングセンター・PIAの駐輪スペースへ自転車を()め、一階のサイゼリヤに向かった。

 

 セットプチフォッカ付きミラノ風ドリアとセットドリンクバーだな。六百円でお釣りが来る。こうして店の入口をくぐる前から注文内容を決められるのがプロのサイゼリアンだ。

 

 幸いそれほど混んでいず、ボックス席を独り占めできた。手早く注文を済ませ、ペプシとエスプレッソを()いできて、スタンバイ完了。

 

 料理が来るまでに大して時間がかからないので、本をじっくり読むよりもスマホでネットしている方が効率のいい時間つぶしになる。

 

 ……ああ、一人だ。落ち着く……!

 

 孤独の喜びを噛み締めつつ、スマホをぺろぺろ操作していた。

 

 今回のソロキャンプでは、(平塚先生らのことはともかく)夜の過ごし方についていくつか改善したいと思う点があった。

 

 まずは……やっぱ、秋〜冬にやるなら、保温性のより高い寝袋(シュラフ)は絶対必要だな。真冬に雪中キャンプとかまで極端なことはまだ考えられないが……。

 

 とはいえ、バックパックに入れて持ち運べるサイズになる冬用寝袋は価格が高い。ダウンじゃなく化繊(かせん)入りのものなら安いが、でかすぎる。今の手持ちの寝袋にシーツなどを追加するやり方のほうがいいか……? モンブリアンの寝袋だから、やはりモンブリアンのサーマルシーツあたりを追加させるか……。これなら安く済むし嵩張(かさば)らないかも知れない。

 

 しかし実際の使用感はどうかな……レビューだけじゃわからないもんなぁ……。試着ってできるのかな。そもそも店頭で寝袋に入ってみるのは試着っていうんだろうか。試し寝?

 

 あと、照明。家から持って行ったLEDライトでもまぁ、いいっちゃいいんだが、光が白々(しらじら)としたものだった。もっとなんかこう、暖色系でキャンプ気分をアゲてくれるやつが欲しい。

 

 火を使うランタンやキャンドルは憧れだが、テント内で使うとなると、安全を考えてキャンドル型のライトがいいかも知れない。光が揺れるリアルなやつとかもあるだろ、最近。

 

 携帯用のラジオもあればいいな。焚火しながら星空を見ている時に、(かたわ)らのAMラジオから静かに音楽が流れてくるってのも雰囲気いいんじゃないの。

 

 スマホのアプリで聞いてもいいんだが、やはりラジオは電波によって音質がかすれていた方が風情がある。

 

 テントの中に早々と引きこもって、ラジオを聞きながら読書というのも、今後は試してみたい。

 

 ……おっと、道具も欲しいが、そろそろウェアも考えたいところだ。今手持ちの道具類がたまたま全部日本のメーカー製だから、ウェアもそういう感じで揃えるか? となればやっぱモンブリアンかなぁ……。

 

 

 

 

 ……ああ、なんかこういう楽しい妄想、久しぶりだ……!! いや久しぶりでもないか。

 

 しかし昨日今日と人間関係に悩んでたことが、なぜか半月近くにも感じられる……ふしぎ!

 

 などと静かに感動してるうちに、料理が運ばれてきた。

 

 猫舌なので、ミラノ風ドリアの表面がやや冷めつつ、しかしホワイトソースが固まらない程度の絶妙のタイミングで食べ始める。ミートソースは相変わらず絶品だ。ミートのしっかりした甘いコクの広がりを楽しんだ直後、トマトの酸味によるキレが一陣の風のように口内に印象を残す。さすが四〇年のこだわりは伊達じゃない。

 

 耐熱陶器の隅にへばりついたホワイトソースは、セットの小さなフォッカチオをちぎってこそげ取り、口に運ぶ。うまい。容器もキレイになる。フォッカチオはこの他、ガムシロをかけてスイーツ仕様にして食うのもおすすめだ。このときドリンクバーを注文するのはマナーな。

 

 温かい飯を食うと、気力と体力が少し戻ってきた気がした。

 

 やはりサイゼは最高だ。何が最高って、どの店に入ってもグランドメニューが同じってところだ。つまりサイゼリアンの俺にとっては、どこへ出向くことがあっても、自分に最適な補給基地がそこに配置されているのと同義なのである。

 

 最高だろ?

