もし実は見当違いでも「イェ―イ違いますぅ残―念―www」とか言わないでね…!判明次第すぐ修正します。ご指摘いただけるとありがたいです。
①原作者の渡航先生のツイッターによると、八幡は花見川区在住のようである。
(2015/5/22 01:56:30)
②家から海浜幕張駅まで、バスだと15分ほどの圏内(今は値上がりしてる?)(わんにゃんショーに行くくだりや平塚先生とのラーメンデートのくだりから)
③家から総武高校(モデル:稲毛高校)までは自転車通学できる…自転車で30〜40分、一般的なママチャリの時速を15〜18kmとすると、高校から約7〜8キロ圏内(私も高校まで8キロちょいを自転車通学していたので、そんなもんかなと思う)
④川崎沙希の深夜バイトの件が解決した後、小町と自転車二人乗りで帰っていることから、海浜幕張駅近辺からはそう遠くない範囲と思われる(3〜4キロ程度?)
⑤平塚先生との夜の美浜大橋ドライブのくだりで、先生は「寄り道するぞ」と発言していることから、総武高校→美浜大橋方面は、八幡の家路と方角的にはそれほど外れていない
…以上から、都合の良さそうな場所としては、総武本線の「幕張駅」周辺、と推測してみました。
コンコン、ガチャッ
「
ここまでの間、約4秒。
俺はベッドに寝転んで読んでいた雑誌を思わず隠そうとして、その姿をバッチリ見られてしまった。
父親に。
「い、い、いきなりドア開けるなよ!!」
ノック後に相手の返答を聞いてからドア開けてくれよ…親父…!!
一歩間違えれば大惨事(俺が)だろうがよ…!!
父親は俺の様子を見て、片眉を上げると、…ほほん、と一言つぶやいて、部屋にそっと入ってきた。
「あー、その、何だ、悪かった。お父さんが不注意だった。しかし大丈夫、男同士だ。俺も通ってきた道よ…なにも恥ずかしがる必要はない。…だから俺にもちょっと見せろ。」
うんうんと深く理解を示すように
くそっ、ムカつく。
「え、エロ本じゃねえよ!つかエロ本だったとして、息子が持ってるのとか見たいですかお父さん!?」
「父親としては子供の発育というか、
目がアレってなんですか!ひどくない!?俺の嗜好がおかしいとしたら原因は一つだ。あんたに似たせいだよ親父様!!
実際、俺の目の腐れ具合は父親に似てると思う。顔つきもたぶん、俺があと20〜
30年、歳を食ったらこういう風になるんだろうなという感じだ。
とりあえず髪は大丈夫なようでホッとする。白髪は結構出そうだな。
背格好も、俺が中学で伸びだしてから、急に近くなった。父親の方が俺より猫背だけど。
声も最近似てきたって言われるけど、…俺こんな感じの声なの…?自分で把握してる自分の声と違いすぎて、軽く死にたくなるんですけど…。
そんな未来の自分が思いっきりニヤニヤ笑いながら、俺のベッドに腰掛け、ホレホレと手招きするように雑誌を渡せとアピールした。
「…見せてくれなきゃ、お前が部屋でエロ本読んでたって小町に言いつけるぞ?」
「」
ワーオ最悪だこの父親!娘に言いつけるってなかなかその発想は出ないと思うよ!?
俺はまだ少しためらったが、この毒父が小町に何を吹き込むか分かったもんじゃなかったので、おとなしく読んでいた雑誌を渡した。
「…最新ギアカタログ?」
読んでいたのは、某登山雑誌の特集号で、まるまる一冊、最新の登山道具、キャンプ道具の紹介をしているものだった。
ソロキャンプの研究をするなら、荷物をコンパクトにすることが前提の登山に関する雑誌が参考になるかなと思い、いくつか読んだ中で、比較的初心者向きで、道具の紹介記事の多めだったやつを買ったのだ。
他の雑誌では、「○○ルートを
「…お前、登山に興味あるのか?」
「や…登山っつうか、キャンプ?っつうか…。アレだ、こないだ地震あって、防災道具とかチェックしてた時に、キャンプの道具とか知識とかもあったら、役に立つよなぁと思って調べてて…。」
なんだこれ、健全な話のはずなのに親に説明するのってなんか恥ずかしいぞ…?