 

 

×××

 

 

 帰宅すると、玄関の片隅に革靴。父親がすでに帰って来ているようだった。リビングに明かりが灯っていて、テレビの音が聞こえた。

 

 さぁ、……いよいよラスボス戦だ。

 

 そっと気合を入れて、階段を登り、リビングのドアを開けた。

 

 父親は寝巻き代わりのスウェットスーツ姿で、ソファのテーブルの方でコンビニ弁当とカップラーメンを食いながらテレビを観ていた。

 

「……おう、何か食ってきたか?」

 

 麺を(すす)りながらこちらを振り向く。

 

「ああ、サイゼで……ただいま」

 

「ふーん……おかえり」

 

 父親はそっけない態度でテレビに向き直り、食事を再開した。

 

 …………。

 

 …………。

 

 オゥ……「相手が何か言わない限り自分も何も言わずあわよくばこのままうやむやにしたいという態度を見せて逆に相手をムカつかせる作戦」ですか……(長い)。 なかなかの高等テクで仕掛けてきやがったな……(つまり何もしてない)。

 

 とりあえず風呂に入って自室で着替えて、リビングに戻った。父親はまだテレビを見ていた。

 

 ソファのテーブルの上は片付けられ、代わりにマッ缶が二本置かれていた。俺が戻ってくることは予想していたようだ。

 

 父親と直角の位置に座り、一本とって開けた。

 

 ちびちび飲みながら、一言も発さず、ただただ父親の隣で一緒にテレビを観た。

 

 名づけて「相手が自分に対して何か含みながら目の前で()えて黙ってるのがオーラから確定的に明らかな以上いつまでも無反応でいられなくなるのを誘う作戦」だ(長い)(つまり何もしてない)。

 

 なんだこの世界最高に斜め下な技の応酬(つまりお互い何もしてない)。

 

 しかしこうかはばつぐんだ。

 

「……、いやーそれにしても」

 

 目はテレビに向けられていたが、父親がわざとらしく()め息をついてつぶやき始めた。

 

 ……俺の勝ち(しかし何もしてない)。

 

「平塚先生だっけ? やらかしてくれたなァ。絶対ばれないようにしてくれってあれほど頼んだのになァ。まさかこっそり泊まりこんでたとは。しかも可愛い女子高生二人連れて? 事前に教えてくれてたらぜひとも代わってやってたのになァ」

 

 などと、ずいぶんな言い方で(のたま)い始めた。

 

 さしずめ「よく知りもしないくせに相手の知り合いを勝手にこき下ろして自分に対する印象をわざと悪くしていく作戦」とでもいうのか(長い)(結構ひどい行為)。

 

 しかし、演技でやってるのがバレバレだ。なんていうの、(しゃべ)ってるときの声の抑揚(よくよう)がいつもと全然違う。これは家族だから解ることだ。

 

 吹き出しそうになるのをこらえ、口の端の(ゆる)みを必死に抑えた。

 

 特に、雪ノ下と由比ヶ浜(あのふたり)がただの可愛い女子高生扱いされてたのが可笑(おか)しかった。

 

 代わってみればよかったじゃん……。アイツらの監視対象は、むしろ平塚先生だったんだからな。

 

 ……改めて想像すると怖ぇ……。しかもずっと同じ車内だぜ。ただひたすらに怖ぇ。

 

「しかしまぁ、何だ、それも含めて今回のことは俺の作戦ミスだ。認める。色々台無しにして済まなかったな八幡。詫びと言っちゃn」

 

「父さん」

 

 まだ父親は何かしゃべろうとしてたが、こういう茶番はさっさと終わらせるに限る。

 

 

 

 

「……俺は父さんの子どもだ」

 

 

 

 

 ぽつっと一言。父親の腐れきった目を見ながら、そうぶちかました。

 

 父親は不意を突かれて、半口を開けて沈黙した。

 

 

 

 

 誠に遺憾(いかん)ながら、こうも思考回路や行動が同じだと、認めざるを得ない。

 

 ついでに外見も声も似てるらしいが。

 

 それも……、まぁ、しょうがないんじゃないの。

 

 だからさ、親父。

 

 

 

 

「俺には通じねぇよ、そんなの」

 

 

 

 

 父親にはこれだけで解ったはずだ。

 

 その証拠に、父親は半口のまま静止していた。

 

 してやったり感がどんどん()いてきて、俺はたまらず、声を噛み殺しながら笑った。

 

 俺が笑ってる横で、父親は気まずそうに少し赤くなって、後ろ頭をガリガリかきながら溜め息をついた。

 

「……ったく、小癪(こしゃく)な奴だ……親の顔が見てみてぇ」

 

 洗面所はあっちですよ。

 

 父親は少しの間、俺の顔を見ながら考え事をしていたが、のそっと立ち上がり、

 

「……ちょっと待ってろ」

 

 と言い残すと、リビングを出た。

 

 え、ホントに洗面所行ったの? ウケる!

 

 ……と思ったら、戻ってきた父親は、なにやら小さな紙包(かみづつみ)を持っていた。

 

 元の位置に座ると、しばらく紙包をいじりながら逡巡(しゅんじゅん)していたが、大きく息を吸い込んだのを合図に、それをテーブルの俺の目の前に置いた。

 

「……?」

 

 俺は紙包と親父を交互に見た。

 

 父親は紙包の上に手を置いたまま、しばらく口の中で言葉を選んでいた。

 

「……ちょっと、意味合いが変わったが……まぁいいや。受け取れ」

 

 小さな声で言うと、手をそっと離した。

 

 黒い包装紙に包まれたそれは、名刺よりすこし長辺を伸ばしたくらいの大きさの箱だった。

 

 手元に引き寄せた時、意外としっかりとした重みを感じた。

 

「…………」

 

 包装紙を開くと、中の箱は下地が銀色、真ん中に白抜きで、羽のついた(かぶと)をかぶった女性の横顔シルエットが印刷されていた。

 

 心臓が一センチほど飛び上がった。

 

 これは。見たことがある。

 

 父親を見ると、こくり、と一度だけ大きく(うなず)いた。

 

 そっと、箱を開けた。

 

 中に入っていたのは、銀色のマルチツール(十徳ナイフ)だった。

 

 アルミ製だろうか。精巧な格子模様(こうしもよう)が立体的に刻まれたボディに、箱と同じ横顔が紋章として浮かび上がっている。

 

 シンプルでクラシックな雰囲気のデザイン。かっこいい。

 

 箱から取り出してみる。見かけより重い。

 

 折りたたまれたツールは三列になっていた。一つずつ開いてみる。

 

 六〜七センチ位の短い、しかしちょっと厚手のナイフ。

 

 先端がマイナスドライバーにもなっている、缶切りと栓抜き。

 

 頑丈そうな刃先のリーマー(穴開けキリ)

 

 そして真ん中の列からは、七〜八センチほどのノコギリ。

 

 全部で五種類。しかし、アウトドアでの用途としては、必要十分な機能が揃っていた。

 

 非常用持出袋(ひじょうようもちだしぶくろ)に入っていた安物とは、明らかにモノが違う。

 

 全てのツールは(かど)が丁寧に面取り(角丸め加工)されていて、指に優しい。しかも全部、爪を引っ掛けるだけでスムーズに開閉できる。かといってゆるゆるではなく、使うときにはしっかり安定しそうだ。

 

 ハンドル(持ち手)の片端にはキーリングがついていて、携帯に便利そうだ。

 

 ……本物だ。本物のマルチツールだ。

 

「こ、これ……!?」

 

 ツールをたたみ、あちこちひっくり返して見ながら、父親に尋ねた。

 

「ヴァルキリノックス(VALKYRINOX)の『ファームワーカー』。スイス軍支給品にもなっているソルジャーナイフに、ノコギリが追加されてるモデルだ。

 

 ナイフとしてはちょっと短いかも知れんが……今のお前なら、十分使いこなせるはずだ」

 

 父親は(ほほ)をポリポリかきながら説明してくれた。

 

「……実は、お前を確実に怒らせるために、カタチだけ()びながらホイッと投げ渡そうと思ってたんだが……、気が変わった。

 

 普通に、お前にやる。普通にな」

 

 なんかサラっとえげつないことを言いましたねこの人……!!

 

 参った。さすが俺の父親。人の自尊心を傷つける手練手管(てれんてくだ)は一級品だぜ……!

 

 しかし……これは、嬉しい……素直に嬉しいぞ……!!