「…そういや買い置いてたやつをいろいろいじってたようだったな。そういうことか。」
父親は、ふーん、という顔で、俺が渡した雑誌をパラパラとめくっていた。
「…キャンプ、興味あるのか?」
テントの紹介ページを読みながら、父親は更に
「まぁ、…なんか調べてたら、面白そうだなぁと。ソロキャンプってのも、結構その、人気があるみたいだし。」
口をもにょもにょさせながら、俺はなんとかかんとか回答した。我ながらキモい顔だろうな…今。
『なーにがソロキャンプだ誰も一緒に行く相手いないだけだろカッコつけんな俺には分かる』とかゲラゲラ笑われるかと思ったが、父親は雑誌から目を上げないまま、
「そうか…。」
と、ボソリと返してきただけだった。
…お?
なにこの感じ?
「エロ本じゃないのか…。」
おい。
「道具とかは?」
父親はそう聞きながら、ぱたりと雑誌を閉じ、俺に返した。
え、何この感じ?理解してくれちゃった風?ちょっとなんか、意外。
「…あー、まぁ、別にまだ本格的にやろう、ってわけじゃないけど、防災道具も兼ねて、ガスストーブ…ちっちゃいコンロみたいなのと、あとキャンプ用の鍋のセット…は一個ずつ。」
父親が見たがったので、俺は自分のガスストーブとクッカーをベッドの下から引っ張りだして、ベッドの上に広げた。
「…ふーん…。」
親父は片手鍋を持って、あおるような仕草をしていた。
「…そっか。なるほど。」
なにが『なるほど』なんだよ…気になるよ…。
父親は少し考えるように、しばらく黙りこむと、そっとベッドから腰を上げ、部屋から出て行こうとした。
その前に、
「あ、ボールペン貸してくれ。」
と、俺の机から一本持って行った。
別にいいけどよ…相手の返答を待ってから持って行きなさいよ…!
×××
翌朝。日曜日。
俺はひとしきりニチアサ(日曜朝の時間帯のテレビ番組)を堪能した後、ジト目の小町と共に朝食を食っていた。
母親は休日出勤らしく、あわただしく出かけていった。…ほんとお疲れ様。
「あれ、父さんは?」
テーブルには親父の皿はなかった。
「なんか出かけてくるって。仕事じゃないみたいだけど。昼過ぎには帰るって。」
「あっそう。」
特に気にもせず、トーストにマーガリンを塗っていた…のだが。
小町のジト目がなおも続いている。俺をじっと見ている。
…なんか気まずいんですけど。
「…何だよ?」
高校生がプリ●ュア観たっていいじゃないかよ。
「お父さんが、お兄ちゃんゆうべ、ひとり遊びしたくてなんかそういう写真いっぱい載ってる雑誌読んでたって。」
飲んでないのに鼻から牛乳出そうになった。
親父─────────!!!!?
「男の人がそういうふうなのは分かるけど…隣の部屋でそういうのされるのって…やっぱキモい。」
ほら───こういうことになる───完全に誤解されてる─────!!
クソ親父め…!微妙な言い方だが間違ってはいないところがまた汚ぇ…!
「…まぁ、そういうコトを娘に告げ口してくる父親もどうかと思うけど…。」
ぶっ。バカ親父め。墓穴を掘ってやがる。
「…小町…そう言う親父はゆうべ、自分にも見せろって強要してきたぞ…?」
ムカついてたのでさらに穴を深めてやった。
「ゴミ…。」
女子とは思えないドスの効いた静かな罵倒が胃に響いてくる。小町の視線が痛い。
完全に犠牲。俺が。
俺はその後、その雑誌を小町に見せながら弁解してやっと誤解が解けるまでに、午前中を費やす羽目になった。
…おかげで、俺がソロキャンプに興味を持ってることが小町にバレてしまった。
比企谷家の父親、登場させました。
ほぼオリジナルキャラみたいなもんです。
もし今後、原作方面で真の父親(どういう言い方よ)が登場したら、そのキャラを確認しつつ修正するつもりです。
私のイメージでは、比企谷父は、「強化版八幡」と言った感じです。なにがどう強化なのかは、うまく言えませんが…八幡と会話させれば、一枚上手を行く感じで描ければな、と思っています。
あと、原作では多用されていますが、「社畜」という言葉を休日出勤の母親に対する感想に入れるかどうかについて、ちょっと真剣に悩み、このSSでは積極的には使わないことにしました。