 

 うかつにも、胸が熱くなった。

 

 父親からナイフをもらう。ゲームとか本とかを買ってもらうのとは何かが違った。

 

 なんか、なんていうの。

 

 大げさかも知れないが……、男として、お前はもう一人前だと言ってもらえたような気がした。

 

 きゅっと、それを手の中に握りこむ。アルミの冷たいボディが、じょじょにぬくもりだした。

 

「ありがとう……、大事に使うぜ……!」

 

 父親の目を見て、色々な意味を込めてお礼を言った。

 

 その後、父子ふたりで屈託(くったく)なく笑った。

 

 

 

 

 最終ステージ、クリア。しかもボーナスアイテム付きだ。

 

 朝は不安だったが、どうやら俺のやり方は間違っていなかった。

 

 このマルチツールが、それを証明してくれている気がしt

 

「まぁ、俺もつられて自分用、買っちゃったんだけどな!」

 

 けっこう感動的な場面の中で父親はそう言うと、ポケットから黒いナイロンケースを取り出して、ゴトッとテーブルに置いた。

 

 

 

 

 !?

 

 

 

 

 同じ紋章の刻印された、ナイフケースだった。今もらった俺のナイフより、明らかにデカい。

 

 ニヤニヤしながら父親が俺を見ている。触ってもいいぞ、という意味らしい。

 

 ケースの面ファスナーを剥がして蓋を開け、中身を引き出す。

 

 深みのある赤い樹脂ハンドルの、ごついマルチツールが出てきた。

 

「ナニ……このスゲえの……」

 

 呆れながら驚きながら、ツールを開いていく。

 

 大振りなロック機構付きナイフ、ノコギリ、マイナスドライバー付きの栓抜きに缶切り、リーマーはもちろん、プラスドライバー、小さなバネ式のハサミ、ワイン用のスクリュー(コルク抜き)まで付いていた。

 

「『オートライダー』。ヴァルキリノックスのマルチツールの中じゃ一番大振りなカテゴリーだな。

 

 ハサミが意外と便利なんだわ。あと、ケツの部分にピンセットと爪楊枝(つまようじ)が仕込まれてる」

 

 ホントだ……ハンドルの一部に色違いの部品が付いてて、抜き出すとピンセットと爪楊枝だった。なにこれ最強じゃん。

 

「いや……ていうか、こっちの方、頂戴(ちょうだい)よ……!」

 

 ジト目で親父を(にら)んでやった。さっきの俺の感動と屈託ない笑顔を返せ。

 

 親父はニタァっと歯を見せ、クックック……と笑いながら、

 

「YA・DA・NE!! 欲しかったら、いつか自分で買いな♪」

 

 と、楽しそうに言った。

 

 O・NO・RE……!!

 

 どうやら父親の「絶対許さないリスト」首位の座は、当分ゆるぎないものになりそうだ。

 

 

 

 

 ガチャガチャと、階下で玄関の開く音がして、賑やかしい笑い声が二つ、階段を上がってきた。

 

「ただーいまー! あー楽しかったー!!」

 

 すっかりご機嫌の治った母親が、買い物袋を両手いっぱいに下げてリビングに現れた。

 

「ただいまー!! 服買ってもらってすっごいおしゃれなカフェで女子会してきたー!!」

 

 テンションMAXな小町が続いて顔を出す。

 

「おいしかったよねー! また二人で行こうねー!!」

 

「ねー!!」

 

 きゃいきゃいと仲良く騒ぐ比企谷家の女子ふたり。

 

 「「俺達は……?」」

 

 男子ふたりの問いかけがキレイにハモった。小町が爆笑する。

 

 「お、仲直りしたみたいだねー、比企谷家腐れ目コンビ!」

 

 母親がいたずらっぽく笑ってからかってきた。

 

 俺と父親は一瞬顔を見合わせて、母親に猛抗議した。

 

「「いっしょにすんな!」」

 

 ハモんじゃねえ親父!!!

 

 

 

 

 母親と小町の爆笑がしばらくの間、リビングを満たした。

 




この話を書くにあたって調べ直したんですが、比企谷家っていわゆる「2階リビング」の家なんですね…… (原作第5巻第17刷 18ページ、また第9巻第6刷 99ページなど参照)。

SS内でそこを意識せずに書いてた部分があるかもな……こっそりと修正しときます。

ちなみに今回、比企谷母娘が女子会に使用したカフェは、原作にて、後に八幡といろはがデートの時に行くことになる所です。実在していて、千葉中央駅のすぐそば、千葉市内ではかなり有名らしいです。

今日(この話の投稿日)、久しぶりにサイゼリヤに行って、ミラノ風ドリアのプチフォッカセットを食べてきました。

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